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    アイルランドへドライブ旅行  08.26.2018
       最後の海外ドライブのための予習編

               



 夏休みバージョン、第二弾です。


 8月末から、9月5日まで、アイルランドに出かけます。2014年に始めたEU・ヨーロッパ主要国ドライブの旅でしたが、これまで、チェコ・ポーランド・スロバキア、ルーマニアとブルガリア、クロアチアとボスニア・ヘルツェゴビナとスロベニア、オーストリアとちょっとだけハンガリー、ポルトガルとスペイン、エストニア・ラトビア・リトアニア、と16ヶ国のドライブを実施してきたのですが、2017年2月に前立腺がんであることが判明し、ホルモン治療(3ヶ月に1回の注射と、毎日の飲み薬だけ)を開始したこともあり、昨年の夏は、体調的には全く問題なく実行可能だったのですが、精神的にちょっと引き気味になってしまい、代わりに、クリスマス時にベトナム中部の世界遺産3件を見物しただけで、ヨーロッパ行きはお休みにしました。その後の病状ですが、現在では、がん細胞の活動は、完全停止状態(PSA=0.06)でして、お陰様で、何の影響もなく、何も気にすることもない状態で、快調に生活できています。医療技術と医薬の進化は大したものです。
 という訳で、今年は何かと忙しいのですが、いよいよ、最後の海外ドライブ旅行であるアイルランド編を決行します。なぜ、アイルランドを最後の国として残したのか、と言えば、それは、日本と同じ左側通行の国だから。いかに慣れたとは言え、右側通行のドライブは、結構なストレスだからなのです。
 ちなみに、今回の旅から帰れば、EU加盟国で、行ったことのない国が、マルタとキプロス。この二国には多分行きません。そして、行ったことはあるけれど、自分でドライブをしていない国が、フィンランドとノルウェーです。たまたま、両国とも、ドライブがあまり面白くなさそうな国ですが。
 今回のアイルランド行きには、実は、特定の目的がある訳ではありません。むしろ、最後の残された国だから、といったことが本音レベルの動機です。いくつかの個別の興味はあるのですが、まさに、「どんな国なのか?」、それをしっかりと見てくるつもりです。勿論、イギリス(UK)との関係が、ブレクジットの後、一体どうなるか、これには、ある程度の関心がありますが、UKとアイルランドの二ヶ国の関係については、それほど大きな問題にはならないと踏んでいます。しかし、EUが、UKである北アイルランドとアイルランドの間の国境の管理をしっかりやれと言うと、これは大変なことになるでしょうね。すなわち、一つの大きな関心事が、北アイルランドとアイルランドとの違いであったりするのです。細かいことですが、現時点の北アイルランドでユーロがどのぐらい通用するか、は見てみたいです。わざわざ現金で支払ってみようかと思っています。もちろん、ポンドも持参はしますが。

 以下、準備のために、若干調査したことです。
 まず、アイルランドとは何かから始めますか。


1.歴史

 当たり前のことですが、この地域は、歴史上、イギリスから非常に大きな影響を受けています。そして、アイルランドにはケルト人が住んでいる、とされていますが、そもそもケルト人とは何者なのか。

 ケルト人は、実は、紀元前300年頃、ヨーロッパからやってきたとされています。それ以前の歴史については、ほとんど何も分かっていないということのようです。

 人類の文明は、エジプト、メソポタミア、インダス、黄河をもって四大文明としますが、ブリテン島、アイルランド島は、文明の地からかなり距離があることもあって、相当な田舎だったのでしょう。しかし、宗教の力は強く、5世紀頃からキリスト教の布教が始まっています。

 複雑なのが、やはり、イギリスとの関係。1541年にイングランド王だったヘンリー8世がアイルランド王を自称し、これ以後、イングランドからの入植者がふえたけれど、アイルランド側はこれ認めず、ヘンリー8世と対立。さすが島国。

 この時期は、ヨーロッパは、宗教戦争と侵略戦争の真っ只中だったけれど、1652年のクロムウェルによるアイルランド侵略で、事実上、イギリスの植民地とされました。そして、1800年には、連合法がグレートブリテン議会、および、アイルランド議会で可決されたけれど、実質的には、イギリスによるアイルランドの併合でした。未だお互いに、なんとなく、仲の良くない国であることの理由でしょうね。日本と朝鮮半島との関係とも似ているところがあるのかもれません。研究課題ですね。

 米国との関係では、1840年代後半に、ジャガイモの不作が続き、大飢饉(通称ジャガイモ飢饉)となり、そのため、多くのアイルランド人がアメリカに移住しました。米国人で、アイルランド系の名字の有名人は非常に多いです。

 それ以後、アイルランド独立戦争が続くけれど、1922年にアイルランド自由国が成立し、イギリス自治領となったのですが、このとき、アルスター地方の6州は、北アイルランドとしてイギリスに留まりました。これが北アイルランドの不幸の始まりでもあって、その後、1938年に独立が承認されて、アイルランドはイギリス連邦の一つの共和国となったものの、1949年には、イギリス連邦を離脱して、完全な共和制になった。その後、1998年、ベルファスト合意によって、アイルランドは、北アイルランド6州の領有権を放棄して、現在に至る。こんな感じです。

