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       新型コロナとの共存は? 01.24.2021
       
Wedgeの昨秋の記事から



 Wedgeという月刊雑誌がある。東海道・山陽新幹線のグリーン車では、無料配布されていいる。筆者自身も、時々(2年に1回以下)、環境・CO2関係の記事を書かせていただいたりする。先日、自室の本がかなり乱雑になったもので、整理をしていたら、Wedgeの2020年10月号(9月20日発行)が出てきた。表紙には、『新型コロナ こうすれば共存できる』と大きな字で書かれている。はて、どんなことが書かれていたのだろうか、ほとんど記憶がないので、再度読み返してみた。内容は、5つのPartに分かれていてるが、もっともな提言であることを再認識した。

 現時点で、日本におけるコロナの状況をチェックすると、例のJohns Hopkins大学によるCOVID-19 Mapによれば、
今年に入ってからの日本の状況は、総感染者数では世界38位であるものの、増加速度だけを考えると、かなり悪い。日本に近いのはポルトガル、ドイツ。そして、日本より確実に悪いのが、インドネシア、南アフリカ、メキシコ、アルゼンチン、コロンビア、スペイン、ブラジルぐらい。全く別の統計値である人口100万人あたりの7日間の新規死者数で比較すると、先週以降では169.4%増加で、なんと世界トップ級である。もっとも、これまでの感染率が低かったことが、世界トップクラスになってしまう大きな理由ではあるのだけれど。

 さて、今回の主題は、コロナとの共存という意味での対応が、この4ケ月ほどで、どのような変化をしてきたのか、若干検討してみたい。


C先生:さて、Wedgeのその記事を紹介すれば、『新型コロナ こうすれば共存できる』というのがメインタイトル。そして、次のようにPart1からPart5までに分かれている。
Part1:新型コロナは”ただの風邪”ではない。でも、恐れすぎる必要もない。
Part2:「してはいけない」はもうやめよう。今こそ連帯を促す発進を。
Part3:煽る報道、翻弄される国民 科学報道先進国・英国に学べ
Part4:
財政依存から脱却し試行錯誤を許容する社会へ
Part5国内の「分断」を防ぎ、日本は進化のために脱皮を。
 余りにも分量が多い。今回は、ざっと雑談レベルということにしよう。そして、機会を見て、また、詳細を報告するのが良さそうだ。

A君:取敢えずの感想としては、
正統的なアプローチのように思える、と言うことで、内容の議論は、徐々に行きたいですね。

B君:各Partに入る前に、序論のような記述があって、そこには、どのような問題意識で、この記事が作成されたか、が記述されているのだけれど、本記事の最後に、まとめる方が良さそうに思う。ここでは、専門家の意見を1件だけを紹介して、次に進みたい。
 
なぜ、市民は不安な気持ちを持ち続けるのか、それは、『感染症の治療をしたのとのない「専門家」が報道やSNSで、根拠のない勝手な意見を言うからだ』。

A君:これがどこまで本当なのか、と疑問に思われるでしょうが、少なくとも、Wedgeの編集部が取材した現場の医療従事者は、一様にこのような発言をして、かつ憤っていることのようです。

B君:何がより具体的な問題なのか、その記述はこんな風になっている。
 「
報道では、感染者数やクラスターの発生がまるで”災害情報”かのように報じられ『夜の街』『大人数の飲み会』『旅行・帰省』がスケーブゴートにされる。これによって、不安が怒りに変わり、社会の分断を生みます。連帯して行わなければならない感染症対策にとって逆効果です」(by堀直美氏:感染症対策コンサルタント)。

A君:ちなみに、Wedgeの11月から1月号までには、コロナ関係の特集はありません。

B君:さて、それではPart1からご紹介しますか。その題名は、
『新型コロナは”ただの風邪”ではない。でも、恐れすぎる必要もない』
 筆者:坂元晴香氏(慶応技術大学医学部医療政策特任助教)


A君:
この記事が書かれた時点(2020年8月31日)だと、全世界で2506万人が感染し、84万人が死亡。それが、本日、2021年1月24日時点だと、全世界で9876万人が感染し、212万人が死亡。感染拡大がものすごい勢い。

B君:状況は、変異したウイルスなども登場して、感染拡大傾向だ。
これまでに、コロナを克服した国はあるのか、と言えば、Johns Hopkins大学のデータを見ても、トルコがそのようにも見えるけど、あの国は、大統領からして信用できないので、判断保留

A君:まあ、
ネパール、アゼルバイジャン、クロアチア、ブルガリア、アルメニア、オーストラリアがほぼ収束しているのでは。シンガポールも良さそう。それに、中国も。感染の発生地だけに、納得できないけれど。

B君:
一方で、あのすばらしかった台湾も、11月末から感染拡大だった。また、ブータンのような国も、冬になってからは拡大傾向。

A君:そろそろ坂元先生の記事に戻るけれど、『世界で”New Normal"に向けて、社会変革を試みる動がある。しかし、
多くの国では、新型コロナのコントールと社会経済活動の再開のバランスの間で苦しんでいる』。

B君:たしかに、そんな状況ではあるけれど、正直な話、
”New Normal”というものだが、コロナが変異などをするものだから、その影響を受けて、なかなかその実態が記述できていない

A君:しかも、重症化するかどうか、それがコロナの場合でも極めて重要な要素ではあるけれど、ざっと言えば、高齢者となんらかの基礎疾患がある人。基礎疾患としては、糖尿病を意味するのが普通のようですね。

