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   金属は枯渇するか
     11.04.2012



 このところ、右肩が50肩的症状で(名称と実年齢の乖離は別としてですが)、寝ていると痛みはなく、余り長時間キーボードを叩くと症状が悪化する傾向があるので、今回も、著書「地球の破綻」(この題名になることが決まりました)用の原稿からの流用です。12月末までには出版予定です。

論点は以下の通りです。

★元素は不滅なので、金属元素が消える訳ではない。元素が散らばるから使いにくくなるだけ
★しかし、回収するのに、エネルギーとお金が掛かるから使えなくなる
★レアメタルといっても、41種類もあるので、各論が重要
★レアアースといっても、やはり各論が重要
★深刻な状況になるものは、銅、鉛、亜鉛、金、銀、スズ、アンチモン
★特に、鉛、スズ、アンチモン、金、の状況は厳しい
★解決策には、ハーマン・デイリーの定常状態の経済(Steady State Economics)が良いガイドラインになる
★リサイクルは当面の解決策である
★将来、自然エネルギーだけでリサイクルが可能になれば、状況は変わる
★究極の解決策は、17種類の元素だけで、すべての元素機能を発現すること=究極の材料科学である(しばしば元素戦略と呼ばれている)



枯渇するという意味

 まず、確認すべきことは、人類が生存している間は、地球上の元素のほとんどすべてが地球に留まるであろうということである。

 となると、地球上の元素量は変わらない。例えば、金(=Gold)の地球上での存在量は、地球の46億年の歴史の中で、ほぼ変わっていないし、今後も変わらない。

 それならば、なぜ金が枯渇するのか。それは、金のエントロピーが増大するから、と答えるのが、もっとも正確な表現である。

 しかし、エントロピーというものを余り不正確ではない程度に説明するのも難しいが、敢えて一言で言えば、金塊とまで言えなくても、目に見える程度の金の集まりが、もしも目にも見えないサイズになってしまうと、それを集めて再度使うのが難しい、ということである。

 もっとも金は価格が高いために、日本では、下水汚泥から金を回収することが行われている。諏訪地域の下水汚泥は、金回収の良い原料になっている。

 しかし、銅となると、金と違って、下水汚泥などから資源回収をすることはコストばかり掛かって、誰もやろうと思わない。すなわち、銅が枯渇する危険性は、金よりも高いことになる。

 それでも銅の価格は高いから、現時点でもかなり細かい廃棄物でも、資源回収が行われている。しかし、鉄は、価格が安いために、かなりまとまって初めて回収が行われる。

 有史以来、人類が作った金の総量は、オリンピックプール1個にすぎないが、人類が作った鉄は、富士山2個分だとされている。

 これを回収してすべてを鉄に戻すのは可能なのだろうか。やはり、どこかで錆になって土に戻ってしまうものが多いだろう。そうなれば、人間社会の内部に保ったものは再度使用されるが、自然の状態に放置したものは、土に戻る確率が高い。

 いつ頃、鉱物資源の枯渇は始まるのだろうか。それは、枯渇の定義次第でもある。通常、可採埋蔵量という数値を使って議論される。しかし、可採埋蔵量とは何か。それは、現時点の資源価格で採掘が可能な埋蔵量の予測値である。もしも資源価格が100倍になれば、採掘できる資源量はかなり増大する。なぜならば、地球上に存在している元素の量は、現時点での可採埋蔵量の1000倍以上は存在しているからである。

 それなら、枯渇はしないのか。いや枯渇する。鉱物資源については、これを説明したい。

 化石燃料というエネルギー資源が枯渇することは、当然のことである。石油は、炭素1:水素2ぐらいの化合物であるが、これを燃やしてしまえば、二酸化炭素(CO2)が1,水(H2O)が1ぐらいの割合の酸化物に変わってしまう。

 これらの酸化物は、地球上に膨大に存在している。これらをリサイクルしてエネルギー源に戻して使おうという人は居ない。それは、リサイクルするエネルギーがあれば、それをそのままエネルギー源として使った方が、賢いからである。

