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    コロナ死者が日本で少ない理由   06.07.2020
      京大教授・吉備国際大学教授の新理論



 先日からどうしても疑問が解けないこと、それがコロナによる死亡者が日本は圧倒的に少ないことです。6月6日現在のJohns Hopkins大学のデータでは、死者数最大の国が米国で10万9千人、次が英国で4万3百人。ブラジルの死者数は3万4千人ですが、このところのブラジルの状況は酷いので、近く英国を抜いて第2位になりそうです。これらの数字に対して、6月1日現在での日本の916名という死者数は、明らかに少ないのです。日本の人口を1億2600万人とすると、100万人あたり7名強で、米国の死者の割合である人口100万人あたり320人、同じくイタリアの555人と比較すると、まさに桁が違うのです。ちなみに、世界で死亡率最悪の国はベルギーで、人口100万人あたり826人です。なんと日本の100倍以上です。
 「その原因はなに?」、となりますと、色々な可能性が有り得ると思いますが、
本サイトでの予想は、もともと中国は様々な新興伝染病の発生地なので、地理的に近く、日本への旅行者も多いので、中国人旅行者が、様々な感染症を日本に持ち込んでいために、なぜか日本人には耐性ができてしまった、というものでした。
 しかし、これが全く間違っていたとも言えないのですが、まあ素人の判断に基づくものだったようです。今回、
京都大学医学研究科の上久保靖彦特定教授と吉備国際大学の高橋淳教授が発表した理論は、見事に、日本における死者の少なさを説明できるものだと思われます。今回はそのご紹介です。
https://president.jp/articles/amp/35711?page=1
 なお、この日本語の記事は、PRESIDENT Onlineに会員登録をすれば、読むことができます。
 さらに、
6月2日の5:25にDiamond Onlineにアップされた新記事、「日本のコロナ致死率の低さを巡る 『集団免疫新説』が政治的破壊力を持つ理由」は、立命館大学政策科学部の上久保誠人教授による記事ですが、やはり、京大上久保教授、吉備国際大高橋教授の理論を引用しております。これは、かなり本流になり得る見解かと思います。


C先生:
Johns Hopkins大学がまとめているコロナの患者数と死亡者数のサイトは、このところ、もっともよくみるサイトになっている。世界のコロナに関する情勢を知るには、最良のサイトだと思う。感染者数だけでなく、死者数が明示されていること、さらには、感染者数の過去数ケ月のトレンドがグラフになっていること、加えて、過去に遡ってデータの修正が行われているので、極めて直感的にその国の危うさが分かることが優れものだ。

A君
「良くまあ、ここまでやりますね」、が感想。グラフを見ると、その国の対策がどのぐらい効果的だったのか、一目で分かってしまう。これに、死者数を加えれば、その国の近未来まで読めてしまう。

B君:そういう意識で
日本の変化を見ると、日本の対策が良かったように見えてしまうね。このところ、感染者数もまあまあ収まってきているし、感染者に対する死者の割合がかなり低い。

C先生:世界的にコロナの状況が変わりつつあるようなので、5月24日の記事で示した、感染による死亡者数のその国の
人口100万人に対する割合の表を、再度、作り直そう。このようなデータは、Johns Hopkinsのものには含まれていないので。

A君:一応、完成です。
元データは、この作業に取り掛かった6月1日のものですので、最新とは言えません。赤字の死亡率は300ppmを超すもので、米国とヨーロッパ諸国です。