B君:
若年層は、自分は重症化しないと思っているのだろうね。たしかに、その通りなのだけれど、どうやら後遺症は若者の場合でも残る例があるらしい

A君:この記事に書かれているのは、
『6月5日までに入院した3403例では、29歳以下は2%だけれど、70歳以上は13.1%(出典:厚労省アドバイザリーボード資料:8月24日)』。やはり、高齢者の感染リスクが大きい。

B君:死亡率も年齢依存が大きい。
イタリアのデータらしいけれど、0〜49歳ではほぼ0%。しかし、70歳代では12.8%、80歳代では20.2%。

A君:さらに
『インフルエンザだと、年間1万人も死亡しているのに、コロナでは、1000人しか死んでいない』、という言い方もあった。その時点では確かにそう言えたけれど、この記事を書いている時点だと、日本の死者は5072名となり、もはや少ないとは言えない

B君:感染者数が似ている他の国との死亡者数を比較してみると、次のようになるね。
 (出典 Johns Hopkins 1月24日2021年)
  国名     発症数   死者数
 スイス    509千人 9050人
 モロッコ   465千人 8128人
 オーストリア 403千人 7389人
 セルビア   382千人 3868人
 サウジ    366千人 6350人
 日本     361千人 5072人


A君:
昨年の9月ぐらいまで、日本での死亡者数は相対的に少なかった。しかし、このところ、普通のレベルになった。セルビアの死者が少ない理由は、感染者のピークが12月1日ぐらいで、現時点では、ほぼ収束したからでは。

B君:
日本は、1日の新規感染者数が2000人になることを、まずは目標にすべきなのではと思う。昨年の7月末から8月初のピークが、1360人ぐらいだったのだから。

A君:勿論、新規感染者の数を減らすことが最重要ですね。そのためには、
1週間ぐらいで良いから、経済活動をギリギリまで抑えてみて、新規感染者の発生を最大限減らすということにトライして欲しいですね。

B君:確かにね。過去最高のピークが、本年1月11日で、新規感染者数4754人だったのだからね。一旦減れば、しばらくは、その傾向が続くかどうかという実験をしてみて欲しい。

A君:やはり、
社会の何を守るのか、その議論は非常に重要で、経済というものが破綻すると、人の命に関わるので、バランスがもっとも重要なのだとも言えますね。そのためには、人命と経済のバランスの最適点とは何か、この議論を社会全体で行うべきなのではないでしょうか。

B君:今だと、
政治は、経済が重要と主張し、命の危険を感じている高齢者は人命が重要と主張していて、その最適なポイントがどこか、という議論がほとんどされていない。加えて、その最適ポイントを実現するための方法にはどのようなものがあるのか、という議論も不十分のような気がする。

A君:いきなり具体的な規制が提案されましたが、
飲食店などの夜の営業時間を8時にすれば、コロナ感染に関して、どのようなことが、例えば、感染者数は確実に減ると言ったことが起きるのか、というシミュレーションは行ったのでしょうかね。多分、やっていないのでは。

B君:このような人の行動パターンについてのシミュレーションは、非常に難しいところがあるけれど、もう少々、
コロナ対応のための解析ツールを作るといった作業を誰かが行うべきなのではないだろうか。

A君:そうですね。それが進展すれば、社会シミュレーション・ソフトが充実して、どのようなパラメータを買えれば、人の行動はこのように変わる。その結果として、コロナの感染の機会の総量が変化して、感染者数も良い影響を受ける。その相関関係あたりを明らかにすることは、やっても良いことなのでは。

B君:話が変わって、
韓国もかなり感染者が増えたけれど、このところ規制を厳しくしたみたい日本の総感染者数が351千人。韓国は75千人だから、人口が半分より少し少ない韓国としては、かなりマシなのだけれど。韓国は、なぜか強制的な規制が可能な国で、ときに経済的な影響をときには無視するというところで、日本とはかなり違う。

A君:
韓国では、昨年11月から急激に感染者が増加し、医療崩壊寸前になって、空き病床が4床になってしまった。そして、感染者数がピークになったのが12月25日で、それから、急激に減少していますね。
 韓国の規制は、かなり大胆に行われるようですね。例えば、
韓国では、都市部の飲食店は夜9時までの営業。すごいのは、5人以上が集まると、27万円の罰金になってしまうとのこと。

B君:すごいね。しかし、韓国が何でも良いというものでもなくて、
昨年の1〜10月の間に1万3千人が自殺しているとのこと
 それにしても、
韓国の死亡者総数は1349人とかなり少ない。日本はいつのまにか増えて5115人になっている。ちなみに、韓国の人口は5178万人。日本は1億2713万人。

C先生:まあ、韓国と日本は、隣に位置しているけれど、物事の考え方がかなり違う。それ故に、文大統領の政策には、日本側としては認めがたい、という事態がしばしば起きてしまう。
コロナに関しては、韓国の方が規制が厳しいようだ。飲食に5人以上集まったら、27万円の罰金といった政策を、もし日本が実施したら、かなり非難轟々だと思う。しかし、日本のコロナの現状を考えると、コロナが消滅するまでは、もうちょっと厳しくしても良いのではないか、という感触も無いとは言えない。しかし、感染防止と行動規制については、それぞれの国のポリシーがハッキリと出るので、非常に面白いとも言える。個人的には、少なくとも非常事態宣言の間は、もうちょっと規制を厳しくした方が、結果的に市民レベルでの幸福度が上がるのではないか、と思う。
 今回は、Part1ということにして、次回以降、何か追加記事を書くことにしよう。