| | 家庭内の化学物質と健康・安全 12.25.2004 市民への環境情報提供のスタンス |
| | 科学技術を市民社会にどのように伝達するか、これは、本HPの主題でもあるのだが、なかなか難しい。 先日、WWFの発行した「家庭の中の化学物質」というパンフレットを巡って、その担当者、化学業界、そして大学人が若干の議論をする機会があった。 今回の記事は、普段の2倍の長さである。その理由だが、1月1日は年賀状をアップするだけで、記事はお休みだから。 C先生:WWFというのは、World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金の略で、パンダマークで有名。1961年に設立された、世界最大の民間自然保護団体。会員450万人、10000社・団体の寄付によって支えられている。 A君:その目的は、3つの活動によって、地球の自然環境の破壊を食い止め、人類が自然と調和して生きられる未来を築くこと。 B君:具体的には、保全すべき世界的に重要な地域(エコリージョン)における活動と、次の6つのグローバルな優先課題への取組みがある。 C先生:昔は、野生生物に特化した自然保護団体だったと思うのだが、グリーンピースのような過激なイメージがないために、企業などとの連携も多い。 A君:現在、国際的な環境NPOとなると、WWF(450万人)、グリーンピース(290万人)、FoE(100万人)とかいったところですか。 B君:それぞれかなり異なった特徴を持っている。少なくとも日本国内での活動の印象としては、グリーンピースのポリシーは、非暴力的直接行動。対象で述べれば、原子力、有害物質に重点。FoEはどちらかといえば、資源・エネルギーの過剰消費や使い捨てによる廃棄物か。 A君:グリーンピースジャパンのHP(12月2004年現在)によれば、こんな問題があるとのこと。 C先生:グリーンピースジャパンだけなのか、グリーンピース全体なのかは不明だが、時代錯誤というか、間違い探しの問題になりそうな項目を活動の対象に仕立てていて、やはり現状認識に問題がある印象。 A君:化学物質に関しては、グリーンピースの考え方は建設的ではないですね。 B君:冷蔵庫のフロンガスがオゾン層を破壊するようなものだった時代は、1996年に終わっている。それ以後、やはりフロン類が冷蔵庫に使われてきたが、この問題点があるとすれば、それは、地球温暖化効果が大きいこと、大気中でなかなか分解しないこと。 A君:最近は、グリーンピースの冷蔵庫が採用した炭化水素冷媒の冷蔵庫が増えた。しかし、未だに、この種の冷蔵庫のリサイクルシステムができていない。 B君:冷蔵庫のような製品をグリーンピースが作ったとしても、その製品のライフサイクル全体を管理できるのか、という問題がある。 C先生:グリーンピースの考え方は、恐らく、「そんなことは小さな問題だ、我々は問題の存在をアッピールすることに意義がある」、というものなのだろう。 A君:そんな運動方針に素直に頷くことができる人が会員なんでしょうね。日本では、8000名ぐらいのようですが。 B君:確かに日本国内では、グリーンピース的な運動方針は不要だと考える人が多いだろう。 A君:WWFは、化学物質に対しても、それほど戦闘的な態度ではない。 B君:WWFの化学物質に対する態度を探るのには、本日検討するパンフレットが有効な判断基準になる。 A君:大きさはA5版横。"Chemicals&Health in the HOME"という題名で、「家庭の中の化学物質」という和名も出ている。そして、小さく、有害な化学物質を避けるためのやさしいガイドという副題がある。 B君:しかし、イントロの文章は、いささか問題ではないか。 今日、地球上にすむ人々や動物たちはすべて−北極のシロクマや熱帯雨林のアマガエルから、たった今年生まれた赤ちゃんまで−人工的に作られた何万種類もの化学物質にさらされています。 A君:このようななんとも情緒的な不安感を世の中に醸成することが、現時点で有意義だとは思えないですね。 C先生:日本という国はおかしな国で、例えば、「血液型と性格」といった話で盛り上がることができる世界でただ一つの国。確かに関連が全く無いともかぎらないが、少なくとも現状では科学的な根拠は極めて薄いお話。 A君:通常、何か悪影響があるという感覚が先にあって、そして原因が探られる。