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   「急速に動く」と「ふて寝する」に二分化すると予測
     
2017年から2018年へ 01.01.2018
               





 新年おめでとうございます。

 とは言うものの、昨年が余りにもひどすぎた年だったようですので、今年は多少とも良い年になることを期待したいと思います。
 
 昨年は、あらゆる点でひどく自分勝手な政治家が、世界レベルで跋扈(バッコ)した残念な年でした。環境問題に関しても、同様で、それを表現しようとすれば、まあ、色々な言い方が有りうるとは思うのですが、こんなものはどうでしょう。

 「自己都合優先で『環境』を食い物にしている政治家達」。

 規模から言えば、その最大の例が、トランプ大統領。自分とその支持者のことしか考えていない。地球を犠牲にしても、炭鉱労働者を優先する。「気候変動はフェイクニュースだ!」

 その次の例が、小池東京都知事の豊洲問題と希望の党で、「安全・安心」を非科学的な政治ツールに使う

 三番目の身近な例が、やはり安倍首相でしょうか。そもそも、「忖度」などという言葉を流行らせたのは自分の責任であることを理解していない。そして、CO2大巾削減もアベノミクスの敵なのでしょうね。まあ、そういう要素はありますから。

 しかし、日本の他の政治家も傾向としては同じように見えます。やはり自分中心主義です。いかに自分が再選されるかが最重要事項のようです。もう不可能というのが識者の理解ではあるようですが、中選挙区制に戻す以外には、本来の解決法は無いように思います。それが不可能という現状だとすれば、自己都合な政治家に対抗するために必要なことは、『長期的かつ広い視野をもった選挙民になること』が重要なのですが、選挙民の何%かは、「インスタ映え」で作られた自己に満足している状況では、まあ、ダメなのでしょう。やはり未来をしっかり見つめないと。そして、『自分と社会のために、どうすれば良い未来のストーリーが書けるようになるのか』、それを試みることが必須なのでしょう。

 良い未来のストーリーを書くには、いくつかの前提が不可欠です。もっとも基礎となることが、まずは、平和ですが、これは環境問題でないとすれば、食糧、資源、エネルギー、などが充分に供給できる環境が維持されていること。そして、その上に、働きがいのある社会が構築できるのだと思います。

 ところがそれが難しいのです。なんといっても、パリ協定に言う2050年とその後今世紀のどこかで必要となるCOのネットゼロエミッションは、時代で言うと、化石燃料を燃やすことはなかった時代、すなわち、産業革命以前の状態に戻るということを意味しますので、想像することすら大変です。なんといっても、石炭・石油・天然ガスを「燃やす」という単純な方法が使えないのですから。

 もちろん、CCSという方法論で、燃焼排ガスからCOを分離して油田・天然ガス田の中にしまい込むという方法論を採用すれば良いのですが、日本という国は、世界的にみて、CCSの実施がもっとも難しい国だと思います。なぜならば、日本には油田・天然ガス田はほんの少ししかなかった上に、地下にCOを貯蔵すると、地震が起きると主張するゼロリスク論者が結構いるのです。しばらく前の柏崎地震がそうだと主張されているようです。

 日本という国土の弱点は、それだけではありません。国土のかなりの部分が、太平洋プレートの上にたまった沈殿物(主成分は石灰岩)でできていて、化石燃料だけでなく、有用な金属資源もほとんど無いのです。若干の希望があるとすれば、それは太平洋の海底ですが、さてどうなるやら。

 さらに悪い記述が続きます、大陸の東側にあって、しかも国土が山がちなので、風が素直ではないため、さらに、台風もしばしば来るという状況ですので、風力発電も高価な風車を使わなければならないのです。

 さらに言えば、ヨーロッパは成熟した社会であることもあり、電力網が非常に充実しています。一方、日本には、歴史的な理由によって、50Hzと60Hzが共存しているというほぼ世界唯一の国なのです。日本50Hz国と日本60Hz国、という繋がらない二つの国があるようなものです。韓国と北朝鮮よりはましですが。

 となると、各周波数のエリアのサイズは800kmぐらいしかありません。これでは、大きな台風が来ると、風力発電も太陽光発電もほぼ全滅。要するに、化石燃料に依存してこれほど恩恵を受けている国は珍しいのです。OECD諸国の中でもNo.1でしょう。

