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  どんな未来社会を望みますか 01.28.2007
     



 環境省の検討会の一つである超長期ビジョン検討会の合宿が行われた。

 2050年を目途としたいくつかの社会像、あるいは、国の姿を描き、そこに至る道筋に何か無理があるか、なんとかなるのか、といったことを検討しようとするバックキャスティング手法を用いた検討手法を用いる検討会である。

 1月19日、20日の2日間に渡った合宿で集中的に作業したが、勿論、まだ検討時間が不足であり、また、多人数による合宿のような手法で、最終結論が出るものでもないので、ここでは、その2日間、個人的に考えていたことをまとめてみたい。


C先生:人間社会は非常に複雑かつ流動的で、境界条件が無い場合には、どのような方向に行くか、全く予想がつきにくいのが通例である。しかし、今後50年程度を考えてみると、これまでのような全く自由な発展の方向を選択するということは不可能なのではないか、と思われることが多くなっている。それは、一言で言えば、地球の限界である。

A君:まあ、資源・エネルギー限界、食糧限界、温暖化限界、水供給限界などの様々な限界が見えているのは紛れも無い事実。その中、各国がその限界に対して、ナショナリズム的な対応をする一方で、市民レベルでは先進国での極端なまでのリスクゼロ指向が進行し、政治もポピュリズム的な対応を取らざるを得ない状態。

B君:環境ポピュリズムと言えば、日本のBSE対応、欧州のRoHS指令などがその典型。

C先生:これまでも主張しているように、環境問題というものは、10年ごとに様相を一変するものだ。2000年代の今、日本のような国では、健康に直接影響するような環境要因はほとんど無い。ところが、市民レベルの意識としては、相変わらず「自らの健康」が最大の、しかも、圧倒的な関心事であって、一方で、自らの生活や行動が地球の限界にどのような影響を与えつつあるのか、それに対する認識は低いどうしても、快適さと利便性を追求してしまう。

A君:加えて、経済的な発展が人類の目的であるかのごとき錯覚を持ってしまう。

B君:個人的にも、経済的に豊かになれば、なんでもできて、すなわち、幸せになれる、と思ってしまう。本当は、手段に過ぎないのだが。

C先生:UNDPのHDI(Human Development Index=人間開発係数)でも、経済力は重要な要素であることは認めている。人間の幸せとは何か、を考えるときに、なんらかの状況を実現できること、すなわち、選択の自由があるかどうかが重要で、それには、経済力、健康と長寿、そして、教育水準の3つが基本的要素であるという認識から成り立っている。

A君:ただ、人間中心的視点で判断すれば、それで良いようにも思えるのですが、周りの自然や環境がどのような状態である方が、より幸せを感じることができるか、という要素も重要。すなわち、環境要因を加えるべきではないですか。

B君:確かに。地球はどこにいっても砂漠ばかりになったとする。そんな中で、貴方はどんな選択でも自由自在に可能ですよ、と言われてもなにかなあ、と思う。そんな状況でトマトを食べたいと言えば、それは食べられるだろうけど、どこでどうやって作ったトマトなのか、これが満足どの一つの問題のように思う。

C先生:UNDPが本当に対象にしているのは、実は途上国であって、先進国にもHDIを適用して、その値が高いの低いのといって議論をするのは、どうもおかしいのではないか、と思っている。また、同じGDPをもつ国でも、税金は安いが格差社会であるという国が良いのか、税金は高くてもより公平性のある社会を実現した国が良いのか。税金にしても、累進度がどのぐらいの社会が良いのか。そんなことが解明されている訳ではない。

