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原発とカルデラ噴火のリスク 12.23.2017 日本国絶滅と原発リスクの重大さを高裁が決めるか? ![]() |
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12月14日の新聞でもっとも驚いたこと、それは広島高裁が行った四国電力伊方原発の「運転差し止め」の判断だった。 朝日新聞デジタルによれば、「過去の判断との大きな違いは、1万年に1度しか起こらないような自然災害であっても、規制委の基準に沿い、原発立地の適否を厳格に判断すべきだ、との姿勢だった」。 原子力規制委員会の基準、正式名称「原子力発電所の火山影響評価ガイド」では、160キロ以内の火山を検討対象としている。 http://www.nsr.go.jp/data/000069143.pdf 朝日新聞の表現は曖昧である。正確に表現すれば、今回の差止めは、誰が挙証するか、という判決であった。 http://www.jijitsu.net/entry/2017/12/15/015510 というブログが非常に詳しい解説を行っていて、大変参考になるのだが、挙証責任、すなわち、阿蘇カルデラ爆発が海を超えて、伊方原発に危機的な被害をもたらすと主張する原告(高裁判断では抗告人と呼ばれる)、そんなことは無いという被告(高裁判断では相手方と呼ばれる)のどちらがそれを立証する責任があるかを決める裁判だったようだ。 そして、結論としては、相手方=原発側に挙証責任があるとした。 しかし、この判決で挙証責任をどうやって果たすのか、それは非常に難しい。なぜなら、火山学者は、いつカルデラ爆発が起きるかを予見するのは不可能という立場だからだ。恐らく現状の取り組みでは判別不能なのだろう。しかし、学者なのだから、なんらかの方法論で予見ができるのではないか、という積極的な提案が出てこないのが、現時点での火山学者の限界のように思える。その点、後半でご紹介する巽好幸先生は、将来を見据えているように思える。 ちなみに、原子力規制委員会が行った伊方原発の運転に関する判断は、通常の運転期間である40年の間に、阿蘇カルデラが爆発する可能性は充分に低いというものであった。 巽先生の予測によれば、阿蘇カルデラなどの7大カルデラの一つが、今後100年間で巨大カルデラ噴火を起こす確率は約1%であるとのこと。もし起きてしまえば、最悪の場合、火砕流による死亡者700万人に加え、その後の食糧不足によって、1億人の命が失われるとのことである。火山灰が10cm積もるだけで、農地は完全い失われ、その復活には1000年程度の年月が必要となる、とのこと。 ちなみに、この判決を下した裁判長は、野々上友之判事で、今月下旬で定年退官。要するに、人生最大の判決だったのではないか。地裁の判事は、目立つために様々な判決をすることもあるが、高裁の判事によるこのような判決は極めて希である。定年寸前ということも一つの理由だったのではないだろうか。 ところで、世界最新のカルデラ爆発はどこの国だったのか。それは日本であり、7300年前の鬼界カルデラ(奄美大島)である。アカホヤ火山灰の火砕流が出たことで知られている。この爆発は、過去1万年でも最大の爆発であったようだ。 ![]() C先生:確かにモノは考えようで、なんとでも言える部分はある。今回の広島高裁による判決は、原子力規制委員会の火山影響評価ガイドによる再稼働を認めた判定が不十分という主張でもあるように思える。このような判断が難しい問題を解くには、正しいと判断はどのようなものかを、まず議論すべきだ。未来の完璧な予測は不可能なので、不確実性はあることは否定できない。不確実性があるから、何もするなということでは、人類は何もできないことになる。また、リスクをどのぐらいまで削減すれば良いのか、と問われても、そこに絶対的な正解はない。