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 食料自給率 その5 最終回   2010.09.12
     



 9月になって、時間不足が深刻になってきた。このHPを書くことを止めると、各種情報を積極的に取らなくなる可能性があるので、なんとか優先度を高く保ちたい。

 ということで、今回は、雑談はナシで、本論へ。

 今回ご紹介する本は、
「食料自給率の罠」川島博之著、
朝日新聞出版、2010年8月30日初版、1500円+税

 川島氏は、東大生産研の出身なので、昔からの知り合い。このところ、食料自給率で何冊もの著書を出しているが、その特徴は、海外の状況に強いことかもしれない。東大のIR3S関係のプロジェクトをタイで行なってたはずだ。

 この本の最大の特徴は、論理が分かりやすいこと。すなわち、食料自給率を中心に据えた議論そのものが間違いであることを的確に示していること。さらに、この本から世界的状況の把握が可能であり、それに基づいた提案があること。加えて、農業政策はやはり選挙対策としての側面が大きいことを再認識することができることだろうか。



C先生:一気に読める本だ。オランダの農業のあり方を学んで、農業を輸出産業にすることが可能だという結論は、日本農業の未来にとって大きな示唆になるのではないだろうか。

A君:いつものように目次の紹介から。
はじめに
第一章 人口が増えれば「食料自給率」は下がる
第二章 食料自給率が下がると「日本」は飢えるか
第三章 穀物は安く、利益を出すには「規模拡大」しかない
第四章 「地方の人口」が多い日本では、規模拡大ができない
第五章 「広い土地」を必要としない農業は有望
第六章 農業における「選択と集中」を考える
あとがき


B君:細かい節の題目は紹介はできないが、極めて現実的な解析がなされていることが評価できるように思う。特に、日本の農家のマインドセットを細かく解析していて、先回ご紹介した神門氏の本のように、
http://www.yasuienv.net/Food3Godo.htm
農家の神経を逆撫でするような記述ではない配慮をした記述になっている。

A君:だからといって、都合の悪いデータを出さない浅川氏の著書のようなメディア的な欠点も目立たない。
http://www.yasuienv.net/FoodSelfSuf.htm
 表面的なインパクトは、浅川氏の著書に負けますが、政治家が農業をどのように見ているか、そこに成功と失敗があった歴史などの記述があって、その意味では、深いインパクトはあるような気がします。

B君:それでは「はじめに」から。5ページほどの記述なのだが、「はじめに」に表が出てくる本は極めて珍しい。日本の農業の競争力などを一枚の表にまとめたものなのだが、コメ、小麦、トウモロコシ、大豆を日本で作っても、将来性が無いこと。それに比較すれば、畜産業は競争力があるし、野菜の栽培だって、相当の競争力が期待できるということを国内生産者価格、国際生産者価格、さらに必要な土地の面積から明確に示している。

A君:この表だけでも、日本の農業の方向性が分かってしまいますね。ただし、本文を読まないと、コメというものの文化的な特殊性などを配慮した農業政策を採用すべきだというところが分からないのですが。

B君:オランダ型の輸出農業を目指すべきだというのが、最終的な主張なのだが、その要素が「はじめに」から見られるということだ。

A君:第一章 人口が増えれば「食料自給率」は下がる
 この章は、フランス、タイ、アメリカ、インド、中国、イギリス、日本、オランダの国際的な比較、特に、農地面積、人口、人口密度などを比較して、国土の特性にあった農業以外は有り得ないという結論を引き出している。

B君:当たり前の話なのだが、食料自給率を最優先しようとすれば、穀物生産を重視すべきだということになるのだが、現在の日本の状況だと、たとえ農地をフルに活用したとしても、穀物を自給するという方針を取ることは不可能であることが明白。しかも、現在、選挙対策で農業対策に使われている税金を、ますます農業に振り向けなければならない。

A君:日本の農業の歴史を江戸時代以前から解析して、「水稲」が果たして来た役割、なぜ「棚田」などというものができたのか、さらに、明治時代からコメの輸入をしていること、戦後になって優良農地が住宅地に変わったなどの歴史的事実が示される。

