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食品の安全とゼロリスク 01.10.2010 |
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国立医薬品食品安全研究所の畝山智香子さんが書いた本が昨年末に出版された。 ほんとうの「食の安全」を考える ゼロリスクという幻想 化学同人、2009年11月30日 ISBN978-4-7598-1328-9 リスクというものは、ある部分だけを考えていても意味がない。本書は、食の安全だけでなく、そもそもリスクというものをどうやって定量的に把握するか、といったところまで素人にも分かるように書かれている。 この本が売れるようになれば、日本社会のリスク感覚も変わる。しかし、残念ながら、メディアにとって、この本が述べることは「商売の邪魔」だし、健康食品や有機食品を売っている事業者にとっては、抹殺したい本だろう。 ということで、残念ながら、余り売れないだろうと予測する。本日現在、アマゾンランキング5292位である。 畝山さんは、食品安全に関するBlogでも有名。http://d.hatena.ne.jp/uneyama/ ただ、このBlogを見ると、世の中の食品には危険が一杯だという感覚を得ることだろう。だから、「健康食品が必要だ」、あるいは、「有機食品なら大丈夫だ」と思ったら大間違い。 なぜ多くの毒物を含んだ健康食品が作られるのか。細かく見れば、理由は色々ある。そして、かなりの毒性食品は、健康のために良いという誤解によって、それらが売れることを目論んでいるものである。 また、有機食品を摂取することによって、避けられると思われるリスクは、ほとんど無い。有機食品は、基本的に好きか嫌いかで選ぶべきものである。 もちろん、中国のメラミン入りのミルク事件のように、健康に悪いことを知りながら、犯罪的行為で安価な有害食品を製造するというケースもあるが、これは極めて悪質な犯罪行為である。 結論である。日本社会が、この本を楽しめるような「正しいリスク感覚の持ち主」ばかりになれば、この世の中から「特定保健用食品」、いわゆる厚労省お墨付きの「特保」は消えてしまうかもしれない。それでは困るか? いや困りはしない。 ということで、この書籍を強くお奨めしたい。 C先生:この本は、食品だけでなく、化学物質の安全とリスクに興味のある人には、是非とも読んでもらいたい。 A君:例によって、目次のご紹介から始めますが、まえがきで畝山さんご自身が言われるように、どこから読んでも構わないとのこと。 目次 第1章 「基準値」はいかに決まるか 残留農薬のこと、天然物、安全基準、など第2章 発がん物質のリスクの大きさをどう考えるか 発がん性とは、発がんリスク、健康な食生活 第3章 食品のリスク分析はどのようになされているか 魚中のメチル水銀、トランス脂肪酸、緊急時のリスク分析、リスクとどう付き合うか 第4章 食品の有効性をどう評価するか 抗肥満薬、ビタミン剤とがん、健康強調表示の科学的根拠、健康的な食生活 終章 健康的な食生活を送るために 科学リテラシーを育む B君:最近になって、このような類書が数冊並ぶようになった。例えば、 ●メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書) (新書) 松永 和紀 (著) - 12,536位 ●食卓の安全学―「食品報道」のウソを見破る (単行本) 松永 和紀 (著) - 165,793位 ●誤解だらけの「危ない話」―食品添加物、遺伝子組み換え、BSEから電磁波まで (単行本) 小島 正美 (著) - 124,755位 A君:たしかに、余り売れない。それは、根源的に問題がある。なんといっても、この手の話を食事をしながら話題にしても、楽しいと思う人は少ない。逆に、「あの食品は健康によいらしい」という話の方が盛り上がる。 C先生:北京の精華大学に行って、材料系、環境系、安全系の先生方の発表を聞いた。その後、懇親会などでも話をすることになったが、材料系の大家とされる先生の話題も、「この料理には、ぎんなん(銀杏)が入っているから健康に良いのです」。 