すなわち、リスクとは、常に「比較」する対象を決めて、両者の大小を判断の材料とすべきなのだ。まずは、存在するリスクを考える。次に、そのリスクの発現を避けるために別の対応を決めたとき、どのぐらいリスクが減少するか、そして、そのために派生する他のリスクがどのぐらいの大きさであるか、などというリスクvs.リスクで判断することが正しいと考えられている。 もっとも、今回の場合、リスクvs.リスクの比較対象は何か、そこからの議論が必要だが。 A君:その通りですよね。一つのリスクだけを判断するのは、リスクの大きさの絶対値を元に議論することを意味するのですが、実は絶対値はほぼ無意味なので、この方法は実行不能でして、普通なら、回避されるリスクの大きさと、対策によって派生する新たなリスクをできるだけ広範囲に考えて、最終的な意思決定を行うことが正しい判断の方法だと考えているのが、まあ、リスクの専門家と言えるでしょう。 B君:裁判官は必ずしもリスクの専門家ではない。先日、何が正義なのか、という人類にとって永遠の課題に対して答えを出す商売なので、いくら人工知能が進化しても裁判官という商売は消えて無くなることはない、というような議論を我々もやった。それは、この判決は、人工知能が出したものです、といっても人々は納得しないだろうから。この判事の場合には、正義をゼロリスク論者である日本人を念頭に置いて決めたように思える。 A君:日本の正義は、阿部謹也先生が喝破しておられたように、「世間が正義を決める」ので、この判事は世間を見つつ、世間の反感が多い行政を批判することが世間に受けると考えたのでしょうね。 B君:それは結論か。まあ、そんな結論になる可能性は高いのだろうが、やはり、論理的に何を比較対象にして、どのようなリスクを考えるかという、正統的な議論をしよう。 A君:了解。整理します。状況その1は、伊方原発の再稼働を認めると、伊方原発は今後。阿蘇カルデラの再爆発によって、火砕流が発生し、原発が被害を受けて、放射線が漏れる事故となり、原発の付近が、といってもどのぐらいの面積かは難しいけれど、居住不可能になるかもしれない。これがリスクの実情。その可能性がどのぐらいあるか。これがリスク1。 B君:それに対して、今回の場合の比較すべきリスクというものは、多分、こんなものではないか。それはそもそも、そのような大規模な火砕流による直接被害のリスクの大きさと、伊方原発が存在しているために増大する被害に関するリスク、この二つのリスクの深刻さの比較になるのではないか。 A君:多分そうなると思うのですが、裁判に勝てるかどうか、とは別の判断になりそうな気がしますね。 C先生:まあ、そんなところだろう。阿蘇でおきるカルデラ爆発だと、火砕流は時速100kmで伝達するので、カルデラ爆発の2時間以内に700万人が死亡すると考えられている。巨大な火砕流が発生すれば、その地域は数100年間復活できないと考えられるが、実は、それ以外にも、火山灰が西風にのって日本全国を覆う可能性が高い。火山灰が10cm覆うだけで、農業は一切行うことができない。国内の食糧生産は0になる。そのため、最悪1億人が命を落とすというのが、巽先生のシナリオのようだ。 一方、運転中の伊方原発が火砕流に襲われたとき、何が起きるのか、それを明確に予測することは、大変に難しい。しかし、福島第一原発事故と同程度のこと、要するに、水素爆発が起きるのは確実かどうか。 700万人が2時間で死亡する。1億人が結果的に死亡する。まあ、日本という国そのものが崩壊する。そして、火山灰によって、200年から1000年間、耕作なども不可能になる。こんな事態の中で、例え伊方原発が水素爆発を起こすことになったとき、どのぐらい重大なリスクが加わると言えるのだろうか。 判決文をちょっと読んでみると、そもそも非常に長いし、それなりに色々と調べていることは分かる。となると、阿蘇カルデラ爆発が起きたときに、何が起きるか、恐らく裁判長は知っていたと思われる。