________________


  BSE全頭検査への見解・意見 07.18.2004



 このページは、Webを検索してBSE関連の様々な意見を集め、論評をしたものである。本来であれば、URLのみを記載し、直接引用すべきではないのだが、Webは不安定で消えてしまう。そこで、直接引用をしている。もしも問題だと思われるWeb運用責任者の方は、ご連絡下さい。早速消去しますので。


その1:
http://www.mainichi-msn.co.jp/column/hassinbako/archive/news/2004/06/20040613ddm002070171000c.html
毎日新聞 2004年6月13日 東京朝刊
100グラム1.2円=瀬川至朗

 「1頭11億円」。といっても名馬の購入費用ではない。
 日本では、これまでBSE(牛海綿状脳症)感染牛が11頭見つかった。うち9頭は、食用に出回るすべての牛を調べる全頭検査で判明した。そのために国が投じた費用(01年10月の導入から今年3月までの検査キット代など)は約99億円に上る。BSE感染牛1頭の発見に11億円かかった勘定になるわけだ。
 これ以外にも検査を担当する都道府県の費用負担もある。「費用がかかりすぎる」というのが、全頭検査を見直せという根拠の一つである。
 しかし本当に割に合わないのか。厚生労働省によると、今年3月までの検査牛は約302万頭。牛1頭当たりの検査費用は01年度4089円、02年度3552円で、検査単価は下がっている。
 牛肉100グラム当たりでみてみよう。農水省畜産部食肉鶏卵課によると、和牛の平均体重は685キロ。そこから内臓や骨などを取り除いた食肉部分は306キロになる。02年度の1頭の検査費用は3552円なので、牛肉100グラム当たりでは約1・2円となる。
 100グラム当たり1・2円の検査費用が高いか、安いか。私は「安全・安心料」としてはかなり安いと思う。国民1人当たりで計算しても、全頭検査に対する負担額は年35円にすぎない。
 費用の面から全頭検査をやめようというのは筋が違うのではないか。今の検査精度に限界があり、検査の「すり抜け」が出るようなら、より感度の高い検査方法を導入してほしい。その検査法がもっと高価だとしても、まだ負担できる余裕がある。(科学環境部)


C先生:瀬川記者の意見は、恐らく、日本人の平均的な意見だと思われる。全数検査が安全を保証していると誤解している。安全を保証しているのは、むしろ、危険部位の除去であり、検査のみでは見落としが起きることは、専門家の間では常識。特に、若い牛の場合には、検査の意味が無いことが合意されている。すなわち、いくら検査しても、リスクはゼロにはならない。検査費用の絶対値が高いということではなく、検査をしても無駄な牛まで検査している。これを止めようというのが一つの考え方である。

その2:
ぐるなび新聞より
http://news.gnavi.co.jp/admin/6d1775de8590c77b04d43997832cf9610eef0d20.html

 坂口力厚生労働相は16日の閣議後記者会見で、牛海綿状脳症(BSE)の全頭検査見直しについて「科学的な問題と国民の気持ちと両方ある。消費者がここまでなら安心と思うデータを示せるか、よく検討してやっていきたい」と述べた。

 2001年10月、全頭検査導入で「BSE安全宣言」をした坂口厚労相が、見直しに前向きな発言をしたのは初めて。

 坂口厚労相は導入当時の状況について「日本では生後何カ月の牛と特定しにくく、全頭検査になった」と述べ、牛の個体識別管理体制が整った現状との違いを指摘。

 検査対象とする月齢の線引きは「何カ月から発症するのか、専門家によく検討していただき、農水省と相談したい」として明言しなかった。

 さらに「私は全頭検査を決めた張本人。(見直しを)急いでやるのは反対」と話し、日米の牛肉貿易再開の協議とは切り離して慎重に検討すべきだとの考えを示した。

 全頭検査見直しは内閣府の食品安全委員会の調査会が若い牛を検査対象外とするのを容認する方向で16日、議論を始める。
(2004/7/16 12:21)

C先生:坂口厚生労働相が、全頭検査の見直しを急いで止めたくないのは分からないでもない。ここまできてみると、日本の全数検査は、学問的にみても、面白い結果を出し始めているような気がするからである。瀬川記者の記事によれば、そのための費用もそれほどではない。日の市民の安心への投資が安いという感覚を上手く利用して、世界全体に貢献できるような面白いデータがでれば、これはこれで良い戦略かもしれない。


その3:
以下ぐるなび新聞に掲載されていた一般の人々からの投稿意見。
http://news.gnavi.co.jp/community/syakai.html

意見1:
やすくておいしいお肉が食べたいけれど、
でも、安さより、100%安心の肉が食べたいよね。

ちょっと前までアメリカに住んでいたんだけれど、
向こうでは知り合いは誰も「BSE」のことなんて気にしてなかったな〜。

多分気にしていた人もいたんだろうけれど、牛肉は「アメリカから牛肉取ったら、何を食べればいい?!」ってぐらい、人気な食べ物。そしたらなかなか「牛肉は危ないぞ!」なんて話題、話したがらなくなっちゃうでしょうね。