A君:UNDPのHDIは、まあ必須条件。それに加えて、環境的な要因、社会の姿、文化のあり方、さらには、社会の構成員である個人のマインドなど多様な要素がある。

B君:全体像をどのようにするか、それは、なかなか難しい。

C先生:その通りなのだが、まあ、具体的に検討してみないと。まずは、環境的な要素を考察しよう。

A君:環境に関わる選択肢は、地域レベルと地球レベルに分けて考えることが必要でしょう。

B君:地域レベルも、公害系の問題と、自然系の問題とにわける。公害系だが、今後、非常に重大な被害をもたらすとも考え難い。ただ、慢心は禁物なので、とにかく粛々と進めることが肝心。加えて環境試料などを保存していくスペシメン・バンキングの体制を確立するといったことが必要だろう。

A君:自然系ですが、例えば、里山の復活とか、手入れが行われない山林の健全化などといったことも重要で、これらもそのための労働力の確保が必要で、それには、山林が産業化するか、あるいは、予算の確保が必要。

C先生:地域環境問題、あるいは、地域コミュニティーの形成といった問題については、とにかく、優先的に考慮すべき問題ではある、という理解で良いのではないか。それ以外の選択肢は無しということで。

A君:となると地球レベルの話。それは、温暖化、資源・エネルギー、食糧、といったところでしょうか。

B君:日本社会が脱炭素あるいは脱化石燃料をどこまで目指すか、それが大勢を決めるような感触だ。

C先生:最近の動向だと、2100年までに温暖化2℃以内を目指すシナリオに従うかどうか、これが大きい。それによれば、2050年での二酸化炭素排出量は世界的には50%削減。日本のような先進国の分担量としては、60〜70%削減。もっとも人口も変化するので、一人あたりの排出量で議論するということにしたい。

A君:二酸化炭素で境界条件を決めると、様々な対応が可能なので、そこをどうするのか。例えば、原子力をどこまで入れるのか。二酸化炭素の分離貯留をどこまでやるのか、といったところをどう選択するかで、シナリオが全く違ってくる。

B君:より具体的には、化石燃料の使用量の削減、要するに、省エネでどこまでやるか。次が、再生可能エネルギーをどこまで導入するか。ここらあたりまでだと、完全に許容範囲で、何の文句も言われない。

A君:しかし、再生可能エネルギーの使用を義務化したとたんに、エネルギーコストが上がるので、文句が出ますよ。

B君:ドイツのように買取金額を高額にすると、その分をなんらかの方法で補わないと。もっとも、ドイツの方式がどのようなものか、という調査も十分ではないのだが、どうやら電力料金に上乗せされているようだ。(概要は、例えば、
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/925/925-04.pdf 
http://www.wwf.or.jp/activity/climate/powersw/greene/grm_ge.htm )

C先生:まあ、ここでは、省エネ、再生可能エネルギー、それに、一次エネルギー源が石炭の場合には、二酸化炭素の分離貯留を考えるぐらいの対応でどうだろうか。

A君:供給側で20%削減、需要側で50%削減ぐらいで良いのでしょうか。

B君:まあ、そんな割合か。需要側50%削減は比較的簡単なのではないだろうか。まだ時間的に余裕があるから。

C先生:自動車というものを21世紀末まで存在させたいとするのなら、燃費は100km/Lでも不十分で、200km/Lを目指すべきではないか、と思う。50%削減など、目標にもならない。

A君:すでにかなりエネルギー効率が高いものについては、改善は難しいですが、それは、量的な要素でカバーするのでしょうね。

B君:冷暖房効率などもかなり良くなっているが、現在、ハウジングメーカーなどが指向している全館均一冷暖房は、古い米国型であって究極の対応ではない。むしろ、個人向けの個別空間冷暖房のようなコンセプトを導入しないと。すなわち、人がいない部分は、自動的に冷暖房カットといった方向性にしないと駄目だろう。

C先生:家の中を人間が移動する訳だが、居間を出たら、どこに行くかを機器が自動的に判断して、次に行くであろう空間を瞬間的に空調するシステムを実現できれば、人間はいつでも快適で、しかし、トータルな使用エネルギーは低下するといったことが実現可能だろう。

