| | エコプレミアム流給湯装置選択 07.01.2006 その2 ガス・コジェネ編 エコウィル、ライフエル |
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前回、主として、電気を使ってヒートポンプを駆動するエコキュートという装置について検討を行った。結論的には、なかなかバランスの良い装置のように思えるということになった。 しかし、究極の選択は、やはり太陽熱温水器である。現時点で、選択の範囲が余り多くないという問題点があり、したがって、コスト的にみても、必ずしも見合うかどうか良く分からないというのが結論であった。 さて、今回は、ガスを熱源とするコジェネである。果たしてどんな結論になるか。 C先生:今後分散型エネルギーと呼ばれるものが主流になるとしたら、それはガスを意味することになる。決して水素ではないだろう。とりあえずは、メタンを中心とする都市ガス、そのうちにLPガスも対象になるかもしれない。 A君:前回すでに紹介済みなのですが、再度ちょっとだけ、ということでしたら、エコウィルと呼ばれる「ガスエンジン」、ライフエルと呼ばれる「高分子電解質型燃料電池」これが発電機になる。 B君:そして、排熱を使ってお湯を沸かす。しかし、量的に言えば、いずれも排熱の方が主であって、電気は副。 C先生:今回も、前回と同様に、メーカーのHPから根拠になりそうな文章を取り出して、それを解析することから始める。 東京ガスのエコウィル:経済性:お得な料金プランというページ 「今使っている電気はエネルギーの63%が捨てられている!?」 「発電時の排熱を各住宅の給湯や暖房に利用するため、エネルギーを最大限に有効利用。エネルギー利用率は77%と従来方式の2倍以上を実現する省エネシステムです。」 「一次エネルギー100から 18の電気エネルギー、59の有効利用可能な排熱、23利用困難な排熱」 A君:まず、電気エネルギーを得るには、一次エネルギーの63%が捨てられている。というのは、それほどウソではない。送電ロスを入れれば、大体はそんなところではないですか。 B君:エコウィルを運転すれば、100という一次エネルギー入力に対して、電気が18だけ出て、有効利用可能な排熱が59。有効可能な排熱とは、すなわち、お湯を意味し、23だけ排出される排熱とは、排気パイプから出て行ってしまう熱が大部分なのではないか。エンジン内などで消費される摩擦熱などは、お湯になるとされているのだろうが、発電機側の摩擦熱は、利用困難な熱だろう。 「エコウィルのシステムは、まさに一石二鳥。ムダをできるだけ省き、エネルギーを有効的に利用することで、エネルギーを消費するときに排出するCO2も削減します。 1次エネルギー消費量 19%ダウン CO2排出量 29%ダウン B君:従来システムの24.5 (%)というのは何だ。 A君:今のところ不明ですね。 C先生:ライフエルの方には、単位がもう少々まともなものが出ている。こちらを検討すべきかもしれない。 「ライフエルはエネルギーを電気とお湯に、ムダなく利用するため、従来のシステムに比べて、一次エネルギー消費量を約31%削減、二酸化炭素(CO2)排出量を約45%削減することが可能です。 「ライフエル発電時の発電量(1kWh)と熱回収量(1.4kWh)を従来システムでまかなった場合と比較すると、 火力発電+従来給湯器 1002g−CO2 ○一次エネルギー消費量 火力発電+従来給湯器 15.9MJ 「ライフエルなら、各家庭まで100%の状態で供給される都市ガスを使用して発電を行います。電気を「つくる」場所と「使う」場所が一緒。だから発電時に出来る熱も、お湯にしてムダなく利用でき、暮らしを快適・便利にします。エネルギー効率は78%」 C先生:一次エネルギー100の入力に対して、電気が33、利用可能な排熱が45、利用不可能なエネルギーロスが22ということのようだ。しかも、この計算の基準がHHV、すなわち、高位発熱基準(水蒸気の凝縮潜熱を発熱量に含める。すなわち、排気中の水蒸気を水に戻して計算する)ということなので、計算の際には、注意を要するかもしれない。
