________________


  「もったいない」続編 06.11.2006
     



前回、もっとも「もったいない」という記事を書いたところ、その文章を書いていたときの問題意識とは違うご指摘をかなりいただいた。確かに、各個人が生活態度を多少変えたところで、社会全体の流れが変わらない限り、「もったいない」ことは存在し続ける。そのような問題を指摘すべきだということのようだった。

この手の問題は、余りにも多数有りすぎて、的確に指摘するのは難しい。しかし、何か述べるのが義務だろう。


C先生:個人的な最大の問題意識として、「途上国援助というものはもったいないのか」、ということがある。政治的に未成熟の社会に援助をすると、本当に援助が必要な末端に届く量は10%ぐらいで、残りの90%ぐらいは、どこかで引っかかってしまう。最悪の場合だと、悪徳政治家の懐に入ってしまう。そうでなくても、エアコンの効いた部屋でネクタイをしているいわゆる専門家の人件費になってしまう。

A君:その問題は難しいですね。地域によって状況が違いすぎる。

B君:悪徳政治家の懐に入るのは是非とも防ぎたいが、その国の政府の役人を養うことも、その国の援助としては重要な要素だ。

C先生:ただ、この問題は、ここでは無視する。なぜならば、これは金の無駄か、という話であって、地球資源などの無駄遣いと直接関係する話ではないからだ。

A君:金の無駄遣いを問題にすると、「環境ホルモン」の研究につかった研究費は無駄だとか、色々でてきますからね。

B君:税金の無駄遣いの話は、いくらでもあるが、それもここでは止めたい。

C先生:ということで、地球資源的に「もったいない」という話に限りたい

A君:ということになれば、いよいよ7月1日から欧州で始まるRoHS規制は「もったいない」の典型ではないでしょうか。

B君:それは、本HPで毎回言っている話だ。RoHS規制の話が本日の本題だとは思えないが、日本人の「欧州がお手本」というメンタリティーの貧困さを感じてしまう。

C先生:なぜRoHS規制が「もったいないか」を一言で言えば、「RoHSで一体なにが本当に改善されたのか」だ。どのリスクが少なくなったのか。Ni−Cd電池はそうかもしれない。ただNi−Cd電池には、他の二次電池には無い良い特性もあるが、そのリスクとベネフィットを検討すると、まあ、なんとも言いがたいので、回収を強制することが理論的には一番だが、それが不可能なら禁止にしても良いかもしれない。しかし、スズ−鉛の共晶ハンダというものは、こんな優れた材料は別にない、と言ってもよいぐらいの材料だ。省エネだし、省資源だし、高性能だし。価格もまずまず。
 鉛には毒性はあるが、ハンダに使用される鉛は、歴史的に見ても、一箇所の接合に要するハンダが技術革新で減ったもので、世界の使用量もどんどんと減ってきており、1%以下。
 すでに、四エチル鉛のところで書いたように、EUは、大気中に細かいチリとして放出されてしまう四エチル鉛の禁止をやっとのことで2000年に行った。過去、数100万トンの鉛を大気中に放出してしまったのだ。それで年間3万トン程度の鉛を禁止してどうなるのだ。

A君:無鉛にして、ハンダ付け温度が上がって、エネルギー消費量が増える。不良率が高くなって、生産効率が落ちるので、エネルギー消費量も増える。現在使用している無鉛ハンダは、Sn−Ag−Cu系が主たるものですが、銀のような資源的に貴重なものを単なる接合のために使ってよいのか。最近では、Inのようなさらに希少元素を入れたハンダまで使われるようになっている。鉛の代わりに、ビスマスといった似たような毒性の金属を使っている場合もある。

B君:スズ−鉛のハンダは、ある意味でまさしく、"a gift of heaven"。

C先生:実用材料に使える元素は、80種ぐらいしかない。それを禁止しようというのは、「人類の奢り」だ。先日、ブログの方でも、「天命」というものを考えるべきではないか、というご指摘をいただいた。そう。「天寿」をまっとうするのではなく、「天命」を受け入れるという考え方が、本当の意味での持続可能性のためには重要なのではないか。スズ−鉛ハンダは、そのような「天の配剤」を感じさせる材料の一つ。

A君:日本では、電気機器は回収されるものが多いですから危険物質も適正に処理される場合が多い。しかし、欧州では、昨年の8月からWEEEという枠組みで電気電子機器の回収が動き始めたものの、実際の回収は、あのドイツでも進んでいない

B君:もっと回収をしっかりやって、有害物はヒトの手のなかから出さない、ということが本来の解決法。

C先生:その方がコストが掛かるから、適当なところ捨てたいというのが、世界的にみて産業界の言い分だった。しかし、日本の場合には、家電リサイクル法が動き出してみて、メーカーも考え方が多少かわったのではないか。

A君:今後、欧州のWEEEが完全に機能して回収が行われるようになれば、なぜハンダを無鉛にしなければならかいのか、という疑問が出るはず。

B君:日本は、その意味では、欧州よりも7年間ぐらい進んでいるはず。

C先生:しかし、陰ではかなり文句を言っていたのだが、表立って文句を言わないのが、日本という国の情けないところ。

A君:そんな日本メーカーの悪口を実は言い難いのですが、「RoHSは欧州の規制だから先進的だ」、といった声が、いまだにメーカー側から出ること事態、思考停止をしているとしか思えない。

