グリーン購入法と自動販売機の研究    02.12.2011 




 連休でした。ところが時間的余裕があると、かえって生産性は下がるのが不思議。今回は、2つの新しいことが起きて(わざわざ起こして?)、またまた生産性が落ちた。

その報告は、最後に

 もう一つ。中央公論の3月号は、「理系大国ニッポン」が特集ですが、そこに、「新こたつ文明」を書きました。よろしければ、御覧ください。

 さらに一つ。先週、米国運輸省のラフード長官は、これまで「トヨタ車には乗らない方が良い」と発言していたが、前言を翻して「娘にトヨタ車を買うことを薦めた」と述べた。トラブルへの対応が苦手な社長だと見るや、電子回路が誤動作をするというメディアの難癖などを支持し、トヨタ一人を悪者にして、GMの復活を応援してきた米国政府であるが、ある程度の目的は達したとの理解なのだろうか、これでやっと元に戻った。しかし、米国という国は、本当に公平な国なのだろうか。それともヤラれる方が悪いのか。



 本日の話題は、グリーン購入法と自動販売機である。妙なコンビだと思われるかもしれないが、グリーン購入法の対象製品に、はじめて自動販売機が入った。国等が自販機を買う訳はないのになぜ?

 そこで、そもそもグリーン購入法とはどのようなものなのか、このHPで説明をしたことが無いように思われるので、これを最初にちょっとやった後、自動販売機の規格などについて、研究をしてみたいと思う。



C先生:グリーン購入法というものをご存知だろうか。法というからには法律であることはすぐに分かるだろうが、当然正式名称ではない。
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/index.html
 これが正式なHPだが、そこにあるように、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」が正式名称だ。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H12/H12HO100.html
「等」が2個も付いているところが、なかなか法律名らしい。
 国等の「等」は、独立行政法人を含むという意味であるが、推進等の「等」はなんだろう。後で説明を。

A君:環境物品を決めて、国等が推進義務としてそれを買うというのが、この法律の主旨。環境物品を特定調達品目というもので定めている。

B君:その新規追加、あるいは、更新・改正をするための委員会が毎年行われていて、その名簿は、
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/archive/h22com_04/mat00-2.pdf
にある。

A君:C先生が座長をやっている。
 平成22年度の追加品目は、自動販売機とプロジェクターだった。

C先生:かなり技術的な詰めが必要なので、分科会があって、専門家や業界からの参加を求めて検討を行なっている。分科会のメンバーも公開されている。
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/archive/h22com_02/mat03_1.pdf

A君:そして改正された、あるいは、新規に作られた特定調達品目の満たすべき基準は、12月にパブリックコメントを受けて、そして最終的に決定される。
 今回のパブリックコメントの内容も公開されている。
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=16906&hou_id=13431

B君:そして、最終的に決まる次年度の特定調達品目の基準などは、「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」という文書にまとめられて、これも公開されている。200ページ以上ある文書なので読むのも大変。
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/archive/bp/h23bp.pdf

C先生:という訳で、ほとんどすべての情報が公開されているが、会議、検討会そのものは購入の当事者である各官庁の関係者のみへの公開で、一般には公開されていない。

A君:ということは、どんな議論が行われているかは、一般の方には、よく知られていない。

B君:自販機を国等が買うのか、と疑問に思われるでしょうが、勿論、No。それならなぜか? グリーン購入法には、「役務」という分類もあって、例えば、印刷を外部に発注するときには、どのような仕様の発注をすべきかを決めている。
 自販機も、庁舎の廊下などに置くときには、このような仕様のものを選択するように契約をしてくれ、というのが趣旨。

C先生:全貌を知っている人はなかなかいないだろう。これが、今回、グリーン購入法を若干説明してみようか、という動機になっている。

A君:さて、法律の「等」の説明ぐらいから始めますか。すでに国等の「等」が独立行政法人を意味することは、説明されていますが、都道府県などの地方自治体は、努力義務であるとされています。

B君:法律上の文章としては、「地方公共団体は、.....、環境物品等への需要の転換を図るための措置を講ずるよう努めるものとする」、という表現。
 国等に対しては、「環境物品等への需要の転換を促進するため、予算の適正な使用に留意しつつ、環境物品等を選択するよう努めなければならない」、という表現なので、100%を特定調達品目になっている物品を買わなければならないという訳ではない。