B君:日本のように地方の人口密度がイギリス・フランスに比較して10倍も多いという条件だと、殻物のように農地面積が必要で大規模化しないと商売にならない農業を日本でやることは、まず、農地の集約が難しいということになって、現実的ではない。

A君:明治以降も人口が増え続けた日本という国の状況が、農業の形態を決めてしまった。今更、急激な変化を実現しようとしても、それは無理ということ。

B君:第一章にその記述があるわけではないが、ユニクロのファーストリテイリングの農業参入などがいよいよ大規模農業企業が参画かということで話題になったが、すでに撤退していて、やはり商売にはならないことを証明している。

A君:第一章は、この本全体への序論みたいな役割になっていて、第三章以降で、詳細な解析がなされる。

B君:第二章 食料自給率が下がると「日本」は飢えるか
 この章は、やや独立している。食料安全保障というか、リスク管理という考え方と食料自給率の関連性などを述べているとも言える。

A君:1973年の石油ショックが、いまだに、「なにかの際に外国が物を売ってくれなくなるかもしれない」というトラウマになっているというのは面白い指摘ですね。

B君:カロリーベースの自給率の説明があって、もっと詳しいものは、末松氏の本を読めば良いのだろうが、
http://www.yasuienv.net/Food4Suematsu.htm
本書の説明だけでも十二分に有用と言える。

A君:むしろなぜ小麦の自給率が低いのか、食用植物油の消費が増えているのに、カロリーベースの自給率はゼロだといった記述があって、これで十分な知識が得られます。

B君:過去50年間で日本人のカロリー摂取の構造が驚くほど大幅に変わったこと。日本が現在、何を輸入しているのか、など再認識すべき事項が書かれている。

A君:カロリーベースの食料自給率が下がった理由は、本書が述べているように、極めて簡単。コメだけで農地をほぼ使っているこの国で、植物油が食べたい、畜産物が食べたいと思えば、油産生の農産物とトウモロコシなどの飼料用農産物を輸入せざるを得ない。

B君:輸入品目のうち、殻物は先進国から輸入していること、その輸入金額は総輸入額の10%程度であること。
 さらに良く見れば、金額ベースの輸入食品の85%は贅沢品であること。具体的には、タバコ、ワイン、コーヒー、バナナ、紅茶、キウイ・フルーツ、ココア、オレンジ、パイナップルに5460億円を掛けている。

A君:それに対して、小麦や飼料となるトウモロコシ、植物油の原料などの輸入額は、食料総輸入額の14%に過ぎない。

B君:殻物を休耕田を使って作ればよいという話があるが、食料自給率は何%上がるかの計算もしている。その結果が11.4%上がる。すなわち、食料自給率の現状を40%とすれば、50%程度までは上げることができる。

A君:これからある種のシナリオスタディーになっていて、日本が食料を輸入できなくなるという事態が発生するか?

B君:以下の5つのケースを想定。
【1】世界食料危機が発生。それにより、世界中で食料が不足し、日本は食料を輸入したくとも輸入できなくなる。
【2】食料危機が発生するには至らなくても、食料輸出国で食料が不足気味になり、国内への供給を優先するために、日本には売ってくれなくなる。
【3】政治的な理由によって、日本への食料の輸出を拒む。禁輸をちらすかせることにより日本に政治的な譲歩を迫る。
【4】日本の経済が疲弊し、食料を輸入したくとも、お金がなくなり輸入できなくなる。
【5】戦乱により海上封鎖され、食料が輸入できなくなる。


A君:これらが、一つ一つ丁寧に否定される。是非、読んでいただきたい。

B君:非常に大局的な見方を紹介すれば、食料の生産は、窒素肥料の使用によって増加していて、現在、世界各国で休耕田が大量に存在していて、需要に比べ20%ぐらい余る量を生産している。

A君:人口は、今後、それほど増加しない。国連の中位予測は、過大評価だと我々は考えているのですが、その2050年91億人程度でも、川島氏は比較的に簡単に養えるとしています。

