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   2R推進のカギは?
    09.07.2013  
          リユースびんがその象徴




 リデュース、リユース、リサイクル、いわゆる3Rは、日本という国が目指す循環型社会のキーワードである。これまで何が行われたのか、と言えば、それはリサイクルの1Rにほぼ限られていた。続いてゴミの排出量を削減する、というよりも、ゴミになるものの重量を削減するリデュースも行われた。しかし、いまだ充分ではない。最後に残っているのがリユースである。このリユースこそ、日本社会を変えるキーワードなのだが、まだまだ一般的な理解は乏しい。

 本日の目的は、リユースをいかにして進めるか。さらに、リデュースの可能性はどこにあるのか。この2点である。



C先生:3Rのうちリサイクルだけが先行し、他の2Rが充分ではないということは、循環型社会を考えている人にとって常識だろう。さて、どうしたら2Rを推進することができるのか。その議論は、余りやったことがない。難しいことが分かっているからだ。しかし、敢えて、今回、それにチャレンジしたい。

A君:それでは、まずは、最近の大枠がどうなっているかから。
 まず、2012年4月の第四次環境基本計画に、2Rの推進が書かれました。→付録A
http://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/plan/plan_4/attach/ca_app.pdf

 次に、第三次循環型社会推進基本計画が平成25年5月31日に閣議決定されました。 →付録B
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=21861&hou_id=16529

B君:この2つの基本計画は、実はかなりの大物で、国全体の環境と循環型社会に関する今後5年間の進むべき方向が記述されている。中央環境審議会で、点検というものが行われて、本当に進行しているかどうか、が公表される。

A君:閣議決定されているので、環境省だけでなくて、他の省庁も縛るもの。

B君:まあその通りなのだけれど、だからといって、全部が全部、絶対に実現するというものでもない。やはり、理念的に正しくても、現実問題として難しいものは難しい。

C先生:環境基本計画の記述では、2Rが有効に作用するようになるには、4つのことが重要だということになっているが、実行可能かどうかについては、どう思う。
(1)消費者のライフスタイルの変革、
(2)容器包装の軽量化、
(3)リターナブル容器の利用、
(4)長期間使用することのできる製品の開発


A君:まずは、(1)消費者のライフスタイルの変革ですが、具体的に何をやるべきか、となると、利便性を若干損なっても、(2)、(3)、(4)のような商品を買うか、ということになるでしょう。
 (2)の容器の軽量化ですが、これは、消費者が買うことがすでに証明されている。ペットボトルにしても、最軽量競争が続いていることからも分かります。
 現時点だと、サントリーが最軽量ですか。その軽量化の進展が次の図に示す通りです。これまでの最軽量PETボトルは、コカコーラのいろはすで、12g(2009年5月18日発売)だった。


図 サントリー天然水用のPETボトルの軽量化推移

B君:PETボトルの環境競争は、過去も激烈だったが、現時点でもまだ進んでいる。最近は軽量化だけでなくて、PETの原材料のエチレングリコールをさとうきびからのバイオエタノールを原料にしてい作ったものが多くなりつつある。これが本当に環境面でも良いのか、と言われると、全面的に良いというのはいささか度胸がいるが、少なくとも、他の植物起源のプラスチックとは違って、成分としては以前からのPETボトルと同じなので、リサイクルを妨害するようなことはない、とは言える。

A君:問題は、(3)のリターナブルボトルに入った飲料を買うか。そして、使用後に店に戻すのか。

B君:大体、リターナブルボトルという名称が良くない。Returnは「帰る」、ableは「できる」なので、「元に戻ることができる」意味。元に戻らなくても、環境負荷が低いような誤解を与えている。

A君:だから、リユースびんという言葉を使うべき。リユースされたびんを使った飲料を買うか。

B君:となると、途端にかなり難しくなる。その理由は、消費者の潔癖性、メーカーの責任意識の2点。ビールびんはリユースされていることに慣れているが、そうでない飲料だと、慣れていない。慣れていないことに対する抵抗感が大きいのが日本人の一つの特性。

A君:リユースされたびんには、細かい傷が付いている可能性があって、強度が若干落ちる可能性がある。もしもガラスびんが割れたとき、消費者からのクレームが怖い製造者は、新しいびんを使いたがる。

B君:最近、消費者は王様だから、と何かあるとクレームを付ける消費者が増えている。実際増えているかどうかの確証はないけれど、企業のお客様対応の担当者に聞けば、クレーマーと呼ばれるような消費者は増えているという感触のようだ。