A君:要するに、その気になれば、お金さえ掛ければ、なんとかなる。ということは、お金を掛けるインセンティブがあるかどうか、これが大きい。

B君:トップランナー方式でも相当なインセンティブにはなった。しかし、今後、どうなるか。有効に作用し続けるかどうか。

C先生:日本という国だと、いずれにしても、「2050年には、二酸化炭素削減率60%以上を実現する」のだ、といったメッセージを発する政治的指導者が居ないのが、最大の問題。英国などでも、かなり積極的にそんなメッセージが出てくる。ブレア首相の意識の問題だと思う。

A君:日本人の首相は、自分の政権にとって、選挙が有利になるかならないかが重大な判定基準になっていて、余り影響が無いと思うと、発言はほとんど出ないですね。

B君:情けないのだが、事実だろう。選挙民が舐められているとも言えるし、選挙民の意識も問題だと言えるが。

C先生:「温暖化2℃シナリオというものを思考実験の対象として考えること」、これは、すべての政治家、経済人にやって貰いたい。

A君:環境が経済発展の阻害要因になる。これはある意味で事実で、環境省の言う、「環境と経済の好循環」がどんな状況でも実現できるとは言えない。例えば、英国のスターン・レビューのように(http://www.uknow.or.jp/be/environment/environment/07.htm)、もしも気候変動がこのまま拡大すれば、GDPの5%が失われる可能性がある。しかし、今、対策を打てば、GDPの1%以下の投資でなんとかなる。しかも、「低炭素技術」の市場は2050年までで5000億ドルになる。

B君:環境ビジネスか。日本という国が何で食うか、これは環境問題を考える上でも、もっとも重要な命題だ。日本という国にとって、バランスのとれた一次産業、二次産業、三次産業とはどのようなものなのか。

A君:食糧の価格が暴騰したとき、自給率の低い日本として考えるべき方向性は2種。(1)自給率を上げる。(2)経済力を確保し、友好的にかつ環境への悪影響を防止しつつ輸入する。

B君:エネルギー価格暴騰対策については、(1)省エネ技術・持続可能エネルギーにかなり投資する(2)原子力の技術開発を進める。(3)経済力を確保し、友好的にかつ環境への悪影響を防止しつつ輸入する。

A君:鉱物資源暴騰対策については、(1)省資源技術・資源代替技術などにかなり投資をする。(2)経済力を確保し、友好的にかつ環境への悪影響を防止しつつ輸入する。

C先生:いずれの項目にも存在する「経済力を確保」というものは、決して無視できない。21世紀の特徴として、対応は、いつでもバランスの取れた対応でなければならない。単一の完全解が存在するという訳ではないからだ。

A君:このあたりは、国民レベルでの議論を巻き起こす必要があります。

B君:メディアも、もっとこのような「食糧、エネルギー、資源戦略」的な発想を持ってもらいたい。

A君:「経済力の確保」に「環境立国」という考え方がありうることを、やっと日本政府も認識したようです。

B君:安倍首相の施政方針演説の中で環境には1ヶ所触れているのみだが、そこに含まれている。

「 「京都議定書目標達成計画」に基づき、地球温暖化対策を加速します。乗用車の燃費基準を2015年までに2割以上改善し、世界で最も厳しい水準とするとともに、バイオ燃料の利用率を高めるための工程表を策定します。世界最高水準にある我が国のエネルギー、環境技術を活用し、中国を始めとするアジアに対し、省エネ・環境面での協力を進めます。さらに、国内外あげて取り組むべき環境政策の方向を明示し、今後の世界の枠組み作りへ我が国として貢献する上での指針として、「二十一世紀環境立国戦略」を6月までに策定します。」