そこに政治的な思惑や企業の悪い体質などによる妨害や隠蔽工作などがなければ、さらに現時点程度の分析能力があれば、なんとか原因に到達できるのが普通。「ほとんど明らかにされていない」ということは、悪影響が現代の知識を持った専門家にもほとんど認識されないからである。なぜならば、専門家にとって、なんらかの新しい指摘をすることは、学問的な業績なのだから、そのような指摘をやりたくて仕方が無いのが専門家というもの。しかし、出来ないのだ。 B君:ダイオキシンが環境ホルモンとして悪影響を与えたということも、1970年代の人体への暴露が最大だった時代に生まれた子ども達、現在30〜35歳ぐらいの世代になにか悪い影響を感じるか。これが問題。 C先生:なぜ、「ほんとんど明らかにされないか」、大部分の場合には、明らかにする必要が無いからだ、考えるべきだという簡単なことなんだが、そのように思えないのは、やはり、国や社会のシステムに関する不信感があるのだろう。 B君:その不信感をこのような記述は増幅しているとしか思えない。 C先生:不信感を持たないと、市民社会側の不利益になるという状況はすでに終わったように思う。不要な不信感がかえって市民社会に不幸をもたらしているような気がする。 A君:WWFが本来問題にすべきは、やはり、フロリダ州の重金属汚染と地下水の過剰汲みあげによる自然破壊とか、そんな問題だと思いますね。 C先生:各論にそろそろ入りたいが、現代の最新知識を加えて、我々もChemical&Health in the HOMEを作ってみたい。 A君:まず目次ですが、 B君:その後に、横断的なまとめの項目が12項目ほどある。 A君:そして、最後の2ページが家庭の取組みから社会の取組みへとなっていて、 B君:そして、最後の最後に、化学物質の使用そのものを否定するものではない、しかし、マイナス面を冷静に見極めることが重要としている。 C先生:それでは、場所別の検討から行くか。 A君:最初は「リビング/居間」。ここで問題になっているのが、VOC、臭素系難燃剤、フッ素樹脂加工。 B君:一般にVOCというと、トルエン、キシレンなどの溶剤ということになるのだが、ここでは、芳香剤、消臭剤などを含めて問題にしている。 A君:臭素系難燃剤は、カーテン、ソファなどの繊維、ウレタンクッション、電気製品としてあるが、果たしてカーテンの防炎加工はどのような処理がなされているのでしょう。 B君:Tris (2,3-dibromopropyl) phosphateなどといった化合物の使用が禁止されている。リン酸系の化合物の一部に臭素が入っている。電気製品用のプラスチックへの使用がヨーロッパのRoHS規制で禁止になった、2種類の臭素系難燃剤もあるが、これらを一括して議論できるかどうか、それは疑問。 A君:フッ素樹脂加工の主成分である汚染とは、恐らく、PFOAとかPFOSとか呼ばれているフッ素系の分子。撥水剤としての利用が多かったが、米国の3Mは、まだ、有害性が判明した訳ではなかったのに、蓄積性が高い物質だということで、このような物質の製造と撥水剤への使用を止めました。数100億円という売り上げがあったのに。 B君:もしも将来、なんらかの人体被害が出たら、企業の存続に係るぐらいのリスクになる。それなら、売り上げが減っても別のもっと分解性の高い物質に変えておこうという考えだったものと思われる。 A君:米国のEPAなどから、相当な圧力が掛かったという話もありますが。 C先生:ヨーロッパのRoHS規制にしても、米国EPAのやっている規制にしても、はたまた霞ヶ関がやっている規制にしても、もはや、ヒトに重大な被害がでるとは思えないものの規制に徐々に移っている。例えば、亜鉛の環境基準ができたが、その対象は、ウニとユスリカであって、ヒトではない。亜鉛は必須元素であり、現代人はむしろ亜鉛不足なのだ。 A君:ということで、お奨め策は、大体以下の通り。→以降に我々のコメントも付けますか。 B君:家の場合、換気と省エネ型冷房・暖房の問題は非常に難しいところ。 A君:換気は必要でしょう。家だとあとは、表日本の冬季における加湿をどうやるか、これが問題でしょう。 B君:アレルギーなどを考えると、日本は一般的には湿気が多くてダニが繁殖するのだが、それが冬季になると、逆に乾燥しすぎて、ダニの死骸などが空気中に舞い上がる。 C先生:化学物質に限ると、ダニの話などは入れるのが難しいのだろうが、やはり、ダニ用の殺虫剤を使うことと、ダニによるアレルギーの話なども、じゅうたんとの関連で議論して欲しい。