A君:事業者としても、何か起きれば対応が面倒なので、どうしても確実な方法を採用したくなる。すなわち、新びんを好むことになる。

B君:ガラスびんをリユースすると環境負荷が下がるが、あまり広い範囲でガラスびんを集めようとすると、これまた輸送のための環境負荷の増大と、人件費がかさむということもある。メーカーとしては、むしろ新びんを安く使いたいという気持ちが強くなる。

A君:人件費の問題は確かにある。なぜならば、途上国では、相変わらずガラスびんが飲料として使われていて、リユースされている。

C先生:インドのコカ・コーラ、ミヤンマーのジュースなど、リユースされるガラスびんに入っているものに出会った。その理由は、ガラスや樹脂などの材料費は世界的にそれほど変わらないが、回収や洗浄などに関わる人件費の差にあるのではないか、と推測できる。ということは、先進国では、本質的に、リユースが難しいということを意味するようだ。


写真:インドのコカ・コーラ 容量は250mLだったかも



写真:ミヤンマーのジュースびん 着色料もすごい

A君:それだけでもなくて、使用済みのガラスびんは置き場が必要になります。家庭で、かさばるびんを置く場所がないという状況が普通なのではないですか。

B君:現代社会のライフスタイルにはやはり合わないところが多いということだろう。

A君:となると、居酒屋などの業務用には、リユースびんを使ってもらうというのが良いのですが、現時点のやり方だと、居酒屋などに飲料を納入している事業者が、すべて回収するという契約になっていて、居酒屋としては、そのびんがリユースされるか、単にリサイクルに回されるかは無関心。そもそも、環境などはどうでもよいというのが、多くの居酒屋なので、普及する動機がない。

B君:ワタミの日本酒は、少なくとも関東地方では、リユースびんであった。現時点でどうなっているのかは、エコ・ファースト企業としての更新の宣言
http://www.watami.co.jp/eco/kankyo/pdf/201203eco1st.pdf
を見る限り、2012年度に関東、甲信越、東北地域の全店舗でリユースを実施することになっている。

A君:他の居酒屋チェーンなどでも、同様な取り組みをしてくれると良いのだが、そのような動きは無さそうだ。

B君:それでは、最後の(4)長期間使用することのできる製品は。

A君:どうも日本という国は、世界的にみても製品の寿命が短い国にように思えますね。飽きやすい国民性というか、新しもの好きというか。

B君:米国に行くと、ケチャップはかならずハインツのガラス瓶入りのもので、結構流動性が悪くて、また、口が狭いので、逆さにしてもなかなか出てこないものが使われていた。現時点でもそうなのかは未確認だが、多分、まだそうなのではないだろうか。

A君:それでなくても、米国あたりだと定番商品というものはいつまでたっても入手可能。日本だと、次々と新しいものにモデルチェンジをしないと売れない。

C先生:つまらない個人版定番の話だけど、我が家の車はいくら汚れたも、決して水道水を用いた洗車をしない(ガソリンスタンドを含めての話)。夏には水不足が心配だし、冬は寒いから。そのときに、非常に便利なものが、Soft99の「汚れ泥棒」というシリコン処理したモップ。ところが、これがどうも製造中止になりそうな感触。売れないからなのだろう。

A君:定番商品の寿命が短い国であることは、恐らくその通りなのでしょう。それだけに変化することが決まれば、良い方向に行く可能性も高い。

B君:いや、良い方向というのが難しい。それは、消費者のニーズに合わせるといって勝手な商品開発を行う事業者が多いから。ゴミが大量にでるような商品を平気で作って平気で売る近江付近の有名な和菓子屋とか。

A君:最近、ゴミの有料化も遠のいていますね。東京の場合、最終処分地が危機的な状況な多摩地域はほとんどが有料化された。しかし、23区は、選挙民に文句を言われることを区議達が怖がって、ゴミの減量のようなことに手を付けようとしない。

B君:ゴミが有料化されれば、ゴミが大量に発生する商品は敬遠されるはず。しかし、実際には、その他プラスチックの回収を行っている地域では、資源ごみは有料ではない。

A君:例えば日野市の場合、可燃ごみと不燃ごみはゴミなので、指定収集袋に入れる必要がある。いずれも10枚の価格で、ミニ袋5Lが100円、大袋の40リットルが800円。プラスチックで資源回収をしているものは、ペットボトルとトレー類のみ。その他プラスチック類と呼ばれるものは不燃ごみとして収集している。

