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 温暖化対策のお値段 交通編その2 07.15.2007
     



 前回、IPCCのWG3の報告書に基づいて、ディーゼル、ハイブリッド技術が温暖化対策に使われたとして、果たしてそれは見合うのは、という議論をした。

 その結果、もともと燃費の良い小さな車をディーゼル・ハイブリッドにするよりも、もともと燃費の悪い大きな車を改善する方がコスト的にも見合うという当たり前の結論を提示することになった。だから、トヨタもレクサスハイブリッドなのだろう。

 今回は、それ以外の対策を議論することになる。主として、燃料転換と飛行機


C先生:車による温室効果ガスの排出は、現状でも総量の23%。今後経済的な成長が続くと、車の台数は増加の一途をたどる可能性が高い。したがって、輸送を議論することは、極めて重要。

A君:車の台数ですが、様々な予測があるものの、2050年には、現在の3倍である20億台を超すのでは、というものも有ります。前回のIPCCのWG3の報告書では、図5.5というものがそれに相当しますが、一見して中国の増加が目立ちます。現在の10倍になっているといった予測。

B君:台数は3倍になっても、GHGの排出量は、1.5倍程度に抑えたいというのがIPCCの本音か。

C先生:それには、燃費だ、となるが、実際には、こんなことを考えることが必要になる。
(1)重さの低減。
(2)ディーゼル、ハイブリッドなどによるエネルギー効率のアップ。
(3)空力の改善
(4)燃料の転換。
(5)CO2以外のGHGの排出削減。

A君:重さの低減は、かなり比例的に効きます。ただし、人間の重さがあるので、完全に比例する訳には行かない。また軽くすると加速性能などが良くなるので、運転のやり方次第という部分が多くなる。

B君:軽くするというと、鉄を強度の高いいわゆるハイテンにする、アルミにする、繊維強化のプラにする、などなど。しかし、アルミにすると、製造時のエネルギーをきちんと評価する必要がある。繊維強化プラで車を作れば、60%軽量化が可能だとしている。

A君:空気抵抗を減らすこともまずまず有効で、いわゆるCは、現状だと0.26が最良で、プリウス、Lexus430、メルセデスのEクラス。

B君:しかし、本当の問題は、むしろ、トラックの空気抵抗。

C先生:次に車のエアコンをどうするか、が出てくる。ひとつは、代替フロン類が温暖化ガスであることで、こちらは、回収すればなんとかなる。もう一つは、エアコンが車の2.5〜7.5%のエネルギーを消費していること。最善は、エアコンのために、アイドリングというエネルギー効率の低い状態でエンジンを回すことを避けるために、やはりプリウスのように電動エアコンにすることだろうが、となると、ハイブリッド程度の電池が必要になるが。

A君:記述の中に、アイドリングストップ車が出てこない

B君:日本ほど信号を付けてしまう国は無いので、日本のみに有効な技術だと考えられているのではないか。日本の信号の数は、燃費の面から考えても、実際なんとかしてもらいたい。もっと必要に応じたものにするとか、信号制御を厳密にやるとか。

C先生:日本の信号は、どうみても、車を流そうという発想が無い。ニューヨークの信号の切り替わりに比べると、最近の日本の信号は赤、青の時間がいずれも長すぎると思う。これは渋滞を考えてのことなのだろうか。余り説明がなされていないように思えるのだ。

A君:次に、石油起源以外の燃料の話になって、バイオ燃料、バイオエタノール、水素、などなど。

B君:面白いのは、バイオエタノールが、2050年にはセルロース起源の値段が安くなるとしていることか。具体的には、2050年での価格が、$0.2〜0.6/L。

A君:バイオディーゼルだと、なんと、獣脂が安くなることになっている。こちらは、$0.4/L程度。

C先生:ということになると、原油価格にして、$30〜80/バレルになると、大体、$0.2〜0.6/Lのガソリン・軽油価格になるので、セルロースも、原油が$80/Lになれば、まあまあ勝負になるということか。獣脂は、どのぐらいの供給量があるとされているのだ。いずれにしても情報が少ない。

