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先週の続きである。 遠赤外線は勿論実在する。しかも、ごく普通に存在する。マイナスイオンに比べるようなものではなく、「確実な物理現象」である。しかし、ヒトへの効果となると「怪しい主張」や「怪しい製品」が多数存在するのも事実である。 大体の目安として、赤外線を放射するというものの温度が200℃以下であったら、それはインチキである可能性が高い。まして、室温の物体が発する遠赤外線で血行が良くなるはずもない。 また、遠赤外線が皮膚に深く浸透するというのも、「何ミリも」といったことはありえない。何か固体を透過することもほとんど考えられない。ただし、水は気体状態では決まった波長しか吸収しないし、ポリエチレンとかの吸収もどうも少ないようなので、多少固体中に潜り込めるようだ。しかし、PETとなるともう入らないだろう。 遠赤外線のインチキを完全に説明するのは、かなり難しい。定量的な話だからである。ここでも、定量的な表現を行なおうと思ったのだが、中途半端に終わっている。以下の説明も完全に正しいとは限らない。 しかも、一般の人々がどのように誤解しているのか、想像を超えている部分もある。という訳で、取り敢えず、こんな説明で撲滅に繋がるのか、という試みである。 C先生:マイナスイオンと違って、遠赤外線はどのようなものであるか十分に分かっている。しかし、インチキであることを完全に説明するのは難しい。 A君:遠赤外線の知識を一通り伝授しようとすると、かなり膨大な知識になりますから。 B君:しかし、ポイントはかなり限られているようにも思う。例えば、遠赤外線がなんら特殊なものではなく、あらゆるものから出ているといったことだが。 C先生:とはいっても、どのように誤解しているのか、あるいは、誤解させられているのか、という検討なしに、議論を進めるのは難しいだろう。Webページなどを見ながら、いくつかの実例を見ながら、どんな方向に誤解させようとしているのか、その検討をしてみよう。 A君:了解。早速、調べました。できるだけ大メーカーのものが良いかと思いますので、ゼブラのボールペンから。サーモアルファという商品です。 http://www.zebra.co.jp/pro/thermo.html こんな記述があります。 このページには、サーモグラフィの写真が出ている。このボールペンを使っていると手の温度が上がるという「物理的には」絶対に有り得ない写真である。しかし、無断使用禁止ということなので、ここには貼り付けません。Webを見に行ってください。 B君:ゼブラのサーモアルファにこんなコメントをしている人がいる。 http://allabout.co.jp/Ad/001211/1/product/001211.htm 平井美穂子、「このグリップには、トルマリンパウダーが練りこんであるのです。トルマリンパワーのひとつは、外部から圧力や熱を加えると、遠赤外線を発生するという事。グリップをしっかり握って書くうちに、発生する遠赤外線が手を内側から温め、血行を良くするのですね。とはいえ、「書いていると手がほかほかしてきた」というような、効果を即実感できるようなものではないのですが、肩こりが辛い私にはとても魅力的。肩こりの原因は疲れと冷えが原因のひとつといいますよね。オフィスで使えそうな癒しグッズもいろいろあるけど、使う暇もないほど忙しい、また上司や同僚の目が気になる方でも、ボールペンなら問題ナシ。お仕事中断しなくても良いのですから、長く使うことで効果を期待できそうです」。 A君:その人は、メーカーの言うことを100%正しいとして、こんな記事を書くことを商売にしているのでしょうかね。 B君:多分、遠赤外線というものが非常に神秘的なものだと思っているに違いない。 C先生:他にもあるのだろうが、この題材だけで検討を始めるには十分だ。 A君:誤解の与え方ですが、まず、遠赤外線なるものが「特殊かつ神秘的なもの」で、「分子にエネルギーを与えて自己発熱させる作用があります」、といって効果を期待させることから始まるようですね。 B君:その「分子にエネルギーを与えて」、というと、一般の人は何を思うのだろうか。 A君:なにか「魔法の光線」みたいなものが体に入ってくるというイメージなのでしょうね。 B君:光線か。遠赤外線は確かに光。この場合の波長は10μ程度。波長は、発熱体の温度で決まる。そして、遠赤外線は、熱でありエネルギーでもある。 