感染者数    国名 死亡者数 人口 千人 死亡率ppm
1,811,370  USA 105,160 327,096 321.5
526,447  Brazil 29,937 209,469 142.9
414,328  Russia 4,849 145,734 33.3
277,736  United Kingdom 39,127 67,142 582.7
239,638  Spain 27,127 46,693 581.0
233,197  Italy 33,475 60,627 552.1
198,370  India 5,608 1,352,642 4.1
189,348  France 28,836 64,991 443.7
183,594  Germany 8,555 83,124 102.9
170,039  Peru 4,634 31,989 144.9
164,769  Turkey 4,563 82,340 55.4
154,445  Iran 7,878 81,800 96.3
105,158  Chile 1,113 18,729 59.4
93,435  Mexico 10,167 126,191 80.6
93,288  Canada 7,404 37,075 199.7
87,142  Saudi Arabia 525 33,703 15.6
84,151  China 4,638 1,427,648 3.2
72,460  Pakistan 1,621 212,228 7.6
58,517  Belgium 9,486 11,482 826.2
58,433  Qatar 40 2,782 14.4
49,534  Bangladesh 672 161,377 4.2
46,749  Netherlands 5,981 17,060 350.6
43,403  Belarus 240 9,453 25.4
39,098  Ecuador 3,358 17,084 196.6
37,814  Sweden 4,403 9,972 441.5
35,292  Singapore 24 5,757 4.2
35,192  United Arab Emirates 266 33,703 7.9
34,357  South Africa 705 57,793 12.2
32,700  Portugal 1,424 10,256 138.8
30,871  Switzerland 1,920 8,526 225.2
29,384  Colombia 963 49,661 19.4
27,762  Kuwait 220 4,137 53.2
26,940  Indonesia 1,641 267,671 6.1
26,384  Egypt 1,005 98,424 10.2
25,062  Ireland 1,650 4,819 342.4
24,562  Ukraine 724 44,246 16.4
24,165  Poland 1,074 37,922 28.3
19,398  Romania 1,276 19,506 65.4
18,638  Philippines 960 106,651 9.0
17,572  Dominican Republic 502 10,627 47.2
17,415  Argentina 556 44,361 12.5
17,169  Israel 285 8,382 34.0
16,787  Japan 899 127,202 7.1
16,733  Austria 668 8,891 75.1
15,750  Afghanistan 265 37,172 7.1
13,837  Panama 344 4,177 82.4
12,223  Oman 50 19,506 2.6
11,899  Denmark 576 5,752 100.1
11,871  Bahrain 19 1,569 12.1
11,541  Korea, South 272 51,172 5.3
11,430  Serbia 244 8,803 27.7
11,308  Kazakhstan 41 18,320 2.2

6月1日時点のデータ https://coronavirus.jhu.edu/map.html より

B君:説明は特に必要としないと思うが、注目していただきたいのは最後のカラムで、その単位はppmとなっているが、それは人口100万人あたりの死亡者数ということになる。

A君:日本の場合、100万人に対して、7名強程度が死亡するということを意味するのですが、この値は、前に作ったときの値、約6より若干増えています。しかし、例えば、最悪の死亡率であるベルギーが826.2人ですから、なんと、100分の1以下です。

B君:これを
説明できるとしたら、日本人は、「なぜか、知らない間に、どこかで免疫を獲得していた」、ということ以外にありそうもない。

A君:ということで、今回、やっとこの問題の答えに到達しました。この答が最終版になるかどうか、学問の世界ですから、分かりませんが。

C先生:今回のこの
解析の鍵となる事実は、「コロナウイルスが実は一種類ではなかった」ということ。そして、ウイルス同士がなんらかの干渉を行うということ。この干渉の話は、これまでのメディアによる報告などでは、見たことが無い。単なる勉強不足かもしれないが。

B君:そもそも
ウイルス学では多数のウイルスが同時に存在するというのは、常識みたいですね。なんと言っても、ウィルスですから、細菌より原始的。今回のコロナウイルスの場合には、S型、K型、G型と呼ばれる3種類が存在。順番としては、最初にS型が発生し、それが変異したものがK型武漢でさらに変異した感染力の強いものがG型。このG型がヨーロッパで感染拡大して、多くの死をもたらした。

A君:もう一つのウイルス学の常識が、
「ウイルス競合」と呼ばれるもので、同時に類似した複数のウイルスに感染することは無いことで、「ウイルス干渉」と呼ばれることもあります。

