________________


  03年の総括と04年の予測  12.28.2003



 テスト中。恒例の記事を書く時期になってしまった。さて、昨年のこの時期で、2003年のわれわれの予測を再掲すると、箇条書き方式にすれば、

2003年予測
(1)やはり京都議定書対応
(2)持続型消費の社会実現のための経済的枠組み
(3)環境税・エネルギー税
(4)PRTRの結果発表に伴う反応。これは余り大きなものにはならないと思うが。
(5)電磁波問題の方が大きく取り上げられるのではないか。
(6)マイナスイオンの生き残りの亡霊との戦いが多少残る。
(7)大型地震はどうか。
(8)やはりイラクか。生物兵器テロが本当に出るか。種痘をすべきかどうか。しかし、日本には250万人分しかない。

C先生:この1年間は、あっという間だった。しかし、まあまあ平穏だったような。

A君:昨年の予測を見ると、大体の方向性はまあまあ。しかし、持続型社会へ向けた経済的仕組みや環境税の議論は、進みが遅かった。というよりも、ほとんど進まなかった。

B君:PRTRへの反応は大体予測どおり。しかし、電磁波問題が問題にならなかったのは、予想外。それに対して、マイナスイオンが消えなかったのは、大々的に予想外。

C先生:知恵の無い企業にとっては、商売の種のない時代だ。マイナスイオンは貴重なるネタの一つなのだろう。

B君:ということは、マイナスイオンを売り物にしている企業は、知恵が無いということ。

C先生:言えそうだ。それに、少なくとも知識人が経営層に居ない企業だと言えるだろう。

A君:地震も、意識していた東海地震はまだ。他の地域での地震は有りましたが。

B君:イラク問題は、現時点のような状況を予測した訳ではなく、日本へ生物兵器によるテロが来るという予測だった。

A君:そのころは、炭疽菌が米国で騒がれていた。しかし、その後完全に消えましたね。

B君:あの話、イラク戦争に入るために誰かに仕組まれた話だ、ということは無いのだろうな。

A君:それは分からない。しかし、アラブ系のテロリスト集団とは好みが違うような気がしますね。

C先生:さて、ここに上がっていない事柄で、今年を象徴するような項目は何だろう。

A君:今年は、最後の最後に米国でBSEが発生したからという訳ではないのですが、食品の安全性の方が問題になった年のように思えます。

B君:食品衛生法が改正されて、コミュニケーションが必須になったというところも、環境との共通性が大きくなった。そして、ヒットと言うべき現象が、キンメダイ・メカジキ。まあ、大した問題が無かったという証明か。

C先生:確かに。環境ホルモン問題も終焉し、電磁波も大きな問題にならなかった。

A君:社会全体が、企業の社会的責任に厳しくなったことも有りますね。食品問題は、ほぼそのような問題なのでは。

C先生:しかし、BSEは大きな問題にはならないだろう。むしろ、食品をどこまで厳しく管理するのか、いくらやっても本質的な問題は解決しないから、「ある程度以上はやりすぎではないか」、という議論が起きるべきだ。

B君:CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)が今年のキーワードだったという人も居る。

A君:直接的には、ヨーロッパからの影響が国内問題へ、ということかもしれませんね。

B君:RoHS、WEEE、ELVといった問題か。

A君:このあたりの話は、企業によってかなり対応が違うから面白いですが。

C先生:一部の電機系企業は、日本でもRoHSをやるべきだと思っているようだ。先日、ある会議で、RoHSは欧州の先進的な取り組みであり、中国も同様の意向を示している。日本が遅れているのは実に情けない、と電機系企業の幹部が発言したのを聞いた。

