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 地域における低炭素社会構築の施策    06.28.2009
     



 このところ、地方自治体からの講演依頼が多くなっている。都市あるいは地域が、今後低炭素社会実現のためにどのような施策を行うべきか。その基本計画をどのように書き込むべきか、といった問題意識を持つ自治体が増えているからのように思える。

 都市・地域の持つべき機能は、実際様々である。その中で低炭素社会というキーワードが目標として取り上げられるようになったのは、極めて喜ばしい。しかし、それでは、一体何が施策として可能なのか、ということになると、一つは、当然のことながら排出削減に寄与できる技術的な政策がある。

 具体的にどのような対象がありうるのか、そのリストを作りつつ、検討をしてみたい。


C先生:地域が低炭素社会を目指すことは、今後、日本全体としても、このような行動をいかに推進すべきか大きな課題となるだろう。というのは、国全体での対応を決めるには、意志決定までに時間が掛かりすぎるからだ。むしろ、速やかに決めることができる地域が具体的な取り組みを始めることが効率的だ。

A君:最近、日本は再び太陽電池の普及量で世界一を目指すことにして、様々な補助金を復活。現状、もっとも補助金総額が高いところが、新宿区か、あるいは、渋谷区かもしれない。もし、もっと高額な補助金のエリアがあれば、情報をいただきたい。

B君:国の補助制度である太陽光発電普及拡大センターJ−PECが2009年4月1日(水)〜2010年1月29日(金)で募集中。補助金額は、太陽電池モジュールの公称最大出力1kWあたり7万円。
 加えて東京都から10万円/kW。新宿区だと18万円/kW。合計、35万円/kW。

A君:もちろん、上限があるのですが、3kWぐらいの設置が普通でしょうから、100万円程度の補助金が来る。ざっくり言えば、まあ、半額補助に近いのでは。

B君:渋谷区の補助は、発電量に対する補助なので、これがいくらになるかは、お天気次第。

C先生:低炭素社会を実現する方法論を考えると、実は、かなり単純な構造になっていることがすぐ分かる。
1.自然エネルギー・自然材料の利用
2.高効率化による省エネ・省資源
3.炭素隔離貯留・有効利用
4.原子力

この4種類しかやることは無いのだ。

A君:植林などは無いのか、という疑問もあり得ますが。

B君:例えば、新宿区で植林と言われても、ということになる。しかも、植林がどのように評価されるか、切った木をどうしたか、植林後の手入れをどうするのか、長期間を経過し平衡状態になった極相林では、二酸化炭素の吸収も無いし。

A君:まあ、森林バイオマスを活用するとなったら植林が必須ということをメモしておいて、次に行きましょう。
 先ほどの1〜4それぞれについて、メニューを書き出すことで、可能性が限定されていて、その中から何を選択するか。これが施策になる、というアプローチで行きましょう。

B君:では分類を始めるか。

都市・地域の低炭素化施策の具体的内容

1.自然エネルギー・自然材料の利用
1.1自然エネルギー
(1−1)太陽光発電
(1−2)太陽熱利用
(1−3)風力発電
(1−4)地熱発電/利用
(1−5)小規模水力
(1−6)海洋発電(各種)
(1−7)バイオ燃料(各種)
1.2電力平滑化
(1−8)高性能二次電池
(1−9)水素利用
(1−10)次世代燃料電池利用
1.3自然素材/資源
(1−11)天然木利用
(1−12)天然ゴム利用
(1−13)雨水利用
(1−14)水再利用

2.高効率による省エネ・省資源
2.1発電系
(2−1)コージェネ
(2−2)低質排熱利用
2.2ヒートポンプ系
(2−3)地中熱利用
(2−4)河川熱利用
2.3高効率自動車
(2−5)ハイブリッド車
(2−6)プラグインハイブリッド車
(2−7)電気自動車/カーシェアリング
2.4高効率家電
(2−8)ヒートポンプ系
(2−9)ディスプレイ系
(2−10)照明系
2.5給湯器
(2−11)ヒートポンプ系
(2−12)コージェネ系
(2−13)太陽熱複合系
2.6高度断熱住宅
(2−14)窓の断熱
(2−15)パッシブソーラー
2.7都市交通/ヒートアイランド対策
(2−16)公共交通/モーダルシフト
(2−17)交通制御/制限
(2−18)自転車レーン
2.8その他/ヒートアイランド対策
(2−19)雨水制御/蒸発促進
(2−20)ビルの屋上/壁面対策
(2−21)風の道
2.9廃熱利用/有効利用
(2−22)蓄熱/熱輸送
2.10廃棄物削減/有効活用
(2−23)下水汚泥燃料化
(2−24)紙・廃プラ燃料化
(2−25)廃棄物の土木工事資材化
(2−26)家庭有機廃棄物資源化