 しばらく前なら原子力があるとも言えたのですが、福島第一原発へのわずかな(数10億円?)安全投資をケチった東京電力のお陰で、原子力の未来は無くなりました。遅ればせながら、かなり再投資をしたので、再稼働が可能になるよう安全性の基準が相当に上がりましたので、「使わなければ損するだけ、という程度の状況には到達しました。しかし、政治家以外の自己都合の人が出現して、それは、判事なのですが、四国伊方原発の運転を止めました。

 もともと、リスクゼロ主義者である日本人ですから、しかも、『怖い、危ない』と言われるとそれを信じてしまう程度のリスクリテラシーなもので、小池都知事が起こした豊洲事件のような、全く無意味な事件が起きてしまうのです。閉鎖系でHACCP対応ができている豊洲、開放系でゴキブリ・ネズミが自由自在の築地。この両者は比較が不可能なぐらい豊洲が安全性が高いのですが、それを理解していた人は、何%居たのでしょうか。

 COP23で、日本は化石賞を受賞しています。その理由は、高効率石炭発電のインドネシアなどへの輸出が原因です。日本と相手国のロジックは、『通常の石炭発電よりも、高効率な石炭発電なので、その分、CO発生量は低い』。一方、化石賞のロジックは、『それでもなお、天然ガス発電の2倍のCOを出す』。この戦いはいくらやっても、勝てないことが明らかです。もっと強力な正当化のロジックが必要不可欠です。しかし、インドネシアに限れば、天然ガス田が多く存在しているので、なかなか説得力のあるストーリーが書けないのが実情です。

 しかし、日本でも、環境先進企業は、COゼロへの道を探り始めました。その理由は、西欧系の企業が、相手にしてくれなくなりつつあるからです。西欧系の企業は、パリ協定の『気候正義』が基準になっていますから、『日本企業に「正義」はない』と判定してしまうのです。その状況が多少分かり始めている段階だと思います。パリ協定から2年以上を経て、やっとなのですが、現状でも2周遅れぐらいでしょう。

 しかし、リコーと積水ハウスがRE100、すなわち、100%自然エネルギーで企業を運営するという枠組みに参加しました。日本国内でこれを実現するのは、相当に大変です。海外の製造工場であれば、なんとかなるかもしれないのですが。
 その他、CDPの評価とか、様々な枠組みがあるものですから、日本企業でも『なんとかしないと置いて行かれる』と思うところが出始めています。置いてきぼり感を感じると、その後の対応はそこそこ速いのが日本企業の特徴ですから。来年1年間の進展は相当なものになるでしょう。物理的・原理的に難しい鉄鋼業界とセメント業界を除いてですが。

 もう一つ、エネルギー業界も難しいですね。電力業界は、送電網に大投資をしなければならないことは明々白々なのですが、それを自分達でやるつもりはないようです。シュリンク国日本では、電力需要も将来減るばかりでしょうから。J−Powerを国有企業に戻しますか!! 資源エネルギー庁の長官も、『ゼロCO2』と言う方ですので、そこそこ何が起きるのでしょうね。

 今回の主題は『2018年は、「急速に動く」部分と「ふて寝する」部分に二分割される』ですが、勝者は当然『急速に動く部分』です。どの企業が「ふて寝をやめて動く」企業となり、どこが「相変わらずふて寝する」企業のままなのか、これが、この1年間の面白い観察対象となっています。株式投資はしませんが。。。。

 ということで、昨年は、ご愛読ありがとうございました。本年もよろしくお願いします。



 追伸:12月22日から8日間、ベトナム旅行に出かけておりました。フエで見つけた面白いことの一つが、これでした。ぱっと見には「変わった貝がら」だったのですが、なんと陶器の破片が装飾として、壁に埋め込まれているのです。フエは海に近いので、貝も有ったはず。なぜなのでしょうか。答えは、多分、地元の貝は低級、中国由来の陶器は高級品だったから(!?!?:バッチャン焼きは使われていないようです )。こういう価値観を持っている皇帝(政治家)はダメのように思います。この写真は、ベトナムのダメ皇帝の見本のようなカイディン王の帝陵で撮影。