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  エコアジア2005の報告 06.06.2005



 昨年、鳥取県米子市で行われたエコアジア2004に引き続いて、今年は、6月4、5日に岐阜市で行われた。このエコアジアは、日本の環境省が主催しているアジアの閣僚級会議である。

 今週は2発の記事をアップしたが、それは、次の土曜日からタジキスタンなる国に出かけるからである。この国では、インターネットアクセスなど、最初から考えない方が良いという国。実は、e−メールを常用するようになってから、そのような国に行くのは初めて。もっとも、携帯電話は掛かるようであるが。いずれにしても、次回のアップは、タジキスタンから帰ってのことになる。恐らく、タジキスタン旅行記になるだろう。


開会式:

(1)小池百合子環境大臣の開会と基調演説

 「もったいない」と「クールビズ」が目玉で、その他の国際的および国内での取り組みについての包括的に紹介。

 その一つ、クールビズであるが、今年のECOアジアも、日本政府が始めた「クールビス」の考え方を全面的に採用し、エアコンの設定温度は28℃とし、ネクタイとジャケットは基本的に禁止。

 実際のところ、ほとんどの参加者がその対応をしていたのは大変良かった。なぜならば、昨年の米子のエコアジアでは会場が非常に寒かった。エアコンの過剰サービスであった。

 ただ、今年も、これが徹底していたと言えるかどうか、多少疑問。ホテルから会場である長良コンベンションセンターまでのバスが、エアコンを動かし続けるためなのだろう、参加者が乗り込むまでの10分間以上、ずーっとアイドリングしていたし、エアコンの温度設定も寒すぎた。


(2)岐阜県知事 古田肇氏の報告
大気環境の木としてしだれざくらを植えている。

不法投棄の監視活動:
 すべてのエリアの立ち入り
 ヘリコプターによる空からの監視
 赤外線モニター

廃棄物リサイクル
 リサイクル製品認定制度 エコ丸君
 スラグを用いた舗装用石材
 リサイクルセラミックス

などなど、環境県としての取り組みを紹介。

(3)岐阜市市長 細江茂光氏の報告
 水道水はかなり地下水でまかなっている。
 水環境に関する関心は非常に高い。
 長良川の水質は、都市河川であるにも関わらず、良好である。
 鵜飼は1300年の歴史をもっている。

 生ごみを循環している。地産地消を目指している。
 生分解性プラスチックの使用拡大を目指している。

C先生:生分解性プラスチックの使用を推進していることについては、どうにも評価しがたいが。

(4)清水嘉代子参議院議員から「アジア太平洋再生可能エネルギー議員会議」の報告
 昨年6月、ボンの自然エネルギー国際会議。このとき、国会議員が議員会議が行われた。この会議をきっかけとしてアジア太平洋地域の議員が集まって議論をしようということになった。超党派の実行委員会を立ち上げ、準備をした。20ヶ国から70名の議員が集まった。
 アジアは、世界人口の60%を占める。経済発展を支えるエネルギー需要は非常に大きなものになる。
 アジアのエネルギー事情は、実に様々。太陽光・風力・地熱などに挑戦を始めている。これをアジア太平洋地域で、もっと広めるべきである。エネルギーを巡って紛争はあるが、太陽を巡っての紛争はない。

(5)広中和歌子参議院議員からGEAエコユースの報告
 GEAを代表して、エコユース会議の報告をしたい。GEA、UNU、MoEの共催。MDGs、DfESDが目標。11カ国からの参加者。岡島成行氏が基調講演を行い、議長にもなった。
 UN関係の発表があってから、若い参加者が発表を行った。その後、活発な議論が行われた。
 もっと協調が行われることが必要。経験を共有することが重要。
 センターを形成することが重要。地域ベース、国ベース、
 国内・国際活動を国際機関などがサポートすべき。
 HIV、ジェンダーなどが重要。さらにDEfSDが重要。フォーマルな教育へのSDの概念の追加がもっとも重要。SDの重要性がもっと強調されるべきだし、これに対する賞などの普及も望まれる。
 メディアがもっとSDの重要性を意識すべき。
 ライフスタイルのよりエコ効率的な変化が重要。レジ袋無用運動(タイ)、リサイクルショップ(韓国)などの例がある。
 キーとなる人材の活用が重要。意思決定のための機構が重要。SD教育のためのキャパシティービルディングによる人材が重要である。これらのユースからのメッセージが真剣に検討されることを期待したい。