B君:現在、何かあると世界的に飢餓があるではないか、と言われるが、それは、単に食料の配分が悪いだけ。

A君:敢えて厳しい表現を使えば、飢餓があるような国は、その政治が悪い。腐敗した政治家によって支配されている国。

B君:【4】はどうなんだ、と問われるような気がするが、それに対する川島氏の意見は、食料の輸入よりエネルギーの輸入の方が大変。食料に限って言うのなら、急に貧しくなったら、まずタバコの輸入を止める。エビ、マグロ、ワイン、カマンベールチーズなどの輸入を止める。いずれにしても、経済の疲弊が続けば、各種の困難に直面するので、食料を心配するよりそちらを心配すべきだ。

A君:その気になれば、末松氏の本にもあるが、生きるだけなら国産食料だけでもなんとか可能。

B君:ということで、第二章は、食料危機は、幸いなことに、起きる可能性が低いという結論になっている。

A君:この章の最後にコラムがあって、「政治が招く食料危機」について語られている。これは現在の日本の状況と必ずしも関係は無いのだが、日本の政治家にも是非読んでもらいたい。

B君:環境を多少議論している人だと、地球温暖化が進んで、雨が降らなくなったらどうなんだ、とか、温暖化対策で、自然エネルギーとしてのバイオエタノールが増加したらどうなるのだ。こんな懸念が残るという指摘をするかもしれない。

A君:どの程度の急激な変化が来るかということによることはよりますが、基本的に、巨大な農耕地になりうる土地のあるカナダ、ロシアなどに農地が移動する。雨は、温暖化が進行すると、海からの水蒸気の蒸発量が増大するので、トータルには増加。もっともどこに降るかという問題は分かりにくい。

B君:寒冷化が起きれば、一気に食料供給問題は深刻化する可能性があるが、まあ、農作物の転換と農地開発が間に合わないほどの速度で温暖化が進行しなければ、なんとかなると解釈した方が良い。

A君:アメリカのバイオエタノールは、やはり問題。二酸化炭素発生量の削減には、貢献していないので、農家の所得増大のための政策にすぎない。

B君:「バイオエンタノールは米国の正義か」、という問いかけを常に行う必要がある。

A君:日本でバイオエタノールなどという話に乗るのは、その領域で研究費が取れると考える研究者とその取り巻きの行政官。

B君:研究者は必ずしも正義のために研究をやっている訳ではない。自分の研究領域の拡大という個人的な利益のために動くのが研究者というもの。

A君:環境関係の研究者は、是非、正義で動いてもらいたい。

B君:第三章 穀物は安く、利益を出すには「規模拡大」しかない
 日本のコメの価格は、世界の価格の8倍程度。なぜ日本のコメの価格が高いのか。農家と都市生活者の所得格差がその原因。

A君:日本のコメ農家は、相変わらず1ha程度の農地しか持っていない。ここから、仮に玄米が5トン取れたとしても、1トンがタイなみの236ドルでは、年収が1200ドルしか行かない。

B君:日本の現在のコメ価格は1トンあたり1848ドルということになっているが、それでも、年収は90万円にしかならない。となると、兼業農家以外は成立しない。

A君:小麦はもっと厳しい。すなわち、農家が1haしか農地を持たないという状況を変えないとダメ。1haの農地をコメに使えば、年間50日ほど農作業をすれば良いらしいので、余りにも楽すぎる。

B君:米国農家は、平均的に100haの農地を持っている。ここでトウモロコシを作れば、2005年価格$79/トンで計算すると、年間売上は7万3470ドル。これでは余り儲かるとは言えないかもしれない。しかし、2007年には、トウモロコシ価格が$157/トンになった。年収が倍になった。これがバイオマスエタノールを栽培することで実現できたこと。

A君:タイのコメ農家は、年収5万円でやっている。これがタクシン派の支持層である。どうも、タイにも根源的な対立構造ができてしまった。

B君:その意味では、日本の過去の農業政策は、それなりに上手く機能してきたとも言えるのかもしれない。そのための大きな歪が残ってしまったが。

A君:川島氏は、もしも日本で殻物を増産しようとすれば、それには、
1)国の積極的な関与のもとで生産する=(保護強化)
2)規模を拡大する=(規制緩和)
のいずれかしかない、ことを指摘。

