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     コロナ感染の分析 その7
       
付録として米国大統領選挙 11.08.2020



 これまで、4月5日、4月27日、5月23日、6月21日、7月26日、そして、8月23日、と6回もコロナの感染状態の解析をして来ました。とはいうものの、やっていたことは、人口100万人あたりの死亡数の比較が主たるものでした。となると、札幌医科大学の人口100万あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移【国別】と同じことになってしまいます。しかも、大幅に進化した札幌医科大学のコロナサイトには、様々な新しい比較の動的グラフが追加されていますので、似た数値などを開示したところで、ほとんど無意味であることが分かりましたので、今回は、札幌医科大学のサイトに掲載されているグラフで、何が分かるのか、そのような傾向が表れた理由が、各国のコロナ対策の内容とその国民の特性から説明できる可能性があるか、などなどを若干考えてみようと思います。
 加えて、
やっと決まった米国大統領選挙に関してもちょっとだけ。


C先生:
札幌医科大学のサイトをしばらくチェックしていなかったけれど、かなり様々な新要素が加えられている。このサイトだけ約150ヶ国のコロナの軌跡をほぼ完全にフォローすることができる。

A君:これをどう活用しますか。日本のコロナが世界的に見て、どのようなレベルにあったのか、それが明確に分かると良いのですが。

B君:それなら、こんな作業をしてみよう。
札幌医科大学のグラフを活用して、日本における100万人あたり発症数の履歴を基準にして、すべての期間で発症数が日本よりも低かった国をリストアップしてみよう。

A君:それは、面白いですね。では作業を。

B君:なるほど、これだけの国しかないのか。ところで、札幌医科大学の図には、世界の約160ヶ国のデータがグラフ化されているので、充分なデータ量だ。

A君:
以下が、日本の100万人あたりの発症数の経過が常時確実に下回った国のリストになります。
 
アンゴラ、ブルキナファソ、ブルンディ、カンボジア、チャド、コンゴ民主共和国、エリトリア、ラオス、マラウイ、マリ、モンゴル、ニジェール、ナイジェリア、パプアニューギニア、そして、べトナム。

B君:なんだ、
日本を下回った国は、15ヶ国しかないのか。10%以下ではないか。しかも、アンゴラの感染率は、近く日本を抜くのでは。

A君:いや、なんとも言えないですね。しかし、判断に使えるかもしれない
一つの指標が、その国の一人当たりのGDP(=GDP per Capita)かもしれません。ちょっと、調べてみますね。
 アンゴラ         $2968
 ブルキナファソ     $ 775
 ブルンディ        $ 270
 カンボジア        $1620
 チャド           $ 686
 コンゴ民主共和国      $ 509
 エリトリア        $ 567
 ラオス          $2661
 マラウイ         $ 378
 マリ           $ 907
 モンゴル         $4202
 ニジェール         $ 554
 ナイジェリア        $2230
 パプアニューギニア    $2884
 ベトナム         $3416
  −−−−−−−−−−−
 日本          $40256


B君:そして、日本のGDP/Capitaか。こうやってリストを作ると、やはりアフリカのGDP/Capitaが低さが明確だな。効果的なコロナ対策をやるには、難しい国なのかもしれない。もっとも、ベトナムでの感染者数は、いつも不思議なぐらい低いですが。

A君:このリストの中で、
アフリカではアンゴラがもっともGDP/capitaが大ですが、どうも、ダイアモンドが取れたり、石油が有ったりするようです。農作物としては、砂糖とコーヒーですか。

B君:アフリカの国々のGDPランキングを作ると、1位と2位は、セーシェルとモーリシャスで、島国の観光国。これは、アフリカ大陸の普通の国とは言えない。その
次が、赤道ギニア、ガボン、ボツワナと続く。そして、アンゴラは、アフリカで16位で、エジプトの15位の次なのだ。

A君:そのあたりの国では、南アフリカもそうだけど、ボツワナとかナミビアといった国々にも、地下資源がある。特に、ダイアモンドが有名ということで、よろしいのでは。

B君:そろそろ話題を変えて、
米国の大統領選挙でのトランプ発言がひどいものだったけれど、米国のコロナに関して、トランプ政権の責任は本当に無いと言えるのだろうか

A君:
米国の累積死者数の推移ですが、今年の6月頃、人口100万人あたり感染者が5000人のときは、死亡者数が300人といった状況でしたね。死亡率は、高かったような気がしますね。それが、今年の10月初め頃では、100万人あたりの感染者2万人ぐらいに増えていますが、死亡者は100万人あたりだと580人ぐらい。感染者の死亡率は多少下がっています

