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  今週の疑問 ダーバンCOP17
  2011.12.11 12.13更新カナダ離脱



 いよいよ、COP17が閉幕を迎えている。しかし、最終日のはずであった9日では終わらず、10日に持ち越された。さらに11日になっても継続中。

 以下、今回のCOP17の記事を記録のために掲載。ちなみに、南アフリカと日本の時差は、−7時間。

 興味をもって見ているのは、カナダとオーストラリアの動向なのだが、どこにも出てこない。

 なぜ、この二ヶ国なのか、と言えば、カナダは日本と同じ−6%、オーストラリアは+8%という目標を持っているが、その実績はと言えば、次のグラフのようである。





 ちなみに、最初のグラフがLULUCFLand Use, Land-Use Change and Forestry)を含まない数値で、次のグラフがLULUCFを含む数値である。

 LULUCFを含む数値で、オーストラリアは目標値+8%に対して+29.9%、カナダは目標値−6%に対して+29.8%と真面目にやっているのか、と言いたくなる数値。ニュージーランドも+23.1%。

 日本は、排出権をチェコ、ウクライナ、ラトビアなどから購入して、また、電力会社も相当の排出権を購入して、−6%の目標値に対して、なんとか辻褄を合わせようとしてきたが、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは、恐らく購入していないものと思われる。

 日本という国は極めて真面目で、チェコなどにとっては、経済の落ち込みによって余った排出権を買ってくれるという神様のような存在であった。

 世界の排出量取引の金額は、このファイルの3ページにあるが、
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/det/os-info/jokyo.pdf
年間13兆円程度と相当な金額になっている。この金額となってしまえば、日本も少しは貢献はしていると言えるが、その程度は高が知れている。

 いずれにしても、カナダ、オーストラリアがどのような態度をとっているのか、それがかなり気になるのだが、新聞は取り上げてくれない。

 ちなみに、上述のファイルにオーストラリア(p33)、カナダ(p38)、ニュージーランド(p36)がどのような政策をとってきたか、その歴史も書かれている。

 などと書いていたのが、日曜日。本日13日の夕刊によれば、とうとうカナダが京都議定書そのものから離脱を表明。現行の義務であるマイナス6%を放棄。それも当然だという理由はすでに述べた通りである。なんとも信用のできない国である。国際社会からなんと言われるのだろうか。日本のメディアは余り報道しないだろうから、外国の報道を見るしかないだろう。

 ここから話は、ダーバンのCOP17に戻る。

 やっと結論がでたようだ。9日に終わる予定が、11日の明け方まで掛かった。
(1)京都議定書は延長 ただし、継続期間は次のCOP18で決める
(2)次の枠組みは2020年からスタート 内容は未定であるが、2015年での合意を目指す


 月曜日は朝刊が休刊だったもので、夕刊まで最終結論が良く分からなかった。月曜日の日経の夕刊によれば、最終結論は以下のようだったとのこと。

■2020年に温室効果ガス主要排出国すべてを対象にした新しい枠組み「ダーバン・プラットホーム」を発効する。
■来年前半に新枠組みのための作業部会をスタートする。
■13年以降は、当面、京都議定書を延長する。
■京都議定書の延長期間や削減目標を盛り込んだ改定議定書を来年のCOP18(ドーハ)で採択する。
■抑制する気温上昇幅を従来の「2度以下」から「2度もしくは1.5度」に修正
■途上国の温暖化対策のための「緑の気候基金」の運用開始
■新たな市場メカニズムに関する研究を本格化する。


 ということで以下記録。メディアがどのように報じているか、まあ、それほど問題があるものは無かったようだ。


12月10日01時38分(現地9日18時38分)の記事(産経ニュース)

 地球温暖化対策の国際的枠組みを話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は9日、最終合意に向けたぎりぎりの調整が続けられた。この日の閣僚級会合に提出された議長案では、日本が反対してきた京都議定書の延長を来年に正式決定するよう要請、議定書に代わる新たな枠組みの設立を2015年までに決めるとしている。

 細野豪志環境相は「(日本として)受け入れ可能なものだ」と述べた。

 議長案は9日午前の閣僚級会合で示された。それによると、COP17で議定書延長案を策定して「留意」するとともに、延長に応じる国には来年5月までに新たな温室効果ガス排出量削減目標を提出するよう求める。1年後のCOP18で延長と各国の新目標を正式決定するとしている。