A君:ぎんなんは健康食品になっていましたっけ。 B君:いやー。知らない。健康食品と言えば、国立健康・栄養研究所のHP。 http://hfnet.nih.go.jp/ A君:ぎんなんは入っていない。ということは、日本ではぎんなんが健康食品だという認識は無いということだろう。 B君:いちょうはある。そこに、「中国や日本では、種子は漢方薬として古くから利用しており」という記述はある。だから、ぎんなんは健康によいという噂ぐらいはあってもおかしくない。中国では、紀元前2600年にすでに喘息や気管支炎に用いていたとのこと。 しかし、現在では、どうやら葉エキスの方が主役のようだ。 A君:記述の引用は厳禁というサイトなので、ご自身で見ていただきたい。 C先生:このサイトの引用を自由にしたら、世の中の健康食品に対する理解が多少進むと思うのだが。 A君:話題を元に戻して、第1章から。今回、ここでご紹介する内容は、つまみ食い方式で行きます。問題を示して、それに対する正解を検討するという方式で行きたいと思います。 まず、問題その1「基準値を越えた食品を回収し、廃棄することは正しいか」。 B君:なかなか良い問題だ。 C先生:この問題に適切に答えられれば、その人にはリスク科学の単位を上げたい。 A君:メディア的には、「絶対に正しい」。NPO的にもそうかもしれない。しかし、我々が正しいと考える答は、「正しい場合もあれば、間違っている場合もある。すなわち場合による」。 B君:答が「場合による」となるような問題だと、多くの日本人は、なぜそうなるのか、考えようともしない。 A君:○×式の試験をやり過ぎた。 B君:数学と一部の理科以外のセンター試験だって、○×ではないが、四択とか五択だ。似たようなものだ。 C先生:説得力を持たせるには、日本以外の状況を説明するのが良さそうだ。 A君:英国はかなり合理的。世界でもっとも科学リテラシーの高い国だという事実とも一致します。 B君:ちなみに、古いデータだが、日本の科学リテラシーの順位は、OECD諸国の中で、下から2位。最下位がトルコでその上。 A君:英国では、基準値を超した食品が見つかった場合、別途、健康影響評価を行ってから、回収や通知などの対応を決める。 2007年の第二四半期報告書によれば、1053件を検査し、31検体から超過する残留農薬が見つかった。しかし、回収や通知などの措置が必要と判断され、緊急情報網に載せられたものがたったの2件。しかも、その1件は、別の基準で回収などが必要と判断されたものだった。 B君:そうか。英国には、緊急情報網があるのだ。やはり日本よりは進んでいる。 A君:さらに言えば、p21に表があって、そこに報告書の内容がまとめてありますが、何倍オーバーしたかで判断しているのではないことが明白です。 レタスで検出された残留農薬クロロタロニルは、基準値を90倍もオーバーしていたのに、回収の対象にはならなかった。対象になったのは、ナシで、検出されたカルベンダジムの残留量は基準値の2倍と低い倍率だったにもかかわらず、回収対象になった。 B君:それは、健康影響評価の観点から、見直しを行ったから。 C先生:日本の農薬のポジティブリスト化によって、基準値というものが、必ずしも健康影響評価と同じではないことになった。すなわち、英国の状況と同じになったのだが、英国は、健康影響評価をやって、緊急情報を出す機関があるが、日本には無い。そのため、基準値を超すと、メディアは猛烈な報道を行う。その結果として、回収、廃棄になってしまう。これは、食品を大切にしなければならないこの国では、極めて奇妙なことだ。 A君:日本にも、食品安全委員会はありますし、消費者委員会もあるのですが、基本的な職務が違いますね。なんらかの事件的なことが起きたことに迅速に対応する機関ではない。 B君:英国の行政機関は、日本がしばしばお手本にするのだが、実は、非常に新設・再編が激しい。必要だとすぐ作り替える。ここが日本との大きな違いか。 A君:次の問題に行きます。 問題その2:「一日許容摂取量(ADI)は、多くの場合100倍の安全係数を用いて決めている。そのため、ADIの100倍に相当する量を1日で摂取すると死ぬ可能性がある」。 B君:この問題は高級だ。