グリーン購入法の説明

C先生:その通りなのだが、実際には、このグリーン購入法というものは実に良く守られていて、達成率がほとんど100%なのだ。

A君:民間企業もグリーン購入を目指しているところがあるという話題は後ほど。

B君:もう一つの「等」は「調達の推進等」のところだ。これは簡単で、法律の第一条にこのように書かれている。
 「環境物品等の調達の推進、環境物品等に関する情報の提供その他の環境物品等への需要の転換を促進するために必要な事項を定めることにより、、、、、、、、」。

A君:だから、「等」とは、「情報の提供、需要転換に必要な措置」、を意味するということで良さそうですね。

C先生:グリーン購入法ができるまでは、エコマークなどのエコラベルがあったのだが、現時点では、その代替として、「グリーン購入法適合商品」という表現が使われるようになって、民間企業も環境行動の一つの基準として使うようになってしまった。望ましいことだったとも言えるのだが、ちょっと想定外でもあった。

A君:古紙偽装事件が起きるまでは、グリーン購入法の基準を守るのが、民間企業としても当然だという考え方があるぐらいの状況でしたからね。

C先生:確かに。民間企業もこのような購入基準を守ってくれることが、環境を考える上からは望ましいのだが、特定調達品目を決めるときの基準として、供給量が国等のニーズを満たす程度は充分にあること、という条件を考えている。逆に言えば、この基準を満たす物品だけで、日本中の需要のすべてを満たすとは考えていないのだ。
 古紙の場合には、古紙100%のOA用紙の供給量は実は、環境先進企業の需要をすべて満たすには不十分だった。そのためのあって、偽装が行われたとも言えるのだ。

A君:ある意味で、ここにもう一つ、大きな誤解があるのかもしれない。すなわち、特定調達品目で決められている基準を満たしている物品である「グリーン購入法適合商品」は、あたかも、環境的に先端的な基準を満たしているという誤解を与えているのかもしれない。

B君:厳密に言えば、グリーン購入法は「環境を考える上で、最上品ではなく、少々それよりは緩めの基準を満たしている物品」で、しかも、「コスト的にも極端に高くはない物品」だということを決めているのであって、環境対策上の特上・極上の品目を決めている訳ではない。

C先生:市場での供給量が充分あることが重要なのは勿論なのだが、もう一つ国が決める基準なだけに、公平性ということも極めて重要な項目だと考えられている。

A君:この基準を満たす物品を作っているのが一社だけ、というような状況だと、特定調達品目にはならない、ということですね。

B君:最低でも2社なのだけど、2社だとつらい。できれば、3社以上がその条件を満たすことが重要な観点になっているということなのだろう。

C先生:電気製品については、いくつか対象物品がある。例えばエアコン。国がこのようなものを調達するのか、と言えば、それが結構ある。地域事務所のように小さな事務所もあれば、宿泊施設などをもっている場合もあるので。そのため、一般家庭用にも使えるようなエアコンについて、基準が決められている。むしろ、建物を新設する際に設置するような相当大規模なエアコンは例外扱いになっている。
 その基準は、省エネラベリング制度というものに準拠したものになっている。
http://www.eccj.or.jp/labeling/index.html

A君:省エネ法との関係については、このページに
http://www.eccj.or.jp/labeling/01_0102.html
厳密な説明があります。

B君:特定機器判断基準というものが改正省エネ法のもとで経済産業省の委員会で審議されていて、エアコンについては、最新のものがH21.04.24版で公開されている。
http://www.eccj.or.jp/toprunner/aircon/090424.pdf

A君:妥当性を判断するのはなかなか難しいのですが、エアコンの現状を考えて作られた基準であることは事実。

B君:ただし、その文書の37枚目にある住宅の運転条件は、このところ、冷房に関して過大であるとの評価になっている。

A君:若干説明しますと、省エネ性能の高いエアコンを導入したときに、当然、省エネによって電気代の節約になりますが、家庭では、外気温が28〜30度ぐらいになって運転を開始すると思うので、この基準のように23度で運転を開始することはないために、電気代の節約が思ったほどではないということになる、という指摘だった。

B君:他の製品について興味がある場合には、ここのページの後ろの方にリンクがある。
http://www.eccj.or.jp/law06/index.html

C先生:それは、それとして、統一省エネラベルの多段階評価、すなわち、5つ星、4つ星といったマークの使い方がどうなっているか、ということについて言えば、基準を100%満たすものが、4つ星になっていると思えば良い。