 また議長案は、先進国のみに排出削減を義務づける議定書に代わり、すべての国が参加する20年から先の新たな枠組みを検討するためCOP18で新しい作業部会を設置すると明記。新枠組みは「法的なもの」と表現するにとどめ、各国に削減義務を課すかどうかは明確にしなかった。15年までの早い時期での正式決定を目指す。議長案は、議定書の延長を強く求める新興国に配慮して延長への道筋をつけるとともに、新興国も含めた新枠組みの早期立ち上げについては先進国の主張を盛り込んだ形だ。

 また、新枠組みでの削減義務を明確にしないことで削減義務に反対する米国や中国、インドからも合意を引き出そうとした。新作業部会の設置は日本の主張が取り入れられた。

 各国は議長案をもとに条文案をまとめ、最終合意を目指す。ただ、交渉は「かなり遅れている」(政府関係者)ため、9日を予定していた閉幕は10日にずれ込む可能性がある。


12月10日12時59分(現地04時59分)の記事(朝日新聞)

COP17、合意見通せず 意見噴出、議長提案修正続き

 2013年以降の地球温暖化対策が焦点の気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)は交渉が難航し、期日を延長して10日も議論が続いている。9日午後に議長国・南アフリカが最終合意に向けた議長提案を出したものの、各国から意見が噴出して、まだ合意が見通せない状況だ。

 COP17では、12年末で期限が切れる京都議定書の温室効果ガス削減義務の延長問題や、米国や中国も義務を負う新体制について議論されている。議長提案は京都議定書を延長し、その次に新体制に移る内容だったが、大詰めの協議で修正が繰り返されている。

 来年のCOP18(カタール)で正式な延長手続きをすると明記された京都議定書は、延長期間が5年間とされた。一方で先進国全体の20年の数値目標を「90年比25〜40%減」として盛り込む案も浮上。先進各国が掲げる個別目標をより高い数値にしたい狙いで、インドなどの新興国が提案したとみられる。先進国が受け入れられるかは不透明だ。


12月10日14時07分(06時07分)の記事(毎日新聞)


COP17:京都議定書5年延長 修正議長案を公表

 【ダーバン(南アフリカ)江口一、高尾具成】京都議定書以降の地球温暖化対策の新枠組み(ポスト京都)を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は9日の会期末を延長した。議長のヌコアナマシャバネ南アフリカ外相は10日、米国や中国を含むすべての主要排出国が参加する新枠組みと議定書継続を柱とする議長案の修正案を公表した。

 修正案によると、原案で盛り込まれていた20年以降という新枠組みの開始時期が削除された。ただし、議定書延長後の5年間の第2約束期間(13〜17年)が終了した直後の18年以降か、各国がこれまで国連に提出した自主目標の年次である20年以降を示唆する表現になっている。20年以降とする原案に対し、「対応が遅すぎる」との不満を持つ島しょ国や欧州連合(EU)などの意見を反映したとみられる。

 また、新枠組みの性格としては、国際法上の削減義務がある新議定書か、必ずしも削減義務があることを意味しない法的制度などの選択肢が示されている。現在、条約の下に設置されている作業部会は来年のCOP18で終了。新枠組みを議論する新作業部会を設置し、今後1年間かけて新作業部会が扱う削減目標などの内容を詰めて、COP18で作業計画を決定する。

 一方、来年末で先進国の削減義務期限が切れる議定書については、第2約束期間を設け延長するとした。先進国は20年に1990年比で25〜40%の温室効果ガスを削減するとしている。この数値は、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が温暖化影響を回避するための選択肢として示された。

 ただし、日本やカナダ、ロシアは参加を拒否しているので、削減義務を課せられない。

◇議長案(修正案)骨子
・すべての国が参加する新枠組みを、遅くとも2015年までに採択する。

・新枠組みを決める作業部会を設置し、12年のCOP18で作業計画を決める。

・京都議定書を延長し、新たな排出削減期間である第2約束期間を13〜17年とする。

・先進国全体で20年に温室効果ガスを90年比25〜40%削減する。先進国は、12年5月までに削減目標を提出する。


12月11日 毎日新聞東京朝刊(現地10日21:00頃)

COP17:協議先送りの可能性 新枠組み、溝埋まらず

 【ダーバン(南アフリカ)江口一、高尾具成】京都議定書以降の地球温暖化対策の新枠組み(ポスト京都)を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は10日、米国や中国などを含む新たな枠組みの創設と、京都議定書延長について協議を続けたが、各国の溝が埋まらず時間切れとなり、協議を先送りする可能性も出てきた。

