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  3.11以後のエネルギー戦略4  05.29.2011 

    



 またまたパソコンのメンテに無駄な時間が使われてしまった。

 このところ、複数のWindows7のパソコンが軒並みBlue Screen状態を連発。Dump情報からは、BCCodeは7fでハードが悪いことになるのだが、HDDやMemoryをチェックしても、特に問題は無い。Windows7のアップデートがあると、その直後に飛ぶような感じなので、何か、ソフト・ドライバーとの干渉があるのかもしれない。それともWindows7そのものにも責任があるのか。

 自宅の常用のデスクトップパソコン(Win7 64ビット版)にもBlue Screenが感染して、昨日、PhotoShopである人の送別会の写真のコラージュを作っていたら真っ青になった。またもやBCCodeは7fである。

 なかなかBlue Screen状態から離脱できないのも、先日のLet's Noteの場合と全く同じ。HDDのチェックなど何をやってもダメなので、回路の過熱を疑い、CPUなどの冷却ファンに付いていたホコリの掃除をして、メモリーを一旦抜いて挿しなおし、メモリーチェックをかけ、Windows7を2世代ほど過去に戻したら、なんとか治った。しかし、治った本当の理由は不明。

 このところ、クラウド(DropBox)に自分の作ったファイルが保存されているので、パソコンが動かなくなっても、致命傷ということではなくなった。予備用にしてあるXP機を使えば良いだけ。

 Vista以降、復元がやりやすいのも安心感がある。XPの時代よりも、なんとかなるという感じである。

 ところが、昨日の23時過ぎに、再度、Blue Screenが出てしまった。今回は、3月末に、2ndHDDを追加したときの状態まで戻って、午前1時30頃に復活させた。

 これほどBSを繰り返すということは、やはり、なんらかのハードウェアのドライバーが壊れたか、あるいは、バージョンアップが必要なのだろうと結論。当然、グラフィックボードがもっとも怪しい。最新のドライバーをダウンロードしてインストール。これが今朝9時で、それ以後、15時間程度は問題なく動いている。もしも、これでもダメなら、グラフィックボードを新調することになりそうである。

 さて、話変わって、自宅の省エネモードを加速するために、LEDのデスクライトを買ってみた。これまでも某社の試作品を使ってはいたのだが、5Wでちょっと暗い。

 このジャンルの製品には、大メーカーの製品が少ないので、どのぐらい信用できるのか分からない。

 アマゾンで調べて、消費電力と全光束のデータが出ているものを信頼性が高いと判断して選択。ELPA AS-LED01というものを購入した。実物が来てみると、思ったより大きく、しっかりした作りだ。Made In Taiwanだった。

 白色LEDを84灯も使ったもので、消費電力7.5W(実測したら8.1W)。全光束430ルーメン(カタログ値)なので、50Lm/Wという効率。最近では、100Lm/Wというものもあるようだが、これでも十分に明るい。

 一方、これまで使ってきた古びた蛍光灯のデスクライトは、23Wの消費電力。明るさは、LEDの方が明るい。蛍光灯を交換してみるか。

 ただし、このLEDの機種は、明るさの調整ができないので、用途によっては、これが良いかどうか多少疑問あり。しかも、LEDの光は、なんとなく眼を射ぬく感じがする。



 さて、これからが本論。これまでの続きを以下に記述。

8)燃料電池の現状と未来

 燃料電池には、多くの種類がある。
a.リン酸型
b.溶融炭酸塩型
c.固体高分子型
d.固体酸化物型
e.アルカリ電解質型


 燃料電池とは、燃料を燃やした熱を使って電気を起こすのではなく、物質のもっている化学エネルギーを直接電気に変える仕組みである。

 そのため、効率が高いとされているが、実際には、なかなか難しい問題が多い。

 燃料電池は、電極と電極の間を化学エネルギーによってイオンが動くことで発電をしているので、このイオンを通す物質(液体・固体)=電解質によって、分類され固有の名称が付いている。

a.リン酸型(PAFC=Phosphoric Acid Fuel Cell):
 リン酸が電解質であり、移動するイオンは、水素イオン。燃料は、水素であり、白金系触媒を使うために、COが存在すると被毒(触媒が機能を失う)。