A君:それは、RoHSのビジネスへのリスクが大きいから、RoHSで禁止される4種の重金属の環境リスクも大きいものだと誤解しているからでしょう。

B君:ビジネスリスクと人・環境へのリスクは全く別の議論を行うべきで、しかも、ビジネスリスクが大きいから規制が欲しいなどという発言は、企業人としてあるまじきこと。

C先生:企業の活動は、基本的に自由な方が良いに決まっている。自ら規制を求めるようになっては、まあ、終わりだな。

A君:RoHS対策としては、むしろ、PRTRの製品版のようなものを作るか、MSDSを拡充するか、いずれにしても、情報の伝達を義務化することが重要で、規制的手法が良いとは思えません。


C先生:こんなところで、来年の予測に行こう。

A君:まず絶対的なものとして、京都議定書の発効でしょうね。ロシアが鍵を握っているのですが。

B君:ロシアに有利な状況には無いが、プーチン大統領も選挙に勝てたようだから、そろそろ批准するのではないだろうか。

A君:発効すると、いよいよ環境税となるのでしょうが、産業界が反対の大合唱。

B君:それも妙な話で、石油産業、鉄鋼業、セメント業、エネルギー産業などは、つらい状況になり、組み立て産業はプラスになりうるが、輸出品だけは問題。そこで、輸出品への適用をどうするか、といった対応を求めるべきだ。

A君:しかし、産業界は反対の大合唱。将来の日本を支えるべき産業の発言力がまだ弱い。

B君:この辺に、日本産業界の古い体質があって、これがなくならない限り、日本産業の再生は本物にはならない。

C先生:この議論がどう進むか、それが日本の未来を支配する一つの要素だ。

A君:それ以外にも法律関係だと、容器包装リサイクルの見直しがどのように進むか。

B君:大体次の落としどころは分かっている。だから、次の次の法律の枠組みに関する議論が重要だと思う。

A君:容器・包装が作られた段階での課金。使用段階での課金という考え方を変えた瞬間に、合理性が大きく改善される。

B君:その他にも、再来年施行になるが、自動車リサイクル法もある。

C先生:食品の安全関係はどうだ。まあ、そんなに大きなことは問題にならいだろう。自問自答だが。

A君:むしろ、どこかの国の作物が不作になるといった状態の方がありうるのでは。

B君:異常気象はさらにひどくなるだろうから、妥当な予測だ。

C先生:CSR関係はどうなる?

A君:CSR関係は、社会的側面と環境的側面が混同されている状況が、今後、どのような解釈になるか。といっても分からない方が居られるでしょう。現在、環境的側面といっていることは、実は、「市民の不安感」という社会的な側面に過ぎないということ。本当の意味での環境的なリスクが問題になっている訳ではない。

B君:この状況が続くと、環境負荷が大きい訳ではない物質、いわゆる魔女的な物質などが社会的責任という名のもとに葬られるという状況になる。これが改善されないと将来に問題を残すことになるのだ。

A君:CSR推進派の中には、市民の不安というものが本来対処すべきものであって、そのような対応で間違っていないという見方もありますが、これを認めてしまったら、市民が快適性を追求するためのエネルギー大量使用を認めることになってしまう。

B君:持続型社会を目標とすることを再確認しなければならない。したがって、はっきりと以下のような認識を持つべきだ。「CSRはビジネスリスクを下げるための方策であり、一方、持続型社会は人類と地球の長期安定的関係維持のためのもの」。だからレベルが違う。

C先生:個人的には、CSRは当面の目標に過ぎないという主張をしているが、まあ、それを一層明らかにする必要があるだろう。

A君:去年の例だと、災害関係が話題になっていますね。やはり地震とテロでしょうか。加えて自衛隊派遣のイラク。イラクは、やはり問題が続きそう。何も起きないということは有り得ない。

B君:地震は、東海大地震に関しては、一応、予測が可能という立場を取ってきたが、本当に予測ができて、注意報からきちんと出るのか、と問われれば、やはり一抹の不安がある。いずれにしても、いよいよ04年は本命の年か。