A君:この最後のところに、21世紀環境立国戦略、というものがあるのが、多少の救いだと言う訳です。

B君:ブレア首相やメルケル首相のような先進的なメッセージが出せないのはなぜ。

A君:一つは、首相の個人的な関心の無さ

C先生:加えて、日本国民がそれを望まないのではないか。日本人一般に言えると思うのだが、政治家の思想的なものに共感し、政府というものに、政治的判断も、様々な政策の自由選択権もゆだねる、という態度が少ないと思う。日本はまだまだ、政治家の選択も、この世のご利益優先。
 もう一つ違うのが政治的な構造。欧米は、二大政党的な色彩が強いので、ある政府の判断や政策が駄目だと判断すれば、その政府を支える政党に投票しないということで政権の交代が行われる。米国で最近見られた状況がそうだろう。ところが、日本という国は、どうも、選挙で政権の交代が行われにくいということがあって、逆に、政府の細かい選択に文句を言いすぎるような気がする。もっと、政府に思想的な発言を求め、我々選挙民はそれに同意したのだから、もっと好きなようにやって良い、と言った方が、良い政治ができるのではないか。

A君:選挙で政権交代が行われないということ、それが日本社会の閉塞感に繋がっているような気がする。

C先生:脱線しすぎなので、元に戻すが、二酸化炭素排出量の削減をどの程度のレベルにするか、これが未来社会を決めるだろう。

B君:できだけ厳しい排出削減を課した方が、技術的な開発が行われて、それが日本社会の世界的な競争力社会に繋がるだろう。

C先生:突然だけど、自分がある国の大統領であると仮定して、政策を決める際に、どんなバラエティーがあるか、をリストアップして欲しい。これが違うと最終的に出来上がる国の姿が違う。

A君:安倍政権だと、憲法改正、教育再生、参議院選挙に勝つ、が残る三大課題でしょうか。防衛省はすでにできてしまったので。

B君:まずは、歳入側の議論が大きい。どのような税制にするのか。税負担を大きくするのか、それとも、負担をできるだけ小さいままに維持するのか。

A君:それだけではなくて、どのように負担割合を決めるか。所得税の累進度や消費税との関係など。

B君:小泉政権時代に行った所得税の累進度の変更は、まずかったような気がする。

A君:リストを作りましょう。
(1)税負担の大きさ=政府の大きさ
(2)税負担の質=累進度、消費税

C先生:どこから議論しても良いのだろうが、次は、税の使途に関して。

A君:教育費を極力タダにするか、それとも国立大学の授業料も高いものにするか、これは大きいのでは。

B君:千葉大の広井先生が、著書『持続可能な福祉社会』(広井良典著/ちくま新書)で、若者にも年金をという面白い主張があった。

C先生:広井先生は、超長期ビジョンの検討メンバーの一人。

B君:まさに分配の問題は大きい。広井先生の若者への社会保障というものを導入するかどうか。

C先生:老人医療や福祉の話は良くでるのだが、やはり、若年層をどのぐらい優遇するか、それは大きな話だろう。これをやらないと、少子化を止めることが難しくなる。

B君:教育の内容も重要。安倍内閣の目標である教育再生。教育をどのような方向に持っていくか、これは、持続的な社会の形成が可能かどうかについても、社会構成員の意識に大きく依存するだろう。

A君:規範が維持できれば、それはそれで悪くない。

C先生:確かに、規範の維持は重要だろう。最近の話題である、給食費の不払いに見られる父兄の規範の欠如が非常に大きな問題のように思える。

A君:国会議員の規範も怪しいという例がボロボロ出てきますね。規範がどうなるかは重要ですが、それだけでなくて、人材の供給は極めて重要ですので、まあリストへ。
(3)若年層の社会福祉
(4)教育費への大幅支出
(4’)教育の内容。社会規範。
(4”)日本を支える人材の供給

B君:教育費の支出増大だが、北欧などでは、大学まで授業料は無料だ。しかし、人口が少ない、大学も非常に限られている上に私学はない。授業料をタダにしても、私学が潰れるという問題は無い。ということになると、日本の場合、どうやって教育費、特に、高等教育を公平なシステムにするのか。