3.炭素隔離貯留・有効利用
3−1.本格的隔離貯留=国レベル
3−2.純酸素吹き燃焼炉による分離とCO2有効利用
(3−1)化学品原料
(3−2)ドライアイス用原料

C先生:まあ、かなりカバーしているように思える。となると、これらを適切に組み合わせて、施策を作ることになるが、それはアイディア次第だ。自治体に頑張って貰いたい。

A君:そう突き放してしまうと終わってしまう。若干の例を示すべきだ。われわれの主張を実現してくれる自治体が現れるとうれしい。

B君:それでは順不同だが、なるべく上の方から行くことにするか。
 以下、記述を読む場合でも、この表を印刷して手元に持っていただくのが良さそう。

A君:(1−2)太陽熱利用。これはC先生の自宅にあるガスと太陽熱温水器との組み合わせがほぼ完璧なものだけれど、それ以外の比較的安価なものでも、太陽熱利用は再度考慮するに足る。特に、太平洋側や瀬戸内海地域、あるいは、九州などでは、太陽熱をうまく活用すれば、風呂を沸かすのにエネルギーが必要ない日が、1年の2/3以上になるだろう。

B君:関連して(2−13)太陽熱複合系=東京ガスが太陽熱パネルをマンションのベランダに設置するということを始めた。C先生宅の太陽熱吸収版も冬の太陽の南中高度に合わせてほとんど立てて設置されているので、マンションのベランダに垂直設置でもそれなりの効果はあるものと思われる。

A君:本来屋上に置くべきものではあるのですが、屋上は、太陽電池用に使うのがベストなのでは、と思いますね。太陽熱給湯は、壁面設置。

B君:本来は、エコキュートと組み合わせて使うのが良いに決まっているのだけど、電力会社が余り積極的でない。折角、深夜電力を使ってくれるのに、太陽熱などに移行されてしまったら、深夜電力の需要が無くなってしまうからだろうか。

A君:次は、(1−4)地熱発電。これは、できるだけ地域振興と組み合わせて活用すべき課題だ。昨年2008年の6月に発生した岩手宮城内陸地震の震源付近は、地熱のポテンシャルが大きいところとして知られている。復興と地域振興のために地熱発電ということはあり得ないのだろうか。

B君:次は、(1−5)小規模水力。これは、水利権に関わる規制を弱くして、マイクロ水力ではなくて、1kW以下のナノ水力ぐらいは誰でも使えるようにすることは可能だと思う。水車が観光用に市役所に作られたという都留市の例だってある。

A君:小規模水力は、群馬県がなかなか良いパンフレットを作っていますね。
http://kikaku.pref.gunma.jp/kagaku/files/sinenevisiongaiyou.pdf
 このパンフレットによれば、法律的な縛りは以下の通り。
■電気事業法:発電出力10kW以上の場合には、電気事業法に基づき各種届出等を行う必要があります。
(10kW未満の場合は、各種届出を行う必要はありません)
■河川法:河川水及び農業用水利用の場合には、河川法に基づき水利権を取得する必要があります。
■その他の法令:発電設備設置に伴い関係する法令に基づき許認可を得る必要があります。
■電力会社協議:系統連系の場合には、電力会社との系統連系に関する協議・契約締結を行います。
■漁業権:漁業権が設定されている河川の水を利用する場合は、漁業権者と協議し同意を得ます。


B君:(1−7)バイオ燃料はすでに多数存在している。

A君:むしろ、(1−11)の天然木の高度利用のような地域産業振興を狙う施策が必要のように思いますね。

B君:しかし、市場をどうやって開拓するか。色々と悩ましい問題はありそうだ。

A君:(1−13)雨水利用ですが、これは、これからゲリラ豪雨が増えると考えられているので、路面への浸透を増やすだけでも、都市などではかなりちがう。もちろん、ヒートアイランド対策の(2−19)雨水制御/蒸発促進とも関連がある。

B君:日本の場合、西日本は構造的に水が不足気味。特に、福岡の水源である筑後川は短い。流路延長143.0キロメートル、流域面積約2,860平方キロメートル。九州北部全域に水を供給するには多少流量不足。