(6)Dr.Barbara Hardy オーストラリア
 多治見で行われた国際環境シンポジウムの報告。「京都議定書発効に対して何をすべきか」。
 350名の参加者があった。
 竹本和彦環境庁シニアからの日本の削減計画の発表。
 オーストラリアの削減計画。エネルギー効率の向上。政府関係の建物での使用量25%削減。さらに再生可能エネルギーの使用を強制。
 パネルディスカッション(浜中氏が議長)があって、多治見市の活動が紹介された。エコオフィス、クールビズ。
 国際的に必要な対応を提案。

ここまでが、開会式に類するものであった。


セッション1:

(1)岐阜県山県市の美山中学からの発表
 1年生は自然に親しみ、2年生は自然を知ろう、3年生は自然を守ろう。
 学校の前を流れる川でカワゲラを観察している。自然世界を知ること。
 2年のテーマは自然を知ろう。 
 海岸で浮遊ゴミをしり、酸性雨の測定をしている。pH4の雨。漁師が森を育てていることを知った。東京都の最終処分場の見学。
 枝打ち体験。美山の杉の手入れを行う。
 3年になると、隅田川の水と美山の水を比較。きれいな川で泳ぎたい。空き缶、タイヤ、花火などのゴミがあった。
 広報活動を行う。エコ活動の有効性が皆に認められた。

(2)村松君 岐阜ネイチャーサイエンスクラブ(NPO)
 地球資源は永遠に続くのではないか、といった錯覚をしている。自然と経済が共存する社会。有るべき姿のために行動している。岐阜経済大学、青年会議所など。
 都市の子供を岐阜県の自然の中で共同生活をすること。一見、自然と相反すると考えられている科学に対する正しい認識を。
 天体観測、集落の観測、山の生態系観測、丸太渡りを体験。
 11回開催。500名のキャンプ参加者。冬季キャンプも行っている。
 岐阜地球環境局をやっている。講師陣を西濃地域から選択し、自分達の問題意識を啓蒙している。
 自分達の住む地域を知る。知識の共有が重要。すでに、100名の卒業生が出ている。

(3)浅野氏 名古屋パルプにおけるCO2削減
 国内製紙メーカーで第10位。可児市にある。エリエールを生産している。リコーのオフィス用紙。 CO2を1990年比で36%削減した。バイオマスボイラーで家屋の解体材、タイヤを使用。タイヤのワイヤーは、鉄原料としてリサイクルしている。RPFも使用している。
 CO2、205000トンから130000トンの排出となった。発電量は、29300kW。
 理由は、解体木材や間伐材を集めやすい。サーマルリサイクル活用。
 将来、さらに83%削減し、43000kWの発電予定で取り組んでいる。


(4)ここから各国の最近の状況の報告

中国 環境副大臣
 循環社会、クリーナープロダクション、ISO14001が1000社。これでエコラベルも採用されつつある。
 エネルギーの有効利用も推進されている。
 生態系、きれいな飲み水。水質汚濁防止法がある。国家2000年ガイドラインがある。生態系プログラムも策定されている。
 保全地域の整備は強化された。市町村における環境に対する取り組みが奨励されている。100以上の都市で報告書が作成されている。建設プロジェクトにおいても、環境配慮が行われるようになった。 教育を通じて、環境保全の重要性を普及・啓蒙している。ささやかであっても、環境によいことを実施することを進めている。
 環境経済学的な指標の確立が重要だと考えている。アジア太平洋地域が手を取り合って、地域の環境のために進むことが必要。

C先生:将来の温暖化ガス発生の予測、エネルギー輸入、さらには、食糧輸入などの話は出なかった。将来、中国は、地球環境への影響が大ということで、米国の後継者になりそうな気がするのだが。


パキスタン 環境大臣
 アジアには疑いも無く成長の核である。京都議定書発効にも関わらず、ここまできた。一方的な国の対処では、対応は不可能。パラダイムシフトが必要不可欠である。この時期に、環境問題のアジェンダを実行に移すことが必要。ODA、キャパビルなど。開発に関しても、共通の環境資源を管理することが重要。
 パキスタンでは環境保護法が制定された。パキスタンの経済成長は8%強であった。農業、産業、住宅部門が発展。空気、水などが犠牲になってはいけない。強い政治的な関与が必要。環境予算は5倍にする。経済成長を牽引するために、再生可能エネルギーを広範に入れようとしている。京都議定書を批准した。そして、CDMを取り入れようとしている。アジア太平洋の中で、パートナーシップを持ち、この地域でリーダーシップを発揮した。