B君:もう一つ
重要な事実がある。今冬は、日本ではインフルエンザの感染者が少なかった。これも、「ウイルス競合・干渉」のためであった、と考えらえているらしい。

A君:さて、S型、K型、G型の名前ですが、実は、次のような命名のようです。
S型=先駆けで弱毒性:Sakigake
K型=これでインフルエンザ感染が欠けた:
Kakeru
G型=武漢で変異した
Global型でその毒性が最強
 これ以外に
欧米G型があり、これは上海で変異したと考えられています。

B君:さて、
日本はどのような対策を取ったのか中国人の入国制限については、なんと、「3月9日までは、武漢からの入国制限だけ」だった。11月ぐらいから春節の2月ぐらいまで、中国から日本への入国者数は、なんとなんと184万人もあった。要するに、ほぼ何の対策もしていない。しかし、それが良かったのかもしれない。

A君:確かに。このときの中国人を媒介として
K型に感染していた日本人が多くても、全く不思議ではない。どのぐらい感染していたと推測されるか、というと日本人の54.5%ぐらいらしい。G型について集団免疫が成立するには、集団の80.9%が感染していて免疫があることが条件とのこと。なぜ、このような数値が出るのか、それを知るには、Cambridge Open Engageなる雑誌に論文が発表されたらしいですが、これのようです。
https://www.cambridge.org/engage/coe/article-details/5ead2b518d7bf7001951c5a5

B君:このサイトに、論文の本体が掲載されている訳ではないので、読めないね。残念ながら。

C先生:
実は、さる方からのご好意で入手したのだ。しかし余りにも専門的すぎて読んでも分からない。解読には相当な時間が掛かりそうなのだ。そのため、本ページではご紹介できない可能性が高い。期待しないでいただきたい。

A君:という訳で、理論が良く理解できないのは事実なのですが、K型が強毒のG型の感染を防ぐには、集団免疫があることが必須で、それには、数値の理由は説明されていないのですが、上述のように、集団の80.9%が感染して免疫を獲得していないとダメとのこと。しかし、現実は、54.5%の感染率だったので、新たな感染が起きた。

B君:ちょっとその論文を見たけど、難しい!! 
その数値をそのまま飲み込むしかないね。そもそも、どうして、そこまでの有効数字で議論ができるのだろう。この説明を数理的に理解し、説明するのは無理だね。情報が余りにも足りない。次に行こう。

A君:まず、
ADEという恐ろしいメカニズムを理解していなければならないようです。ADE=抗体依存性免疫増強=antibody-dependent enhancementというもので、抗体があれば、ウイルス感染は防ぐことができると思うと、いつでもそうだ、とも言えないらしくて、むしろ、抗体の助けを借りて、ウイルスが爆発的に感染していくという現象があって、それをADEと呼ぶようです。

B君:例えばの話、
S型に対する抗体は、G型の感染を予防する力が弱いだけではなくて、G型に影響を与えて、その結果、G型ウイルスが血中から細胞の中に入り込む。そのため、血中の存在量は一時的に減少するけれど、ある時点で、一気に細胞から飛び出して、患者の症状を急変させるなんといったことが起きるらしい。

A君:どうも、この
ADEが欧米諸国では起きてしまって死者が増えたということのようです。

B君:もう一度整理すれば、
日本は、武漢以外の中国からの入国制限を始めるのが余りにも遅かったために、そのお蔭でK型に感染していた多数の中国人が来日したことによって、日本人にも、集団免疫ができた。しかも、その良い副作用として、今年は、インフルエンザの感染者が少なかった。
要するに、日本政府が何の対策も打たなかったのが、実は、大正解だった。


A君:
スウェーデンのように「とにかくコロナに感染すれば、国民全員に抗体ができるからこれが究極の対応策」、という単純な考え方では、今回のように、複数のコロナウイルスに対応しなければならない場合には、ダメだったということになるのでしょうね。そもそも、コロナに3種類もの種類が有ったということは、スウェーデンの場合、考慮外だったのでは。

B君:もっとも、
スウェーデンでは、G型の免疫ができた可能性が高いので、今年の秋以降の第二波がまたまたG型類似であれば、死者は少なくなる。それ以外の弱いタイプが第二波の主役であれば、それなりに、効果を見せるかもしれない。