答が正解であっても、その理由を説明せよ、と言われたら、一体、何%の人が対応できるのだろうか。 A君:街頭でインタービューをしたら、まあ、0.1%もいないのでは。 B君:答は、当然「No」なのだが、その理由は、そう簡単ではない。。。。。 A君:一日許容摂取量をどうやって決めるか、ということを知るのも大変。 理想的というか、それこそ理論に完璧に従う実験なら、ある量以下の有害物質を与えても、何の悪影響も出ないという限界値=無作用量(NOAEL)が見つかるはず。ところが、実際には、生き物を相手にしているので、その物質を何も与えなくても、病気にかかるマウスもいる。 p30あたりに、現実の動物実験というもののデータからどうやって判定をするかが説明されている。 いずれにしても、無作用量に安全係数を掛けて、一日許容摂取量を決めるので、もしも、100倍量とっても、何か不都合なことが起きる可能性があることを意味するに過ぎない。致死量は、一概に言えないが、さらに何倍も多い。 B君:ビスフェノールA安全性研究会によれば、 http://www.bisphenol-a.gr.jp/menu04.html 一度の投与で半数のマウスが死ぬビスフェノールAの量が、2400mg/kg。これをLD50と呼ぶ。 一方、90日間連続投与した場合の無作用量(NOAEL=no-observed-adverse-effect level)は、550mg/kg/日。LD50とNOAELは、4倍程度違う。 A君:もう一つの例。これは正露丸に含まれているフェノールについて。 http://www.seirogan.co.jp/medical/creosote/safety.html フェノールの急性毒性試験によるLD50値は445-520 mg/kg(ラット)。また、慢性毒性試験によるNOAEL値(12 mg/kg/day(ラット))。 この場合には、LD50とNOAELは、40倍以上違う。 B君:ビスフェノールAの場合に、4倍しか違わないのは、その摂取量が余りにも多いからでは。 LD50だと、体重50kgのヒトでも同じADIだとしたら、120g食べることになる。どう考えても、健康被害が出そう。 NOAELの場合だって、27.5gも食べることになる。単なる食用油でも、ちょっと特殊な油だと、ここまで食べたら下痢をしそう。 A君:もしもフェノールを基準値の100倍摂取したとしても、多少なんらかの影響が見られるかもしれないということを意味する。死亡する確率が50%になるには、4000倍程度摂取する必要がある。 B君:ちなみに、正露丸には10%程度のフェノールが入っていて、一日3回服用すると、フェノールを0.61 mg/kg/day摂取したことになる。無作用量の1/20ぐらい。 C先生:そのHPには書いてないが、フェノールも薬として有効成分なのかもしれないので、安全係数100倍を考えていないことは確実。 薬の場合、なんらかの影響がでなければ、それこそ薬にならない。正露丸であれば、食中毒症状や暴飲による下痢が改善されるといった良い影響があるのが、薬というものだ。 A君:良い影響か悪い影響か。実は、NOAELの場合には、生体影響としていて、価値判断は入っていない。 B君:通常の毒性試験の場合、マウスを使って実験をして、もしも体重が増えないようだと、悪い影響が出たとされるが、抗肥満薬を開発しようとすると、体重が減ることが良い影響だと判断しなければならない。 C先生:まあ、こんなところで次に行こう。 まだまだ面白い記述が多い。例えば、タマネギが食品添加物だったら、何グラムのタマネギが入ったカレーライスが許されるか。カレー一皿あたり、たったの16ミリグラムという値を出している。ジャガイモに含まれるソラニンなどの有害物質がもしも残留農薬だったら、ほぼすべてのジャガイモが基準違反で、回収されてしまうとか。 A君:実際、小学校の食育の授業で、自分達で育てたジャガイモを調理して、中毒になることが有りますね。 B君:「自分達で作った安全な食材を使いましょう」、これがいかに幻想か。天然食品は、マージンが少ない。余り多く食べられないから、なんとかなっているが、もしも10倍食べたら何か健康に悪影響がでる食品が多い。 C先生:そろそろ次だ。