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    コロナ感染率・死亡率と第二波   07.26.2020
       第二波のリスク比較 (死亡率第4回)

               



 コロナ罹患者数の比較を始めたのが、4月5日の記事が最初でした。ジョンズ・ホプキンス大学のデータがあれば、充分とも言えるのですが、『人口千人あたりの発症数』といったある種の標準化をしない限り、危機感とは同期しないのではないか、ということで、基本的な考え方でした。
 
第1回は4月5日でしたが、この回での大発見は、なんと1位の発症率がサンマリノ。続いて、アンドラ、ルクセンブルグ、アイスランドと人口の少ない国ばかりが上位を占めたことでした。その次の第5位にスペインがあって、恐らく、感染防止策がほとんど取られていない状況だったのだと思われます。スペインの人口千人あたりの発症数は、2.40人でした。今回示す数値は、7月23日のデータを解析したものですが、5.73名/千人ですので、感染が2倍以上の広がりを示したことになります。
 
サンマリノの話に戻ります。7月25日現在のサンマリノのデータが、感染者699名、死者42名です。4月2日のデータが、感染者245人でしたので、増加率は相当なものであることが分かります。しかし、Johns Hopkins大学のサイトにある増加のグラフによると、5月以降の感染者は落ち着いているようで、第2波は抑えられているように見えます。
 ということで、今回の記事では、
Johns Hopkins大学のサイトの感染数増加のグラフもチェックして、そのパターンから第2波危機的レベルを直感的に判断することを加味してみることにしました。
 
日本の状況ですが、死亡者はほぼ増えていませんが、感染者のカーブは、完全に第二波が来たことを示しているものと思います。米国にも第二波は来ているのですが、第一波が多少収まる前に、第二波が来てしまったようでして、日本ほど第二波が来たことが明確な国はあるのか、と言われればイスラエル、オーストラリア、ルクセンブルグ、クロアチアなどです。セビリア、ボスニアヘルツェゴビナ、スロベニアなどがその次ぐらいにそうなりそうです。その先ですが、1ヶ月後には、スペインがそうなっていそうな気がしますが。


C先生:最近、日本でも我々と同様に、
コロナ第二波が来ているという認識も一部にはあるようだ。第二波を確実に定義するのは難しいが、現時点の状況を振り返ると、少なくとも、日本においては、当初、思ったほどの死者数にならず、このところ、コロナウィルスも若干弱毒化したような雰囲気もある。となると、最大の問題は、第二波(&強毒化)が来るか、という点にあると言わざるを得ない。第二波を避けることができれば、人命の被害は確実に減るのだが、その対策方法によっては、経済的な悪影響はどうしても残ることになる。

A君:例の
GoToキャンペーンが始まったのは、大都市を除けば、まあ良いとしても、東京などの状況は、明らかにまだそのレベルではなかった。いささか、早すぎたけれど、経済優先主義の政府としては当然の主張だったのでしょう。

B君:しかし、個人的に見れば、かなり動くことが当たり前になってしまったのも事実。最近の感染者が、どのような行動で感染することになったかの報道を見ると、やはり、
若者が、数名で飲み会をやって騒ぐと、感染する確率が高くなるということは事実のようだ。だから、むしろ若者に感染の元になりうる保菌者が多いということなのだろう。

C先生:我々世代は、感染すれば、重症化する確率が高いので、当然、慎重にならざるを得ない。やはりワクチンが完成しないと、本当の意味では、安心できない。しかし、どうも
若者は、コロナは自分達への影響は大したことが無い、とナメているように思う。しかし、先日、テレビを見ていたら、2名の若者が紹介されていたけれど、コロナに感染し、軽症で終わったので良かったと思ったけれど、その後、自宅に戻ってから、どうしても体のだるさが抜けない。そのため布団から全く離れられないとのこと。

A君:その番組、見ましたが、精神的な検査をしないと、なんとも言えないような感じでしたね。
自分自身の心に問題があるのか、それとも、やはりコロナの影響なのか、はっきりしない。

B君:
「コロナから回復した」、と言っても、友人などは、「しばらく会いたくない」という反応であることが多いだろう。それを何回か経験すると、心に大きな傷が残るのではないか。

A君:ということで、さて今回は、ですが、またまたコロナによる死亡率調査。第4弾になりますかね。

B君:当然のことながら、GoToキャンペーンなども始まってしまったので、ますます、感染者は増えるだろう。しかし、一方で、東京都は、他の地域から完全に嫌われて、GoTo除外地域になってしまった。