A君:大学だと奨学金しかないのでは。しかも、返済義務の無いもの。高校までは、授業料免除。

C先生:経済発展をどのぐらい優先させるか、という大きな命題もある。当然、ある程度の経済的な活力がない限り、国の存続は難しいが、これからの日本の場合に、労働力をどうやって確保するかが、大きな分かれ目だろう。

A君:労働力確保についての解は2つでしょうかね。一つは、定年後の人材を活用する。もう一つは、移民の活用。このところ、フィリピンあたりから介護の人材導入が行われようとしている。

B君:個人的には移民より女性活用だろうと思う。女性、特に、子持ちの女性が働きやすい環境を作るのは、当然のことなので、こちらは選択肢には入らないのか。

A君:フランスのように、婚外出生に対して寛容な態度を取るのは、日本だと難しいのでしょうか。

B君:日本の倫理感の保守性。良いとか悪いとかという問題ではないが。

C先生:女性の活用は、当然。しかし、なんらかの施策が必要だろう。定年後の人材の活用は、老齢者への社会保障とも絡む。

A君:となると、リストには、
(5)労働力の確保:定年後活用、あるいは、移民増加。女性活用は当然。
(6)老齢者への社会保障をどのようにするか。

B君:移民の活用を一旦決めてしまったら、後戻りは不可能。これは慎重に考える必要がある。EUの現状をしっかりと見極める必要がある。

C先生:社会保障をどのぐらい充実されるかは、税収の総額によって決まるとも言えるので、独立の変数という訳では無さそう。

A君:そういうことを言い始めると、確かに自由度がある訳でもない。大きな政府型の政策、小さな政府型の政策自由に選択できる政策、と3種類のコメントを付けますか。

B君:これまでのリストの書き方を見てみると、むしろ、(税収)に依存、独立、という2種類のコメントを書けば良いのではないか。

A君:了解。リストを再構成します。

税収側の選択肢
(1)税負担の大きさ=政府の大きさ
(2)税負担の質=累進度、消費税

税使用側の選択肢
(3)若年層の社会福祉   依存
(4)教育費への大幅支出   依存
(4’)教育の内容。社会規範。 独立
(4”)日本を支える人材の供給  独立 
(5)労働力の確保:定年後活用、あるいは、移民増加。女性活用は当然。  独立
(6)老齢者への社会保障をどのようにするか  依存


B君:安倍内閣のように、北朝鮮問題で防衛力強化をするかどうか。これも重要な分かれ目。

C先生:ミサイルをレーザーで打ち落とすといった技術開発をするかどうか。これは、米国から協力要請があるようだが。

A君:それも、税収に依存しそうですね。

リストへの追加項目
(7)防衛費の金額  依存

C先生:関連するということでもないが、日本文化のようなものをどう見るか。これが一つの要素だろう。

A君:それでは、それを加えて、基盤的な状況の選択肢というリストにしておきます。
税収側の選択肢
(1)税負担の大きさ=政府の大きさ
(2)税負担の質=累進度、消費税

税使用側の選択肢
(3)若年層の社会福祉   依存
(4)教育費への大幅支出   依存
(4’)教育の内容。社会規範。日本を支える人材の供給        独立
(5)労働力の確保:定年後活用、あるいは、移民増加。女性活用は当然   独立
(6)老齢者への社会保障をどのようにするか   依存
(7)防衛費の金額    依存
(8)日本文化というものをどう維持   独立

C先生:こんなことを考えて、未来社会のバラエティーとして、次の4つを考えてみた。
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4種類の未来社会

その1:
玉鋼(たまはがね)の日本 しなやかで強靭な社会

1.2℃アップ以内を実現する高度環境技術
2.地域社会の末端まで配慮された福祉
3.極めて高い資源・エネルギー効率
4.暖かい人間関係とチームワーク
5.バランスの取れた一次産業、二次産業、三次産業
6.先端高度技術による国際貢献
7.日本文化の維持
8.移民に依存しない
9.公害系負荷は解消
10.経済力を有するものの、多様な幸福感
11.地球共生型のマインドを持った人々
12.エコシステムサービスの維持