A君:それは、ちょっと古いかもしれないのですが、多分現行の基準である、
http://www.eccj.or.jp/real-catalog/closet/pdf/information20090508.pdf
に書かれています。
 エアコンの場合、省エネ基準達成率が
109%以上 5つ星
100%以上 4つ星
90%以上  3つ星
80%以上  2つ星
80%未満  1つ星

B君:パーセンテージは製品によって違う。

A君:要するに、グリーン購入法に適合したエアコンとは、4つ星の製品を意味しているのであって、必ずしも5つ星の製品ではない、ということになります。

C先生:統一省エネラベルのように、星があるものは、星の数で色々な選択肢が分かるが、通常の物品では、そのようにはなっていない。
 グリーン購入法が、環境物品の購入の必要条件を決めているものだとしたら、5つ星のようなより高度なグリーン購入をするような基準値を決めて、先駆的な組織はそれを採用するといった形式が必要なのではないか、という考え方があり得ると思う。
 かなり前から、エコプレミアムという考え方を提唱してきているが、その派生型として、「プレミアムグリーン購入」という概念を提唱してみたい、と思っている。

A君:環境意識の高さを示す購入としては、グリーン購入法程度では普通すぎるということですね。当然のことではないですか。

B君:プレミアムグリーンであれば、それは、強制的にではなく、自発的に取り組む基準なのだから、かなり高度なものを提案することもできる。

C先生:将来、そんなことが実現できると良いと思っているところだ。


自動販売機の話

C先生:ということで、そろそろ、自動販売機の話に行こう。

A君:どのような議論にしますか。まずは、日本における自販機の現状とこれまでの推移。例えば、設置台数とか性能とか消費電力とかを説明。そして、今回のグリーン購入法での基準とその考え方、としますか。

B君:それでよいだろう。

A君:それでは、自販機の概況を説明します。
 まず、そもそも自販機にはどのようなものがあるか、ということですが、切符の販売機も自動販売機の一種です。グリーン購入法が今回取り上げた自販機は、缶・ペットボトル・ガラスなどの容器に入った清涼飲料の自販機ですので、概況も飲料用自販機に限ります。飲料用ということだと、紙コップで出てくるタイプの自販機もあるのですが、それは除外。

B君:この日本自動販売機工業会に詳しい資料がある。
http://www.jvma.or.jp/
資料としては、これが詳しいようだ。
http://www.jvma.or.jp/information/fukyu2009.pdf

A君:総普及台数が521万9千台で微減。もっとも割合が高いのが飲料自販機が自販機全体の49.1%。飲料自販機の内訳は、清涼飲料が214万8千台で、こちらも微減。カップ式の自販機は、正式には「コーヒー ココア(カップ式)」という分類になっていて、20万2千台。その他、牛乳の自販機が17万9千台、酒・ビールが3万6千台。

B君:自販機工業会のこの図を借りよう。



図1 自販機普及の現状

A君:今回取り上げるのは、清涼飲料用の自販機です。2009年の売上額が年間1兆8800億円で、前年比13%減。不採算の自販機が撤去されたのが原因のようです。

B君:1台あたりの販売額が年間84万円ぐらい。1本の販売価格が120円だとしたら、年間7000本を1台の清涼飲料自販機が売っている。

C先生:日本と米国が自販機の普及台数では突出しているはずだが、そのあたりの状況はどうなっている。

A君:米国の状況は良く調べられているようで、2007年のデータが、自販機工業会の報告書には引用されています。
 それによれば、総普及台数が748万台余。清涼飲料自販機の割合が43.5%で、日本よりもやや少なくて、台数にすれば325万台と日本よりも多い。販売金額は、清涼飲料が24,100,000(千ドル)。

B君:241億ドル。1ドル85円として、約2兆円。これから計算すると63万円/台ぐらいの売上になって、日本の状況とそれほど大きくは変わらない。

A君:米国以外の状況ですが、欧州には推計値があります。欧州全土で、飲料・食品自販機が380万台程度とのこと。現在、ロシア、東欧でも普及が進行中。この程度の情報しかないようです。

B君:欧州だと日曜日などになると店が閉まってしまう。自販機が便利だと思うが、そもそも欧州というところは、便利だからということが余り大きな価値になっていないように思う。その割には、コンビニが出来始めているが。

C先生:消費電力は?