図1 ライフエルと(火力発電+従来給湯器)の比較 B君:そんなところだろう。計算結果からみて、給湯器の効率は82%を仮定しているようだ。それは、東京電力の計算に使われた仮定である78%よりも高いなあ。 A君:そう考えるのなら、原子力まで考慮すべきだったのでは。 B君:もしも原子力まで考えると、不利なデータになるから出せないのではないか。 A君:電力会社とガス会社が、自らのデータが有利になるような条件を採用しあって計算している。 C先生:当然だと言えば当然なのだが、公共的な性格の強い両社なのだが、こんな風に解析されたとき、その企業の品格が問われる可能性まである、ということをどこまで理解しているのだろうか。 A君:なんだ。ということは、エコウィルに出ているデータも同様だろう。となると、(%)という単位は、単に(MJ)の間違いなのでは。HP作成の外注先が物理を分かっていない。それを監視すべき東ガスの担当者も分かっていない。 B君:そうに違いない。ちょっと計算してみたらどうだ。 A君:計算してみましたが、ぴったりは合いませんね。設定条件がライフエルとエコウィルで若干違うのではないでしょうか。 B君:同じ東京ガスでも、ライフエルは松下電器(???)、エコウィルはホンダ(???)か。 C先生:両方とも費用を比較して、コストセーブを主張しているが、本HPでは、余り本気では考えないことにする。やはり、このガス利用の2種の機器に関しては、深夜電力と同様、優遇システムがあって、そのためにコストがセーブされるということだと理解したい。 B君:ライフエルは、発電効率が高くて良いのだが、現時点での製品は、まだ商品としては未完成。そのため、リースでの商売が行われている。とりあえず、エコウィルだけの検討で良いのでは。 A君:まあ、ちょっと変えるだけで、両方に対応できるのですが、まあ、エコウィルを最初に。
図2 エコウィルでお風呂を沸かす。
図3 ライフエルでお風呂を沸かす。 B君:エコウィルやライフエルで発生した電力を売ることは可能なのか。電力会社は買ってくれるのか。 A君:明示されていないので、駄目なのでは。エコウィルにしても、ライフエルにしても、電気を作る副製品としてお湯ができるという考え方なのです。 C先生:色々と聞いてみたら、やはり、発生した電力は余った場合でも、売ることはできないようだ。太陽光発電の場合には、電力グリッドに売ることが可能なのだが、エコウィル、ライフエルいずれも、駄目らしい。もし電気が余ったらどうするのか。といういうと、どうも、お湯にしているようだ。それが本当だとすると、上の2種類の計算は、最善の場合ということになる。現状では、これよりも落ちる。 A君:やはり、電力は売るべき。売ることができるようにすべき。太陽光発電の電力の方が、不安定だし、本来商品価値は低そうだが、それでも東京電力が買うのは、恐らくピークカットに利くからなのでは。夏の昼間の発電量が、多少でも下がることは、供給安定確保の意味からは重要。 B君:ライフエルでお風呂を沸かすのに、5.31kWhもの電気を使わなければならないとしたら、お風呂1杯分のお湯が沸くのに、まる1日掛かるということもありうるのではないか。エコウィルだと2.27kWh程度の電力を使うことになる。それなら良いか、というと、逆で、電気だけ大量に使うと、大量のお湯が余ることになりかねない。 C先生:そのあたりがエコウィル・ライフエルの弱点。これは、まずは、負荷の平準化を小さなネットワークを構築して実現し、そして、余剰な電力は電力会社が買い取る方向にすべきだ。それでは、最終結果をまとめよう。 A君:それにしても、ライフエルの場合に必要とされる一次エネルギー消費量の低さには感心しました。エコキュートよりもかなり良いことは確実。しかし、エコウィルになると、やはり発電効率が悪いためか、エコキュートよりも落ちる。 B君:必要とされる一次エネルギーでの比較がフェアだとは思うものの、やはり、深夜電力の法外な安さのために、費用的には、エコキュートの敵にはならない。もっともエコキュートも、実際の運用時に、COPが4.59といった値になるものなのか、それは十分な検証を必要とするが。 A君:ライフエルも、高分子電解質膜などが劣化したりして、妙なことになりかねない。エコウィルは、比較的枯れた技術の組み合わせなもので、まあまあ信頼性のある評価ではないか、とは思いますけど。 C先生:こんな検討をしてみて、公共的なエネルギー産業である電力とガス業界が、角を突き合わせて、それぞれの商売の拡大だけを考えている状況が良く分かる。実は、今回検討した、東京の状況は、関西よりははるかにマシなのだ。こんな様子では、日本のエネルギー戦略にとって大きなマイナスだと言わざるを得ない。 A君:また費用の損得問題だけを主張するのではなく、また、温暖化ガスの排出だけを主張するのではなく、一次エネルギー消費量などをすべて公開して、市民レベルでの判断を待つべきなのではないか、と思いますね。 B君:それに、太陽熱温水器が、一次エネルギー消費量としては、本当のところはベストなのだ、という共通理解が欲しい。勿論、費用面でもそうか、と言われると、なんとも言えないのが弱点ではあるが。 C先生:それではまとめよう。 |
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