第二章の発がんのリスクに行こう。 A君:それでは早速問題。問題その3:「マウスを通常2年間飼育すると、発がん物質を与えてない群に属するマウスでも、自然に発生したがんで死ぬマウスもいる。また、がんが発生しても、ピンピンしていて死なないマウスもいる。それならどうやって発がん物質の影響を評価すべきか」。 B君:難しすぎる。そんな質問に答えられる訳が無い。 A君:しかし、ここが分からないと、発がん性のリスクが理解できないのでは。 C先生:まあそうだろう。正解をいきなり出したら。 A君:そうしますか。図が必要です。 ![]() 図 ベンチマーク用量信頼性下限値(BMDL)の説明図を無断で引用。http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/guide.html より A君:マウスなどの発がん性の実験をやると、全く有害物を与えなくても自然にがんを発生してしまうこともある。 そこで、ある有害物を与えたときに、がんの発生率が10%増える量を統計的に求める。同時に、95%信頼できる範囲を定め、その範囲から推定できる用量の下限値を求める。これがベンチマーク用量信頼性下限値(BMDL)。10%増加するところを用いている場合には、BMDL10と書くこともある。 B君:この基準値が、どうやら無作用量に相当するらしい。そして、その有害物質が、DNAに傷を付ける能力がある場合には、10000倍の安全係数を考える。 A君:というよりも、マージン(MoE=Margin of Exposure)が何倍あるかを考えるという説明の方が良さそう。 実際に摂取する量をこのBMDL10の値で割って、MoEを出す。DNAに傷を付ける能力のある発がん物質(遺伝毒性がある場合。すなわち遺伝毒性発がん物質の場合)は10000を安全の目安にし、遺伝毒性が無い場合には、100を安全の目安とする。 C先生:やはり、どうしても難しいか。こういう説明が必要なのだろう。昔は、細胞のDNAに傷が一つでも付くと、がんになると考えて、遺伝毒性がある物質をほんのわずかでも摂取するとがんになると見なしてきた。そのための目安が必要だということになった。MoEが10000という目安は、その有害物を一生摂取し続けたときの発がんの確率で求めている。 発がんする確率10%増加するということが基準値のBMD。しかし、これを1/10の確率でがんになると理解することにする。もしも摂取量を減らせば、その割合で確率も減るという直線モデルを考える。10000倍の安全係数を掛ければ、発がんの確率が1/10万という摂取量を求めることができるはずだ。 A君:1/10万というと、日本では、年間ほぼ100万人の人が死ぬので、全員が同じ確率でがんになり死亡するとしたら、確率が1/10万のときには、この有害物質のために増える死亡者の数は10人/年。 B君:このぐらいだと、分かる場合もあるし、分からない場合もある。 A君:アスベストが引き起こすと言われているがん、中皮腫のように珍しいがんだと、分かるかもしれない。 B君:しかし、1/100万の確率になると、増える死亡者は1人なので、絶対に分からない。 C先生:ということで、安全係数を10000以上に設定することは意味はない。 A君:しかも、BMDをBMDLにすることによって、すなわち、統計的に95%有意な摂取量の下限にセットすることで、多少の安全係数が掛かる。 B君:となると、10000というMoEにも、まだまだ安全係数分の余裕があることになる。 C先生:しかも、もっと重要なことがある。 それは、「細胞のDNAに傷が一つでも付くと、がんになると考える」ことは、約束事ではあって、理論的に正しいということではない。 遺伝子の傷は、我々が酸素を呼吸しているために、細胞内には活性酸素が多数作られ、傷はいつでも付いてしまうことが分かっている。 それでもがんにならないのは、DNAの傷を修復する酵素が働くから。また、がん細胞ができたとしても、ナチュラルキラー細胞のように免疫システムががんを殺してくれるから。 だから、もしも摂取量を減らせば、その割合で確率も減るという直線モデルは、本当は成立していない。 ここでも大きな安全係数が掛かっているのだ。 