B君:この両極端を行ったり来たり。これが日本農政が猫の目のように変わる原理的な理由。

A君:戸別所得補償を推し進めるのであれば、その本来の目的は、EPA/FTAを実現するためにあったはずなので、その方向に向かうべき。

B君:しかし、選挙対策だと考えると、やはり農水大臣などは、そう言い切れない。

A君:第四章 「地方の人口」が多い日本では、規模拡大ができない
 この章は、規模拡大ができないという農家のマインドセットのような問題を議論しているように思えるのですが、実際の記述は、たしかに最初のうちはその通り。ところが、途中から、「農村を制するものが選挙を制する」、「農業の規模拡大が進めば、農村選出の議員は減る」、「穀物価格をつり上げた農村議員」、「減反廃止は食料自給率の向上につながるか」、「自民党を政権交代に追い込んだ減反廃止」といった記述になって、農業政策がいかに選挙対策として語られているか、という読み物になっていく。

B君:アルゼンチン政権が殻物の輸出禁止をやったのは、その政治基盤が貧困階層で、その階層に対するポピュリズムだったから、という話が第二章p79に出ているが、政治家が近視眼的な選挙対策だけで農業政策をやると、いかにその被害が国全体に及ぶか、という怖い話。

A君:この章は、食料自給率を語る場合に、必読。

B君:第五章 「広い土地」を必要としない農業は有望
 ここで、オランダ型の農業を推奨。日本の農業も、輸出産業になりうるという主張。

A君:キーワードは、畜産と野菜、果物、それに花卉。

B君:日本の農産物は、やはり世界でもっとも美しいかもしれない。味も世界最高と言えるものがいくつもある。

A君:オーストラリアの牛肉が「Wagyu」というブランドを使っているように、日本の牛肉は世界的にも著名。

B君:確かに。しかし、ちょっと高すぎるが。

A君:話をちょっと変えて、中国が現在、レアアースの輸出制限などを行おうとしている。ちょっと日本はお人好しで戦略的な対応が遅れた。特に、中国のレアアースは、価格競争を仕掛けて、米国などの鉱山を潰した。そして、今回輸出制限によって値上げを狙っている。

B君:レアアース戦略は、レアアースそのものが本当にレアだというわけではないので、輸入先の拡大、国内備蓄、さらに、国内から使用済み製品の海外への輸出禁止という対策を取るということを表明するだけで、結構戦える。

A君:レアアースの場合、世界中の産出量の95%を中国が独占しているという状況でも、多分輸出制限戦略は成功しない。というか、成功させてはいけない。

B君:中国人の胃袋を日本の美味しい食材で支配して、レアアース戦略と戦うといった面白い戦略もあるかもしれない。そのうち現実のものになるか。

A君:第六章 農業における「選択と集中」を考える
 これが最終章で、川島氏は、コメは日本の文化みたいなものなので、小規模な農家を含めて、生産を続けるしか無い。そのための戸別所得補償も仕方がないとして、農業で儲けようとするのなら、オランダ型に移行するのが唯一の方法だと述べています。

B君:キーワードは、もっと戦略的に「選択と集中」をやれ。

A君:この国の状況を書くと、どんな分野でも、「戦略性が不足」。

C先生:ずっと黙っていたが、これでそろそろ結論か。
 戦略性が不足しているということは、本当に日本の限界を露呈している最大のことかもしれない。
 レアアース関連でも事実。我々は中国がそのうち何かやりだすということを何年も前から指摘してきた。
 レアアースの使用量、特に、モータ用の永久磁石用に使われるディスプロシウムの使用量などを減らす努力は行われている。
 元素戦略などというものも行われていて、レアアースを使わないで、他の材料技術で克服が可能といった研究も行われた来たが、こちらで成功するのはかなり限定的な様相。
 戦略性が欠落する一つの理由は、やはり縦割り行政の限界があって、農水省関係者は農業のことを良く知っているが、日本全体にとって有効な施策を実施するのではなくて、農業関係にとって有効な施策をやらざるを得ない。
 政治家にとっても同じで、自らの選挙に有利になるような政策を選択しなければならない。
 このような状況であることを国民すべてが十分に理解することが、日本という国をもう一度まともな国に戻す唯一の方法のように思うのだが、これがもっとも難しいことでもある。

A君:「食料自給率という罠」という題名の本でしたが、その罠は、農水省によって仕掛けられ、そして、メディアはほぼそれに乗った。しかし、このところのその批判をする著作が大量に出てきて、どうも食料自給率の拡大を気にするよりも、日本と世界の農業全体を考え、食料安全保障という考え方で対応することが必要ではないか、という方向に向かいつつあることは、良いことですね。