B君:こういう地域の住民が、ゴミの減量に配慮していない商品については、文句を言うべきだと思う。

A君:しかし、買わなければよいと言われるだけでは。

B君:贈答品として貰うと困ると文句を言うべき、と変更する。

A君:説得力が低下したように思うけど。

C先生:それはそれとして、最終処分地の不足が循環型社会構築のための最大の目的であったのが、これも循環型基本計画からだが、次の図のように、大幅に減少した。まだまだ改良の余地はあるけれど、第一の目的は達成した。


図 最終処分量の推移

A君:それならなぜ、まだ循環型基本計画が続いているのか、と言えば、それは、資源の枯渇を考えてのものとも言えますが、むしろ、気候変動とそれに伴う生物多様性への悪影響と合わせた三本柱として認識されているということが理由ではないか、と考えられますね。

B君:となると、その他プラスチックなどのゴミは、焼却すれば問題はないとも言えない。できるだけ使わないか、高効率での発電用燃料などとして燃やすか分解するのがベストということになる。

C先生:これまでの考察だと、どうも放置しておくと2Rを重視した動きにはなりにくい、と言えるのではないか。

A君:その通りで、やはり国が主導的になんらかのアクションを取るようなことにならないと難しいのではないですか。

B君:国の主導といえば、消費者としての国の購買行動を示すグリーン購入法

A君:最近、グリーン購入法にも2Rに関する記述が入ったとか。

C先生:これが基本方針だ。
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/archive/bp/h25bp.pdf
 この文書には、リユースという言葉が22回、再使用という言葉が172回も使われている。

A君:しかし、世間一般での2Rというよりも、事業者が行う部品レベルでのリユースや再使用が多いという感触ですね。

B君:例外が無い訳ではない。役務の20−3に食堂という記述があるが、その配慮事項に、D再使用のために容器包装の返却・回収が行われていること、という記述が入った。
A君:役務の20−10の小売業務の配慮事項にも、「庁舎内の店舗において取り扱う商品については、再使用のために容器包装の返却・回収が可能なものであること、又は簡易包装等により容器包装の使用量を削減したものであること」、 という記述が入って、リデュース・リユースに対して配慮をするように述べている。

B君:しかし、だからといって、リユースびんを使わなければならないということにはなっていない。

C先生:今後もリユースやリデュースをもっと盛り込むべく努力することが必要だろう。グリーン購入法は、国や独立行政法人については、義務だが、地方自治体についても努力義務なのだ。リユースびんについては、地域での循環が重要なので、地方自治体が努力して、環境負荷の低い地域産物が売れることが極めて重要だと思う。

A君:昨年の11月から、『と、わ(ToWa)』というリユースびんに入った大和茶が売り出された。これを生駒市がバックアップをしているとか。

B君:このような動きが、様々なところで活発になることによって、基本計画の目標が達成されることになる。

A君:リユースが可能なガラスびんには、現在、Rびんと呼ばれるマークが付いているのですが、この規格をもっとしっかりと作ることが必要です。なぜならば、どのようなことまで配慮してこのマークが付いているのか、という詳細の公開が不十分だからです。

B君:事業者が安心して使え、消費者もそのマークが信頼できる、という状況がないと、リスクゼロを求める事業者・消費者の両方から支持を得ることができない。

A君:しかも、Rびんがびん業界の統一規格ではなくて、ある事業者が勝手にこのマークを付けて、しかも独占的に事業を推進しているという形もあって、マークが公共物であるという仕組みになっていない。

B君:現在、歪んでいるこの仕組みを全面的に見直して、信頼される新しいマークを作る取り組みを始めることが不可欠なのではないか。それには、これまでの実績や独自の仕組みなどを公開して、公共性を高めないと。

C先生:日本酒の4合びんでリターナブルびんがあるのだが、その出荷量は増えているようだ。しかし、リユース率はどうも27%に過ぎないようだが、このびんを推進している団体からは、この実態を将来どうすべきと考えているのか、見解が発表されていない。それは、この団体の環境面に関する知識レベルの問題で、リターナブルびんを売れば、それで環境負荷が下がったと言えると主張しているとしか考えられない。その上、酒蔵などもその意見を受け入れていることから起きていることだろう。さらに、新潟県は優良リサイクル事業所として酒蔵を表彰している。県もリユースをやれば、回収率が何%でも、環境負荷が下がったという判断なのだろうか。
 リターナブルびんは一般に多少肉厚に作るので、もし回収されないリターナブルびんがあれば、それは、かえって環境負荷を高めているということになる。回収率は、80%程度は欲しいのだ。このあたりの正しい情報の普及をもっと強めない限り、正しいリユースは広まらない。