A君:地震以外だと、人為的なものが多すぎて予測不能ですね。要するにテロ話などですが。

B君:これは予測からはずすべきだ。自然現象以上に、分からない話だから。

C先生:それ以外に、社会全体の問題など、広い視野から議論が必要だろう。

A君:昨日の新聞に、道路交通法が改正されて取り締まりが厳しくなるという話がでていましたが。

B君:道路交通法の法律改正も良いが、現行のものでも、警察が違反をきっちり取り締まるという態度を示すことが重要だ。例えば、自転車の右側通行。

A君:それに駐車違反にしても、回りへの迷惑を考えた罰金制の導入をすべきだ。周囲に迷惑を掛けているから違反なんだという、基本的な理解をやり直して、(基本罰金×迷惑度)で罰金総額を決める。

C先生:自転車は、交通ルールの基礎のようなものだ。道路の右側を平然と走ってくる自転車と、左側を走っている自転車が正面衝突しそうになっても、右側を走るのが規則違反だと思わない人が多い。このあたりのルールを徹底し、軽犯罪をきっちりと取り締まるという社会にならないと、日本の倫理の崩壊が止まらない。なんでも自動車が悪いという時代は、終わりにしないと。細かいことをしっかりとやることが、日本全体の犯罪率の低下につながるだろう。

A君:社会全体ということだと、その小さな無法をどうするか、というとも関連するのですが、個人個人がわがままになったことをどうするか。

C先生:最大の原因は、どうも子供の教育に失敗したことのような気がする。一義的責任は、昭和20年〜45年生まれの大人達が親としての責任を十分に果たさなかったことにある。日本では社会全体の成長が早かったために、最適な教育とは何か、何も分からないうちに年月が経過してしまった。被害者はいずれにしても、子供だろうか。

A君:結論として、現在の課題は、「我侭と小さな無法にどう対処するか」。これが、企業における火災事故などの増大につながっているようですね。

B君:しかし、どう見ても、これだけが社会の問題点ではない。無能なサラリーマン社長が増えて、自分の任期内という短期的な視野の人間が増えたことが、社会全体の不幸を作り出している。

A君:アメリカ式経済にカブレた経営者達。

B君:「技術など買えばよいのさ、人をリストラすれば儲かるさ」

C先生:その手の経営者が多かったのだが、どうやら、多少苦い経験をし始めているらしい。来年あたり、もっと苦い思いをしないと駄目だろう。

A君:どうみても、環境よりも性質が悪く、しかも命に直接影響を与える問題が多いですね。経済問題は中高年の自殺という形ですが。

B君:とはいえ、資源・エネルギーの過剰消費のような問題は、実は、相当に性質が悪い。最近、年末になるとルミナリエや渋谷の並木のライトアップがキレイ。しかし、これも2007年までだろう。

C先生:2008年の京都議定書の第一約束期間の前までに、何ができるのか、そのために、2004年に何をやるのか、こんな視点が、本来の意味ではもっとも重要。しかし、それ以外の細かいことをキッチリ詰めないと、グズグズと崩れる日本になりそうだ。

A君:世界的にみると、やはり社会的問題が大きいですね。貧困克服の問題とか。

B君:世界全体としてみると、実は、ブッシュが再選されるかどうか、これが大きな影響を与える。

C先生:これが予測しがたい。6:4ぐらいで再選されるような気がする。

2004年予測
(1)京都議定書の発効。
(2)しかし、環境税議論が進展せず。このあたり、ブッシュ再選かどうかの影響が大きい。
(3)他のリサイクル法は、順調に進展。容器包装リサイクル法は、事業者負担が増える方向。
(4)食糧の安全・安心は、コミュニケーションはそこそこになって、世界での不作対応が問題に。
(5)CSR論が一般的に、しかし、CSRでは環境は改善されない。
(6)地震・テロは危ないが、特にテロは予測不能。
(7)イラクは解決が困難なままに1年経過する。
(8)「我侭と小さな無法」の問題、放置されたまま。企業における大型事故が続く。
(9)アメリカ型経営者が困難に直面。日本型経営が利益を生む。