A君:米国のConocoPhilipsという石油会社は、175万ガロンを生産できると言っています。これは、その会社のディーゼル油の3%に相当するとのこと。

B君:確かに、獣脂のディーゼル油は、原油価格が$60を超す現時点でもすでに価格競争力があるので、今なら、獣脂なのかもしれない。トウモロコシからのエタノールでも、$0.6〜0.8/L。それが獣脂だと$0.4〜0.6/Lなので。勿論、サトウキビからのエタノールは、$0.3〜0.5/Lでやはり競争力が有ることに間違いは無い。

C先生:現時点だとセルロース系からのエタノールは、$0.8〜1/Lで、とてもとても経済的には合わない。この価格だと、原油価格が$120ぐらいにならないと。

A君:原油価格は、2050年までで$100を超すことは余り考えられていないことなので、現在の技術水準だと、セルロースは、当分実用にはならない。やはり相当な技術的なブレークスルーが必要ということを意味するのでしょう。

B君:しかし、セルロースからのエタノールができれば、それによるGHGの削減は、サトウキビ並みで、穀物類からのエタノールよりもかなり筋が良さそう。トウモロコシからのエタノールは、やはりどう考えても、政治的な要因がなければ普及しないのでは。

A君:バイオ燃料のあと、天然ガスの話になる。しかし、余り長い記述にはなっていない。そして、水素と燃料電池の話に移っていく。

B君:IPCCのレポートによれば、水素が注目されたのは、一旦燃料になれば、CO2も他の有害排気ガスも出さないこと、色々なエネルギー源から作ることができるので、エネルギーセキュリティー上重要であること、水素燃料電池車が、かなり自由な設計が可能であること、などだそうだ。

C先生:IPCCのレポートが参照している多くの文献は、2004までのものが結構多いので、水素はまだまだホットな話題だったときのもの。現時点では、水素はもはや冷めた。

A君:確かに、米国のNRC/NAE、2004年の報告書やEUのJRC/IPTS,2004年が引用されていますね。

B君:本HPでも水素燃料電池車を取り上げていて、その最後が、
http://www.yasuienv.net/HydrogenTerminated.htm
 この基礎となった次の報告書によれば、まあ、現時点では、水素は公共交通以外では、移動体用の燃料にはならない、と結論して良いと思う。
http://www.jhfc.jp/data/reports/data/h17/h17_kekka_main.pdf

C先生:エネルギー生産から車の駆動までのエネルギー効率やCO2排出量を比較するWell-to-whellsの結果では、図5.12のように新しいものが出ている。
 それによれば、燃料電池は、大体のところ、ガソリンハイブリッドかディーゼルハイブリッドと同程度。

A君:ただ、ハイブリッドといっても、様々な形式があるので、トヨタのデータは、プリウスのような超高燃費型ハイブリッドで、EUや米国のハイブリッドは、それほどストロングタイプではないハイブリッドのようで、燃費の改善は限界的。その実情を反映していて面白いですね。

B君:表5.3に、どのぐらいGHGの排出が減るか、という数値と今後乗り越えるべきバリアーについてのまとめがある。これをどう見るか。

C先生:この範囲内では、完全解は無いということを示しているように思える。しかも、同じ、Costと書いてあっても、ハイブリッドもCostが問題だし、燃料電池車もCostが問題だとなっているが、その意味が全くレベルが違う。

A君:電気自動車が無いですね。

C先生:このIPCCの報告書では、電気自動車でも無充電で300kmを走れるように、という仮定がなされているように思えるのだが、それは馬鹿げている。電気自動車など、50kmも走れば良い。基本的に都市内交通用。後は、社会システムで解決するのだ。このあたりの話は、次の話題である、モードシフトの中に入るのだろうか。

B君:もしも電気自動車のメリットを活かしながら、どうしても長距離を走らせようとしたら、プラグインハイブリッドだ。これが完全解に近い。

A君:モードシフトというものは、自動車から、自転車とか徒歩へのシフト、さらには、バスやミニバスさらには電車へのシフトであって、電気自動車を組み込んだモードシフトの話は無いですね。