付録A:第四次環境基本計画の2Rのポイント

 「1人1日当たりのごみ排出量など目標を達成した指標もあるが、再使用可能な容器の購入、再生原料で作られた製品の購入などは10%台の実施率にとどまるなどライフスタイルの変革に向けた具体的な3R行動については不十分な取組もある。」

 詳細は、第1章第6節の3.(3)B参照

B2Rを重視したライフスタイルの変革
A.リサイクルより優先順位の高い2R(リデュース(発生抑制)・リユース(再使用))の取組がより進む社会システムの構築を目指す。
 このため、以下の取組を実施する。
a.国民・事業者が行うべき具体的な2Rの取組を制度的に位置付けることを検討する。
b.リサイクルも含めて、個々の消費者・事業者が実際に取り組むことができる3R行動とその効果を分かりやすくまとめ、きめ細やかに情報提供する(3R行動効果の見える化)
c.リユース品が広く活用されるとともに、リユースに係るビジネスの市場につながるような環境を整備する。
 この際、持続的に消費者の行動を促すことができるよう、地域における消費者、事業者、NPO、地方公共団体等の各主体間の連携等のあり方について検討する。
B.2Rの取組を進めるためには、川下の消費者のライフスタイルの変革に加えて、容器包装の軽量化、リターナブル容器の利用、長期間使用することのできる製品の開発等の川上の事業者の積極的取組が必要となる。このため、これらの取組を行っている事業者が社会的に評価される仕組みづくり等を進める。



付録B:第三次循環型社会形成推進基本計画の2Rのポイント

 最終処分量の削減など、これまで進展した廃棄物の量に着目した施策に加え、循環の質にも着目し、

リサイクルに比べ取組が遅れているリデュース・リユースの取組強化
有用金属の回収
安心・安全の取組強化
3R国際協力の推進

循環基本法における優先順位がリサイクルよりも高い2R(リデュース・リユース)(注6)の取組が遅れている

(注6)2R(リデュース・リユース)
3R(リデュース、リユース、リサイクル)のうち、リサイクルに比べて優先順位が高いものの取組が遅れているリデュース、リユースを特に抜き出して「2R」としてまとめて呼称しているもの。
リデュースは、廃棄物等の発生自体を抑制すること。廃棄物等は、いったん発生してしまえば、資源として循環的な利用を行う場合であっても少なからず環境への負荷を生じさせる。このため、廃棄物等の処理に由来する環境負荷を低減させるためには、これを発生させないことが最も効果的となる。
リユースは、いったん使用された製品、部品、容器等を再び使用すること。形状を維持したまま使用することから、リサイクルに比べ、一般的に資源の滅失が少なく、また、その過程から発生する廃棄物等の量も少ない。

第1章 現状と課題(p8から長い記述がある。)

第2節 取り組むべき課題
前節でみた循環型社会形成をめぐる現状を踏まえ、環境と経済が好循環する持続可能な循環型社会を形成するために、今後取り組むべき主な課題は以下のとおりである。
(1)2Rの取組がより進む社会経済システムの構築
 天然資源の消費を抑制し、環境への負荷をできる限り低減していくためには、リサイクルに先立って、2R(リデュース、リユース)を可能な限り推進することが基本とされなければならない。
このため、製品の製造段階を含めて、生活やビジネスなど社会経済のあらゆる場面において、2Rの取組を推進する余地がないか改めて検討し、可能な限り2Rを社会システムに組み込んでいくことが求められる。
そのような取組の一環として、家庭ごみの1人1日当たりの排出量を削減すべく、容器包装の削減やリターナブルびんの使用などに加え、生活全体においてリデュース、リユースを推し進めていく必要がある。
食品関連事業者や消費者が一体となって取り組むべき課題として食品ロスへの対応が挙げられ、本来食べられるにもかかわらず、年間約500〜800 万トンが捨てられていると推計されている。食品ロスの削減に向けては、食品リサイクル法に基づく「食品廃棄物等の発生抑制の目標値」の設定を契機に、過剰生産、返品等の原因となる商習慣について関係事業者間で話し合いを行うとともに、食育等の活用や賞味期限等に対する正しい理解など消費者教育等を通じて消費者の発生抑制に向けた意識改革を促していくことで、家庭での取組も含めフードチェーン全体で食品廃棄物等の発生抑制を進めていく必要がある。
また、生活用品を中心に国民の間にもリユース品を積極的に生活に取り入れていこうという動きが広がっていることを踏まえ、健全なリユース市場を構築し、拡大していくことが課題である。さらに、このような2Rの動きを促進するには、2Rを始めとする3Rの取組効果や循環利用された循環資源の行方を消費者が明確に把握できるようにして、ライフスタイルの変革を後押しする必要がある。
事業者においても、長寿命化や省資源化など、2Rを目標とした製品づくりやサービスの提供が求められる。
さらに、平成23 年の法改正によって環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律(平成15 年法律第130 号。以下「環境教育等促進法」という。)の中に、環境保全活動の主たる目的として「循環型社会の形成」が明示されたことなどを受け、学校・地域における循環型社会の形成に向けた環境保全活動等の更なる推進を図っていく必要がある。