 100kW程度の出力のものが実用化されている。熱需要が多い病院などの用途に適する。

b.溶融炭酸塩型(MCFC=Molten Carbonate Fuel Cell):
 炭酸リチウム、炭酸カリウムなどを溶融したものが電解質で、炭酸イオンが動く。動作温度は600〜700℃と高い。効率は45%ぐらい。炭酸イオンの濃度を保つため、燃焼ガス中の二酸化炭素濃度を高く保つ必要があり、酸素濃度を高くした空気を燃焼に用いる。

 高温ガスタービンとの組み合わせによって、70%の効率を目指すものもある。

c.固体高分子型(PEFC=Polymer Electrolyte Fuel Cell):
 フッ素と硫酸基をもった高分子材料を水に濡らした状態にして使用し、水と水素イオンが合体したイオンが移動する。固体という名称が付いているが、実際には水の存在が必須であるために、100℃を超した温度では動作できない。

 燃料は純粋な水素で、温度が低いために、かなり大量の白金が触媒として必要。そのため、コストが高い。しかも、一酸化炭素が白金触媒の機能を奪うので、水素を精製するための費用がばかにならない。

 なぜなら、水素をなんらかの方法で作る必要があるが、現状では、メタン(天然ガス)と水から水素と一酸化炭素の混合気体を作る方法が、もっともコスト的に有利。これだと、一酸化炭素がどうしても複製してしまう。

 このように欠点の多い燃料電池なのだが、自動車に搭載することが可能なのは、たしかにこのタイプ以外は無理かもしれないので、注目を集めた。

 欠点が多くても改善の可能性があれば良いのだが、水素の不純物としての一酸化炭素と白金触媒の関係など、解決の難しい本質的な問題である。

 なぜ、この程度の技術があれほどの注目を集めたか、と言えば、それは、メディアが技術を見抜く能力が皆無であることにある。

 環境・エネルギー関連技術について、メディアの技術評価は、「リスクがゼロに見えるものが好き」。

 水素燃料電池車であれば、「走行時に水しか出さない」というセリフが文系の記者達にも分かりやすかった、としか思えない。遠いところで、火力発電所がせっせと二酸化炭素を出しているのが見えないのだろう。


d.固体酸化物型(SOFC=Solid Oxide Fuel Cell):
 ジルコニアなどの酸化物の中を酸化物イオンが通るタイプ。そのために、どうしても高温が必要になる。かつては運転温度が1000℃と言われたものだが、このところ、多少下がっているようだ。それでも700℃以下にするのはほぼ不可能だろう。

 しかも、ジルコニアに電極材料を接合する技術などは高度で、長寿命のデバイスになるかどうか、コストがどうか、などが重大な課題である。

 それでもエネルギー変換効率が高く、高温を別の用途に使うことが可能になれば、かなり面白い存在になるのではないだろうか。

 すでに実証実験が行われているので、10年以内に普及が始まることを期待したいところである。

 この燃料電池は、高温ゆえに、天然ガスや炭化水素を燃料にすることが可能である。実際には、炭素が付着することを防止するために、天然ガスなど水を加えて改質し、水素+一酸化炭素を使うものから普及するのではないだろうか。このタイプは、一旦運転を始めたら、ほぼ連続運転になるものと思われる。

 スマートグリッドのところで述べるが、米国などのスマートグリッド用として、次の世代の日本からの輸出品候補である。


e.アルカリ電解質燃料電池(AFC=Alkaline Fuel Cell):
 水酸化物イオンをイオン伝導体として使う。アルカリ電解液を電極間のセパレータに含浸させており、その意味では、固体高分子型と似ている。

 電極触媒として白金を必要としない。しかし、一酸化炭素が燃やせない。なぜなら、アルカリ電解質に炭酸塩が混じることで劣化するし、触媒の劣化がやはり起きるからである。

 宇宙用の用途では、実用化されているとも言える。それは、コストが問題にならないため、極めて高純度の水素を燃料として使えるからである。

 この液体状のアルカリ電解質を固体電解質化にする試みもあるが、しばらく時間がかかるだろう。


 結論:固体酸化物型燃料電池(SOFC)の完成を待つのが良さそうに思える。その用途は、後述する電力・熱複合型スマートグリッドである。


9)50Hz・60Hz問題

 日本になぜ二種類の電源周波数が存在するのか。その理由もこのところ有名になったようである。ドイツと米国から技術を輸入したが、それぞれの周波数が未だに生きている。これが答え。