B君:公共交通を含むのが条件なのか。LRT(light rail transit)、BRT(bus rapid transit)が出てくるところを見ると。

C先生:ブラジルの都市、クリチバ(Curitiba)のBRTの実例はなかなか有名。

A君:その話ですが、1970年代にすでに始まっているらしいですね。何人かが、HPで紹介していますから、Googleからでも参考にされると良いかと思います。

B君:日本の地方都市は、自家用車で移動することが便利なように郊外にショッピングセンターや病院などを配置して、それで中心街の空洞化を招いている。結果的に、それが街の活力を失わせた。クリチバのように、バスで中心部へ簡単に行けるようにして、中心街の人々の密度を高くすることが結果的に街の再生化につながるようだ。

C先生:日本の地方都市の再生のひとつのモデルとして、クリチバは良い検討課題になるだろう。

A君:オランダのように、動力を使わない、人力による移動の話になって、そして、鉄道の話になり、航空機の話になる。

B君:航空機によるGHGの排出量は、年間5.9%で伸びてきた。これは何も対策がとられないと、結構大変なことになる。

A君:特に、ヨーロッパとアジアとの間の航空機は、12.2%の伸び。

B君:航空貨物も伸びている。もしも、今後も5%ぐらいで旅客、貨物ともに伸びると仮定すると、5%ということは、15年で倍になるという伸びだから、2022年で倍、2037年で4倍、2052年には実に8倍になってしまう。

A君:GHGの排出量は、推定で2002年に492MtCO2。まだそれほど多いとは言えないが、今後10倍になったとすると、5GtCO2ぐらいになって、「各種の輸送は、世界の23%に相当する6.3GtCO2(2004年)を排出している」、ことから考えると、これは、相当な負荷になりそう。

B君:確かに航空機のエネルギー消費は実に大変な予測になっている。大体、航空機の運行の費用の20%が燃料費である、という事実があって、そのため、エネルギー消費の削減は、経済効果が大きい。だから、燃費の改善は進む可能性が高い。どんな方向性があるか、ということ。

C先生:40年前の航空機に比べて、すでに70%もの改善がなされているという。

A君:昔100だった効率が、今や170ということのようですね。ただし、旅客・kmという単位で考えた場合のようですが。

B君:すでに発表されているBoeingの787は燃費が良いようで、これが置き換えるであろう767よりも、15〜20%は燃費が良いとのこと。その理由は、軽量化とエンジン効率。

C先生:1999年のIPCCの報告書では、その時点から2015年までに、20%程度の燃費が向上できるだろうとしているが、それが、すでに実現された形。

A君:小さな翼を主翼の先に付けるといった工夫も、空気抵抗を減らすには有効なのですが、重量は増える。となると、飛行機を短距離で運行して離着陸が多いようだと、却って燃費は落ちる。

B君:ということは、離陸の時には主として機体重量が利くということか。ありそうな話。

A君:もしも空気抵抗を減らすことが可能ならば、搭載する燃料を減らすことが可能になる。長距離を運行している場合には、機体を飛ばすのは当然としても、燃料を飛ばすために燃料がいる状態になっている。
 例えば、777−200ERの場合だと、航続距離が14316kmで、最大搭載燃料が171kL。

B君:空気抵抗を減らすのは、燃費に2乗で利く感じ。それに対して、重量削減とは比例関係に近い。

A君:表5.7というところに、燃料重量と機体重量の改善の話が出ています。ただ、用語がまだ説明していない。

C先生:空気抵抗が最大の敵であることには変わりは無いので、翼しかないようなデザインの飛行機を作ることによって、かなりの進歩が見込まれるようなのだ。これをBlended wind bodyと呼んでいる。もともとある考え方で、同じ重さであれば、20〜30%の燃費改善が見込まれている。

A君:特に、翼の後端から空気を噴出して飛ぶようにできれば、乱流の発生も防ぐことができて、これまた良い見たいですよ。これをlaminar flying wing と呼ぶみたいですが。