まあ、良く掃除をして、良く換気、でよいのではないか。 A君:次に行きます。「寝室/和室」。まずは、防虫剤のパラジクロロベンゼン。そして、ドライクリーニングからの帰ったばかりの衣料。畳からの放出。 B君:パラジクロロベンゼンのような防虫剤は、使わないのではなくて、本当は、昔のような衣装缶を使うべしということなんだ。ところが、最近は、ウォークイン・クローゼットとか言って、密閉性の全く無い空間で使うものだから、大量の防虫剤が必要になる。 A君:気になるトピックスのところで、パラジクロロベンゼンのについて、「人間に対しておそらく発がん性を持つと考えられる物質です」、という記述がある。しかし、実はIARCでクラス2B。クラス2Bとなると、訳すとしたら、「ヒトに対して発がん性があるかもしれない」、程度。 B君:避けて悪いことはない。なんといっても防虫剤なんだから。しかし、できるだけ、密封空間で使うことを薦めるべきだ。 A君:次がドライクリーニング。僅かに有機溶剤が揮発する。 B君:それはその通り。テトラクロロエチレン、石油系有機溶媒などが使われている。まあ、吸わない方が良いだろうが、量的には知れている。これも換気で対応で充分だろう。 C先生:防虫剤は使い方、それ以外は、換気で充分に対応可能だろう。 A君:そして、お奨め行動は、 B君:「こども部屋」が次の場所。最初に、赤ちゃんは小型の大人では有りません、とある。まあ、3歳ぐらいまでは、そう考えた方が良いだろう。 A君:しかし、ここでは、具体的な物質の指摘は無しです。そこで、推奨行動は、 B君:次が「バス/トイレ」。相手は、界面活性剤、抗菌剤、ヘアダイ、蛍光増白剤、芳香剤、化粧品、紫外線吸収剤、酸化防止剤などなど。 A君:ここは多種多様。化粧品などは、もともと不自然なことをやろうとしているので、なんらかのリスクはある。 C先生:化粧品関係で、疑問なものの一つ、マニュキュアとその除光液が取り上げられていないのが問題。 A君:いずれにしても、お奨め行動は、 B君:「キッチン」の番だ。ここで問題になっているものは、農薬、防腐剤、包装、着色剤、人工香料、上水道、など。 A君:お奨め行動は、 C先生:長くなってきたな。普通の倍近いが、手短に行くか。 B君:「庭/家まわり」、一応、場所別の最後の項目。ここでは、園芸用薬剤、塗料、接着剤、防腐剤など。そしてシロアリ対策。 A君:お奨め行動は、 C先生:場所別の記述は、こんなところか。それでは、次にトピックスに行くか。 A君:まず、「VOCとシックハウス」ですが、化学物質過敏症への注意が書いてありますが、まあまあのようです。 B君:次の「臭素系難燃剤」。これらが環境ホルモン作用が疑われるとのことだが、臭素化合物はサイズ的に受容体に合わないのが普通ではないか。難燃剤を使わないことによる発火の危険性とのリスクのトレードオフがあることをむしろ書くべきではないか。 C先生:化学物質だけを記述しても充分な情報だとは言えない。使わなければ、それでリスクが低下すると考えてしまいがち。他のリスクとのバランスであることを書かない。難燃剤無しのポリスチレンを使ったテレビなど、火事が怖くて使えない。さらに、非塩ビコードを使ったテレビだって危ない。 A君:ノンフロン冷蔵庫だって、フロンという温暖化ガスではあるが安全な気体の変わりに、爆発性の気体であるイソブタンを室内に持ち込んでいるので、日本人なら、ヒトへのリスクは、恐らくノンフロン冷蔵庫の方が高い。こんなことも余り議論されない。 C先生:そんなリスクを総合的に見るという姿勢が無いのが、このパンフレットの一つの大きな問題点だ。次に行く。 A君:「フライパンから有害ガス」。原材料のPFOA、PFOSが分解して出るから危険だ、と言っているようですね。確かに、これらの物質は難分解性・蓄積性なので、作業員の血液中から検出されるようですが。だからといっても、有害性があるかどうかは未知。といことは多分重大な有害性ではない。換気をやりながらの調理であれいば、問題はないし、それより、過熱すれば火事が大変に危険。 B君:「パラジクロロベンゼン」、「ドライクリーニング」。これはすでに話した。 A君:「畳の防虫加工」。JIS規格で防虫処理が決められているため。確かに、昔は、畳を干すことができたのだが、もはや畳を干すことも不可能なマンションが多い。ダニの問題は、やはりこまめな掃除。それに新築の換気。 B君:「環境ホルモンは怖くない?」