 しかし、このような状況は、電力関係ではしばしばある。原発にしても、東日本は沸騰水型、西日本と北海道は加圧水型である。

 西日本と北海道の原発は、東日本に比べれば、地震や津波の影響が少ない場所にある。加圧水型の原発の方が地震に強いという噂もあるが、本当だとしたら、逆にすべきだったのか??

 それはそれとして、今後、50Hzと60Hzの統一は図られるのだろうか。個人的には、余り意味が無いように思っている。すでに、正確な周波数に依存している機器はほぼ消滅した。

 最後の最後まで残っていたのが織機用のシンクロナスモーターだったとのこと。要するに同期型電動機で、ネクタイなどの模様のある生地を織るときに、周波数に揺らぎがあると、回転数が変わるので、模様も揺らいでしまうらしい。

 直流を混ぜた電力網というものをもう一度最初から検討し、最後の配電のための周波数は、それこそ、適当に決めれば良いという時代になるのではないだろうか。


10)100V・200V問題

 100Vの電力網を維持している国は、日本と北朝鮮だけになった。

 100Vの悪い点は何か。それは大電流が取れないこと。現在の家庭内の配線は、15Aが上限である。コンセントも15A、テーブルタップも15Aが最大である。

 これを超すとどうなるか。先日、「タコ足パソコン配線で火災 名古屋で5名死亡」というニュースが流れた。

 電流値が大きいので、ケーブルが高熱になって、絶縁不良を起こし発火する可能性が100V配線の場合は多い。

 北朝鮮のように、電力がもともと不足している国では、100Vでも全く問題はないが、日本のように、大電力を使う機器が多くなってくると、配電網が電流値の制限があって、辛い状況になる。

 IHクッキングヒータ、食洗機、中型エアコンなどでは、現在でも200Vを使っている。

 それに対して、ヨーロッパなどの200Vあるいは240Vなどであれば、感電死の危険性が高くなる。英国のプラグは、3本足で、1本はアース。欧州大陸のCプラグは、2本足のものもある。

 感電の危険性を考慮してか、日本では200Vのコンセントがまだない。Cプラグにすれば良いので、技術的にそれほど難しくはないのだが、リスクゼロが必要不可欠な国なので、誰かが感電死のリスクを重大視しているためのような気がする。

 ちなみに、現在のテーブルタップには、必ず電流を制限するヒューズを付けることを強制すべきだと思う。コスト的には100円も高くならない。これが実現できないのは、誰かが反対しているからなのだが、全く不思議である。


11)これらを解決?スマートグリッド
12)ガス供給網の有効活用

 この2項目は同時に述べたい。原発の数を増やすことが可能という前提があれば、実は、日本でスマートグリッドは、不要だったと思う。

 単に、スマートメーター、すなわち、家庭でどのぐらいの電力を使っているか、屋根に設置された太陽電池が現在どのぐらいの電力をだしているのか、その情報が、中央管制室に伝達されるだけで十分だったと思う。