A君:要するに、発がんするかどうかの評価は、相当な安全係数をみて決めているということになります。 B君:安全係数が10000なければならないというのは、恐らくさらに10倍以上の安全係数を見ていることになるように思えるので、実質上10万か。 C先生:長くなった。もっと刺激的な問題を出して欲しいものだ。例えば、発がん性物質のリスクの比較とか。 A君:それでは、問題その4:「強い発がん性のある物質と発がん性の弱い物質の強弱の比は何倍ぐらいか」。 B君:つまらない。1000万倍が答だが。いやもっとかもしれない。 A君:うーん。問題その5:「マウスなどで実験して得た、発がんすると思われる物質の摂取量と、ヒトの日常的な摂取量との比は目安になるか」。 B君:意味は分かりにくい。しかし、まずまずの問題かもしれない。 C先生:実際のところ、マウスなどとヒトとは発がんに対する抵抗力が違う。どうみてもヒトの方が抵抗力が強いように思える。それは、遺伝子の傷などの修復能力に優れていること、さらには、かなり長期間に渡って、毒物に対する暴露を繰り返してきたから。それは、すでに本HPでも書いたことだが、 http://www.yasuienv.net/RiskPerceptJapan.htm 加熱して食品を食べることで、自然に発生する毒物、ヘテロサイクリックアミンとか、ダイオキシンとか、あるいは、アクリルアミドとかいった発がん性が疑われる物質を食べることを何万年も続けてきたからではないか。 B君:しかし、マウスと本質的に余り差がないということもある。だから、マウスなどとの比較も、大体の目安として有用にも思える。 A君:そのような試みとして、 HERP(Human Exposure/Rodent Potency Index)(英語版) http://potency.berkeley.edu/pdfs/herp.pdf というものがあって、この本でも紹介されている。 同じようなものだが、MoEで評価されているものもある。 http://potency.berkeley.edu/MOE.html B君:このMOEの表は、なかなか面白い。英語なのが残念なところ。 自然起源の物質と、人為起源の物質とを分けて記述している。自然起源の物質が安全とは限らないことがよく分かる。 C先生:そろそろ最終まとめだ。それにしても、今回、この本の内容を紹介しようとすると、説明に時間がとてつもなく掛かることがよく分かった。やはり、世間一般には馴染みのないことだということを意味するのだろう。 A君:それでは、終わる前に最後の問題:「ある物質には発がん性があると言います。それを含む食品はどこまで努力して避けるべきでしょうか。選択肢:(1)全く食べないようにする、(2)できるだけ避ける、(3)全く気にしない」 B君:その選択肢では不十分なのではないか。個人的には、避けるのは不可能なので、気にしても仕方ないというのが正しいように思える。 C先生:完全に無害な食材などはない。だからといって危険な食材は、と言われれば、まず第一に、犯罪行為によって何か有害物質をを意図的に混入したものがある。それ以外だと、細菌類による食中毒がその次だ。 A君:もともと、通常の食品の場合、マージンが10倍もないものが多い。となると、ある食材だけを食べることは危険かもしれない。特に、サプリメントのように、有効成分を強化したものは、なんらかの生理的な効果があるだけに、反対の効果もあり得て、危険性がないとは言い難い。 B君:特に、「抗肥満効果」を謳うサプリメントや健康食品は危険性が高い。 C先生:食品のリスクに関する知恵、というか、食に関する知恵は、(1)バランス良くなんでも食べることによってリスクを避ける。(2)健康食品を信用しない。(3)サプリメントに頼らない。(4)肥満を避けるには、食べる量を減らす以外にない。この4項目が全てだろう。 こんな簡単なことなのだが、これらを実感として理解するのは難しい。しかも、大変な手間と努力が必要だ。だから、いつまでたっても、食品の幻想は続く。それが、危険側にしても、健康側にしても。 |
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