A君:「東京嫌い」の気分も良く分かる。しかし、
現時点であれば、現地の若者の行動をしっかり見張るのがベストだと思う。感染能力を持っている人間の数としては、現時点では若者が多いという判断が正しいと思うので。高齢者は、感染することが怖いので、しっかり注意して、感染の可能性のある行動を避けている。そのため、感染させない行動を取っているとも言えます。

C先生:まあ、そんなところで、今回のデータの説明を。

A君:
基本データは、7月23日のJohns Hopkinsのものです。例によって、人口を加味した死亡率の解析を行いました。千人あたりの感染数も提示。

B君:例によって、この感染率は、東洋系の国は低い。癪に障ることには、
感染の大元である中国がもっとも感染率が低い。人口千人あたりわずか0.06人。第二位が日本で、0.21人。韓国が続く。

A君:
死亡率も低いのが3.3ppmで中国。続いて、シンガポールの4.7ppm。ガーナが5.1ppmだけれど、これがどこまで続くかは疑問。オーストラリア5.3ppm、韓国が5.8ppm、日本が7.8ppm

B君:今回、テーブルには、どくろマークを書き込もうと思ったのだけど、Web用のエディターが受け入れてくれなかった。そこで
×印で我慢したけれど、これは、二次感染が起き始めていると思われる国だ。そして、二次感染を克服したと思われる国には、◎を書き込んだ。マークの数は、最大5個まで。

A君:アメリカは、
×3つですが、本来は、その後に?をいくつか付けたいぐらい。他の国だと一旦収まる気配を示してから、二次感染なのですが、アメリカだけは、一定数になる傾向が全く見られないで、いきなり勾配が急になって、感染者が増え始めためです。

B君:それは、
アメリカの国土の広さを反映していると考えるのが良さそうに思う。ニューヨーク州から感染が始まって、シカゴ、セントルイスぐらいまでは、まあまあ人口があるので、感染者が増えて、それから、南部に広がった。具体的には、フロリダ、テキサスなどの州に広がった。しかし、そこから先となると、農業地帯になるので、人口密度が高い都市はポツポツあるという程度。感染地図を見れば、デンバー、ソルトレークぐらいの都市に感染者が増えたけど、そこから先は、南は砂漠地帯、北は農耕地。そして、現状、西海岸のワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州、そして、メキシコ国境のアリゾナ州に伝播した。

A君:ネバダ州は砂漠だし、オレゴン州は首都のポートランドにしても、静かでよい街だそうですね。

C先生:サンフランシスコ地域、ロスアンゼルスを除くと、西海岸は、シアトルを含め、どこも小都市だ。特に、オレゴン州のポートランドは小さい。そんな状況であることを、Johns HopkinsのUSの状況を開いて見て欲しい。一番、上にあるから、簡単に開けると思うよ。

B君:第二波ではなくて、
第一波が現時点でも猛威を振るっている国が、実は、第2位から6位までの、ブラジル、インド、ロシア、南アフリカ、メキシコということのようだ。中でも、南アフリカの最近の感染拡大速度は非常に速いのが心配。

A君:日本のように、第二波となると、若干
コロナも弱毒化するという傾向があるようにも見えるのですが。

B君:確かに、そういう主張をしている人は居るね。しかし、「なぜ?」と問われても、まだ、答えはないのでは。

A君:どうも
イタリア人の感染症部門の教授が、「恐らくはウイルス自身の突然変異の結果と考えられるが、これはまだ疫学的に証明された訳ではない」と述べていますね

B君:まさに、コロナ最先端で戦って来た人の感想なので、間違いだとは言い切れない。こんなことを述べているとのこと。
「3月4月のウイルスは、どう猛な虎だったが、今は、ヤマネコぐらい。最近は、80歳、90歳の患者もベッドから身を起こして機器の助けなしに呼吸をしている。かって高齢の患者は、2〜3日で死亡していたのに」、だそうだ。

C先生:それは、ちょっと嬉しい情報だね。個人的には、だけど。

A君:イタリアの状況ですが、3月には、感染者が毎日6000人、死者は1000人近くという状況でしたけれど、その後、感染者、死者ともに減少し、今では、1日に感染者200人前後、死者は10人台になっている。

C先生:しかし、日本では増えている。
イタリアでは、第二波は無いのだろうか

A君:イタリアでも微妙に患者数は増えているのですが、5月半ばから、かなり落ち着いていますね。5月14日の累積患者数が223、096人。7月24日には、それが、245、590人。まだ増えているけれど、一方で、健康状態に戻る人が多いということなのではないですか。