 それは、これまでの発想で、強固な電力供給網を維持することが可能だったからである。

 ところが、風力のような使いにくい自然エネルギーを大量に導入するとなると、本気で、スマートグリッドを考える必要が出てくる。

 スマートグリッドには、いくつかの機能を持たせたい。

(1)大量の再生可能エネルギーなどで、外部電力が不安定になっても、需要サイドでそれを補う機能
(2)しかし、できるだけ電池を使いたくない。理由は電池は高い。鉛電池なら安価、という提案もFacebookでは出てきたが、鉛電池は寿命が短くて使い物にならないだろう。
(3)これまでの電力網には、ベースロードという考え方があった。もっとも経済的に有利な(本当に有利だったかは問題)原子力にできるだけ24時間働いてもらおう、ということで、常時発電を行う。深夜電力を売るために、エコキュートなどを導入するが、それでも余る電力は、揚水発電で貯蔵しておく。
(4)原発に変わる電力は、候補としては地熱発電は当然として、CCSを設置した石炭発電であるが、余り効率が高くない。それなら、各家庭に設置する固体酸化物型(SOFC)の燃料電池にガスを供給して、それでベース電力を構成してしまうのはどうだろう。どうせ止めるのには向いていない電力だし、給湯まで考えれば、効率80%近くまで行けるのではないか。
(5)昼間の電力は、太陽光発電の揺らぎをある程度天然ガスを使ったガスタービンなどで補う。水力は、予測が可能な揺らぎであれば、かなり補うことが可能。
(6)風力発電の揺らぎであれば、それは、需要サイドでSOFCが揺らぎを止める。

 要するに、この図のように、電力供給網とガス・熱供給網の複合供給網をITをうまく活用して、揺らぎ、絶対量、を最小化できるように制御する。



図 電力供給網とガス・熱供給網の合体

 こんなことができるようになるためには、電力業界とガスや他のエネルギー供給業界が一体になる必要がある。実現性はあるのだろうか。


13)究極の分散型電源=オフライン利用

 風力発電の発電量をどんどんと増やす必要があるとしたら、平準化のための電池などを使うのは合わない。そこで、なんらかの利用法を見出す必要がある。

 極限がオフライン利用である。理想型は、電気自動車の充電用。しかし、のんびりとした話しになる。使おうと思っても、無風だと走れない電気自動車になってしまう。

 西表島に行ったとき、浦内川の遊覧船乗り場の近くに「西表カフェ」があるが、そこには、数台のゼファーのエアドルフィンが回っていて、イタリア製の電気自動車、ジラソーレの充電を行うのだということだった。

 電気を水素電解に使うという方法も無いとは言えないのだが、もし可能なら電気は電気のまま使うべきだ。さらに言えば、他の目的に使うために電池に蓄電するという発想をもった瞬間に、コスト的にべらぼうなことになる。




写真 西表カフェのエアドルフィンとジラソーレ(カバーが掛かっている)


14)設備製造まで考慮したLCA的、EPR的な思考 

 最新号のSAPIOに、池上彰さんが地熱とメタンハイドレートが将来有望という記事を出している。

 メタンハイドレートが本当に有望かどうか、かなり疑問である。石炭が石油や天然ガスに負けるのは、石炭は固体だからである。

 メタンハイドレートも固体で、これを気体として回収する上手な方法ができない限り、なかなか難しい。

 コストが高くても良いではないか。どうせ、他のエネルギー源もコストが高くなるのだから。こんな声が聞こえてくる。

 ところが、エネルギー源だけは、コストだけでは決まらない。それを決めるのがEPR。

 1というエネルギーを獲得するのに、0.3程度までのエネルギーの投入量ですむ条件でないかぎり、様々なリスクを考慮すると、エネルギー源として見なすことはできない。すなわち、コストがエネルギー源かどうかを決める訳ではない。

 それに対して、白金のような場合であれば、コストが資源かどうかを決める。

 エネルギーの場合、必要な投入エネルギー量が資源かどうかを決めるので、エネルギーだけは枯渇する。他の資源は、価格が上がれば、また資源になるが、エネルギーの場合には、エネルギー価格がどれほど変動しても、資源でないものは資源でないままである。


 LCA的思考も、エネルギーに関する限り、EPRと同じことである。



以下、未完。そろそろ別の話をしたくなってきた。
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(b)省エネでどこまで行けるのか
民生部門
15)我慢大会型省エネ
16)仙人型・自然人型省エネ
17)新こたつ文明・スーパーこたつ文明

産業部門(CO2削減を含む)
18)コジェネ発電の売電
19)CCS付加型セメント製造
20)製鉄での水素利用とCCS

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(c)既得権益などの社会的情勢
21)漁業権による海洋利用の制限
22)水利権による河川水利用の制限
23)送電業・発電業分離の議論
24)山林土地所有とバイオマス
25)環境影響の評価
−1:低周波騒音、バードストライク
−2:地熱発電の排水
−3:国立公園の景観
−4:地中熱用の井水利用制限