 すなわち、化石燃料は必ず枯渇する。しかし、化石燃料の存在量はかなり多い。地球上に存在している化石燃料となりうる化合物の総量は、これまで人類が使ってしまった化石燃料の5倍ぐらいあると推測されている。

 となると、いつかは枯渇するものの、当面の問題は、枯渇よりも、価格の変化や、燃焼したときに発生する二酸化炭素による気候変動の問題なのかもしれない。

 これがどのような状態であるか、記述する必要がある。

各種鉱物資源、各種化石燃料、これらはすべて資源だとは言っても、考え方が全く違う資源である。

 これらの資源のうち、どの資源が最初に枯渇して、地球上で生活する人類にとって、重大な被害を引き起こすこととなるだろうか。


鉱物資源は枯渇し人類は困るか

 最初は、工業用に使われる鉱物資源の枯渇を取り上げる。

 鉄が枯渇する。銅が無くなる。アルミが取れない。このような状況が困った事態であることは理解できるかもしれない。しかし、インジウムが無くなったら人類は困るのか。これの問に答えられる人は、相当なプロかマニアである。いや、現状だとプロであればあるほど、答えが難しい状況になったかもしれない。なぜ、プロであればあるほど答えに迷うのか、その謎解きは、最後に行うことにする。

 次の図に、原田幸明氏によって提供された、各種金属の用途を示す。




 日経新聞を読んでいると、レアメタルが入手困難に、といった記事をよく見る。しかし、レアメタルとは何か。

 場合によると、レアメタルではなく、レアアースが入手困難にという記事に出会うこともある。

 レアメタルは、日本では次のように定義されている。「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち、安定供給の確保が政策的に重要(経済産業省)」。そして、一般的に、次の41種の元素をレアメタルと呼ぶようである。

リチウム [Li]
ベリリウム [Be]
ホウ素 [B]
[ 希土類 ]
チタン [Ti]
バナジウム [V]
クロム [Cr]
マンガン [Mn]
コバルト [Co]
ニッケル [Ni]
ガリウム [Ga]
ゲルマニウム [Ge]
セレン [Se]
ルビジウム [Rb]
ストロンチウム [Sr]
ジルコニウム [Zr]
ニオブ [Nb]
モリブデン [Mo]
パラジウム [Pd]
インジウム [In]
アンチモン [Sb]
テルル [Te]
セシウム [Cs]
バリウム [Ba]
ハフニウム [Hf]
タンタル [Ta]
タングステン [W]
レニウム [Re]
白金 [Pt]
タリウム [Tl]
ビスマス [Bi]

 これらのレアメタルは、もともと量が少ないのだから、早く枯渇してもおかしくはないように思える。

 ところで、[希土類]という項目があるが、これは、元素ではない。一群の元素を意味するが、これが実は、レアアースと呼ばれる17種からなる元素群を意味する集合名詞である。それらは、以下の通りである。

スカンジウム [Sc]
イットリウム [Y]
ランタン [La]
セリウム [Ce]
プラセオジム [Pr]
ネオジム [Nd]
プロメチウム [Pm]
サマリウム [Sm]
ユウロピウム [Eu]
ガドリニウム [Gd]
テルビウム [Tb]
ジスプロシウム [Dy]
ホルミウム [Ho]
エルビウム [Er]
ツリウム [Tm]
イッテルビウム [Yb]
ルテチウム [Lu]

 実際に使用されている希土類は、それほど多いわけでもない。 特に、スカンジウム、プロメチウム、ホルミウム、ツリウム、ルテチウムの用途は何か、と聞かれても、私自身もよく知らない。

 元素の枯渇を議論するときには、これらの元素それぞれについて、個別論を展開する必要がある。これは大変なことである。もしも、枯渇したら、絶対に困るのか、と聞かれると、どうもそうでもなさそうである。特に、希土類がそのように思える。