A君:やはり自販機工業会のデータですが、缶・ボトル飲料自販機の年間消費電力が、2009年の実績ベースで、1167kWh。2005年実績だと、1642kWhだったので、4年間で改善が相当進んでいます。

B君:1台あたりの売上が年間7000本。これを1167kWhの電力で冷やしたり温めたりしている。

A君:24円/kWhの電力価格だとすると1167kWhは、2万8千円。7000本なので、1本あたり4円の電力使用量ということになる。

B君:電力の二酸化炭素排出原単位が、2009年の一般電力の実績で0.412kgCO2/kWhなので、1本ざっと0.07kgCO2。毎日1本、年間400本飲んだとしても、67kWhの電力消費量、1600円の電力代、27kgCO2程度の排出。
 コンビニで買ったら、多少は少なくなるのだろうか。自宅で冷やしたらどうなんだ。と考えると、それほど多くもないのかも知れない。

A君:ガソリンにすると、11リットル分。車を持っている人の個人ベースだとそれほど大きな消費電力とも言えない。

B君:そうだな。しかし、ガソリンからのCO2排出量は実は莫大なので、これを標準にして議論するとどうも過小評価をする感覚になりがちだ。
 32V型の液晶テレビの年間消費電力がアクオスの省エネ型だと70kWhなので、テレビ1台分の電力を自販機から買う缶・ボトル型清涼飲料の温度の調整のために使っていることになる。こう考えると、どう思うだろうか。

A君:一人一人で考えないで、全部で214万8千台もあると、これが1167kWh/台として、25億kWh/年。
 日本の電力10社による総発電量は2009年度で、8585億kWhだから、約0.3%。

C先生:25億kWh/年という電力量だが、30〜35万kWぐらいの発電機が1台分だ。原発が1機100〜120万kWぐらいだ。昔、自動販売機の消費電力は原発1台分だと言われた時代もあったが、効率が良くなってきたので、今は、0.3台分とでも表現すべきなのだろう。

A君:自販機工業会の環境への取り組み
http://www.jvma.or.jp/kankyou/index.html
によれば、1991年から2005年までに電力使用量を半減した、と書いてあります。 ところが、2009年までの年間消費電力削減のグラフ
http://www.jvma.or.jp/kankyou/pop01.html
によれば、さらに30%ぐらいの削減が進んでいますから、1991年から2010年までの20年間で、65%の消費電力の削減を果たしたことになります。

B君:そんな技術がよく有ったものだ。何をやったのだろう。

A君:こんなことのようです。
1)ゾーンクーリング
2)照明の自動点滅・減光
3)学習型省エネ
4)真空断熱材
5)ヒートポンプ

B君:1)ゾーンクーリングとは、部分的にもうすぐ売れていく商品だけを冷やすことで消費電力を抑える。

A君:2)は分かるでしょう。3)は売れ行きデータなどを分析し、自動的に省エネ機能を制御する。

C先生:まさに「新こたつ文明型」だ。

A君:4)は自明。5)ヒートポンプは、もともと冷熱と温熱を同時に供給できるものなので、飲料を温めるのに、それまではヒーターを使っていたのだが、ヒートポンプを使うことになった。

B君:4)、5)はハードウェアだが、これらについては、平成14年に自動販売機の省エネ基準が決められた時の別添資料というものにかなり詳しく書かれている。
http://www.eccj.or.jp/toprunner/jidou1.pdf

A君:ヒートポンプの細かい効率向上のための技術については、エアコンの資料
http://www.eccj.or.jp/toprunner/aircon/090424.pdf
に極めて詳しく書かれていますが、日本の省エネ技術がここまでこだわって実現されているというのは驚きですね。

B君:新こたつ文明が日本ならでは、ということは本当のことなのだ。

C先生:自動販売機は、環境団体などから目の仇にされてきたが、そのためもあって、今回検討したように、メーカーは1991年からの20年間で、消費電力を1/3にしてみせた。
 自販機はこれまで日本と米国にしかない商品だった。今後、利便性を追求することが限りなく行われるとすれば、中国、ロシア、ブラジルなどでは、意図的に禁止をしないかぎり、普及をしてしまうものと思う。もしも、旧世代の消費電力の大きな製品が普及したら、電力不足で大変なことになりかねない。日本製の現行品程度の性能のものが最低水準だとも言えそうだ。もっとも、これ以上の改善はかなり困難だと思うが。
 冷蔵庫も進歩した。年間消費電力が500Lクラスのもので、290kWh程度。これに比べると、自動販売機は、1000kWhと3倍以上。しかし、容量が違うので、直接比較は難しいところだ。両方とも、そろそろ極限的な省エネを実現したと言えるのだろうか。
 自動販売機がグリーン購入法に入ったのは、すでに説明したように、庁舎の廊下などに、設置される場合があることを考慮したため。国等がこれを買うということではないが、省エネ的に最高性能のものを率先して導入すべきだから、契約を交わすときには、そのような対応をすべきだとうことであった。
 自販機の平均的な寿命は7年間ということなので、次年度以降、どのような対応になるか、見守りたい。