B君:ジェットエンジンなんだから、推進用の空気といっても熱いだろう。

A君:最近のジェットエンジンは、しばしばturbofanと呼ばれているように、ダクト付きプロペラ機みたいなものなんですね。ジェットエンジンを前から見ると、後ろが透けて見えますよね。これは、エンジンが吸い込んだ空気をそのまま後ろに噴出していることを意味する。すなわち、ダクトの付いたプロペラ機。昔のジェット機は、空気の大部分を燃焼用に使って、噴出しているのは、燃焼成分を含んだものだけだったのですが、大分変わっているようです。燃焼器の中を流れる空気とその外側を流れる空気の比、これをbypass ratioと呼んで、最近のジェットエンジンでは、その値がxxxx。これがジェットエンジンの効率を上げていることにも繋がっている。

B君:プロペラの方が効率が良いのなら、最初からプロペラにすることは無いのか。

A君:無いわけではなくて、unducted fan とか、open rotorとか言われているのが普通のプロペラ機で、確かにその方が効率は高いようです。ただ問題は、プロペラの先端の速度が音速を超すものだから、独特のノイズが大きい。
 これで、表5.7の説明ができるようになった。


表5.7 将来の航空機の重量内訳。同じ搭載量で比較すると、燃料の量が40%に減っていることが分かる。

A君:現在の形式だと、236トンの機体に86トンの人や貨物を積んで、それを飛ばすのに、178トンの燃料が必要なので、総重量は合計500トンになる。人や貨物の重量の2倍の燃料を使っている。
 ところが、将来的には、機体が219トンまで軽量化され、86トンの人や貨物を積み、燃料は72トンまで減らすことができて、総重量も合計377トンになる。

B君:このとき、その飛行機はプロペラで飛んでいるということ?

A君:そうみたいですね。ただ、プロペラの場合には、プロペラをどこまで速く回すことができるか、に限界があって、プロペラの先端の速度を余り速くはできない。となると、やはり飛行機の速度は遅くなる。

C先生:短距離用には、もっと遅い飛行機でも良い。ここまでは常識。次は常識的な話ではないのだが、個人的には、長距離用でも、もっと遅く飛べる飛行機があっても良いと思っている。先日、日航の機長さんと話をする機会があった。747を操縦しているとのことだが、最近では、サンフランシスコ線などは、安定して飛べる最も遅い速度で飛ぶこともやっているらしい。なぜならば、燃費がその方がよくなるから。ところが、747を設計した時代には、飛行機は速く飛ぶべきという思想で作られていて、翼の後退角も大きい。この手の設計になると、安定して飛ぶには、ある程度の速度が必要になる。
 サンフランシスコ線の飛行機がなぜ遅く飛ぶかと言うと、時差の関係。飛行時間が正味9時間だったとすると、乗ってからゆっくり食事がでて3時間後に寝る体勢に入るが、到着2時間前にはまた食事がでて起こされる。何も妨げられずに寝ることができるのは4時間しかないことになる。
 西海岸とは、16時間〜17時間の時差。逆向きに数えれば、8〜7時間の時差だが、これが結構きつい。そのためには、寝る時間をもう2時間ぐらい増やすのが対応策。すなわち、サンフランシスコまで9時間で飛ぼうが、11時間で飛ぼうが、サービスに余り差は無い。早く着けば良いということでもないのだ。
 ところが、747のようなやや古い飛行機では、遅く飛ぶのが却って難しいらしい。

A君:遅く飛ぶには、turbofan よりもpropfan。YS11がそうだったのですが、ジェットエンジンと同じ原理のタービンでファンを回す。

B君:しかし、乗客側がそんな古い飛行機に乗るのはイヤだ、と言いそう。古いデザインの飛行機は危険だと思っているだろうから。

C先生:その話はなかなか面白い。実は、プロペラ機は、650km/hrぐらいで飛ぶことを前提に設計され、ジェット機は880km/hrぐらいで設計される。これは、安定な着陸速度もそれに比例することになって、プロペラ機だと、200km/時ぐらいでも着陸可能。もしもなんらかの理由でどこかに海面や草原などに緊急着陸としたら、できるだけ遅い速度で飛べる方が有利。すなわち、万一のときには、プロペラ機の方が生存率が高い。しかし、乗客の大部分は、多分、そうは思わないだろうな。