 なぜなのか。その一つの理由が、希土類の希という漢字は、事実を示していないからである。日本語が悪い訳ではない。英語でも、Rare Earthと希という言葉が入っているが、地球全体の組成から見れば、これらの元素は、それほど希な訳ではない。歴史的に発見されるのが遅かったために、希だから見つからなかったと誤解したのが、そもそもの間違いであっただけである。その後、分析方法などが進化してから、その量を見直すと、それほど希少な元素でないことが分かったのである。

 それでは、枯渇が起きるかどうか、枯渇が起きると困るかどうか、対策はどうすれば良いのか、などを検討することにする。

 2005年から2050年までの累積需要と、現有の埋蔵量、それに埋蔵量ベースの値を比較した図(やはり原田幸明氏提供)を次に示す。

 埋蔵量ベースとは何か。埋蔵量が現在の価格レベルで採掘可能な量であるのに対し、埋蔵量ベースとは、現時点で確認されている鉱物資源の総量を意味し、現時点の価格では、採掘が困難なものを含む。採掘技術によって埋蔵量に移行するものもあるが、現実には、価格の上昇によって、採掘が可能になるものという理解で良いのではないか。




 この図を見て分かることは、ほとんどの金属の累積需要が、2050年までには埋蔵量ベースを超すという予測がなされていることである。

 埋蔵量ベースを超さない金属は、鉄、マンガン、アルミ、クロム、モリブデン、タングステン、希土類、コバルト、リチウム、ぐらいなものである。

 中でも深刻な状況になるものは、銅、鉛、亜鉛、金、銀、スズ、アンチモンだということが読み取れる。特に、鉛、スズ、アンチモン、金、の状況は厳しい。

 これ以外の金属資源は、2050年に枯渇状態になっていると言っても良いだろう。現実には、採掘コストが非常の高くなって、環境破壊が進み、同時に、価格が極めて高くなっていることだろう。

 採掘に伴う環境破壊は、次の図によって明らかである。この図は、地球の構成元素としての銅の量、究極の可採埋蔵量、累積の銅の消費量と、それに伴う銅鉱石の品位の低下を示すものである。


図 銅鉱石の品位の低下

 縦軸が対数であることを考慮しても、予想される採掘限界にかなり近くなっている。それを感じさせる数値が品位である。19世紀には、鉱石中に6〜8%の銅を含んでいた。この数値が品位であうる。現時点では、0.3%程度の銅鉱石が商用資源になっている。ただし、露天掘りが可能である場合に限られる。

 露天掘り以外にコストが見合わない理由は、不要な岩石を除くコストが、露天掘りであればかなり低いが、坑道を経由して、大量の不要な岩石を運び出すのは、コスト高だからである。

 銅鉱石の品位が0.3%だとして、その銅が鉱石に均一に分散しているという訳ではない。銅を含まない岩石の中に、銅をかなり含んだ鉱石が薄い板状になって存在した形になっている。1kgの銅を得るためには、銅をほとんど含まない300kg以上の岩石を掘り出さなければならないことを意味する。

 このような状況を表現する数値が、TMR(Total Material Requirement)と呼ばれる。いわば、背後霊のようなものが、それぞれの金属にへばり付いている。




 この背後霊を処理する方法は、鉱山の付近に一時的に積んでおいて、その鉱山が経営を終えるときに、埋め戻されることになっている。過去、そのまま放置される事態が発生したことに比べれば、事態は、非常に良くなったと言えるだろう。

 このような状態で解決策とはどのようなものになるだろうか。まずは、原理原則の復習から取り掛かりたい。

 枯渇を考慮する原理原則は、ハーマン・デイリーの原則である。我々に将来の対策の明確にイメージを与えてくれる。

 鉱物資源の資源枯渇に関する原則は、第二番目の原則である。

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 2.再生不可能な資源の持続可能な利用の速度は、持続可能なペースで利用する再生可能な資源へ転換する速度を超えてはならない。
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 これをどう解釈するのか。それが大問題である。すなわち、再生可能な資源へ転換するとは、どういうことなのか。