 グローバルな資源・エネルギー争奪戦、食糧とバイオエネルギー争奪戦などの状況に耐えられる高度な効率を有する技術社会を実現し、かつ、その技術を国際的に流通させることによって、経済的なメリットも得る。食糧・再生可能エネルギーの自給率も確保されている。
 温暖化2℃以内を実現できるような産業構造に変換しつつ、公害などのリスクも十分に削減されている。
 人々は、地球との共生、地域との共生、日本的文化の維持などに喜びを見出す。移民などに依存しない雇用形態。

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その2:
しなやかな国際人の日本 開かれた社会

1.国際社会への技術的貢献
2.移民を積極的に受け入れる
3.海外で活躍できる日本人による経済活力
4.国際基準を基準として生きる。
5.異文化との交流に幸せ感を持つ
6.仲良くする。宗教観など。
7.日本文化とも両立
8.英語は必須。それ以外の言語も自由に扱う。

 国際的な交渉力と国際貢献を武器に、保有する高度技術の移転をバックに、金融業なども加味して生きる社会。
 国内の福祉などに必要な労働力は、積極的にアジア各国から受け入れる。
 経済活動に対する規制は中度。リスクについては、実質的な安全が確保されていれば良い。
 
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その3:
完璧な鎧の日本 スイスを見習う防衛社会


1.国産のエネルギー(原子力)、国産のコメ、などによる資源・食糧自給を目指す。
2.超高効率化された高度技術
3.超高効率技術の移転による経済活力
4.高度の情報化社会
5.防衛力も自力で維持
6.整然とした社会システム
7.高い海外との交渉能力
8.外国人は外国人として取り扱う

 国際的な資源・食糧などの需給がどのような状態になっても、温暖化がいかに進行しても、場合によっては、鎖国をしてでも生存が可能な社会構造を目指す。最後には、篭城戦ができるメンタリティーの国民。
 経済的には、超高効率化された技術・高度の情報化技術を武器に、技術移転で稼ぐ。
 防衛も核武装。エネルギーは原子力中心。
 極めて論理的・合理的な社会システムを持っている。
 しかし、ベクトルは決して内向きではなく国外との高度な交渉能力を有する。
 外国人と日本人との区別は厳然として維持する。

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その4:
自由なフットワークの日本 経済利潤を追う社会

1.金融業、貿易などを中心とした高度利潤社会。
2.格差は有って当然の社会。
3.世界中の資源の争奪戦にも参戦。
4.技術的な開発には依存しない。
5.地球温暖化が起きたとしても無頓着。
6.経済活力の阻害要因となるような社会的な規制は一切排除。
7.地域の振興は、なりゆきまかせ。弱い地域は消失するのみ。
8.弱者には自己防衛を要求。
9.極限まで小さな政府。極限まで安い税金。
10.3K仕事は、移民の仕事。

 「すべての点での自由」が基調となっている社会で、自由競争、無規制、小さな政府が根本的な原則。経済的にもっとも有利な体制を確立すべく、各人が猛烈に競争する社会。
 経済的な活力は、むしろ、海外拠点において維持され、その国内への仕送りで、国内経済が動く。
 地球の限界に早々と直面するが、それにも一切拘泥しない。資源・エネルギーも、いくら高価であっても入手できれば問題なし、との立場。途上国援助なども眼中に無し。
 現状の日本は、これに近いのかもしれない。

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C先生:いずれも極論に近いもので、実際には、これらを融合したものになるのだろうが、必ずしも、両立しないものもある。

A君:各個人、特に、若い人々が2050年の日本がどのような社会になっているのが良いか、真剣に考える必要がありますね。

B君:決めるのは、各個人。決して政治家でもメディアでもないし、まして、学者集団ではない。

C先生:皆さまのご意見を伺いたい。