| | スーパー業界と容器包装リサイクル法 08.21.2005 08.25.2005修正 |
| | 容器包装リサイクル法(容リ法)の改正が、中間報告に対するパブリックコメントを終えて、そろそろ最終段階である。担当省庁は、経済産業省と環境省である。両省の審議会で、議論されてきたが、自治体と企業側が、「負担が重過ぎる」と訴えた。 6月の中間報告では、自治体負担の一部を企業に移す方向が示されたことで、スーパー業界の不満が爆発した。負担金(委託費用)の支払いを保留し、国を相手取った訴訟も辞さない構え。 C先生:容器包装リサイクル法の改正が難航しているようだ。昨年、両省の審議会がまだ合同でヒアリングを行っているときに、意見の陳述を求められた。そこで、今回の1回だけの改正だけでは充分な検討を行うことが不可能であるから、最終形の議論は継続し、後2回程度の改訂で、その最終形にまでたどり着くべきだとの長期的な道筋を示した。 A君:他の発表は、どんな形の仕組みが良いのかといった議論にはならず、自らがどのように努力しているかを訴えるといったものだったようですね。 B君:誰も問題だとは思いながら、全体を見回して、最適な法律の有り方を議論できると言う立場には無い。自分の利益を考えるのが精一杯。とにかく、それを主張しないと、自らの利益を損なう。 C先生:霞ヶ関ビルの東海大学の会場だったが、広い会場が確かに満員だった。 A君:本来、容器包装リサイクル法というものが何故必要なのか、なぜ、現在のような状況が起きたのか、今後、消費者を含めて、それぞれの立場がどのような方向性を向けば良いか、新聞などで公表されていない状況を含めて、解析することが今回のHPの役割。 B君:確かに、表面に出ていることと、表面に出ていないことがある。 C先生:容器包装リサイクル法のいわゆるステークホルダー(利害関係者)は、上流側から言うと、 A君:しかも、容器包装リサイクル法の本来の目的は、環境負荷全体を下げることが最大のものですからね。 B君:環境負荷といっても、最初に問題にされたのは、最終処分地不足というもの。しかし、最近では、容器包装のために消費される石油などの資源の投入量の削減も目的にすべきだという議論になってきている。 A君:一方で、消費者は、自分の欲しいものは買うという我侭。ただし、日本の消費者は、分別せよと言われると80%ぐらいの消費者はそれを守る。しかし、若者を中心に、守らない人も多い。 B君:流通業者だって同様で、タダ乗りをしていて、負担金を支払わない事業者もいる。 C先生:要するに、廃棄物問題にはいつでも存在する不正・不法にどのように対処すべきか、という問題もあって、上の分類では不十分ということになる。 A君:ただし、(12)の態度の悪い消費者の行動を改善させるのは、非常に難しいですね。自治体が個別回収を行って、ときどき、その中身をチェックするといった方法を取る以外には。 B君:最近になって、一般廃棄物の有料化を行うと自治体が増えてきた。その結果として、個別回収も視野に入れることも不可能ではなくなってきた。老人のみの世帯など、ゴミ出しも大変だからということで、玄関先まで取りに来てくれる収集方式が一部で始まっている。 C先生:もう一つ重要なことがある。それは、費用の転嫁という問題だ。流通業界が不満を言っているが、リサイクル費用を商品価格に転嫁できれば、もともと自己負担はしないのが原則なので、問題は全くでないことなのだ。むしろ、転嫁しないということは、容器包装リサイクル法の趣旨に反する行為なのだ。 A君:例えば、大手の流通業を考える。2種類のプライベートブランドの製品のための容器や包装が有ったとして、一方はリサイクル費用が10円、他方がリサイクル費用が20円だったとする。その価格差が、商品価格に反映されているとすれば、消費者は、リサイクル費用の安い商品を買うかもしれない。結果的に、その企業は支払う委託料の額を減らすことができる。 B君:確かにそうなのだが、それができないのが流通業者の現状なのではないか。 C先生:議論を思わず始めてしまったが、どんな順番で議論をするか、明示しながらすべてのステークホルダーについて、満遍なく議論ができたのかどうか、チェックしつつ行きたい。 B君:それはなかなか難しい。飛び飛びにでも全てのステークホルダーについてカバーできればよいのでは。 C先生:話の後でチェックする方式でも勿論良い。 A君:流通業者の話が始まってしまったので、 C先生:それでは、行くぞ。流通業者の言い分を聞いていると、大体、こんな感じだ。製品を製造する事業者は、勝手に色々な商品を作る。そして、宣伝をする。すると、消費者がそれを欲しがる。流通業者は、その橋渡しをするのが役割だから、それを売るしかない。流通業者のできる勝負は価格以外に有り得ない。環境負荷の低い商品だけを取り扱うとか、リサイクル費用などの大小を考慮することなど、不可能だ。 A君:スーパーという業態は、ときに目玉商品というものを作る。その商品自体では損をするのは承知の上で。