B君:本日は、このぐらいにして、最後に、折角準備したエクセルのテーブルを掲載します。7月23日のものですので、ちょっと古くなりましたが。
最後のカラムに、第二波の危険度なるものを入れてみました。
これは、主観です。
ほぼ信用できません。

累積感染者数 国名 死亡者数 人口 千人 死亡率ppm 感染数/千人 第二波危険度
3,955,860 US 142,942 327,096 437.0 12.09 リスク中
2,159,654 Brazil 81,487 209,469 389.0 10.31
1,193,078 India 28,732 1,352,642 21.2 0.88
787,846 Russia 12,722 145,734 87.3 5.41
394,948 South Africa 5,940 57,793 102.8 6.83
366,550 Peru 13,767 31,989 430.4 11.46
362,274 Mexico 41,190 126,191 326.4 2.87
334,683 Chile 8,677 18,729 463.3 17.87
297,952 United Kingdom 25,586 67,142 381.1 4.44 リスク低
281,413 Iran 14,853 81,800 181.6 3.44
267,551 Spain 28,426 46,693 608.8 5.73 リスク中
267,428 Pakistan 5,677 212,228 26.7 1.26
258,156 Saudi Arabia 5,601 33,703 166.2 7.66
236,989 Italy 34,345 60,627 566.5 3.91 リスク低
213,254 Bangladesh 2,751 161,377 17.0 1.32
211,038 Colombia 7,166 49,661 144.3 4.25
204,276 Germany 9,102 83,124 109.5 2.46
194,153 France 29,410 64,991 452.5 2.99
178,239 Turkey 4,807 82,340 58.4 2.16
136,118 Argentina 2,506 44,361 56.5 3.07
113,790 Canada 8,913 37,075 240.4 3.07
107,871 Qatar 163 2,782 58.6 38.77
99,865 Iraq 4,042 37,172 108.7 2.69
91,751 Indonesia 4,459 267,671 16.7 0.34
89,745 Egypt 4,440 98,424 45.1 0.91
85,314 China 4,644 1,427,648 3.3 0.06 ◎◎◎リスクゼロ
78,504 Sweden 5,667 9,972 568.3 7.87
77,257 Ecuador 5,418 17,084 317.1 4.52
75,153 Kazakhstan 585 18,320 31.9 4.10
72,269 Philippines 1,843 106,651 17.3 0.68
71,547 Oman 349 19,506 17.9 3.67
66,521 Belarus 513 9,453 54.3 7.04
64,258 Belgium 9,805 11,482 853.9 5.60
62,357 Bolivia 2,273 11,350 200.3 5.49
62,295 Ukraine 1,553 44,246 35.1 1.41
61,185 Kuwait 417 4,137 100.8 14.79
57,734 United Arab Emirates 342 33,703 10.1 1.71
56,085 Israel 430 8,382 51.3 6.69 リスク大
56,043 Dominican Republic 1,005 10,627 94.6 5.27
55,153 Panama 1,159 4,177 277.5 13.20
49,150 Portugal 1,702 10,256 166.0 4.79
48,990 Netherlands 6,078 17,060 356.3 2.87
48,744 Singapore 27 5,757 4.7 8.47
41,162 Poland 1,642 37,922 43.3 1.09
41,135 Guatemala 1,573 17,250 91.2 2.38
40,163 Romania 2,101 19,506 107.7 2.06 リスク大
38,344 Nigeria 813 19,587 41.5 1.96
37,637 Bahrain 130 1,569 82.9 23.99
35,727 Afghanistan 1,190 37,172 32.0 0.96
35,693 Armenia 678 2,965 228.7 12.04
35,693 Honduras 678 9,588 70.7 3.72
33,883 Switzerland 1,972 8,526 231.3 3.97
29,672 Ghana 153 29,770 5.1 1.00
28,980 Kyrgyzstan 1,111 6,316 175.9 4.59
28,633 Azerbaijan 385 9,981 38.6 2.87
27,115 Japan 990 127,202 7.8 0.21 リスク大
25,819 Ireland 1,754 4,819 364.0 5.36
22,031 Serbia 499 8,803 56.7 2.50 リスク大
19,929 Austria 711 8,891 80.0 2.24
13,938 Korea, South 297 51,172 5.8 0.27 リスク中
13,554 Denmark 611 5,752 106.2 2.36
13,302 Australia 133 24,990 5.3 0.53 リスク大
(From Johns Hopkins Coronavirus Resource Center 07/23/2020)
今後の第二波発生のリスクの大小は、現時点までの感染者増大の傾向から判断しました。