 読み方は、いくつかありそうに思える。一つは、再生可能なエネルギーによってリサイクルを可能にすれば、実質上、消耗する資源は再生可能資源になる。その際、再生可能資源が得られる範囲内でリサイクルをすれば、しかも、リサイクル率が100%であれば、実質的に無制限にリサイクルができるようになる。

 しかし、この考え方には、問題がある。それは、現在、人類が人間社会の中に累積されている資源量が、将来に渡って必要な資源量を越していなければならないことになる。それには、技術的な進展によって、少ない資源量でも、現在の技術で発現されている性能を超えることが条件になる。

 これは可能なのだろうか。不可能とは言えないが、すべてのケースで、必ず可能であるとは言えないかもしれない。

 別の読み方として、実質上、再生可能とみなせる資源へ転換するという解釈である。地球を構成している元素の大部分は、ケイ素Si、カルシウムCa、アルミニウムAl、鉄Fe、そして、酸素Oである。これ以外にも、水素H、炭素C、窒素N、塩素Cl、イオウS、ナトリウムNa、マグネシウムMgなどは、ほぼ無制限に使うことができる元素だと考えられる。

 参考のために、地殻中・地表に存在している元素の豊富さベスト17を次に示す。


表 地殻・地表に存在している元素の豊富さベスト17


 これらの元素を組み合わせて使うことによって、現時点では、他の元素を用いなければならないような機能を発揮することができれば、それは、究極の解決法であることは事実である。この実例がすでに存在している(今回省略)。

 勿論、公害や気候変動の原因物質も多いので、正しく使うという条件は守らなければならない。

 さて、この読み方の問題点はあるのか。それは、これらの元素は、本当の意味での再生可能資源ではないことである。単に、比較的長い間使うことができるということに過ぎないので、単に、量的な違いしかないとも言える。

 再生可能資源として使用が許容されるのは、いわゆる再生可能エネルギー、風力・太陽光などによる発電に限られだろう。となれば、電力のみで、枯渇性の資源をリサイクルすることが、近未来の対応策だということになる。

 どの元素をどのぐらいリサイクルすべきか。これは、どの元素がどのぐらい枯渇傾向が強いか、これが最初の基準になるだろう。

 しかし、この枯渇という現象は、自然現象ではない。供給国が、内戦状態になれば、その元素の供給が不足し、人為的枯渇状態になる。

 輸出制限を行なって、人為的枯渇状態を作って、価格を上昇させようとする政策を取る国が出ることが普通になるだろう。

 さらに手の混んだ方法として、まず、輸出価格を低く設定し、ライバルを廃業に追い込んで、それから輸出制限を行うというやり方が、より一般的になるだろう。

 この手の混んだ方法が、意図的だったか、あるいは、非意図的かは別にして、レアアース資源については、現実に起きている。

 レアアースの供給源としては、かつて米国カリフォルニア州のマウンテンパスという鉱山が著名であった。ところが、中国からのレアアースの供給が増えるにしたがって、価格低下が進行し、マウンテンパスは、廃業に追い込まれた。なぜならば、マウンテンパスから算出さうる鉱石には、ウランやトリウムといった放射性の物質を含むために、その処理と、廃棄物の後処理が大変で、コストを下げることが難しかったからである。