A君:多少普通の光とは違う点は、「目に見えないこと」、「透過できるものが違うこと」ぐらいでしょうか。しかし、基本的には、何も違わない。 C先生:「細胞や体液の分子に共振運動が起こり細胞を活性化し、血行を促進させ疲労感を軽減します」、はどうだ。 A君:体を構成しているタンパクなどとは確かに共振するのですが。 B君:「体液の分子」が水だとしたら共振する振動数(波長)とはちょっと違う(2.66、2.73、6.27μm)のだが、1mm以上の水の膜は、3μ以上の遠赤外線を100%吸収するから、まあ、共振はするだろう。 C先生:このあたりで、「共振とは何か」、説明すべきだろう。 A君:図に共振のイメージを書いてみました。ここでは音叉を使っています。音叉の振動数が同じだと、一つの音叉をたたくと、その振動が隣の音叉に伝わります。 B君:音という振動エネルギーが伝わり、この振動エネルギーを隣の音叉が受け取る。受け取ることを吸収するという。 A君:振動数が違う音叉だと、それがあっても、エネルギーが移動することは無いのです。すなわち、吸収が起きない。 B君:要するに共振は、エネルギーが吸収されることを意味し、しかも、振動エネルギーは通常熱として測定される。すなわち、温度が上がる。 C先生:遠赤外線の場合にも、共振が起きれば、熱が吸収されると言える。要するに、温度が上がるから血行が促進され、血行がよくなれば、疲労物質と言われる乳酸が分解される可能性がある。 A君:「遠赤外線で体を内側から暖め」という記述を見ると、このぐらいまでは、なんとなく理解されているのかもしれませんね。 B君:ただ、ゼブラの言う「自己発熱」というと、その部分がかなり高温になるように思えるが、それは無い。 A君:その説明が抜けていますね。基本的に、熱エネルギーが伝わるのですから、高温から低温に伝わるのであって、ボールペンから出る遠赤外線は、ボールペンの温度を反映している振動数なので、ボールペンの温度以上に上がることはない。 C先生:それでも、なんらかのエネルギーがボールペンから手に伝わるのだから、ちょっとは温度上昇があっても良さそうだ。伝わるエネルギーの量はどのぐらいの量なのだろうか。 A君:定量的な議論ですか。なにか、法則を持ち出さないと。シュテファン−ボルツマン(Stefan-Boltzmann)の法則。温度Tの物体から放射される光エネルギーの量は、Tの四乗に比例する、というものです。Tは当然、絶対温度ですが。 C=σ・T^4 σ=5.67×10^−12 W・cm^−2・T^−4 という式です。これに適当な温度Tを代入すれば放射される光エネルギーの量が分かります。 T=306K=33℃で、 C=4.97×10^−2 W・cm^−2 B君:物体の表面積あたりで約0.05Wということだ。100平方センチあれば、すなわち、10cm×10cmあれば、5Wの光を放射するということ。 A君:豆電球が3〜4Wぐらい。ただ、これは消費電力であって、可視光線になっているのが10%足らず。残りは赤外線になっています。これを一般には、熱になっていると表現しますが。 B君:それに比べると、33℃の物体から出る遠赤外線のエネルギーは極めて少ない。 C先生:ここまでの話だと、ボールペンからエネルギーが出ていて、それが手に入る。エネルギー量としてはかなり少ないものの、何らかの効果がありそうに思える。 A君:しかし、実際には、効果が無いと思われるのです。その理由を説明する必要がありそうですね。次の図を見てください。室温が25℃、同じく25℃の金属の球体があって、その隣にハムが置かれています。このハムはなぜか体温と同じ36.5℃になっています。さて、何が起きるでしょうか。 B君:特に何も起きない。ハムの温度は段々と下がって、室温に等しくなる。 A君:それでは、金属の球体をトルマリン製の球体に変えました。さて、何が変わるでしょうか。 B君:遠赤外線信仰を持っている人が見れば、これでハムの温度が36.5℃から38℃に上がると思う人はさすがにいないだろうが、ハムの温度の下がり方が多少緩やかになるのだろう、という人は居る可能性がある。 C先生:実際には、却って早く温度が下がるかもしれない。いずれにしても、どのぐらい違うか、その推定をやってみるか。 A君:これも余り楽ではないですね。先ほど計算したシュテファン−ボルツマンの法則ですが、実際には、物質によって遠赤外線として放出されるエネルギーは違います。それは放射率が違うからでして、金属は低くて0.3ぐらいでしょうか。