 このような歴史になってしまった背景には、やはり、宗教があり、具体的には、英国のプロテスタント(正確には、英国国教会)とアイルランドのカトリック教徒の対立があった、ということなのでしょうね。

 歴史的に見ると、経済的な基盤は相当に弱くて、国民の2/3は農業に従事しており、大規模地主による小作農民をつかった植民地型農業が行われていました。そこに、前述のジャガイモ飢饉がおきて、1840年には800万人あった人口が、1911年にはなんと440万人にまで減少し、アイルランド語を話す人口も激減しました。その影響なのか、アイルランドの公用語は英語になってしまったのです。


2.国土と人口、そして、気候

 北アイルランドを加えると、面積は北海道よりもやや広い。北アイルランドを除くと、南北500km、東西300km程度であって、総面積70,270平方キロ。ちなみに、北海道の面積は、83,450平方キロ。アイルランドの国土は平坦で、最高地点でも標高1038mに過ぎない。ちなみに、北海道も、日本としては、平坦だと思うけれど、それでも最高峰は、大雪山旭岳で2291m。

 人口は、477万人。日本の県で近いところは、福岡県の511万人。関東地方で言えば、茨城県の290万人+栃木県の196万人に近い。福岡県の面積は4、987平方キロ。茨城県と栃木県の面積の合計は12,502平方キロなので、後者の面積の6倍もあるアイルランドは、人口密度が相当に低い国ですね。日本は人口密度で世界21位、アイルランドは110位の64人/平方キロ。これまで行ったヨーロッパの国では、107位のブルガリア、119位のリトアニアの間。このクラスの国は、と言えば、まあ「ガラガラな国」で、ドライブをしていても、町と町の間には何もないということです。

 ついでにチェックしてみると、ヨーロッパの国で人口密度がもっとも低い国は、アイスランドで、3.1人/平方キロ。日本は336人/平方キロ。なんと100倍も違います。何回か書いたかも知れませんが、首都レイキャビックから、北の街であるアークレイリまでの約400kmをドライブしたとき、途中に信号が一つも無かったことも、いまさらながら、理解できました。その当時は、人口が30万しかないから当然さ、と単純に思っておりました。

 アイルランドの気候は、温暖なメキシコ湾流と偏西風の影響で、安定した西岸海洋性気候。夏は涼しく、冬は緯度の割には寒くない。平均気温は、もっとも暖かい7月・8月でも、15℃前後。最高気温が30℃を超すことはほとんどありません

 そのためなのか、レンタカーを予約して驚いたのは、なんとエアコンなしの車種が結構多いことでした。今年の夏は、暑い日もありうるのでは、と考えてエアコン付きの車を予約したものの、価格差が結構あったので、果たして、正解だったかどうか。それは旅行が終わって見るまで不明です。加えて、やはり、車はマニュアル車が多い。いや、ほとんどがマニュアル車でした。もちろん、オートマ車を予約しましたが。

 年間降水量は、平野では1000mm程度、山岳地では2000mmとのこと。偏西風がコンスタントに吹いている地域なので、月ごとの降水量はほとんど変わらないようです。

 天気予報によりますと、我々の滞在期間は、ほぼ晴れときどき曇りです。さて、実際にはどうでしょう。日本の4月の服装+多少の防寒用を準備して、出かけます。


3.経済活動

 かつて農業中心であった経済ですが、1995年ごろからEUの統合とアメリカからの投資の増加によって急成長を遂げました。そして、外資企業・多国籍企業の活動によって、GDPは急速に増加しました。1992年のバブル崩壊以後冴えなくなった日本とは対照的。世界の主要都市の物価の比較では、首都ダブリンは、世界で2番目に物価が高い都市とのこと。EUの中でも、一人あたりGDPが高い国として有名。

 米国のCIAによれば、一人あたりのGDP(PPP)は、2017年の推定が$72600で、世界10位。ちなみに、日本は同じ推計では$42700で、世界42位。

 ヨーロッパの国々のうち、GDP(PPP)でアイルランドを上回るのは、リヒテンシュタイン、モナコ、ルクセンブルグ、マン島、の5ヶ国。となると、アイルランドでの物価の高さに驚くことになることが確実だろう、と予想しています。外れると良いのですが。。。。もっとも、GDP73位のギリシャでも物価は高いと感じたので、果たして、どうなのでしょうか。観光地だとそれほど変わらないのかもしれない。だけど。。。。という感じです。


4.交通

 今回、交通はすべて車。道路はどうなっているのか。左側通行であることはすでに述べた通りです。高速道路としては、M1、M2、、、M11に加え、M50といった道路があります。しかし、そのほとんどが首都ダブリンから放射線状に(M50は環状道路)あるだけで、例外は、西部の大都市ゴールウェイ付近だけのようです。しかし、ゴールウェイあたりのM18になると、中央分離帯のない単なる片側2車線の道路のようです。