しかし、それを述べてしまったら、伊方原発の存在に、全く迫力が無くなってしまう。恐らく、カルデラ爆発の被害は、意図的に無視したのだと考えられる。 ということで、かなり長くなるのだけれど、以下に巽先生著書の概略をご紹介したい。火山について充分に理解している訳ではないので、結論に近いものをピックアップしたものだとご理解いただきたい。筆者の元々の専門は無機化学だったので、地学や鉱物にも若干の馴染みはあるけれど、それでも全く異なった世界の記述だった。 特に、「プリニー式」噴火というメカニズムは、初耳だった。現在の阿蘇山は、山の高度が低いから、頂上から放出されたマグマが火砕流になったとしても、それほど遠くには行かないと思っていた。要するに、普賢岳の火砕流のイメージで考えていた。 このプリニー式噴火は、強い上昇気流によって、数100℃の微細な粉体が空中に留まっている状態で、そのうち、この平衡が崩れて、一気に空中から落ちて火砕流になるというものらしい。これはすごい威力だろうと思う。 しかし、カルデラ爆発の前には、直径30kmの流紋岩質マグマ、あるいは、40×40×10kmの融解ゾーンが必要とのこと。このぐらいのものが集まる過程で、何か、異常が起きるに違いない。残念ながら、現時点では、それが何かは分からない。なぜかと言えば、人類が科学の目で様々な自然現象が解析できるようになってから、巨大カルデラ爆発を経験していないからだ。 それを鬼界カルデラについて、解明しようとしている研究者、それが、巽好幸教授だ。 「富士山大噴火と阿蘇山大爆発」 のご紹介 2016年5月28日初版 巽好幸著 幻冬舎 ポイントは何か マグマはマントルに比べるとずっと軽い。しかし、マグマ溜まりにマグマが充填されただけでは、噴火には至らない。マグマと周囲の岩石の重さが釣り合っているからだ。マグマが周囲よりさらに軽くならないと地表まで上がって噴火することはできない。マグマが上昇する主要な原動力は、マグマに働く浮力である。 マグマを劇的に軽くして大きな浮力を生み出すのが、「発泡現象」だ。マグマの中には水が溶け込んでいる。このマグマ注の水が気体(水蒸気)としてマグマから析出する現象が発泡である。 地球の特殊性と日本の火山 地球がプレートテクトニクスの星になった理由は、海が存在していたことである。液体の水が存在すると岩石は割れやすくなり、やがて割れ目がどんどんと成長して大断層になる。そこからプレートの沈み込みが始まる。 火山で体積が100立方キロメートルを超す火山は、赤城山、榛名山、鳥海山、八甲田山、十勝岳。 しかし、伊豆半島から小笠原では、火山島があるが、ほとんどが海中にあって、一部の火山が海面上に顔を出しているだけ。 マグマの組成、噴火の前兆現象 マグマの特性:火砕流を作るかどうかは、二酸化ケイ素の量で決まる。安山岩質が火砕流になるかどうかのギリギリで、より二酸化ケイ素の多いデイサイト質か流紋岩質であれば火砕流になりうる。 富士山の噴火の前兆現象の検知は不可能だろう。しかし、すべてに付いて不可能という訳ではなく、可能な場合もある。例えば、北海道有珠山の西山噴火では、実際予測ができて、被害が回避された。3月27日に火山性地震。そして、3月31日に噴火。間が4日間しかなかった。しかし、被害がでなかった。その一つの要素は、有珠山のホームドクターが常時山の体調を観察していたからである。 現時点で、ホームドクターがいる火山は、浅間山、草津白根山、阿蘇山、雲仙普賢岳、桜島など。ということは、阿蘇山の異常は、かなり前に検知されるということも考えられない訳ではない。 余分ながら、巽先生は、どうやらインパクトファクターが嫌いらしい。火山の個性を理解するには、チャラチャラと論文を書くより、何10年も我慢強く真摯に火山と向き合うことの方がずっと大切だ、と述べている。 巽先生は個人評価もしている。さる琉球大学の名誉教授はダメらしい。どうも、火山学者は、目立つことをしたいようだ。 