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  電球型蛍光灯の認知度 10.07.2007
     




 誰がどう考えても、エコ商品であると思われる電球型蛍光灯だが、どうも主婦層などからの支持があまり無いようだ。本日の課題は、その理由を考察すること。

追記:データを改定しました。 理由は、製品価格。 11.25.2007


C先生:エコ商品について、先日、ブログの方でかなり長い間議論が行われていた。要約すれば、エコ商品というものをどう見るかについてであった。
 エコ商品に対する考え方は、極論をすれば2種類。
(1)エコ商品は、経済的に見合うから買う:反論=それならエコ商品ではない。単なるエコノミー商品に過ぎない。
(2)低炭素社会の実現に貢献したいから買うのだ:反論=そんなことをするのは変人だけだ。
 本HPの主張は、当然(2)である。しかし、純粋な(2)ではない。低炭素社会に単に貢献するだけでは余り楽しくない。価格は安くは無い商品だから他人に自慢ができ、しかも、それが他の人からすぐに分かり、しかも、愛用できるような商品、すなわち、他の商品を買うよりは楽しみが多いから買う、といった性格をもった商品開発をすべきだ。それをエコプレミアム商品と呼ぶ。そして、「変人」をより多く作り出すことが本HPの目的の一つである。

 今回取り上げる電球型蛍光灯は、実は、(1)型の商品である。一応、エコプレミアム商品に分類しているものの、実は、プレミアム度は低い。大体、自慢できるほど、高い商品ではない。しかも、自分の家の話なので、目立たない。愛用できるというほど、かわいくはない。

A君:これまで本HPでも余り真剣に取り上げたことが無い電球型蛍光灯ですが、かなり昔からあるので、「いまさら」、という感じ。

B君:それはそうだが、未だに少しずつ進歩している商品。昨年の省エネ大賞 省エネセンター会長賞を受賞したパルックボール プレミアなどがそれで、60型の電球54Wの消費電力に対して、とうとう10W。寿命も10000時間。当然、3種類の光の種類がある。

A君:なるほど、その他、点灯回数も3万回は可能

B君:以前の常識だと、蛍光灯は、点滅回数に制限があって、しかも、点滅時にはヒーターを加熱しているから、かなり消費電力も高いので、「蛍光灯は点滅をするな」、という常識があった。実際、どのぐらい寿命が縮まるのか、というと、余りデータはなさそう。

A君:ちょっとWebを調べてみたら、1回点灯するたびに1時間分の寿命が縮まるというのがありました。でも、これは安定器とグローランプを使った古いタイプの話。もし本当なら、6000時間の寿命が1日10回点灯をするような条件だと、それだけで年間3600時間分の寿命をすり減らし、20回点灯すれば、1年もたない。

「ビルメン管理員の仕事内容」より

点灯回数と寿命
蛍光灯は点灯回数により寿命への影響が大きい。
安定器によるが、1回の点灯で1時間短くなるものもある。
館内の蛍光灯は1日数回の点灯ならほとんど影響ないが、2〜30回になると寿命が半減する。


B君:蛍光灯の点灯方式には、様々有る。今、話をしている電球型蛍光灯は、インバーターを使った高周波点灯なので、安定器が無いタイプだと思えばよい。となると、点灯回数が寿命に影響するということは考えなくて良さそう。

A君:いやいや。パルックボールプレミアの場合の3万回点灯可能ということだと、1日10回点灯したとして、3000日。約8年。まだ、寿命に影響するとも言えますね。

B君:たしかに。パルックボールプレミアの寿命が10000時間。8年間というと約3000日。一日3時間は使わないと、点灯回数の方で寿命が決まることになる。

A君:昔の蛍光灯は点灯時に消費電力が大きいという話があったのですが、それはどうなったのでしょうね。

B君:点灯時には、グローランプというものが動作して、フィラメントを加熱していた。だから、その分の消費電力が余分にあった。最近の電球型蛍光灯は、高周波点灯になっていて、一瞬、フィラメントに電流を流すだけ。ただ、あんな小さな図体の割りには、そのときの電流値は相当高いらしい。フラッシュ電流は20AにもなるというWeb情報もあった。しかし、本当に一瞬らしいので、消費電力への悪影響を考えるまでもないようだ。

A君:点灯直後の明るさも改善したとか。

C先生:最初、ぼんやり点灯して徐々に明るくなっていく性能をなんとかしないと、受け入れがたい。夏はまあまあなのだが、冬になって気温が下がると問題。実際どのぐらい改善されたか、これはテストをするしかない。まあ、これまででももっとも寒い時期に20秒待てるかどうか、という状況だったのだが。

A君:電球型蛍光灯の限界として、密閉した機器の中には入れないで欲しいというものがありましたが、これは最近言われなくなりましたね。

B君:電球型蛍光灯は、半導体を使って高周波を作り出しているので、その耐熱性が問題になっていた。しかし、最近の製品では、白熱電球と同等程度の耐熱性がでてきた。そもそも発熱量が低いのだから、当然と言えば当然なのだが。