B君:ただし、戦略性を十分にもって交渉力の強い国を作ることは別途必要。

C先生:前回の「その4」でA君がいくつかの項目を指摘して、そんな検討をすべきだとしているが、これはどうする。

A君:一応再掲します。
(1)基本的に穀物が世界的に生産過剰であるということをどのように認識するか、
(2)それへの対応をどのようにとるのか、
(3)日本国内のコメの消費低下をどうするのか、
(4)日本人のコメの銘柄信仰は継続する可能性はあるのか、
(5)温暖化などの進行によっては、これまで想像できなかったような異常気象によって、特に降水の変化が起きたら緊急事態は発生するのか
(6)もし発生するとしたら、どのような形態なのか、
(7)日本という国の農業はコスト高であるので、コスト高を前提とした対策が必須、
(8)しかし農業をすべて止めてしまったら日本の食料や文化、さらに国土はどうなるのか、
(9)今後、普通の国になる日本にとって国土をどのように管理すべきなのか、
(10)世界的に人口が減る21世紀だが、これをどうやって早めに実現するか。

B君:もっと、整理した形になりうるように思える。ちょっと試みるか。

A君:了解。

一応のまとめ
[1]世界的な食料危機は?
*長期間危機が継続するような事態は起きないと思われる。
◎食料安全保障という議論が必要。
◎備蓄戦略など短期的な対応は必要。
◎世界人口の動向を注視することが重要。
◎気候変動への世界的な適応策は考慮すべき。
◎したがって、食料自給率を議論の中心に置くことは不必要である。
◎いざとなったら、贅沢品の輸入をヤメれば国産品でもなんとかなる。そんな食事をある期間受け入れるように、教育も重要か。

[2]コメをどうするか?
*生産に手間が比較的かからないので、必要量と耕作面積をある程度維持。
*輸入米も入れざるを得ないだろうが、国産米は、品質とブランドで戦う。
◎コメ生産に係わる農業人口は、自然に低下する。
◎むしろ過剰なコメ農業従事者を作らないことが重要。

[3]高コスト体質をどうするか?
*野菜、畜産、果物、花卉は、その作物の品質を考慮すれば、高コストとは言えない。
◎日本の農業は、これらに集中し、狭い農地で勝負。

[4]コメ以外の殻物は?
*輸入するしかない。農業を途上国の産業として育成する方向で、輸入先の多様化を目指して支援する。

[5]バイオエタノールは?
*使用する化石燃料の何倍のエネルギーが得られるかを基準化。世界基準とすることを提案する。
◎トウモロコシからのバイオエタノールは、やはり無理。
◎日本産殻物からのバイオエタノールは研究者への研究費の供給にしかならない。

[6]農地をどう考えるか?
*大規模化が可能なところでは、大規模化を目指す。
◎農業従事者の超高齢化によって、自然に解決する枠組みを作る。

[7]農業を含め、日本の未来をどのような方向に向けるのか?
*これは、国民的な議論と合意が必要。
◎いくつかのシナリオを提示して選択してもらうことが必要。
◎FTAは必須の方向性かもしれない。

[8]ポピュリズム政治から戦略性のある政治の実現法?
*これは選挙システムを変える。
◎本HPの主張は、2票制。1票はあなた自身のために、もう1票は、20年後のあなた、もしくは子孫のために投票をする仕組み。これによる改善点はただ一つ。政治家は20年後の公約を述べる必要に迫られること。



C先生:どうもこんなところが、食料自給率を巡る検討の結論か。個人的な感想だが、これで、かなり整理ができたように思う。食料不足というと、本能的な反応をしがちなのだが、やはり、その状況を冷静かつ理性的に見極めて、対応をとる訓練が必要かもしれない。
 どうも日本人は危機が好き。特に、食料危機はもっとも好きな話題だったのかもしれない。エネルギー供給危機といっても、余り実態が見えないのかもしれない。いくら言っても、ノリが悪い。
 1年間に2〜3時間ぐらい停電をするような国だと、その危機がどのようなものなのか、よく分かるのだが。