ただ、集客ができれば、他の商品を買わせてそこで儲けるという手法を取りますね。ということは、スーパー全体として商売をやるのであって、個々の商品について、詳細にリサイクル費用を考慮して大売出し品目とするかどうかなど、決められないというのでしょうね。自分で払う費用でも減らすことが難しい。 B君:それは言い訳だ。容器包装リサイクル法について、リサイクル費用の支払いが問題なら、食品製造業、日用品製造業などとも連携をとって、個々の商品について、どのぐらい支払い費用が掛かるか、それを単に頭の中に入れてから、日本全体を考えた商売の戦略を練ればよい。自分のことすら十分に予測できないのだから、日本全体でのリサイクル費用の削減など、考えろといっても無理なのだろうが。 A君:ただ、本当のリサイクル費用というものが、後追いで決まるという性格のものなので、頭に入れにくいという要因はありますね。勿論、概略の費用は分かるので、それをやらないのは、単なる責任回避だとも言えるのですが。 B君:そこは、改善の余地ありなのだ。現在のような入札制に基づいたリサイクル費用の決定法を止めて、国がこれから数年間、この商品のリサイクル費用はいくらで行く、ということを宣言するという方法がある。 A君:ドイツ型。確かに、それも一案で、日本の方式は、少々精緻に過ぎる。費用負担の公平性を考えると、必要な費用を厳密に計算して、後からリサイクル費用の負担額が決まるということにならざるを得ない。ただし、現在の方法でも、入札が競争的に行われるという条件が厳密に行われないと、単なる形式に終わる可能性が高いですから。 B君:それに、流通業でも中小を中心に全体の2〜3割りはタダ乗りをしているという推測もある。だから、費用負担をいくら精緻なシステムで決めても無意味という部分もある。 A君:国の役割の話になっていますね。 C先生:確かに、そろそろ流通業の話が終わりかけているようだ。我々の見るところ、流通業が考えなければならないことは、 A君:それでは、国に役割を先にやりますか。 B君:国の役割は何回も出てくるように思えるが、まあ、第一回目ということでよいのでは。 A君:了解。 B君:ドイツ流という話が出たが、例えば、プラスチック製の包装材で、マテリアルリサイクルが難しいそうと思われるものは、環境負荷が大きいと思われるので、1kgあたり幾らと、国が決めれば良い。 A君:日本の省庁は、やはり独断的にやるのが苦手。市場原理に従ったというスタンスを取るのが必須のようです。 B君:市場原理を完全に導入することが重要だとは思えない。そもそも、環境負荷に比例して、費用負担を行うというのが、その原理原則なのではないか。それをある程度理屈で押して、どこか数箇所にその計算と推計をさせて、その結果を元に議論をすればよい。 A君:リサイクルの効果についても同様ですよね。どんな商品ができるか、という経済的な効果を考慮することは必須ですが、実際のところ、地球をすり減らしている消費活動を、リサイクルをすることによって、多少なりとも減少させて、地球の磨耗量が減れば、その分を金銭へ変換して考慮する。 B君:プラスチックのリサイクル効果なるものが、いまだに完全には学問的に表現できていないことが、一つの限界を示しているように思える。 C先生:リサイクルを行うとき、カスケードリサイクルだけだと、何をやっても、そのうちゴミになる。リサイクルも、やはり、多少なりとも上流へ戻すことを義務化すべきだと思うのだ。もう一度、容器包装用として使われることを条件とし、材質別にその値を決めれば良い。例えば、アルミだったら、50%以上のCanToCan率、鉄だったら10%以上のCanToCan率、その他プラスチックだったら、5%以上の消費者の手を経たループでの再生材料使用率を義務化する。ペットボトルならまあ25%ぐらいが妥当ではないだろうか。これらの数値は、コスト、環境負荷などを検討して、総合的に決めれば良いだけの話。 A君:根拠がどうのこうの、とうるさい議論が起きそうですね。 B君:いずれにしても、プラスチックのリサイクル効果をできるだけ多くの視点を含んだ形で、再検討することが必要不可欠でしょう。 C先生:現在、国が抱えている大きな問題が、その他プラの入札価格が独占的に行われていることの改善だろう。現在、大半を再びプラスチックに加工しているが、費用は1トンあたり10万円かかるとされている。しかし、それによってできる製品が本当にそこまでの価値があるのか。 A君:1トン10万円というと、バージンの樹脂の価格とオーダー的に違わない。 B君:経済産業省的には、「だから、プラスチックは燃やそう」、となるのだが、それに対する市民団体の反発はかなり大きい。 A君:企業が負担している再商品化費用の推移についてと単価をまとめておく必要がありますね。