トルマリンは0.9ぐらいかもしれません。 B君:となると、25℃のトルマリンが出している遠赤外線の量は、25℃の金属が出す遠赤外線の量の3倍ということになる。とはいっても、トルマリンからの量が0.045W程度で、金属の方がそれより少なくて、表面積あたり0.015Wぐらいだということになる。 A君:その差である「0.03W×表面積」が何か利くかという話ですが。 B君:ハムの方向を向いている金属とトルマリンの面積を1平方センチだとして、ハムも極めて小さなもので1cm×1cm×1cmだとするか。だからといって、0.03Wの熱の差分の全部がハムの方向に行く訳ではない。まあ、効率67%とするか。 A君:この計算ですが、トリマリンが存在していれば、そこから0.03W、金属なら0.01Wの遠赤外線がハムに供給されるということを意味します。 B君:ハムの持っている余分な熱量を算出する必要がある。 A君:それにはまず、ハムの熱容量を考えなければならないですが、まあ、その1立方センチで、1カロリー/℃が最大でしょう。実際には、その半分でしょうか。0.5カロリー/℃としますか。36.5℃ですから、室温の25℃よりは、11.5℃高い。まあ10℃高いと近似して、温度が室温に近くなるまでに、5カロリーの熱量を外に放出することになります。約20ジュールということになります。 B君:0.02Wが1000秒間続けば、20ジュールの熱になりますね。1000秒と言えば、16分。 A君:36.5℃のハムの1立方センチのものの温度がどのぐらいで室温に近くなるか、それは良く分かりませんが、比較的早いのでは。しかし、なんとなく利きそうな計算値ですね。 B君:しかし、実際に測定すれば、金属とトルマリンとで違うとは思えない。 C先生:そうだ。この計算を行なった仮定が現実とはかなり違うところがあるからだ。それはなにか。ここで、その金属とトルマリンだけが遠赤外線を出していると考えていることだ。25℃の室温になっているすべての壁、床、机、などが全部遠赤外線を出している。したがって、25℃の物体が出す遠赤外線で包まれたような状況になっていて、そのトルマリンと金属を変えても、ハムから見たときには、余り状況が変わらない。しかも、そこに、ハムがあることが考慮されていない。 A君:そう。ハムの温度は高いのですよね。 B君:人体の放射率はほぼ1に近いらしいから、ハムも同様だろう。となると、ハムから放射される遠赤外線のエネルギーは、温度が高い分、トルマリンよりも多い。そして、金属が置かれている場合には、それに反射してハムに戻ってくる。結果的に、ハムが受け取る遠赤外線のエネルギーは、金属を置いた方が多いのではないか、という状況になりうる。 C先生:さらに現実と違うと思われることがある。これまで、熱の放出は輻射あるいは遠赤外線の放出という機構で起きると考えてきたが、実は、低温では、輻射だけが主な伝熱機構ではないと考えられる。 B君:伝導と対流による放熱の方が多い場合もある。 A君:伝導による熱の放出ですが、ハムと室温とで温度差が約10℃。空気の熱伝導率は実は非常に低くて、0.00005カロリー/cm/℃/sec。単位が複雑ですが。となると、表面の1平方センチの部分を考えて、10℃の温度差だと、そこから、0.002Wと、一見、放射による熱移動量よりも小さく見えます。しかし、この計算では、空気は動かないという仮定なのですが、実際には空気は動くので、この30倍ぐらいの熱が移動して、0.06Wといった放出量になると考えられます。 C先生:結果的に、ハムの温度低下の速さは、隣に金属があっても、トルマリンがあっても変わらない。 A君:この図を使って状況を説明すると、「それは当然だ、ハムは死んでいるから」、というのが遠赤外線有効派からの主張なんですね。 B君:要するに、ボールペンからの遠赤外線はいくら微量でも、手に入って共振するから、血行が良くなって、そして手の温度があがる。 A君:ゼブラボールペンのサーモグラフィの主張も多分、そんなものですね。ボールペンからの遠赤外線による刺激で血行が良くなって、そして手の温度が上がった。 C先生:そんなことが有り得ないことを説明する必要がある。さて、鍵は何か。 B君:最近、生意気な表現ができるようになった、と感心するぜ。 A君:お褒めに預かり感謝です。 B君:ゼブラボールペンは、「自分達のデータで嘘を証明しているようなものだ」、ということ。 