C先生:パキスタンの最大の問題は、何なのだろう。水問題だろうか。余りクリアーではなかった。


パラオ 環境大臣 
 パラオは10年の歴史しかなく、小国だと思っている。モーリシャス戦略などに参画したい。非持続可能な形で経済は進展し、自然資源へのストレスは大きくなっている。われわれの存在を脅かしている。気候変動の影響は、世界の島嶼諸国で予見されている。天候の異常が特に問題である。海面上昇のために、水没してしまうかもしれないという予測もある。
 パラオは、もっとも生物多様性に富んだ国だと認められている。1200種がある。そのうち、200種は固有種である。海洋環境も多様である。
 文化的・宗教的メリットを考えてきた。
 パラオのフカひれに関する漁が沿岸から50マイル以内で禁止された。日本と共同で、国際サンゴ礁事務局になっている。
 環境関係の国際条約を批准している。将来世代に、生物多様性を残すために、やるべきことは非常に多い。チャレンジの一つは、総合的な土地利用計画などである。社会的な持続可能性、人口戦略も重要である。

C先生:パラオも一度行ってみたいところの一つである。生物多様性だけでなく、このような条件下で3Rなどをどのように実現するのか。それとも、ゴミは燃やせば良いのか。興味深いところ。


韓国 環境副大臣
 国土保全計画であるが、予防原則に基づいている。環境配慮が大型プロジェクトの設計段階から行われるようにしている。政策決定のプロセスに、さまざまなステークホルダーを入れるようにしている。 これまでの政策は、大気、土壌、水質とやってきたが、今後は、人体への影響、生態系への影響という形に変えようとしている。例えば、シックハウス対策。各流域ごとに政策を設定している。
 循環型社会への対応、EPRの概念導入、環境技術を推進することによって、経済成長の新たな駆動力として利用する方針。
 社会のすべてのセクターで持続可能を考える。企業の環境マネージメント技術が進んでいる。健全な企業の環境マネージメントが重要。公的機関は一定割合でグリーン製品を買うことになった。急速な経済成長の歪の補正が行われている。

C先生:韓国が日本よりも確実に進んでいるファストフードのレストランにおける容器のリユースなどの話が出なかった。


イラン 環境大臣
 水と環境問題に注力している。持続可能な開発委員会が対応している。イランは、1.64Mkm2。日本の4倍、人口7000万人。8カ国と国境を接している。カスピ海と740kmも接触している。降雨量は240mm。アジアの半分。水源は、イランの西方に存在している。100万人以上の都市が8つ。2025年までに7つぐらいが追加される。テヘランは1000万人。
 水をどのように輸送するかが問題。湿地もある。アフガニスタンとの境界。イラクとの境界などに。 北部・東部は油田。
 イランにおける水の課題は、都市部における水質と量、60億立米の水の地下水。イランの水の90%は農業用水として使用されている。
 分水界の能力に基づいて、地下水の利用の割合を今後20年間で50%から45%まで削減。灌漑水の利用効率を上げる。
 消費を管理する必要があり、92%の農業用水を87%に。そして、水の生産性を高めること。水1トンで生産する穀物を0.8kgから1.6kgに。
 水の環境における価値。価格・コスト。自然環境の容量というものを考えつつ、計画を練る。
 利害関係者の権利を水輸送について考える必要がある。環境に対する影響を考慮した上で、他の国々との利害調整も重要。
 最後にリスク管理。3〜4億ドルの旱魃による災害がある。これを予防的なリスク管理に切り替えることが重要である。

C先生:ほぼ、水の話のみ。しかし、それなりに面白かった。やはり、乾燥地における最大の問題は水なのだろう。


マレーシア 首席秘書官 天然資源環境省
 昨年にこの省庁ができたが、津波で被害を受けた。全国的なプログラムで、特にマングローブの保全を進めることとした。津波の緩衝帯としてのみならず、生態維持の観点から重要である。
 非常に重要なリソースを維持していかなければならない。バーゼル条約も批准も必要で、もっと厳しい態度での対応が必要。
 持続可能な対応について、2005年、多くの側面について、どのような対応をするか発表した。MDGにのっとった形で、$1以下の人口の半減を目指す。マレーシアは、開発計画を実施する。
 このエコアジアの会議において、将来の安全で健康な環境が実現できることを期待。

C先生:最近、発展が著しいところ。昼飯のときにたまたま隣になっていろいろと聞いてみたが、やはり3Rに重大な関心あり。国中が電気製品の最終処分地になりそうで心配しているとのことだった。


カンボジア 国家秘書官、環境省
 様々な環境課題に直面している。急速な工業化、森林破壊、水質汚濁、気候変動、自然災害、などなど。いままで以上に影響が厳しい。貧困な国にとって、対応することは難しい。総合的な成長という原則に則って、貧困を減らすことが重要である。
 戦略を良い統治に基づいて策定した。政府は、環境と天然資源の管理は、憲法59条に規定されている。これに基づき、環境保護法、森林法、環境土地法なども作られている。
 カンボジアは、地域の環境保全のために、努力をしてきた。しかし、経済的な限界、自治体の能力、不十分な情報交換といった問題がある。国内の経済政策を国際的な経済戦略と同調させなければならない。国際的な利害関係者の資源も利用する必要がある。地域の環境手段を使って、環境のネットワークやエコパートナーシップを強化する。特に、越境問題については、民間と政府が協力する必要がある。環境配慮型の投資を行うにも、国際的な関与を達成するために、能力の開発が必要。代替エネルギー源を開発する。メコン地域にある国にとって、環境問題は非常に重要である。生態系保全のため、生物多様性条約の遵守などが重要。