。空騒ぎだったという業界側の声も聞こえる、との指摘。野生生物にはあることは分かっている。しかも、ヒトへの影響は「確かめるのが困難」ということで、あって安心できない。実体は、免疫や神経系への影響、複合汚染など、もっと心配すべきことが増えたのに。と主張している。 A君:そこに根本的な間違いがあるというのが、我々の認識。 C先生:そうなんだ。環境ホルモンについて心配しなければならないとしても、それはプロに任せておけばよい。WWFが監視をするのは良いが、市民社会は、現在の日本の安全のレベルは、相当良いと考えて信頼すべきだ。市民レベルでいくら心配したところで、かえって母親などが精神的に不安定になって、育児に悪い影響がでるぐらいが関の山。これはダイオキシン騒ぎのときに証明ずみなのだ。この話は、最後にまとめよう。 B君:「使いきりタイプの家庭用殺虫剤」。これは避けるべきとの結論。これは大賛成。大体、害虫ということがだが、本当に害があるのか? ダニとアレルギーの話にしても、共存を考えるべきではないのか。これが結論。 A君:「抗菌グッズ」。常在菌のバランスを崩すので使うなとの結論。無くても困らない製品。我々も大賛成です。 B君:「水道水と化学物質」。鉛、トリハロメタンが問題。鉛は鉛管の交換を。トリハロメタンは塩素消毒が問題、と指摘している。鉛は、朝のやかん一杯の水は飲まないで対応可能。トリハロメタンは、塩素消毒による衛生状態の確保とのトレードオフが原理原則だが、過去、塩素の大量投入があったのも事実。最近では、オゾン処理と適量の塩素添加によって、ミネラルウォータを含めて、安全性という意味から言えば、水道水がもっとも安全な飲料水になった。味は別だが。 C先生:ミネラルウォータこそ、様々。危険なものもある。 A君:「魚と化学物質」。一応、水銀は天然由来と書いてある。情報をもっと正確に得る方法を書くべき。食品安全委員会などのHP等。 B君:「となりの工場はどんな有害化学物質を排出しているか?」。PTRT法によって、情報が公開されていることが書いてある。しかし、現状だと、「となりのネイルショップはどんな有害化学物質をだしているか?」も同程度に重要。 C先生:これで、終わりか。どうもこのパンフレットの本当の主張は、明示されていないのだが、どうも、ドイツが主張しているREACHという化学物質登録管理システムを世界に導入すべきだということかもしれない。このシステムは、原理的には優れていると思うが、今回のパンフレットのような問題は、REACHが採用されたからといって、解決するとも思えず。まあやり方次第。ところで感想は? A君:全体として、納得できる部分も混じるのですが、基本的な態度がいささか問題なのではないでしょうか。特に、環境ホルモンなどですが、市民に心配しろ、といっても、どうやって心配したら良いか、それが分からないのが市民ですからね。 B君:現代科学の不完全性の一つだが、「可能性は全く無い」という証明は絶対に不可能なんだ。だから、化学物質には、様々な未解明の心配ごとがある、と言われても、それはいつまでたっても、未来永劫、未解明なままなのだ。大体、人間が食べているものの安全性にしたって、絶対に安全なものなど一つもない。むしろ、明確に危険性があるものであっても、量的に摂取量が少ないから大丈夫というものが普通の食品。 A君:パラジクロルベンゼンが発がん性だといっても、実は、フライドポテトに含まれるアクリルアミドの発がん性はIARCのグループ2Aで、パラジクロルベンゼンのグループ2Bよりも発がん効果の確実性が高いのだ。しかも、アクリルアミドは確実に、かつ、かなり大量に食品に含まれている。しかし、余り誰も問題にしない。 B君:「かりんとう」にもかなり含まれている。 A君:要するに、このパンフレットは、WWFが問題だと考えるもののみが取り上げれていて、日常的に摂取している他の毒性物質や発がん物質との比較が無いために、「市民への不安感の伝達」という機能しか果たさない。一部に、有用な情報があるのに基本が間違っているため、台無し状態。 B君:本当だ。この種の情報を伝達された人々が、「化学物質はなんとなく危険」だと思う。それが果たしてよいことなのか。 C先生:最近、やっと週刊誌の話題にもなっているが、血液型で性格が影響を受けるということは、日本以外の国では話題にもならないのだ。どうやら日本のオリジナルらしい。この話、現時点では、勿論、根拠の無い話だ。