B君:それはそれとして、ヨーロッパ、日本と比較しないと。
イタリアの状況だけど、2020年8月頃、人口100万人あたりの感染者4000人ぐらいで、そのうち580人ぐらいが死亡するという感じ。やはり、イタリアの方が感染者の死亡率は高いです。

A君:日本ですと、
10月1日で、人口100万人あたり656名が感染、そして、そして、人口100万人あたりの死亡者は、12人ぐらい。やはり、圧倒的に死亡率は低い

B君:その1ヶ月後のデータだと、イタリアの感染者が急増しているのが大変に気になる。

A君:日本の場合だと、
5月から7月までは、新規感染者が余り増えない状況だったけれど、それ以後増えた。GoToキャンペーンがあったためでしょうかね。

B君:そうね。GoToは7月22日に開始された。これで、それまでどこかに旅に出ることは罪の感覚だったものが、解除された感覚に変わった。

A君:しかし、このようなデータを図示してみると、
自由に活動すると、確実に感染者が増えるということは明らかですね。日本の場合、不思議なぐらい死亡者が少ないので、なんとか許容範囲内ですが。

B君:アメリカの感染者は大変な数ではあるけれど、やはり、
ヨーロッパの場合、何が違うのか分からないけれど、死亡者が多いのが、最大の問題点

A君:
中国に近い国は、なぜか、死亡者が少ないように思えるということが、指摘されていますが、その科学的解析は遅れていました。未だに謎なのか、それとも解明されたのか

B君:調べてみたら、
「科学的には、こんな可能性がある」ということが発表されている。国立国際医療研究センター研究所などのチームが、様々な研究をまとめ、遺伝子医学の専門誌で発表したのだそうだ。

A君:その記述です。『コロナウィルスによる感染者数や
死亡者数がアジアの国々で欧州と比べて少ないのは、血圧の調整などに関わるたんぱく質の遺伝子タイプが関係しているかもしれない。チームは気道や心臓、腎臓などにある「ACE(エース)」と呼ばれるたんぱく質の遺伝子タイプとの関係に注目した。二つあるACEのうち、「ACE2」というたんぱく質は、感染するのに関わっているとされる。しかし、ACE2とコロナとのかかわりは特にみられなかった。ところが、構造が似ていて血圧調整などに関係している「ACE1」というたんぱく質の遺伝子タイプとコロナとの関連が見つかった。
 これまで、計25か国・地域について報告された論文などを元に、約1万5千人のデータを分析したところ、
ACE1の遺伝子が「I/I(アイアイ)」というタイプの人の割合が欧州では少なく、アジアでは多い。割合が多くなるほど感染者数や死亡者数が少なくなる傾向が、統計学的に認められた
 
B君:まだ、確定したということではないかもしれないけれど、
やはり、生まれついて、コロナに耐性があるのがアジア人、そして、残念ながら、コロナに弱いのがヨーロッパ人というのは、事実であることが裏付けられたようだ。A君が今記述したメカニズムの本当のところは、かなり難しいくて、正直なところ理解不能。少なくとも、過去のインフルエンザ、SARS、MERSなどでは見られなかったことで、今回のコロナウイルス(COVID−19)に特有のことらしい

C先生:今回のコロナウイルスに関しては、どうやらアジア人は何らかの抵抗力を持っているというメカニズムが解明されたようだけれど、だからといって、日本人なら死亡しないという訳ではない。
糖尿病患者ではコロナウイルスへの罹患率が上昇するし、死亡率も高くなる。ただし、血糖値のコントロールがきちんとできている場合には、そのリスクは低いというデータがあるようだ。

A君:糖尿病以外にも、
心血管病、呼吸器疾患、透析患者、免疫抑制剤を服用中の人は、COVID−19が重症化しやすいということが分かった。もっとも糖尿病患者で血糖値がコントロールできていない人は、水虫や肺結核、そして、壊疽で足を切断する人が多いということも分かっているようです。

