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    また高裁の原発差し止め判決  01.19.2020 その1
       繰り返される引退の前の最後の判決

        



 1月18日(土)の朝刊を見て、もっとも驚いたのは、「広島高裁 四国電力の伊方原発の差し止め判決」という記事があったこと。
 個人的にタイトルを付ければ、「また出た、引退前最後の売名行為で原発停止判決」
 広島高裁 森一岳裁判長(64)は、民事訴訟を多く手掛けるベテランで、1月下旬に定年を迎えるので、この裁判が最後となる。これまでの、「一票の格差」訴訟では、16年の参議院選挙の格差を違憲状態とした。どうやら、売名行為の常習犯かもしれませんね。
 阿蘇山のカルデラ噴火に関しては、以下に示すように、自分HPでもすでに記事にしていますが、大規模なカルデラ噴火が起きる可能性があるのは、地殻変動が常時起きている本州ではありません。地殻に蓄積されるエネルギー量の上限が低いのがその理由。そして、地殻変動が比較的少ない北海道と九州には、カルデラ噴火の確率がゼロではない。日本におけるカルデラ噴火は、そのため、1万年に1回程度が歴史が示す頻度であって、1万年という時間を100年が寿命であるヒトがどこまで真剣に考慮しなければならないのか、かなり哲学的な問題だと言えるでしょう。

11.08.2014 カルデラ噴火と原発の報道
 http://www.yasuienv.net/CalderaNP.htm

12.23.2017 原発とカルデラ噴火のリスク
 http://www.yasuienv.net/IkataNP.htm

 この後者の記事から、次の文章を引用しておきます。2017年ですから、すでに2年以上前の話です。より詳しくは、本文をお読みいただきたい。

引用
12月14日(2017年)の新聞でもっとも驚いたこと、それは広島高裁が行った四国電力伊方原発の「運転差し止め」の判断だった。」
「挙証責任、すなわち、阿蘇カルデラ爆発が海を超えて、伊方原発に危機的な被害をもたらすと主張する原告(高裁判断では抗告人と呼ばれる)、そんなことは無いという被告(高裁判断では相手方と呼ばれる)のどちらがそれを立証する責任があるかを決める裁判だったようだ。」
「ちなみに、この判決を下した裁判長は、野々上友之判事で、今月下旬で定年退官。要するに、人生最大の判決だった。地裁の判事は、目立つために様々な判決をすることもあるが、高裁の判事によるこのような判決は極めて希である。定年寸前ということも一つの理由だったのではないだろうか。」



C先生:森一岳裁判長は、あるいは、野々上友之裁判長は、「恵まれない人生を送ってしまった」と思っているのだろうか。一般傾向としてだが、判事の定年前の最後の判決は、少なくとも、原子力発電所を運転差し止めの訴訟に関するものに限って言えば、最後の打ち上げ花火的なものになる傾向が非常に強い。

A君:今回の裁判官も定年前最後の判決であった。まあ、裁判官も人間にすぎないということを象徴しているように思えますね。

B君:原発再稼働を止める判決を出せば、判事の名前が新聞に必ず載るからね。これまで、地味に高裁の判事を務めてきて、色々と苦労はしているだろうけれど、一度ぐらい、新聞で大きく取り上げて欲しい、と思っているのだろう。

A君:同じようなことですが、最近の政治家は、反原発の立場を表明しないと「票」が貰えないということになっていて、保守系だろうが、革新系だろうが、反原発。これで、パリ協定などの目標達成ができると考えているのでしょうか。

B君:それは「票」のためには、自分の主張を変えてしまうということを意味するので、そのような政治家は最初から信頼できない、ということを意味するので、本来は、落選させなければならない。

A君:ということは、ウソ発見器を使ったテストが必要ということになりますね。

C先生:いずれにしても、このところの日本社会のおかしなところは、自己都合だけで、何かをやってしまうという人が増えたことではないか。この記事は、特別版なので、今回の本来の記事をお読みいただきたいけれど、そこでも、日本における文化の劣化が進行しているのではないか、ということを山岸俊男先生の著書を使って議論をしているので、お読みいただきたい。