 ちなみに、アイルランドの速度制限は、
モーターウェイ(M1など)は120km/h
ナショナルルート(N21など)は100km/h
ローカルあるいはリージョナルは80km/h
住宅地は50km/h


 英国ではローカル・リージョナルは70km/h、住宅地は50km/hだったと思うけれど、とても、そんなスピードで走れるような道ではなくても、制限速度はそのまま。このような状況は、英国系の比較的小さな国であるニュージーランドなどでも同じで、日本・米国が代表格であるおせっかいな低速規制の国とは、基本的な考え方が全く違っているものと思われます。要するに、世界には、自己責任の国が英国系国家が速度制限をする国が、日本、米国、アジア諸国。これが過去の経験からの結論ですけれど、アイルランドは、当然といえば当然だけれど、自己責任の国なのです。

 GoogleマップのStreet Viewを使って調べてみると、ナショナルルートは、100km/hの制限速度ではあるけれど、中央分離帯の無い、追い越し禁止だけの2車線道路だったりするので、もしも正面衝突でもしたら、それこそ大変。かなり慎重な運転が必要のように思えます。ローカルあるいはリージョナルルートも、とても80km/hで走れるような道ではないようです。注意注意!

 北アイルランドの速度制限は、全く違います。
モーターウェイが110km/h
オープン・ロードが95km/h
タウン・シティーが45km/h

 さすがに、違う国だな、と思えます。アイルランドに比べると、北アイルランドは、日本・米国的な若干低めの速度規制のように思えるのです。なぜかなと思って英国の速度制限を調べてみると、
片側2車線以上:70mile (112km)
片側1車線:60mile (96km)
街の中:30mile (48km)

 まあ、これをメートル法に直しただけではないか
。そのように思えます。

 実は、道路の命名法も違っていて、アイルランドのM1が国境を超えると、A1になっています。やはり、文化の違いは、相当にあると思わなければならないようです。


5.観光地、世界遺産、古城・教会、国立公園など

◆世界遺産

アイルランドには2つ、北アイルランドに1つ。

アイルランド
 ★ブルー・ナ・ボーニャ - ボイン渓谷の遺跡群
 ★シケリグ・ヴィヒール

北アイルランド
 ★ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸

 これらのうち、シケリグ・ヴィヒールは島なので、船で渡ることになるけれど、実は、船の予約が3ヶ月前でも取れなかったので、諦めました。島の近くまでを往復するという船旅もあるけれど、船酔いが保証されているような小型船による船旅なので、今回、回避することにしました。

 結局、今回訪問する世界遺産は次の2箇所ということになりました。

★1:ブルー・ナ・ボーニャ - ボイン渓谷の遺跡群
  5500年前の墳墓群など。歴史的には、ピラミッドよりも古い。座標 53.694812, -6.446300

★2:ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸
  4万本の六角柱の石柱がならぶ海岸。

◆古城、これはあまりにも多いです

 多くの古城があるけれど、どこが最良なのか、などは分からないまま行きます。

 最低限、ダンルース城(北アイルランド)は見てみるか。廃墟みたいなところだけれど、映画のロケ地によく出てきた場所とのことなので。

 あと、南部のキルケニーという街のお城は見物する予定。

◆教会の有名どころ
 グレンダロッホ(ウィッロウ)これは、歴史的価値があるようだ。
 それに聖アン教会(コーク)ぐらいですか。ダブリン市内は別の話しのようです。

◆高原
 バレン高原 300kmに渡って広がる石灰岩台地。
 そこに巨人のテーブルがあります。これは、紀元前3500年頃に作られたとのこと。こんなものをどうやってこの時代に作ったのだろうか。ピラミッドと同じような工法を使ったのだろうか。

◆自然なら
 キラーニー国立公園が最善のようです。半日の滞在を計画しています。

◆断崖
 最良の断崖は? 多分、モハーの断崖。
 約8kmに渡って、高さ200mのほぼ垂直な断崖絶壁が続く。
 アイルランドの西海岸には、断崖がいくつもあるようで、もっと高い(?)断崖というものもあるようだけれど、やはり、ほぼ垂直であるモハーの断崖が怖そうなので、そこに行くことに。

6.終わりに

 ざっと言って、こんな国のようです。これまでも、実際に言ってみると、全く違った感覚の国であることに気づくことが多くて、それが旅行の楽しみでもあります。

 お土産は、アイリッシュ・ウイスキーでしょうかね。それしか思いつきません。食べ物が美味しいかどうか、それは分かりません。しかし、イギリスよりは、確実にましだと信じています。裏切られないことを。。。。

 ということで、行ってきます。9月1日か2日に、もし可能であれば、アイルランドからなんらかの状況報告の記事をアップしたいと思いますが、本Webサイトに書き込むことは、持参するLet's Noteに色々とソフトをインストールしないと無理なので、Facebookの環境学ガイドのページだけになります。もし、ご興味があれば、FBに登録をして、ご覧いたけますか

 という訳で、次週の「市民のための環境学ガイド:はお休みです。