C先生:
ブラジルのボルソナロ大統領も同じようなことを言っているけれど、こちらは、裏に全く別のなんらかの思惑がありそうで、かなり怪しい。それは、「兎に角、経済・経済・経済」。ファベーラの住民がコロナで死亡しても、「そんなことは気にしない」、だからね。

B君:そろそろまとめか。
日本という国では、当初の様子見期間が長くて、グズグズしていたために、実は、それが逆に死者数減少には効果的だった、ということが今回の最終結論かも知れない。「何もやらない」ことが常にポジティブな影響を生み出すことは絶対的事実ではないということを理解して貰わないと、次のときに、ひどい目にあう可能性が高い。要するに、今回のコロナへの感染者数と死者数が思ったよりも少なく済みそうなのは、ウイルスが3種類もあったということ、すなわち、ウイルス側の全くの偶然のなせる業だった。日本政府がやった対策では、マスクの配布を含めて、良かったことはほぼ何も無くて、医療関係者と自治体が非常に頑張ったから、なんとか現状程度で推移することができたというのが、実情だろう。

C先生:
日本政府にとっては「まあ、結果オーライで良かったけれど、なんとなくモヤモヤする」という感想だろうけれど、実際、現時点の日本政府の最大の特徴である「本来やるべきことに対しては、グズグズして、決断しない。マスクの配布など目に見える行動は決めるけど、それも実施は遅い」ということがコロナの場合には、なぜか極めて有効だったということになるようだ。PCRの実施数を抑えることは、医療崩壊を防ぐという目的には有効だったと思われるけれど、現時点で判断すれば、もっとPCRを推進すべきだったように思える。しかし、今さらPCRを大量にやるとなると、なぜもっと前からやらないのだ、という非難に対して、答えが用意できていない可能性が高い。
 個人的な見解も相当変化した。
中国と距離が近い国々は、歴史的にみて、様々なコロナウィルス的なものに接触せざるを得なかったため、結果的に、日本人の多くが、なんらかの抗体を持つようになった、と最初は考えていた。しかし、今回の新説によれば、単純にそうではないようだ。そもそも抗体というものが、遺伝的にどのぐらい次の世代に伝達されるのか、ということも分かっていないのが我々の実態なので、「やはり、医学関係の話題には、余り近づかない方が無難だ」、というのが、今回の個人的な結論なんだ。
 しかし、
人口100万人あたりの死亡者数のような非常に重要な数値が、表立って発表されないということも、重要な真実の一つが隠されているということなので、良くないと思う。今回、複数回に渡って、そのデータを出せたことは、まあ、良かったのではと思う。
 さて、それなりの結論だ。
今回のコロナ対応だが、意図的になんらかの対処をすることで、成功を見事に収めた国は、実は、どこにも無かったのではないか。オーストラリア、シンガポール、インドネシア、マレーシアなどなどの国々での死亡率がかなり低く、タイ・ベトナムや台湾はさらに少なかったが、これらの国でも、恐らく、中国人の入国者数がかなり多かったため、すでに述べた「結果オーライ・メカニズム」が起きたように思えるのだ。これが、現時点で説明が可能なことなのではないだろうか。疫病への対応というものは、本当に難しい。
 一方、やはりアジアから伝染で始まった
ペストの場合には、ネズミをいかにして住居から遠ざけるか。これが鍵だったヨーロッパの場合、それは木造住居から石造建築にすることによって、対応が成功した。
 コロナの場合だが、また、
何か類似した疫病が出るとすると、中国がその起源になる可能性が高いと思う。となると、中国人が、コウモリのような妙なものを半生状態で食べないようになることが、本当の解決策なのかもしれない。あるいは、中国がもっと清潔さを重視する政策に変える必要があるのかもしれない。しかし、中国人がそれを実行するようになるとは、とても思えないねーー。元々、彼らはイカモノ食いだから。近未来でも、結局なるようにしかならないように思える。しかも、次の感染拡大時には、今回の「偶然」という幸運が起きないかもしれない。今年の秋からの第二波が本当に恐ろしい