「ダイオキシンや環境ホルモンによって被害が出ている」ということも、どうも、この血液型話と同程度の話に過ぎない。現時点では根拠の無い話なのだ。 A君:血液型と性格の話は、遠い将来には説明が付かないとも限らない。すなわち、性格を決めている遺伝子が解明されて、その遺伝子に血液型を決めている遺伝子が入るという形で。 B君:まあ、無理だと思うが、原理的にはそうだろう。無理ということに関しては、「地震とマイナスイオンの関係が分かる」こととどちらが確率が高いか。 C先生:ダイオキシンのヒトへの被害についても、最近のユシチェンコ元首相暗殺事件で、かなり大量に摂取しても、クロルアクネという皮膚疾患は出るが、命に別条は無いということが明らかになった。もっとも発がん性は未知だが。微量のダイオキシンの環境ホルモンとしてのヒトへの影響も、どうもわかるとは思えない。研究者が感覚的に何かあると思うアンテナに引っかからないのではないか。アンテナの感度をかなり高く持ったとしても。 A君:ダイオキシンは怖い、環境ホルモンは怖い、化学物質は怖い。これで、「不安症になる母親続出」といった悪影響がでなければ良いのですが。 B君:杉並病も良く分からない。プラスチックを圧縮することで、果たして有害物質がでるのか。こんな簡単なことは、もっと徹底的に研究をすればすぐにでも分かるはずなのに。 C先生:NPOは、どうも危機感を伝達することによって、自己主張をするメディア的な機能は持つのだが、安全性を主張することは行わない。理由は簡単で、危険性を主張して、危険でないことが分かっても誰も文句を言わないが、安全性を主張して危険であることが分かると、これは重大なことだからだろう。メディアもそうだが。 A君:心配だ、心配だ、という宣伝ばかりでは、市民にとって本当の意味で役には立たないことをもっと確認すべきですね。リスクを定量的に評価することが重要だということを述べる必要がある。 B君:市民の役に立つことが抜けている。例えば、サプリメント、痩身薬などへのコメントが必要。これらは、はっきり危険だから。サプリメントに頼るような食生活をすることは、危険だと述べるべきだ。 A君:代替麻薬の話も取り上げて欲しい。 C先生:もっと基本的なスタンスとして、現在行政が行おうとしていること、あるいは、ドイツの行政が行っていることは、場合によっては、ヒトには過保護で、地球への負荷はかえって増大という効果しかないというレベルになっているという認識が無い。 B君:行政は、事業者の悪事を隠蔽する役割しか果たしていないという認識。これは時代錯誤的だ。いまや、行政は、無用なことを部分的にやりはじめている、という方が正しい場合もある。 C先生:RoHS規制の鉛使用禁止については、確実にそんなものだと言えるだろう。リスクの削減にはほとんど利かないが、銀やインジウムなどの希少元素の消耗、さらに、エネルギー使用量の増大といった副作用があって、トータルに見ると、規制そのものがマイナスのように思える。 A君:しかし、RoHSは結果的に、日本の産業界にはプラスだった。 B君:NPOなんだから、行政を批判するのは、その役割の一つだろう。だから、「ヒトには過保護で地球の破壊に繋がる」ような規制には反対するというNPOが出てくることが必要だと思う。 C先生:確かに、行政の言うことをそのままNPOが言うと、何か存在意義が失われるという感触がまだ残っている。 A君:しかし、食と安全に関しては、食品安全委員会、厚生労働省の報道資料などを良く読むこととが、実際に役に立つ。メディアは、きちんと報道するとは限らないので。 B君:NPOの一般市民への情報伝達における、将来の重要な役割がそれだな。メディアという化け物を経た情報は、かなり歪む。だから、歪む前の情報を精査して、市民に易しく・優しく伝達する。その中に、政府などが出す情報もきちんと含める。 C先生:日本の一般市民社会は、日本の官僚システムに不信感がある。それは、日本のメディアがそんな態度だからだ。例えば、BSEに対する朝日新聞の報道などは、その典型だと思う。確かに、一部にどうしようもない官僚がいるし、一部に、良く報道されるようにエロ教師もいるだろう。しかし、それだけではない。信頼できる部分はあって、それはこんなところから出るこんな情報である、という報告をするのもNPOの一つの役割のようだ。 |
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