C先生:そろそろ電球型蛍光灯の利点も限界もすべてが明らかになったように思える。長時間点灯するような条件であれば、電球型蛍光灯の方が良いに決まっている。かなり点灯時間が短い場合、しかも、1日に何回も点灯を繰り返すようなトイレのような場合について、具体的にどのような条件であれば、電球型蛍光灯を買った方が得になるか、検討をしてみよう。

A君:仮定として、以下のようなものを採用します。



表:使用した仮定



表 新データ:使用した仮定。価格のみ改定

 点灯時間を一日0.1時間から10時間まで変えて、1年間に掛かる費用を算出し、どちらがどのぐらい有利であるかを推定します。

 ただし、電球型蛍光灯の寿命は、点灯時間だけでは決まらないので、点灯回数の上限である3万回が8年ほどで到達するものと仮定しました。

 白熱電球の場合、使わなければ無限に持つのか、と問われると問題なので、こちらも一応最長8年で、接触などの問題が出てくるということにしました。妥当性は疑問ですが。もっとも、こんな仮定をしなくても、白熱電球の場合には価格が安いもので、結果への影響はほとんど無いのですが。

そして、結果が次の2つの図です。年間の費用の比較になっています。





図:点灯時間が0〜0.4時間/日まで 費用 円/年 vs.点灯時間/日
  青線:電球型蛍光灯、茶線:白熱電球




図:新データ 点灯時間が0〜0.4時間/日まで 費用 円/年 vs.点灯時間/日
  青線:電球型蛍光灯、茶線:白熱電球





図:新データ 点灯時間が10時間/日まで 費用 円/年 vs.点灯時間/日
  青線:電球型蛍光灯、茶線:白熱電球


費用的に見ると、点灯時間が1日0.35時間、まあ20分ぐらいのところが境目になって、それ以下の場合には、白熱電球が良さそう。

B君:これは経済面。環境面ではどうなる。

A君:電力多消費型商品の典型なので、経済面=環境面と考えても、ほぼ成立するでしょう。すなわち、電球製造自体の環境負荷を考えなくても良さそうな課題ではあるのですが、ゴミになる量ぐらいは見ますか。
 8年間でいくつの電球が必要かを計算してみると、1日に0.3時間だと、年間点灯時間も110時間程度になって、これだと、白熱電球でも8年間もつことになる。まあ、ざっくり言って、ゴミの発生量は、1日3時間点灯が境界で、それ以下なら、白熱電球の方が優れている。

C先生:ゴミの発生量も、結局のところ、電気を発電するために出る石炭灰の量が問題になるような種類の問題なのではないか。もっとも、消費者が出すか電力会社が出すかで全く性質は違うのだが。

A君:たったこれだけの仮定でも、結構様々なことは分かりますね。例えば、電球型蛍光灯の場合、寿命を延ばしてもらうよりも、点灯回数の限界を6万回まで延ばして貰う方が、効果がでる場合が多い。消費電力的には、0.3時間/日が境目だけど、この条件だと、点灯回数で寿命が来る可能性が高い。もしも、点灯回数を延ばすことができたら、もっと点灯時間の短いケースでも白熱電球を電球型蛍光灯に交換した方が有利になる。もしも6万回点灯可能になれば、1日10分程度の点灯でも経済的に有利。その代わり、その製品は16年間動作しなければならないことになるけど。

B君:最近、30年前の扇風機を使って火が出たとか問題にしているが、あれは材料屋にとって完全に想定外。絶縁材料がそこまでもたない。特に、塩ビの使用を止めた企業の製品は危ない。例えば、シャープのテレビなど。塩ビは非常に寿命の長い材料だけど、それでも30年はどうなのか。
 となると、電球型蛍光灯にしても、点灯回数も5万回ぐらいにしておいた方が事故が無いのかもしれない。適当な寿命の短さは、安全性担保の重要要因かもしれない。

C先生:若干製品価格が高くなっても、カレンダー機能をどこかに組み込んで、20年ぐらいで自動的に動かなくさせることが必要なのではないだろうか。もしも、それ以上動かすのなら、そこで全面的に再整備。

A君:そろそろなんらかの手を打たないと。

C先生:さて話題を本来のところに戻したい。本日の検討結果で、現状だと、1日20分点灯ぐらいを境目にして、それ以上点灯するようなら、電球型蛍光灯に切り替えた方が良い。そうでなければ、白熱電球をそのまま使うのが良い、という結論になった。

A君:1日20分というと、白熱電球でも1年は切れないで持つ。大体、1年に1回交換する必要がある白熱電球は蛍光灯に変えるとまあまあ。

B君:大体、蛍光灯に変えてしまえば、スペアをほとんど用意しておかなくても良い。まあ、暗くなってきたかな、と思ったら交換すれば良いので、楽になる。

C先生:東京都などは、白熱電球撲滅作戦などをやっているのだが、業務用を考えれば、白熱電球は交換の手間が大変。だから、どんな電球でも蛍光灯にしてしまった方が安上がりなのだろう。