付録:先週の無駄時間

その1:HDDの増設
 デジカメのRAWファイルは、以前は整理して本当に必要と思われるものを残し、大部分を消去していたのだが、整理する時間が無くなって、すべてを貯めこむようになってからハードディスクの消費が激しい。

 デスクトップパソコンは、Dell製のプロモーションセットかなにかだったもので、最大でも720GBのHDDしか選択できなかった。使い始めてまだ11ヶ月だが、これまでのデジカメ関係のファイルだけでも300GBに到達。さすがにHDDの空きスペースに余裕がなってきた。

 そのため、2週間ほど前に、アマゾンで2TBのHDDと、SATAのケーブル、さらに、インチネジセットを購入してあった。このHDDは、どうせ倉庫としてしか使わないのだから、速度は問題にならないので、「発熱量の少ないこと」を最優先条件として、WesternDigital CavierGreen 5400回転のものを選択。7114円だった。

 昨日、1時間を掛けてホコリの掃除と増設。何も問題なく無事に動いた。300GBのファイルをCドライブから、新設したSドライブに移動するのに、2時間かかった。

 それにしても、最近のHDDは静かだ。ヘッドのシーク音が全く聞こえない。価格を考えても、このHDDがどこまで持つか不明なので、一応、USB外付けのHDDにバックアップを作ってある。

 ここまでは良かった。

 しかし、その後、ちょっと荒療治をして、My Pictureホルダを消してしまったら、どうもWindows7のご機嫌を損ねてしまったようで、再起動しなくなって、ブルースクリーンがでるようになってしまった。

 結局、何をしても治らないので、2日ほど前の正常起動していたシステムに復元した。結構時間が掛かった。それでも、大昔のWindowsとは違って、システムの復元ができるので、なんとか元には戻る。

その2:Kindle3
 もう一つは、Kindle3。米国アマゾンに発注したら、なんと4日間で(多分中国から)到着した。今のところ、日本国内のアマゾンでは買うことができない。

 $139のWifiバージョン。それに輸送料が$20.98、関税が$8かかって、日本円で14,368円だった。円高の威力だ。

 日本語の表示ができるようになっているのだが、アマゾンで買うことができる日本語の書籍はほぼ皆無。となると、日本語の主力は、青空文庫と青空キンドルのコンビで、著作権が切れた日本の古典をPDF化して読むことになる。

 森鴎外の作品など、実は、読んだことが無かったもので、かなり大量にPDFを作成して、Kindle3に溜め込んだ。

 英語の勉強には買う価値はある。アマゾンから購入した英語の書籍や新聞、そうでなくても正式のフォーマットの文書になっているものは、英文を読み上げてくれる。不思議なぐらい自然である。

 読むことに関しても、英英辞典がもともと入っているから、難しい単語を瞬時に調べることができる。まだやっていないが(やらない可能性が高い)、英辞郎(英和だけ)を導入することもできるようなので、英語の勉強用としては、優れたツールだ。

 なによりも軽い。カラー液晶では不可能なほど電池が長もち(1週間以上?)というメリットは大きい。e−インクの見え方は、バックライト付き液晶よりも目にはやさしいかもしれないが、好みの問題だと思うものの、この消費電力の少なさは、変えがたい価値だ。

 Galaxy Tabも便利に使っているが、電力消費をチェックしてみると、普通に使用状況だと、80%がディスプレイ。すなわち、ほぼバックライトが電力を使っている。

 Kindle3は、インターネットに接続も可能なのだが、まあ、書籍のダウンロード以外は実用にならない、と割り切るべき程度の性能のようだ。

 それなら、ソニーのリーダーのように、Wifiも付けないという割り切りもあるのかもしれない。

 Kindle3は、e-inkが主流になるかどうかを見極めるために買ったようなものだが、結構実用になるかもしれない。日本語版の新書などが電子書籍として発売されれば、買うかもしれない。