C先生:これから先が長そうな国ではあるが、かなり真剣に取り組んでいるようだった。代表者がおとなしい人だった。


ベトナム 事務局長、天然資源環境省
 省エネルギーに有効な「クールビズ」を評価する。8000万人の人口を持つ途上国である。ベトナム経済は急速に安定的に、7〜8%成長している。医療、教育、文化などの問題は改善されてきた。その一方で、都市化などによって、環境問題が出てきている。無秩序な開発なども起きている。沿海部においても、加速度的に発生している。
 制度、財務的な資源が限られている。資源環境省では、3年前に設立されたが、統合的な管理を始めている。これまでベトナムは環境問題への取り組みを強化してきた。
 2010年に向けての保護法、2020年に向けてのビジョンが出ている。一方、不備な点も分かって、その改正を進めている。
 環境保護を優先事項として取り組むようになった。環境保護活動に対して、全国的に配慮するようになっている。また当事者間での会話も強化をしている。政府は、環境保護に対する投資、GDPの1%を割り当てると決めている。
 環境行政機関などが、このエコアジアの場で情報交換をし議論を進めることが重要だと思う。

C先生:一部、発展が始まっている国。日本よりも長期展望を持とうとしていることに感心。


バングラデシュ 大使
 岐阜は環境を大切にする国の見本になっていると思う。
 アジア太平洋の再生可能エネルギー議員会議と同時に開催されることになった。バングラデシュにおいても、環境問題に適切な対応をしている。成果を上げれば、レジ袋の生産、使用を禁止した。毒性の高い物質の使用も禁止した。二酸化炭素の排出量を減らすために、煙突を高くし、交通規制を強めた。この3年間は社会的な運動となっている。1000万本のヤシの木が植林された。環境管理のために政府は、持続可能な環境管理プログラムを実施している。バングラデシュの人民の認識も急速に高まっている。初期の目的の達成を希望している。その意味では、国際協力は必要不可欠である。

C先生:レジ袋の生産、使用を禁止したそうだ。ある意味ですごく進んでいる。

C先生:ここから下は、国連機関の発表。余り面白いとも言えない。UNU/IASのザクリ所長のコメントはなかなか説得力があった。


ADB 事務総長
 持続可能性はADBにとっても重要なターゲットである。アジアの開発パートナーとして、反映したアジアを実現したい。
 これからはアクションを取る必要がある。
 特に、美山中学などの活動に印象を受けた。


UNEP/NOWPAP コーディネータ
 海洋環境の懸命な利用などを進めている。赤潮、原油流出、大気中の汚染物質の蓄積などなど。4つのセンターはWebサイトをもっている。


UNU/IAS 
 13回のエコアジア。気候モデル。火力発電所が建設されている。自動車が増加している。
 MAの議長をやった。一つの結論は、2度の温度上昇は、生態系に対して危険な影響を与える可能性がある。
 エコアジアにおいて、人々の啓蒙と教育が重要。EfSDの努力。UNUは、継続的に努力する。EfSDはコアとなる。皆さんが参加できる。大学のみでなく、自治体、NGOなどをすべて組み込んだ形にすることが必要。


UNESCAP 事務総長
 イニシャティブを説明すべきだと思った。2008年以降、水・土地・大気など、農業を除いた4つの分野でプログラムをやることになった。インドネシアのミニ水力プログラムがあった。20万ドルが投資された。200世帯に対して電力が供給されるようになった。他の地域に対しても、ミニ水力を普及したい。パキスタンでは生物多様性公園というものを完成させた。もともとは廃棄物の最終処分場だった。生物多様性を確保する指定地域にした。他にも、コロンボの水供給プログラム。タイの健康プロジェクト。HIVの問題を解決するためのもの。ビデオを作製したので、興味があれば。


BRD  環境社会開発部門、世界銀行
 開発という枠組みで環境問題を考えるとは、この地域のように経済成長が進んでいるところでは重要。


セッション2&3:

 6月4日の午後は、APFEDとAPEISの報告。両方とも終了しており、報告書が発行されているので写真だけ掲載して省略。


 発表中は、韓国の元環境大臣、金明子女史。左の方の白い服が、小池環境大臣。


 アジサイの鉢植えが大量に飾ってある。