B君:一つの方法は、すごく先端的な形状のプロペラ機を作って飛ばすこと。そうなれば、見た目で古い機体だと思うことも無い。

A君:しかし、本当のところは中身をどのぐらい理解しているか、すなわち、このHPがあつかっている問題全部に言えること。

C先生:ということで、飛行機の場合には、燃料費の割合が非常に高いという特性があって、今後、燃費を追求した飛行機が出てくる可能性が高くなっている。これにGHGの排出費用を徴収することになれば、ますます燃費競争は激烈になるだろう。

A君:エアバスはA380なる総二階型の超大型機を開発して、ハブ空港とハブ空港の間はこれで飛ばす。そして、ハブと地方空港の間は、小さな飛行機で、という考え方。
 一方、ボーイングは、787ぐらいの中型機でできるだけ乗換え無しで乗客を運ぼうとしている。果たしてどちらの戦略が乗客に受け入れられるのでしょうか。

B君:どうも、しばらくはボーイング型、そして、その後エアバス型になるような気がする。

C先生:ハブと地方空港とを飛ばす50人乗りぐらいの飛行機だが、現時点だとカナダのボンバルディア、ブラジルのエンブラエルに独占されている感じ。一昔前までは、フォッカーなどもあったのだが。三菱重工が計画しているのが、ちょうどこのクラス。このクラスは、各社が参入してくるのではないか。このクラスは、本当は、プロペラ機が良い。
 問題は、中型機以上になると、実質上エアバスとボーイングしか無いこと。今の状況から言うと、ボーイングには737に変わる機種が必要で、エアバスはA320クラスがまだしばらくは使える。
 まあ、市場の動向を見ながらということで、極端に言えば、A380が成功するかどうか、これが全体の方向を決めるのではないか。
 短距離便ということになると、日本では新幹線の方が便利なので、羽田−名古屋、羽田−仙台の運行便が無いように、本当は、地上の高速鉄道が本命だと思うのだ。高速鉄道だと現状のドイツ、フランス、日本に、台湾、中国は加わりつつある訳だけど。その方が、燃費的に、恐らく5倍以上良いから。しかし、人がほとんど住んでいない北米大陸の中央部では難しいだろう。高速鉄道の建設が有りうるのは、ボストンからニューヨーク、そしてワシントンまでの東海岸だけか。

A君:最後に、飛行機の場合の対策費のお値段の考察を。データが余り無い。しかし、20%の運行コストが燃料費ということぐらいか。

B君:タクシーの運用費用のうち、一体いくらが燃料費か。まあ安めの価格を使ったとして、日本では2kmまでが600円。タクシーの場合、空車で走っている時間が東京などの場合には相当長い。地方都市だと、そんなことは無いが。空車で客探しのために、3km走ったとして、しかも燃費はLPGなので、ガソリンだったら10km/Lぐらいに相当すると仮定して、5km走るのに必要なガソリンは0.5L。現時点なら70円ぐらい。運用費用のうち、燃費が占める割合は10%ぐらい。大体、こんなものではないか。

A君:だとすると、飛行機の場合の燃料費が20%というのは大きい。だから、逆に言えば、燃費を良くすることのインセンティブは大きい。1トンのCO2あたり$20以下。場合によっては、タダでも見合うと考えるべきだろう。

C先生:多分、そんなものだと思うが、飛行機の場合、開発に相当の時間がかかる。翼だけの飛行機で、層流型のエンジン、かつプロペラ併用などというものを開発するには、結構20年ぐらい掛かるのでは。また、一旦導入すると、飛行機は寿命が長い。だから、2050年までにCO2排出量を50%削減するには、その時点ですべての飛行機がそうなっている必要があり、すぐにでも開発を始めないと、間に合わない。そんなことが実現できるだろうか。