A君:延長 322 km 流域面積 16,840 km2 が利根川。延長 138 km 流域面積 1,240 km2 が多摩川。

B君:都市における水の使用量を減らす必要がある。雨水を貯めて中水道用に使うのも、直接省エネとは言えないかもしれないが、今後の気候変動への適応策として考えておいても良い。

A君:(2−1)コージェネですが、これは、やはり家庭用燃料電池。現在の燃料電池は未完成品ですので、今後、さらに完成度の高い製品ができることが望まれますが。

B君:「ガスでお湯を沸かし、電気もついでに作る」、これが残念ながら、現在のコージェネの実態。

A君:お湯の需要というものは実は余り大きくもない。家庭の場合、むしろ、太陽熱を奨めたい。となると、コージェネの対象は、レストランとか、病院とか、ホテルとか、業務で大量のお湯を使うところ。なんといっても総合効率は極めて高いので。

B君:(2−2)低質排熱利用は、200℃以下の排熱をいかに上手に使うか。もっとも大規模なものが原子力発電所の温排水かもしれないが。

A君:このあたりをもっと真剣に考える必要がある。(2−22)蓄熱/熱輸送というものの技術がまだまだ開発可能なように思える。

B君:北海道・東北の暖房を地中熱・河川熱利用の(2−3)ヒートポンプにしたい。これをなんとか実現できないものだろうか。

C先生:高効率自動車については、すでに本HPと日経エコロミーで色々と書いているので、ここではスキップで良いだろう。

A君:高効率家電は、まあ、エコポイントにお任せでも良いかもしれないけど、この機会に、ミニ融資制度などができると地域の省エネ化が進んで良いのではないか。

B君:家電3種以外の話へ。(2−10)照明系だが、このところの話題はLED照明。LEDの優位は、白熱電球に対しては明らかだけれど、蛍光灯に対しては、一長一短。どうしてもLEDの光は、直進性が強すぎる。

A君:白熱電球のスポットライト的な使い方は、蛍光灯ではできなかった。その役割はLEDが果たすのが妥当。しかし、すべての方向に光を出すという能力に関しては、蛍光灯の方が優れている。

B君:となれば、家庭用の照明などは、蛍光灯で十分ということになる。ショウウィンドウなどの照明にはLEDが向いている。

A君:光の特性としては、もう一つ色再現性があるが、蛍光灯も最近のものは三波長だが、LEDは古いものだと二波長ですから、ファッション関係には駄目かも。最低でも三波長にしないと。

B君:家庭でも、夜に絵を描くと、朝見直したときに、「あれ、色が違う」ということがあるのは蛍光灯が三波長のため。

A君:それに、そもそもの効率も、現状だと、蛍光灯を完全に凌駕するというものでもないので、まあ、とりあえずは、スポットライト的使用法と、超長寿命が必要な非常に高い天井に付けるライトなどにはLEDは良い。

B君:交通信号がLEDになった最大の理由は、電球の寿命が短かったことだから。直進性が高いので、見やすいということも重要なのだけど。

A君:交換するのに手数料が掛かるような用途には最適とは言えそうですね。

B君:給湯も、以前は(2−11)エコキュートで決まりだと思っていたが、最近は、(2−13)太陽熱複合系がやはり答えだと思うようになった。

C先生:(2−14)窓の断熱は、やはり極めて重要。先日、北海道の合同庁舎に行ったら、そこの窓ガラスは、複層ガラスのさらに二重サッシだった。合計ガラスが四重。

A君:東京の断熱はいささかお粗末。

C先生:現在住んでいる家は、1990年に設計をしたものだから、複層ガラスにすらなっていない。今年の適当な時期に、塩ビの二重サッシを一部に導入する予定。

A君:ヒートアイランド対策というのは、結構重要。なぜならば、都市の気温があがれば、エアコンによる電力消費も増えるので、ますます暑くなって、さらにいっそう電力消費量が増えてしまう。(2−19)雨水制御の一つとして、雨水をためて、それにエアコンの熱を乗せて下水に流すという方法もあり得るのかもしれない。しかし、副作用も出そう。

B君:透水性舗装は、ヒートアイランド対策に非常に有効。(2−25)廃棄物の土木工事資材化で重要なのが、透水性舗装材料への転換ではないだろうか。現時点では、ガラス瓶が舗装材料にはなっているが。