 会議は9日に終了予定だったが、10日に延長し、徹夜で非公式協議が断続的に開かれた。

 閉幕を前に帰国の途に就いた細野豪志環境相は、記者団に対し、「どこまで合意が得られるか難しいが、各国が目指す方向は同じだ」と述べた。議定書延長に反対している日本は、新たな数値目標を掲げないことを条件に、延長を受け入れる方針を示した。

 ヌコアナマシャバネ南アフリカ外相が提示した議長案によると、来年末で先進国の温室効果ガスの削減義務期限が切れる議定書を13年以降17年まで5年間延長、「第2約束期間」として設定する。一方、すべての主要排出国が参加する新枠組みを遅くとも15年までに採択する、としている。

 新枠組み発効時期をめぐっては、議定書延長後の第2約束期間が終了した直後の18年からか、各国が国連に提出した自主目標の年次である20年以降を示唆する表現となっている。また、国際法上の削減義務がある新議定書か、必ずしも削減義務を意味しない法的制度などの選択肢が示された。



12月11日 11:49(現地04:49)共同

COP17、新枠組み20年開始で合意 京都議定書も継続へ

 南アフリカでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は11日、非公式の閣僚級会合で、米国や中国を含む新枠組みを2020年から始めることを定めた工程表「ダーバン・プラットホーム」に合意した。

 9日の閉幕予定が大幅に延びて難航した交渉は、ようやく打開に向かった。京都議定書についても13年から第2約束期間を定めて先進国の削減義務を継続する方向で、期間の長さについて協議を続けている。

 工程表は、新枠組みの内容や削減目標を決める特別作業部会を設置し、法的拘束力を持つ議定書などの形で15年の採択を目指すとの内容。できるだけ高い削減目標を設定するための検討プロセスもつくる。

 新枠組みができれば、温室効果ガスの排出量が多いが今は削減義務を負わない米中の取り組みを促し、地球全体の温暖化対策にプラスになると期待される。(共同)



12月11日14時28分(現地07:28)毎日新聞

COP17:京都議定書延長 日本は13年以降「空白」に

 【ダーバン(南アフリカ)江口一、高尾具成】地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は11日未明、2012年末で期限が切れる京都議定書を延長することで合意した。延長の期間など詳細は来年のCOP18で決める。日本は議定書延長への参加を拒否しており、13年以降は削減義務のない「空白期間」に入る。 

 一方、京都議定書に代わって、すべての主要排出国が参加する新たな枠組みでの温暖化対策については作業部会を創設して協議。15年までに採択し、20年の発効を目指す。ただし、新枠組みにどこまで法的拘束力を持たせるかは合意できず引き続き交渉していく。

 COP17は、各国の主張が対立し、会期が2日間延びるという過去最長の締約国会議となった。



12月12日13時21分(現地06:21)毎日新聞

COP17:京都議定書延長…20年に全参加国で新枠組み

今後の温暖化対策の国際制度

 【ダーバン(南アフリカ)江口一、高尾具成】国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は11日、閉幕した。12年末で期限を迎える京都議定書の温室効果ガス削減義務期間を延長することを決定したほか、20年にすべての国が参加する新枠組みを発効させることを盛り込んだ工程表を採択し、閉幕した。日本は議定書の延長期間に参加せず、新枠組みまで自主的な対策を実施する。

 焦点は、先進国のみに排出削減を義務づけた議定書の延長と、議定書に続く新枠組みづくりの2点だった。交渉では、欧州連合(EU)や温暖化被害に直面する途上国と、温暖化対策による経済影響を懸念する中国や米国などが対立。日本は「議定書の実効性が疑問」として延長に反対し、20年以前に新枠組みをつくるよう訴えた。

 議長国の南アは主要国と非公式協議を重ね、工程表などの原案となる議長案を作成。全体会合に提示し成立を図った。

 議定書は延長され、その期間(第2約束期間)は13年から5年間か8年間。EUなどが引き続き削減義務を負う。削減目標を含めた議定書の改正は来年のCOP18で完成させる。議定書で削減が義務づけられた先進国のうち、離脱した米国と第2約束期間に参加しない日本などは法的削減目標のない「空白期間」に入る。

 20年以降は、すべての国が参加する枠組みに移る。近く「ダーバン・プラットホームのための作業部会」を創設し、具体的な議論に着手。法的拘束力のある新枠組みを15年のCOP21で採択し、20年の発効を目指す。科学的知見を考慮し削減目標を設定していく。法的拘束力の内容は「国際法上の削減義務が生じる議定書」「他の種類の法的文書」などと一本化されていない。