日本でもマグロに水銀が含まれてるぞって話はあるけれど、
あまりみんな話してないな〜。

それと同じなのかな。???なんてね。

C先生:食に100%の安全などは無いことが認識されていない。ただ、BSEなどの場合には、比較的100%に近い安全性が米国からの牛肉を輸入したとしても実現できるというだけの話。食というものは、「他の生物を食べる」ということである。その生物は、ヒトという生物のために特別に用意されたものではない。こんな考え方がちょっとでもあれば、100%安全な食が欲しいということが、いかにヒトというものの思い上がった考え方であるかが分かると思うのだが。


意見2:
 話題にも上らないし、平気で牛肉食べているそうですね。
「BSE?それ何?おいしい?」って感じ。
もしくは、「全部カナダが悪い。アメリカの牛肉は安全」という話がまかり通っているそうです。
アメリカ帰りの友人に聞いて失笑しました。

自国民にも安全対策を取っていないのに、そりゃ他国民の健康なんてどうでもいいでしょうねえ……。

C先生:米国の牛肉の安全性が、日本における牛肉の安全性よりもどのぐらい落ちるものなのか、という認識が無さそう。確かに多少落ちる可能性がある。それは、米国では危険部位の除去作業が手荒のような気がするから。決して、全数検査をやっていないからではない。


意見3:
 ぐるなび新聞のニュースにも出てたね。
米国の危険牛の76%が未検査だったって。
米人がいくら安全だといったって、
ぜったい信用できない。

C先生:この意見も全く誤解している。検査によって安全性が確保されている訳ではない。


意見4:
 そうそう。
「BSEがあるのはカナダ産の肉だ!アメリカ産は大丈夫!」とか思っていた人いましたよ。
 でも、ちょっと頭にきたのが、
「ヤコブ病の人もいるらしいし、おたくの肉にはBSEの疑いがあるから、怖いからいらない!」って言っているのに、
「いいから輸入再開しろ!牛丼、食べたいんでしょ?」って押し付けてくるあのアメリカの態度。
 そりゃ、牛丼は食べたいよ。でも、怖いからいやだって言っているのにさ。わかってくれよ、ブッシュさん…

C先生:この方は、さらに誤解があるようだ。ヤコブ病(CJD)そのものは、日本にもある。問題は、若年性のCJDで、一般には、vCJDと呼ばれるもの。日本の牛肉は安全だと信じ、それに比べるとアメリカの牛肉は危険だと怖がるほどの差は、全く無いとは言わないものの、まあそれほど有意ではない。


意見5:
 国産でも米国産でも危険なものは危険、安全なものは安全。
 米国との話も消費者には大きな問題。
 しかしそんなことよりも、「BSEとは」といったの報道がもっと大事。
 BSEといっても、 感染した牛の、ある「特定部位」だけが危険なのであってそれ以外の肉は人間には被害がない。それなのに牛肉自体が危険というのはおかしい。
 実際にフグだって、植物だって危険な部位はあるものです。
 一般の人の中にも、深読みしすぎている人と無知な人とがいて、意識の統一がなされていない。 本当に知識があって、危険と思うなら 焼肉屋中でハラミがこんなに品薄になることもない。
 どこどこで何頭BSE感染牛が見つかったとかよりも、BSEとはなんなのか。 何が危険なのか。どういった危険性があるのか。その点を各マスコミが伝えていくべきではないか。

 夏といえば・・・ビールに焼肉!
 きっとみんな食べるはずです。
 夏までに牛がいなくならないといいけど。

 焼肉最高!

C先生:この方のご意見は至極まとも。


意見6:
 米国の言い分は自分勝手。BSE対策の基本は特定危険部位の除去。全頭検査はあまり科学的ではないので、この点は妥協してもいい。でも、特定危険部位の対策だけは、妥協してはならない。BSE問題は貿易や経済を優先して考えると間違い。米国は自国民の健康および、輸出先国の国民の健康をもっと考えるべきだ。

C先生:だれも、前半の理解はその通り。日本の誰もが、特定危険部位の除去を止めようとは言っていない。したがって、後半の意見はもともと成立しない。


意見7:
 日本と米国が安全基準でけんかしているようだけど、基準は違っても産地表示が確実にされていれば、後は消費者が選択するだけの話だと考える。

C先生:このような考え方もあり得る。


意見8:
 若い牛の感染検出が困難と、日本側が認めたそうな。さっそく弱腰なんですが・・・。
 さすが日本?今回に関してはやるなぁと思ってたけど、やはりアメリカの圧力にはかなわないのでしょうか。

C先生:安全性と政治姿勢とを誤解している。米国に弱腰であることが問題だということで、すべての問題を同じ考え方で斬るのは余り正しいことではない。