A君:廃棄物の処理費用というものは、完全競争入札は無理ですよ。むしろ、適正な価格を指定して、それこそくじ引きででも決めないと。それが国の役割だと思う。 C先生:市場競争原理がリサイクルコストを下げる訳ではないという実例みたいなことが起きている。スーパーが不満を表明しているのも、分かるような気がするグラフが図2だ。 B君:スーパーなどが不満に思う理由は、恐らく、ケミカルリサイクルをやっているのが鉄鋼関係だということも一つあるのでは。スチール缶という容器包装に関わる企業でありながら、スチール缶は容器包装リサイクル法の枠外なので費用負担をしないで済む。それなのに、儲けているかどうかは別として、以前なら自治体がタダでやってくれたことを、有料で引き受けている。しかも入札価格を維持している。 C先生:自治体の収集費用を事業者が一部負担するということならば、アルミ缶だろうが、スチール缶だろうが、ダンボールだろうが、売却費用を差し引いて、もしも自治体が出費しているのなら、費用負担をすべきだ。スーパーも恐らくそう思っているのではないか。しかし、もしそれを言い出すと、またまたスーパーの負担も増えるので言えないだろうが。 A君:今回検討している容器包装リサイクル法では、どうも「アルミ、スチール、ダンボールも対象になる」という話までたどり着きそうもないですからね。 B君:その気になればやれると思うが。もしも不可能であったら、それは次期改正で是非とも。 C先生:となると、残りが、 A君:(1)ですが、将来の容器包装リサイクル法は、すべてこの(1)、(2)が負担すればよいというのが、我々の主張。しかし、価格転嫁を法律的に保証することが必要かもしれない。 B君:容器なら容器が出来たときに、素材なら素材ができたときに負担金額を決める。ということは、容器を複数回利用すれば、それより川下側の事業者の負担は減る。素材もできるだけ少なく使用することによって、それ以後の事業者の負担が減る。 C先生:(1)、(2)を負担の対象とするとき、製品に含まれるリサイクル素材の割合とそのリサイクル素材の素性によって、負担金額を決めれば、リサイクルの推進も可能になる。 A君:逆に言えば、現状の容器包装リサイクル法の枠組みだと、(1)、(2)がやることが余り無い。 B君:(3)のボトラーと協力し多少努力して、PETボトルの超軽量版や、ビール瓶の超軽量版ができたりはしているが、だからといって、なかなか地球をすり減らし方が減る訳ではない。 C先生:(5)消費者は基本的に我侭。まあ、しっかりリサイクルをやってもらうしか無いように思える。ヨーロッパなどだと、ミネラルウォータはガラス瓶に入っているものが普通。勿論、エビアンなどはあるが。これ以上便利にしてどうするの、という発想になるまで、様々な働きかけをするしかない。 A君:(6)自治体ですか。このところ、収集してPETボトルは中国へという動きの自治体が増えている。これは、現状では仕方が無いことだけど、収集費用の一部でも事業者負担になるときには、協会ルートに載せることを義務化しないと。 B君:そうなると、ますますスーパーなどの負担金が増える。それはそれで、なんらかのきっかけにはなりそうなので、面白いが。 C先生:自治体には、むしろプラスチックをどのように分別して集めるかといった方針の決定を望みたい。今の東京都のような「可燃ごみ」という実は燃えないゴミと、「不燃ごみ」というよく燃えるゴミを名称詐称状態で集めても仕方ないと思うのだ。 A君:自治体は、大方針を決めることが難しい状態なのでは。むしろ、すでに議論した国の責任の一部のような気がしますが。 B君:確かに、環境省が決めて通達を出すのが簡単かもしれない。自治体によっては、反発するだろうが。 C先生:(7)リサイクル事業者は、国の方針ががらがら変わると、大変に迷惑。PETボトルのケミカルリサイクルを始めた帝人ファイバーも事業停止状態のようだし。 A君:図1に見られるように、PETボトルの入札価格は大幅に低下しています。要するに、この入札価格とは処理費ですから、少なくなるということは、儲けが飛んでしまう。最初700円/kg貰えるつもりでビジネスをデザインしたものの、平成17年度の136円では、どうしようもない。 C先生:(8)最終処分業も余り関係ない。(10)市民団体は、(11)のルールに従わない消費者をなんとか対象とした活動をやって欲しい。それにもっと重要なこととして、これ以上便利になってどうするの、といった基本的な問いかけを市民レベルに対して行って欲しい。 A君:さて、こんなところですか。 B君:我々の結論は? C先生:となると、容器包装リサイクル法の改正案ができたとしても、それは当面の解に過ぎない。そこで検討を継続し、5年後あたりにを目処に、これは絶対に良いというシステムへの変更を目指すべきだ、というのが結論になりそうだ。それに、これを言ってしまうと何だということになるのだが、電気・ガソリンをじゃぼじゃぼ使っていながら、多少リサイクルをやったところでどうしようもない。容リ法の精神が、日本全体を変える方向に繋がらないと。 |
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