巨大カルデラの話 陥没カルデラを作るほどの巨大カルデラ噴火では、マグマにシリカ分の多い。すなわち、デイサイト質〜流紋岩質マグマ。他のタイプに比べて圧倒的に爆発的かつ危険。 南九州では、アカホヤ火山灰の火砕流が7300年前に起きた。アカホヤ火山灰は、喜界カルデラから出た。この噴火の前後で、土器の形式が不連続である。恐らく、縄文人が全滅したものと思われる。 アカホヤ爆発の年代は、福井県水月湖の年縞で特定された。喜界アカホヤ火山灰は、九州南部では30センチであったと思われ、その被害からの回復には200年以上(1000年?)の時間が必要であったようだ 巨大カルデラ噴火のプロセス まず、巨大な噴煙柱を立ち上げる「プリニー式」噴火が起きて、その後に、火砕流の発生や大量の火山灰の飛散が起きる。「プリニー式噴火とは」 早川先生は、100万年の火山噴火について、マグマ噴出量をデータベース化して、分類を行った。 http://www.hayakawayukio.jp/database/ 大火砕流が起きる理由は、プリニー式噴火で生じる噴煙柱(火山の熱による上昇気流で上空にマグマの細粒が吹き上がっている状況)が崩壊するから。火砕流の速度は、時速100km、温度は数100℃。 カルデラ爆発は、山体があるから起きる訳ではない。山が無いところでも、カルデラ爆発は起こりうる。 巨大カルデラのリスト 高千穂峡は、実は、阿蘇のカルデラ爆発で吹き出した溶結凝灰岩が作る絶景なのだ。 直径20キロもの窪地を作るのだから、地下にはそれに相当する空洞ができたはず。それだけ、巨大なマグマ溜まりが地下に存在していたはず。 そこまで溜まらなくて噴火しても良いはず。マグマとはもともと糊のようにネバネバしたものという意味。ギリシャ語。マグマは、地球内部にプレートが潜り込む「沈み込み帯」で発生する。 含水鉱物が無水鉱物に変化するときに、脱水分解が起きる。場所としては、深さ100km。この水がマグマの鍵。 親マグマ溜まりと子マグマ溜まりがある。マグマの密度は3。固体のマントルは3.3。軽いマグマは浮力によって、上昇するかというとそうではない。マグマが出来始めた時点では、マグマの量が足らない。固体の鉱物とくっついた部分がマグマの移動を妨げるから。 マグマとマグマが連結すると、軽い方のマグマは固体から離れて上昇できるようになる。この上昇する部分を「マントルダイアピル」と呼ぶ。かなり粘度は高いが、移動は可能。そして、近くの地底のモホ面(注:地殻とマントルの境界)あたりに「親マグマ溜まり」ができる。 1200℃の高温だが、周辺の近くの温度は1000℃に満たない。したがって、親マグマ溜まりは徐々に冷えて結晶化が始まる。固体の結晶は、重いので、マグマ溜まりの底に積もる。 マグマ自身は、重い固体の結晶を失って徐々に軽くなる。そして、再び浮力を獲得し上昇を始める。 しかし、周囲が花崗岩や堆積岩などの軽い岩石でできているところに来ると、また浮力を失ってしまって、子マグマ溜まりができる。ここは冷えやすいので、安山岩質のマグマへと変化する。 噴火の引き金と考えられるものは、深い所にある親マグマ溜まりから子マグマ溜まりへマグマが注入されること。 そして、割れ目ができると圧力が下がり、マグマに溶けていた水が析出・ガス化して、マグマは発泡してさらに軽くなる。当然、体積は増える。これは正のフィードバックなので、遂にマグマは地表に達して噴火する。 しかし、巨大カルデラは違うかもしれない。二酸化ケイ素が主役のようだ。 巨大カルデラ噴火の発生頻度は、どんなものか。巨大カルデラ噴火は、軽いマグマが巨大なマグマ溜まりを形成するために、マグマ溜まり自体が浮力を持つことがキッカケとなるようだ。 巨大カルデラの特徴の一つは、二酸化ケイ素が多い軽い流紋岩質マグマを噴き上げること。そのため、流紋岩質マグマのでき方を押さえておく必要がある。 