A君:あのサーモグラフィの写真が何を検出して画像にしているのか、というと、手から出ている遠赤外線。人体の放射率は0.98ぐらいあって、遠赤外線を非常に良く吸収し、かつ、放出する物質からできている。しかも、手には血管が走っているから、温度は高い。遠赤外線をどんどん出している。 B君:しかも、手の中では、血管部分がもっとも温度が高いから、血管そのものがもっとも遠赤外線を出していることになる。 A君:そこに、ボールペンからの微弱な遠赤外線が来たとして、それがどんな効果を持つか、ということ。いくらなんでも、血液の温度がボールペンの温度よりも低いということはないですからね。 C先生:血管自身が出している遠赤外線の量の方が、ボールペンから来る遠赤外線の量を桁で上回っている。これで多少は納得してもらえるだろうか。 A君:まだ決定的なパンチが必要なのではないでしょうか。 B君:あのサーモアルファーというボールペンの外側は何からできているのだろうか。 A君:トルマリンを練りこんだポリスチレンか何かではないでしょうか。 B君:PETである可能性もある。いずれにしても、プラスチックも、実は、かなりしっかりと遠赤外線を出している。分子構造から考えると、スチレンもPETも10μ程度の遠赤外線を出しそうだ。 A君:要するに、トリマリンを練りこんでも練りこまなくても、ほとんど変わらない。ということは、普通のボールペンでもトルマリン入りのボールペンでも変わらない。金属製だと多少違うかもしれませんが、金属製だからといって、手の温度が下がるということにはならないことは、これまでの議論で明らかです。 B君:お年寄りを騙す健康寝具の綿は、ポリエステル製すなわちPETと同じもの。だから、トリマリンを練りこんであっても練りこんでなくても、あるいは、天然の綿であっても、遠赤外線を出す能力は余り変わらない。 C先生:となると、あのサーモグラフィの写真は何なのだといことになる。やはりインチキか? A君:すでに議論していますが、あのボールペンは変な形をしていて握りにくいのではないでしょうか。試していませんが。となると、しっかり握るから、筋肉が緊張して発熱する。 B君:多分そんなことだろうと思う。しかし、そうだとすると、肩こりが激しくなりそうだ。 C先生:ゼブラなる会社は一体何を実験したのだろうか。同じ形のボールペンで、通常の樹脂製とトルマリンを練り込んだ樹脂製のものを使って、1000人程度にブラインドテストをしてそれから結論を導いたのだろうか。 B君:やっているとは思えない。是非、内情を知りたいものだ。ご連絡をお待ちします。ゼブラの開発陣からの。 C先生:これで、ボールペンの話は終わり。寝具や下着などの場合の説明も大体同じだ。 A君:最後に、蛇足ですが、暖房というものがどういうものかを説明してみたいと思うのですが。 B君:この間まで、個人的にも誤解していた部分がある。暖房とは、床暖房などの場合であれば、体温よりも低くても利く、ということを正確に理解していなかった。 A君:それです。Googleに床暖房とでも入れて検索をすると分かるのですが、説明が適切かどうか。 B君:それそれ。床暖房の床の表面温度は、どうも、20℃から30℃までらしい。床表面の温度は、相当高いのだと思っていた。 C先生:発熱体の温度が、体温より低いのだから、遠赤外線は出しているが強力という訳ではない。それでは、体が温かいと感じているものは何か、というと、それは、体からの放熱速度だ。体表面から出て行く熱量が多いと寒いと感じ、出て行く熱量が少ないと熱いと感じる。床暖房は、面積で稼ぐタイプの暖房だから、快適である条件は備えているが、床暖房ならすべてOKということではない。本当に快適にするには、部屋の壁面で温度が低い部分を無くす必要がある。要するに断熱が必須だ。 A君:看護の教科書によれば、「普通の室温では、裸の場合、60%は「赤外線」による輻射で失われる。安静時の体温の放散量がもっとも多いのは、この輻射によるものである」、とあります。 B君:「しかし、気温が35℃以上になると、体からの輻射による放熱がゼロになって、蒸発のみで熱の放散が行われる」、と書かれている。 C先生:またまた微妙な話になるが、輻射の場合には、シュテファン−ボルツマンの法則のように、絶対温度で遠赤外線の放射量が決まる。体の周囲からも、その周囲の温度によって決まる遠赤外線が出ているから、体はその遠赤外線を受けとる。出す量と受ける量の差は、本当は絶対温度の4乗に比例するのだが、いずれにしても、温度差=(体の温度−周辺の温度)がその値を決める。