A君:ヒートアイランド対策としては、特に(2−16)公共交通は重要。本命は、場所によって違う。観光地だったら、(2−7)電気自動車のカーシェアリング。通勤を考えるのなら、路面電車を組み込んだコンパクトシティーを設計し直す必要がある。

B君:欧州に比較してもう一つ決定的に遅れているのが、(2−18)自転車レーンの整備。オランダ、デンマークなどを視察して欲しい。

A君:自転車レーンの設置は、大賛成。しかし、その前に、自転車が車道の右側を走っても何も言われないようなルール無視の社会をなんとかしないと。

B君:それには、やはり警察が意識を変えてもらいたい。

A君:それにしても、歩道を自転車が走るようにしたのは、大きな間違いだったように思える。

B君:デンマーク・オランダの自転車レーンを見れば分かるように、自転車と自転車が正面衝突するようなシーンは、日本では頻発するが、欧州ではあり得ない。

A君:整然と一方向への通行ですからね。

B君:ヒートアイランドと自動車の関係だが、このところのハイブリッド車の進歩を見てみると、(2−6)プラグインハイブリッド車を強制的に導入するだけでも、結構、ヒートアイランドは回避できるかもしれない。

C先生:そのあたりの説明は十分に分かってもらえるのだろうか。電気自動車の最大の美点は、実は、発電が遠隔地で行われていて、そこで排熱の大部分が出ていることなのだ。日本のメディアは、走行時にCO2を出さないから電気自動車は優れているなどと報道しているが、まったく何も分かっていない。どこで排熱を出すか、これが電気自動車とガソリン車の大きな違いなのだ。

A君:この話、大分前に説明したことが無いでしょうか。まあ繰り返しますか。ガソリン自動車を考えると、都内で小型の自動車が10km走るのに1Lのガソリンを使ったとする。都内のような低速の交通だと、走行に使われるエネルギーは、ガソリンを燃やして得た熱量のまあ10%も無い。90%は、排気パイプとラジエーターから出されている。そして、10%のエネルギーは、ブレーキとタイヤから空気と地面に伝わる。いずれにしても、使用したガソリン1L分の熱は、全部外部に伝達される。
 もしもハイブリッド車になって、都内で10km走るのに、0.5Lのガソリンで足りるようになれば、総発熱量が半分になる。
 そして、電気自動車になって、都内で10km走るのに、ガソリン0.3L相当のエネルギーを発電所で消費したとする。発電所からの排熱で0.15〜0.2L分がでるが、それは都市を暖めない。そこから送電される途中で若干エネルギーを失うが、それも都市を加熱することはない。結局、電気自動車だと、0.1L分のガソリンの発熱量に相当する熱を都市にばらまくだけになる。都市が受ける熱量は、ガソリン車の1/10ですむ。

B君:だから、ヒートアイランド対策としては電気自動車に限る。もちろん、プラグインハイブリッド車でも同じこと。

C先生:そんな絵を昔描いたことがあるので、それを次に示す。



図1 ヒートアイランド対策には電気自動車が有効

B君:都市だと、(2−21)風の道を作るといった発想を持つことが重要。東京の湾岸域に高層ビルが建設されて、涼しい海風が都心に入らなくなった。大丸の建て直しプランは、風の道を造るという発想に基づいていた。

A君:皇居から出る冷風というものはなかなか有効みたいですね。新宿御苑もそうらしいですが。

C先生:このところ、多摩市とか町田市に残された自然を探しに出かけることが多いのだが、あのあたりにはまだまだ山が残っている。その冷気をなんとかもっと有効活用するといった都市の設計はできないものだろうか。

A君:土日だけしか知りませんが、それにしても、東京都内よりも東京周辺都市の方が交通渋滞が激しいですよね。

C先生:その通り。3代目プリウスは、いくら渋滞になっても結構頑張る。平均時速が15km/hぐらいに遅くなっても、外気温30℃でエアコンを運転しながらで18km/Lぐらいの値を出す実力がある。しかし、平均時速が25km/hを超すと、25km/Lぐらいが出るようになる。

B君:プリウスは渋滞に強いからまだまし。他の車だったら、平均時速が15km/hまで落ちたら、しかもエアコンを運転していたら、悲惨なものでしょう。同じハイブリッドという名称で呼ばれても、インサイトは同じく悲惨でしょう。エアコンをエンジンで動かしているから。