A君:1日20分点灯だと、ゴミの発生量は、まだ白熱電球の方が有利。1日30分なら、ゴミの発生量が多少多いことを考えても、蛍光灯有利といったところではないでしょうか。

C先生:その方が分かりやすいかもしれない。1日30分点灯するのなら、電球型蛍光灯に買えよう。ただし、安物買いはおススメできない。なぜならば、点灯回数の限界が問題で、それは、安物だと怪しいから。スペックを良く見て、3万回の点灯回数可能と言っている製品を買おう。

A君:1日に1時間以上点灯しているような状態でしたら、それこそ安物でも良いのかもしれない。

B君:消費電力は恐らく、安物でもそんなにも変わらない。

C先生:こんな結果を共有して、なんで、主婦層に電球型蛍光灯が受けないか、を検討してみよう。

A君:想像ですが、以下のような理由が考えられるのでは。

(0)いくら電球型蛍光灯が良いといっても、どこかに裏があって、やはり電球の方が経済的な場合があるのではないか。

 これは本日の検討で解消済み。1日30分点灯するかどうか、で判断すれば良い。特に、1日1時間点灯ぐらいなら、年間300円ぐらい余計に払えば良いだけだけど、それ以上点灯するような場所は、変えない方がおかしいぐらいの差になる。3時間点灯でも年間1000円以上違う。

B君:(1)電気関係のことは、亭主の管轄。すなわち、電気のことは分からない。だから、変えない。

 これは、亭主もその内容を分かっていない可能性もある。だから、誰でも分かるように説明をする必要がある。


A君:(2)節約になるといっても、どうせ多額ではないから、色などに慣れている電球の方が良い。(電球色という蛍光灯があるのを知らない)。
(3)特に、冬季になると点灯したてが薄ぼんやりなのが嫌だ。


 これはあり得る。特に、(3)のケースは、トイレだろう。トイレだと点灯回数は多いし、点灯時間はそれほどでもないので、まあ、許容範囲。(2)の色にしても、電球色というものが、まだ十分に練れていない。なんとなく違和感がある。

B君:(4)買い換えるとなると、たかが電球1個で1000円を超す。これは高い。心理的抵抗感がある。
(5)「将来少し得になる」といっても、何が起きる分からない世の中だから、今、この瞬間に得な方が良い。


 これは最近の風潮。ただし、よくよく考えると、現在のように低金利の時代には、未来に投資をした方が良い場合もある。もっとも、電球型蛍光灯では高々10年間の投資になるが。

A君:(6)節水をしないと、給水制限などがあるが、節電をしなくても、何も起きないから困らない

 これは、電力会社ががんばりすぎるから停電は適当な間隔で起きるぐらいの世界が却ってまともな世界だとも言える。人間社会が完璧でなければいけない、と日本はかなり長い間考えすぎてきたようにも思えます。

B君:そろそろ最後か。
(7)地球温暖化など、どうせ自分の寿命内ではひどい状況にはならない。だから省エネなどに意欲は沸かない。

 省エネは、ゴアのように倫理の問題だと言い切ると、こんな反論がでる。省エネマインドを完全に普及させると、日本の省エネ製品は世界でトップになる。そして、他の国への技術普及が可能になって、それこそ、環境立国が可能になる。

A君:ゴアは、倫理の問題だといいながら、例の不都合な真実の映画の中で、米国の自動車産業が駄目になったのは、規制が無いからだ。カルフォルニア州の規制に対して、自動車産業が訴訟を起こしたことを、こんな自動車会社だから将来が無い、とこきおろしていますよね。

B君:電球型蛍光灯への切り替えが順調に進むような国だと、経済的にも順調な国になる、と言うか。我々も。

C先生:先日、エジプトに行ったが、イズマエリアの中級ホテル、メルキューレのロビーは、全部電球型蛍光灯になっていた。それに引き換え、日本のホテルの照明は、未だに電球であるところが多い。蛍光灯だと風格が無い、雰囲気が悪いとでも思っているのだろう。このようなマインドセットだけは、早めに退治しておかないと。

A君:さて、以上8つの理由を書いてみましたが、それ以外に何かありそうですかね。

C先生:先日、江戸川区の環境ワークショップを実施した方からの情報だと、まあ、大体こんなもので、特に、価格の情報が十分に伝達されていないのが大きいのではないか、という感想だった。

B君:メーカーの言い分だと、例えば、松下電器のものでも、「約10000円お得」、となっているだけ。どうやら1万時間使った場合のようだ。もっと現実的な仮定を元に消費者への情報伝達をしないと駄目だ。

A君:同じく、松下電器の広告の3万回点灯可能のところで、「トイレや廊下のようにこまめな点滅で節電したい場所へどうぞ」、とあるが、これにも裏付けデータが何も無いのは問題。ライフサイクルで考えると省エネになっていない可能性もある。

C先生:最後にもう一つ。これまでいくつか使ってみたが、54Wの電球を交換した直後の印象がなんとなく暗い場合がある。ところが、その上になると、100型になるが、商品が限られる。余り売れないのだろうか。できれば、80型のようなものができないものだろうか。省エネ性能は若干落ちることになるが。