これを体は感じるのだ。周辺の温度が低いところをあると、「寒い」のだ。 A君:暖房を考えると、家の場合には、窓が温度が低いです。ガラスは熱貫流率が高いので、ガラス表面の温度が低くなっています。その部分に向けて、体からかなり多くの熱量が放出されます。もしも床の温度が高ければ、床方向へは体から放出される熱量が少ないと考えれば良いのです。床は面積が大きいですから、暖かく感じる。そして快適。 B君:いずれにしても、床の表面温度が重要なのであって、床板を通って、床下を流れる温水などからでた遠赤外線が室内に入っている訳ではない。 A君:炭が遠赤外線を出すから、といって、炭を床板の下に入れて、その炭を加熱するという方法が有効なことは無いです。 B君:大体、炭は遠赤外線を多く出すとも言えない。普通に出すだけだ。 C先生:快適な暖房は、大面積と断熱が重要。最後に、遠赤外線の嘘をまとめようか。 A君:はいはい。 (2)誤解「低い温度の物体から放出された遠赤外線は、血行改善などの体に良い効果をもたらす」。 正解「低い温度の物体から放出された遠赤外線は、考える必要がない」。 (3)誤解「遠赤外線は体に40〜50mmも深く入り込む」。 正解「1mmも入らない」。 (4)誤解「人体は遠赤外線を出していない」。 正解「人体は遠赤外線をちゃんと出している。実際、それで放熱をしている」。 (5)誤解「遠赤外線にはこんな効果がある」。 正解「全部嘘」。 (6)誤解「遠赤外線は水を活性化する」。 正解「温度を上げるだけ」。 (7)誤解「遠赤外線は透過力が強い」。 正解「大抵のものに吸収されるため、余りものを透過しない」。 (8)誤解「特に汚染水の浄化作用や、蛋白質の合成に重要な役割・作用を及ぼす光線です」。 正解「全部嘘。まあ温度が上がることによる影響がなしとはしない」。 (9)誤解「遠赤外線放射物質が人の機能が低下している細胞の活力を亢進させ、健康の改善及び増進に寄与し、一方では活性化しては困る癌細胞や急性炎症期の細胞にはこれを沈静化させる」。 正解「全部嘘。もっともがん細胞は高温に弱いということは事実なので、赤外線を使えば、何か効果があるかも」。 (10)詐欺「波動(Vibration)や微弱エネルギー(Subtle Energy)の現象は現代科学の体系からは説明も理論構築も全く不可能とされてきた分野です。当社では、この非科学的とすら見放されるこれらの現象と向き合い研究の結果、遠赤外線と波動エネルギーの融合更にエネルギーを二次転写可能な特殊機能水遠赤外線放射波動水を開発することに成功致しました」。 正解「・・・絶句」。 (11)詐欺「遠赤外線が体内に浸透すると、体の細胞や血液の60%を構成している水分を活性化します。水のクラスター(水分子の固まり)を遠赤外線が小さくし、水の運動エネルギーを増幅し、マイナスイオンが発生します」。 正解「水にクラスターなどありません。水の運動エネルギーが増すことは温度が上がるということでしかありません。マイナスイオンなど全くの無関係」。 (12)無理「消費電力600ワットなのに、8畳までのお部屋まで遠赤外線で暖房できるという画期的暖房器です」。 正解「これは無理でしょう」。 (13)詐欺「遠赤外線は、人体細胞と共振して発熱する原理ゆえ、皮膚の表面から熱だけ伝導する温灸や、お灸よりも優れた効果が有るわけです。難病の関節リュウマチをはじめ、痛風、慢性気管支炎、気管支喘息、慢性肝炎、胃、十二指腸潰瘍など迄治療効果が出ております」。 正解「....お灸は、人体のツボなるところに対する熱刺激。.......」 (14)誤解「一般的な温水式や電気式の床暖房も輻射熱を利用した暖房ですが、遠赤外線を放射している量はごくわずか。しかし×××はフィルムから放出される遠赤外線が81.3%と日本トップクラス」。 正解「普通の床暖房と変わらない」。 (15)迷信「トルマリンが発生する微弱電流が、人間の体内で発生する生体電流と同じ帯域の遠赤外線ということがわかっています。遠赤効果は、筋肉の緊張が緩和されますので高いリラクゼーション効果が期待できます」。 正解「電流が遠赤外線??? これは、あるトルマリン入りの化粧品のページにありました。これで騙されたら、騙される方も悪い」。
床暖房:http://www.furukawa.co.jp/netsu/index.htm
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