A君:ということは、平均時速を高めに維持することがもう少々強調されるべきだということになりますね。

C先生:日本の交通政策は、どう見ても「止まっていれば安全」、という考え方だ。自転車の取り扱いもひどい。このあたりの考え方を根本から見直した都市というものを作ることはできないものだろうか。

A君:最高時速を上げないで、車を極力25km/hぐらいの速度で、止めないで流すことができるような(2−17)交通制御技術がもっと開発されないと。信号制御がその根幹かもしれない。

B君:まずは流す制御。それから(2−16)公共交通、特に路面電車をどうするか。多摩市など、モノレールはあるのだが、交通渋滞の低減には貢献しているようにも思えない。そして、その他の提案か。

A君:まずは、(2−16)公共交通なら、都市内に電気バスを走らせるというのでも良いのかもしれません。ただし、それには条件があって、今、バスがどこを走っているかをリアルタイムで、インターネットでチェックできること。GPSあるいはカーナビとの連携技術を使えば、こんなことは簡単にできる。

B君:バスの場合、いつ来るか分からないのが最大の難点なのだから、そこを解消すれば利用者が増える可能性がある。インターネットをチェックしながら、そろそろバス停に行くか、と判断できるようになれば。

A君:後は、自転車のレンタルを増やすこと。あるいは自転車シェアリング? パリの自転車はどうなんでしょうか。

B君:日本だと、坂道が多いので、電動自転車か。あれは、世界的な普及があっても良さそうな製品。

A君:電動自転車のレンタルが増えるのも良いですね。しかし、それには、自転車レーンが欲しい。
 自転車ではなく、観光用電気自動車のレンタカーで提案したことがあるのですよ。市が充電装置付きの電気自動車専用の駐車場をいくつも用意すると同時に、電気自動車だけは、駐車禁止を緩くする。その代わり、高いレンタル料金を課す。そうなれば、市内向けの普通の自動車のレンタルは自然に消滅するのでは。

B君:今のところ、警察からの低炭素社会への関与が弱すぎるのは事実だろう。車を低速の一定速度で流す技術に徹底的に取り組むと同時に、スピード違反には厳しく対処。

A君:今回まだ話題になっていないのが、ロンドンの渋滞チャージ。ロードプライシングの一種。狭い地域ではあるが、結構高い。ハイブリッド車などは無料。

B君:となると、どの車を無料にするかという話になって、混雑した状況での燃費測定をやる必要が出てくる。これが、またまた技術進歩にとって重要なことだったりする。

C先生:とりあえず、あらゆる可能性を候補として取り上げ、市内の交通規制を適正化することによって、どのぐらい低炭素社会に貢献できるか、というデータを作る必要がありそうだ。そんな実験をやってくれる都市は無いものだろうか。横浜市さん、あるいは、多摩市さん、如何ですか?

A君:周辺に森林が大量にある地域であれば、かなり違った発想をもつことも可能。例えば、スウェーデン的な発想、例えば、スウェーデンの都市では、生ゴミを発酵させて、出るメタンガスで都市バスを走らせている(2−26)。

B君:スウェーデンは、(1−7)バイオ燃料だけで、結構行けると思っているようだ。人口が900万人しかいないのに、日本より面積が多少広い。

C先生:デンマークの風力は、例外と考えるべきだろう。日本の風力は、電力事業者の対応が良くないこともあって、一気にしぼんだ感じがある。

A君:日本では、やはり、廃棄物のリサイクルあるいは有効利用。これはすでに十分とも言えるレベルに近いですが。

B君:むしろ、欧州なみに、廃棄物になるような包装材料を減らすといった方向が正解ではないか。

C先生:確かに。やっと日本でも過剰包装が減ってきた。レジ袋削減も実現しつつあって、もう一歩。ただ、レジ袋は全廃ではなくて、有料化でよいというのが、個人的な見解。それだけで、十分に減るだろう。

A君:最後に炭素の隔離貯留の話が若干ありますが、あそこは?

C先生:工業都市では、こんなことも考える価値があるかもしれない、ということ。

B君:水素は自動車用としては無理だが、固定用の用途なら、まだまだ可能性がいくらでもありそうに思える。ただし、現状の燃料電池は、運転温度が低すぎて、色々と問題。特に、触媒を減らすことが難しい。新型の燃料電池を待望したい。

C先生:工業都市で水素のあるところは、水素バスという手もあるかもしれない。表には乗っていないが。
 ということで、それぞれの地域の特性を十分に理解して、低炭素社会構築のために有効な施策を提案していただきたい。