B君:
コロナで死亡した人の血糖値の平均値は、175mg/dL。それに対して、コロナから復活した生存者の血糖値の平均は、113mg/dLだったというデータも見つかった。ちなみに、血糖値の基準値は、空腹時のもので、80〜99mg/dl。

C先生:色々チェックしても、
血糖値以外で、コロナの死亡率が高くなるというデータは見つからないね。ヨーロッパ人に比べて、アジア人は、COVID−19の感染での死亡率が低いと考えられるので、それを考慮に入れた感染防止対策や、行動パターンを考慮することが重要なのだろうと思うけど。それにしても、これから冬に向かうと、何かに付着したウイルスが生存する時間が長くなる。これまで以上に、慎重に、しかし、リスクをしっかり見極め、やっても大丈夫なことだけを実行するという態度が不可欠だろう。日本人は、今回の米国の大統領選挙の様子を見ていると、米国人よりも、ずっと理性的な判断ができる能力があるので、もうしばらく、COVID−19に負けないようにしっかりと考慮し行動することが重要なのではないか。

A君:
米国大統領選挙の話が出てしまったので、若干追加します。一応、バイデン氏が選挙で勝ちました。しかし、今後、トランプ大統領が、法律的な穴を探して、なんとしてでも勝利しようとすることは確実。こんな大統領候補が出現するなどということは、そもそも大統領候補になる人の知性と品格を考慮していて、選挙制度が対応していなかったのだろうと思いますね。

B君:
合衆国が名称であった国が、どうも合州国に戻る必要が有るみたいだ。「衆」は分裂してしまったようなので。

A君:
元々、United States of Americaだから、合衆国ではない

B君:
バイデン氏が、合州国を合衆国に変換できると良いのだけど。

A君:話変わって、
噂では、トランプ氏がここまで大統領のポジションの確保に固執する理由は、すでに個人の財産をほとんど失ったため、とか。

B君:
トランプ氏が経営していた、ニューヨークのカジノの経理は、酷かったみたいだ。利益はトランプ氏個人のものにして、結果的にカジノはつぶれたらしい。

A君:そんな情報であれば、米国人なら知っているはず。それでも
トランプ氏を支持するのは、やはり、暴力的なまでに強がりを言えるという個人の特性が、ある種のアメリカ人にとっては、理想形なのでしょうね。

C先生:そろそろ終わりにしよう。米国という国は、その成り立ちから言って、歴史の長い国とはかなり違う性格であることは、無理もないことなのだと思う。有名なメイフラワー号がイギリス南西部のプリマスから出港して、2ヶ月ちょっとの航海の後、現在のプリマス(米国マサチューセッツ州)に到着したのが1620年。そして、合衆国と書くけど、実は、「衆」は分断されていて、合州国でしかないのが現状なのかもしれない。最後に、米国における所得の不平等性がどのぐらいか、調べて終わりにしよう。

A君:もっとも簡単な
所得の上位20%の人の平均所得を、下位20%の人の平均所得で割った数値を調べました。UNDPのサイトからです。数値が大きいほど、経済格差が大きいであることを意味します。
http://hdr.undp.org/en/indicators/135106

経済格差の大きい国から低い国のリスト

南アフリカ連邦   28.4
ナミビア       22.8
ブラジル      18.1
ホンデュラス    17.1
モザンビーク   14.2
コスタリカ     12.3
パラグアイ     11.7
チリ        10.2
米国         9.4
パプアニューギニ 9.3
コンゴ民主共和  8.8
アルゼンチン    8.8
マレーシア     8.2
ルーマニア      8.0
スペイン       7.3
中国         7.1
ロシア        6.6
オーストラリア    6.3
カナダ         6.2
タイ          6.0
日本          5.4
フランス        5.2
ドイツ          5.1
ポーランド       4.6
スロバキア      4.1
ノルウェー       4.1
フィンランド      3.9
チェコ         3.7
ウクライナ       3.5

B君:
欧州の主要国と比較すれば、米国の経済格差は2倍程度はある。トランプ大統領は、この格差を縮める気はなかったと思う。ラストベルトの労働者の味方のような態度を取っているが、実は、それは本音とは言えず、本音は、投票してほしいだけであって、実は、むしろ敵だったのではないだろうか

C先生:やっとバイデン氏に決まったので、これでこの記事も終ろう。
トランプ氏が今後、裁判などで色々とガタガタやるだろうけど、最終結果が覆ることは、まず無いだろう。