 ところが、マウンテンパスは今、復活した。2012年7月25日付けの時事通信の記事によれば、次のような状況になっている。

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 世界有数のレアアース(希土類)鉱床を持つ米カリフォルニア州南部のマウンテンパス鉱山で、生産設備が刷新され、10月に年間約2万トンでの生産が本格化する。かつてレアアース生産で世界をリードした鉱山の復活で、中国が世界生産の97%を占めるレアアース業界の勢力図が塗り替えられるか注目されそうだ。
 敷地面積約9平方キロと東京ドーム約200個分に相当する広大な鉱山の新施設が24日、報道陣に公開された。
 同鉱山のレアアースは一時、世界のカラーテレビの材料に使われるなど、1980年代まで世界需要のほとんどを担っていた。だが、90年代に入ると安い中国産に押されて競争力を失い、2002年に生産休止に追い込まれた。その後、携帯機器やハイブリッド自動車などにレアアースが幅広く使われるようになり、価格が回復したことで生産再開の道が開かれた。
 鉱山を運営する米レアアース大手モリコープは11年1月から8億9500万ドル(約700億円)を投じて整備を開始。自社開発した水処理技術などを使い、生産コストを従来の7分の1に引き下げ、中国勢の5分の1の水準になったという。
 世界のレアアース需要は現在、年間約13万6000トン。同鉱山の生産能力は来年半ばに4万トンに拡大する計画だ。
 モリコープのスミス社長兼最高経営責任者(CEO)は「中国以外の調達先の多様化につながる」と強調している。鉱山からは、岐阜県に建設中の合弁磁石工場向けにレアアースのネオジムも輸出される。(2012/07/25-16:35)

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 モリコープの鉱山は、最近話題のジスプロシウムのような重希土類を生産していなかった。上の記事にあるように、ブラウン管式のカラーテレビの蛍光体に使うユーロピウムEuや、永久磁石用のネオジムNd、研磨剤に使われるセリウムCeなどを産出した。

 しかし、事業を再開するというニュースとともに、モリコープは新しい鉱脈を発見し、重希土類を含むことが確認された。米国政府は、採掘の許可を与えたので、今後、中国の独占状態は薄れるものと期待できる。

 さらに、カザフスタンなども重希土類の産出を始めたようなので、価格が上がりすぎれば、新しい資源が見つかるという原則が働いていることが分かる。

 しかし、楽観的になりすぎるのは、危険である。なぜならば、レアアースは、他のレアメタルとは違う特性があるからである。それは、地殻中での存在量は、その希土類という名前から得られる印象とは違って、余りまれ=希ではないからである。「その気になって探せば、どこかにある」、これがレアアースの実体だからである。

 やはり、本当に枯渇の危機に瀕するのは、地球という存在のもつあらゆる限界、例えば、元素分布などに加えて、人為的な限界が来そうな元素ではないか、と思える。

 人為的な限界は、独占によってもたらせれる。

 次の図は、資源生産量のベスト3の国が、世界市場を占拠している割合を示す。細かい数値はどうでも良いのだが、ベリリウムBeは、2ヶ国が100%独占的に歳出している。テルルTeについても同様である。




 もっとも占拠率が少ない亜鉛Znですら、50%以上が三ヶ国による独占状態である。その三ヶ国すべての政情が安定しているのなら良いが、しばしば経済的な危機などに陥ることによって、その国の政治的な状態も不安定になることがある。そうなれば、資源供給は突然止まることを覚悟すべきである。

 このように考えれば、鉱物資源の危うさは、年代とともに、以下のような傾向になるだろう。

 まず、2050年までには、ほぼすべての金属資源の累積採掘量が、現在までの知識では採掘量の限界に近い埋蔵量ベースを超す。これは、不安定な供給状態になることを意味する。

 しかし、特に、不安定が懸念されるだと思われる金属は、採掘累積量が埋蔵量ベースを大幅に超すと考えられている金、銀、インジウム、鉛、スズ、アンチモンである。

 なかえもアンチモン、スズは、主生産地が3箇所しかなくて、三ヶ国による独占状態である。となると、2050年よりもかなり早い時期に、危機的な状況になると考えておくべきだろう。

 産出国の政治的・経済的な状況を十二分に調査し、供給不安が起きる前に、ある程度の備蓄を考えるのも一案である。

 都市鉱山を整備して、リサイクルによる供給を本気で考えることも一つの方法であるが、現時点の価格では、経済的に成立しないようにも思える。ということであれば、金属資源をかなり使っていると思われる製品は、国民によって退蔵して貰い、危機的な状況になったら有料での供出を求めるという方法もあるかもしれない。できれば、何年頃になれば、いくらで買いますということを決めておくのも良いかもしれない。

 究極の解決策は、そのような金属を使わないでも、所望の性能がでるような技術開発を行うことである。