p15から

第2章 循環型社会形成に向けた取組の中長期的な方向性
第2節 3R型ライフスタイルと地域循環圏の構築
 20 世紀後半に形成された大量生産・大量消費型かつワンウェイ型のライフスタイルから、循環を基調とした生活の豊かさと環境の保全を両立させたライフスタイルに転換し、低炭素社会や自然共生社会とも統合された持続可能な社会の形成を目指す。
 この社会では、「足るを知る」意識が浸透し、リデュースが進み、リユース製品が定着するようになる。例えば、不必要な容器包装はなくなり、詰替用製品や再生品、食品ロス削減のために量を調節できるメニューやフードバンク活動(注15)が普及し、家庭においても食べ残しの減少、エコ・クッキング(注16)などの調理の工夫、生ごみの肥料化や分別などの取組が進む。生活用品や衣類をはじめとしたあらゆる物が健全なリユース市場を通じて、次なる所有者に引き継がれてゆく。リユース商品は、人手と時代を経たことが新しい価値を生み、リユースできない衣服な
ども仕立て直され、新たな役割を与えられる。住まいは、長期にわたって使用可能な質の高い住宅が設計され、世代を越えて活用される。また、建築物をリフォームするなどして古い住宅や、空き家も大事に使用される。新しい商品の購入・所有にこだわらないリースやレンタル、長期間使用していくための修理や維持管理などへの需要も高まる。カーシェアリング(注17)やハウスシェアなど、モノの「共有」が所有形態の一つとして定着し、共有を通じた人と人とのつながりにも新たな価値観が見出される。さらに、買い物や食事の宅配サービス時に通い箱(使い捨てでな
い配送箱)の使用や食器・容器包装のリユースがしっかりと行われるなど、高齢化社会・単身世帯化に対応した3R活動が営まれる。
 地域で循環可能な資源はなるべく地域で循環させ、地域での循環が困難なものについては循環の環を広域化させていくという考え方に基づく「地域循環圏」が重層的に形成されるようになる。
 農山漁村においては、未利用間伐材、家畜排せつ物、分別収集された生ごみなど、各地域のバイオマス系循環資源が飼肥料やエネルギー等に利用され、これらを利用して生産された農畜水産物等が地域内で消費される地産地消の循環が形成されるとともに、自立・分散型エネルギーによる地域づくりが進む。さらに、コミュニティビジネスとして各地域の循環資源を活かした物品の製造やサービスの提供が盛んになる。
 大都市では、徹底した資源回収や、再資源化できないものの焼却処理・熱回収が効率的に行われる。また、下水汚泥や生ごみ等のバイオマス系循環資源はエネルギー等に有効利用される。
 小型電子機器等の循環資源が広域的に収集・再資源化され、環境保全を確保した上で、規模の経済とエコタウン等のリサイクル産業集積地内での相互連携により効率的な資源循環が進む。
 これらのことを通じ、21 世紀初頭に比べ、一人当たりの天然資源消費量は大幅に減少する。

第3章 循環型社会形成のための指標及び数値目標
第2節 取組指標
(5)2Rの取組状況(p31)
以上の指標に加え、国民のリデュース・リユースに対する取組状況を計測
するため、@レジ袋辞退率(マイバッグ持参率)、A詰替・付替製品の出荷率、
Bびんのリユース率、Cリユース・シェアリング市場規模の推移をモニターす
る。

第5章 国の取組
第2節 国内における取組
5 循環産業の育成
(1)廃棄物等の有効活用を図る優良事業者の育成(p52)
B リユース市場の拡大に向けて、優良なリユース事業者の育成とリユース品の
品質の確保に向けた取組を促進する。
C 循環資源を用いた再生品等の品質や安全性を高めていくとともに、そのブランド化等により競争力強化を図る。
また、リユース製品やリサイクル製品等の品質・安全性・環境負荷低減効果についてわかりやすく提供・表示する、エコマーク等の環境ラベリング等の取組を促進する。
D 国自らが率先して、グリーン購入・グリーン契約に取り組み、リデュース・リユース製品にも重点を置いて3R製品等を調達するとともに、環境に配慮し
たサービスや再生可能エネルギー等を積極的に利用する。