二種類のメカニズムがある マントルで発生した玄武岩質マグマが結晶化することによって、マグマの組成が変化することは、「結晶分化」と呼ばれる。もう一つが、岩石が溶けてできる「部分融解」。両方ともも玄武岩質。違う点は、前者は液体マグマが冷えて固まっていく過程、後者は温度が上がって固体が溶ける過程で流紋岩質マグマができること。 結晶分化型:800km3の流紋岩質マグマを作るには、直径30kmの玄武岩質マグマ溜まりが必要。 下部地殻の部分融解:800km3の流紋岩質マグマを作るには、40×40×10kmの融解ゾーンが必要。 詳しいメカニズム マントルダイアピルなるものが1300℃もの高温である。直径40キロメートル程の高温マントルダイアピルがモホ面にごっつんこして近くを熱すれば、カルデラ噴火が充分に可能。 なぜ、7つの火山だけで、巨大カルデラ噴火が起きたのか。それは、ひずみ速度で説明が可能。東北地方や中部地方は火山があるものの、ひずみ速度が大きい傾向がある。ところが、北海道と九州はひずみ速度が小さい。 理由は、ひずみ速度が小さい=粘性が高く硬い場合には、固体部分が変形しないために、軽い流紋岩質マグマが発生するとすぐに、その浮力で融解ゾーンから分離してしまう。こうなると次々と流紋岩質マグマが上昇し、これらが集積して巨大なマグマ溜まりが形成される。このような巨大まマグマ溜まりには強烈な浮力が働く。その結果、巨大マグマ溜まりの天井付近にいくつもの割れ目が発達して、その割れ目から大量のマグマが噴出する。空洞となったマグマ溜まりでは天井が崩落して陥没カルデラができる。 巨大カルデラ噴火に備える 「12万年で10回だから、平均的な周期は1.2万年。直近は7300年前の鬼界アカホヤ噴火だから、そろそろ日本列島は危険な時期を迎えている」。これは煽り系の人たちの発言だが、そんなことはない。 「巨大カルデラ噴火に周期があるとするならば、それは一定量のマグマが地下に蓄積する時間に相当するはずだ。 ポアソン分布で解析するとどうなるか。今後100年で噴火が起きる確率を求めると、M7以上の巨大カルデラ噴火は1%弱。M8級ならその1/3ぐらい。 現時点で、巨大カルデラの火砕流が到達する地域に700万人が居住している。 地震波の伝わり方で大量のマグマが貯まっていることが分かるが、形や位置はぼんやりとしか見えない。しかし、巨大カルデラ噴火では、膨大な量の流紋岩質マグマが地下に存在している。したがって、前兆現象が起きる可能性がある。 マグマ溜まりは大きな浮力をもつのだから、地表でも隆起が起きるかもしれない。大分化の前に流紋岩質マグマが溶岩流として流れ出すかもしれない。 しかし、人類は、まだ巨大カルデラ噴火を観測した経験がない。地質学の調査が将来観測値を出すかもしれないが、余り期待が持てる状態ではない。現状は結構悲惨だと言える。地質学の調査にはとにかく時間がかかる。一つの火山の形成史を地質学的に明らかにするには、一人の地質学者が一生を掛けるぐらいの時間が必要。こんなことをやっても、当然、論文の数は稼げない。そのような学者を日本の大学は抱えるつもりはない。 信頼おける火山地質学者は、全国に10人ぐらいしかいない。とにかく、巨大マグマ溜まりを捉えなければ予測などできるわけはない。 人工地震という手法が有力だが、人工地震の震源や観測点は100kmぐらいに渡る。こんなことを60万人の人口がある鹿児島市周辺で行うことは事実上不可能。 そこで、鬼界海底カルデラを対象にしてみた。観測船で人工地震を起こしながら、広範囲で地震波を受信することが可能。神戸大学と海洋研究開発機構が、鬼界カルデラ周辺で研究する。 結論 日本列島では、巨大カルデラ噴火(7つ北海道と九州に存在する)は今後100年で1%の確率で発生する。最悪1億人の命が失われるので、予測技術の開発を急ぐ必要がある。 ![]() ![]() |
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