B君:「日本だけRoHS規制を行わないと、日本にRoHS規制未対応の電気製品がどっと輸入されて、市場を荒らされてしまう」、といった声も日本メーカーから出る。身勝手な主張だ。

C先生:EUがRoHS規制をやるのは、合理性が乏しいので身勝手だと言えるが、有る意味で「EUの勝手」でもある。しかし、その身勝手さに表立って文句も言わず、そこの市場に対して対応するのが必要だから、と言って見事にやってみせるのが日本のメーカー。
 EUも最初は、RoHS規制などができるかどうか分からないと思っていたのだが、なぜか日本メーカーが見事に対応して見せたので、「なんだできるんだ」ということで、EUも自信を深めた。日本が、先頭を切って、欧州RoHSの正当性を世界に示したようなものだ。それで日本企業の利益が得られれば、それはそれで立派な方針だと思うが。
 「欧州とどう付き合うか」というRoHS関連の記事が、日経エコロジーの最新号に出ているので、これは、次回以降の課題にして、先に行こう。

A君:日本国内の話題ですが、ダイオキシン規制が強すぎて、焼却炉の解体を宇宙服並みの装備でやらないと不可能というのは、いかにも「もったいない」。当然、お金が掛かりすぎるので、自治体も解体できないで困っている。

B君:渡辺正先生などは、ダイオキシン特別措置法で、高額な焼却炉に変わったこと自体が大変にもったいない。それどころか、このもったいない装置で儲けた焼却炉製造業はけしからん、と言っている。

C先生:そういう見方もあり得る。しかし、個人的には多少違った考え方だ。焼却炉の解体は、職業的な暴露の可能性があるが、それは作業者との間で合意が可能。一方、焼却炉の高性能化によってダイオキシンの排出は当然下がったが、同時に、ダイオキシンよりもリスクが大きそうな揮発性の有害重金属の排出・有害な有機性物質などの濃度も相当に下がったはずなのだ。だから、清掃工場をもっている自治体にとっては、地元とのコミュニケーションが取りやすくなったという良い副作用もある。

A君:もしそうだとすれば、焼却炉の解体工事ができない規制は「もったいない」。これは残るにしても、ダイオキシン特別措置法そのものは別にもったいない訳でもない。

B君:有害物関係は、主観にもよる。

C先生:以前、この環境規制はもったいないものを生み出すという可能性があるものとして、亜鉛濃度の環境規制の話があったのだが、どうなったろうか。これが本当に規制的に使われると、大体、キレイな水道水を海に放流することも不可能になるものだったので。同種のものとして、ホウ素の規制の話もある。

A君:亜鉛ですが、海域で10〜20μg/Lというものが環境基準で、これを守るために、こんな風になったようです。ちなみに、水道水の基準は、1mg/L。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

中環審、水生生物保全を考慮した排水規制の方向性を答申
 −亜鉛の一律排水基準強化を提言−

 2006年4月28日に開催された中央環境審議会水環境部会で、4月25日専門委員会報告について審議がなされ、「水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について」の報告がまとまった。これを受けて中央環境審議会会長から環境大臣に対して答申がなされた。

○経緯
 2003年9月の中央環境審議会答申を踏まえ、同年11月に環境省告示により水生生物の保全に係る水質環境基準として、全亜鉛の環境基準が新たに設定された。
 その後、2004年8月の水環境部会において「水生生物の保全に係る環境基準に関する施策の重要事項について」が決定された。この中で「全亜鉛に係る環境管理施策については、水質汚濁防止法に基づく排水基準の設
定等の施策を講じることが適当である」こととされ、併せて、検討に際しての考え方や留意点が示された。これを踏まえ、同日、環境省は中央環境審議会に「水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について」諮問を行い、水環境部会に設置された「水生生物保全排水規制等専門委員会」において検討が進められてきた。

○背景
 欧米諸国では、1970年代から水生生物保全の観点から水質目標が設定されていたが、日本の水質目標の設定は従来、人の健康保護や水域の富栄養化防止に重点が置かれ、水生生物保全の観点を中心に据えた水質目標は設定されていなかった。
 このため、中環審は03年9月に、水生生物保全を目的として「全亜鉛」を項目とする水質環境基準設定などについて答申。この答申にもとづき、03年11月に「全亜鉛」が環境基準に設定された。
 今回の答申は、全国的に「全亜鉛」の環境基準超過がみられること、その排出業種が多岐にわたっていることなどから、「水質汚濁防止法」にもとづく亜鉛に関する一律排水基準を、現行の1リットルあたり5ミリグラムから、1リットルあたり2ミリグラムに強化することを提言している。
 ただし、現時点で「1リットルあたり2ミリグラム」という排水基準達成が困難な業種については、経過措置として5年を適用期間とする暫定排水基準値を設定することが示されている。

○答申並びに規制の概要
 新たに水生生物の保全の観点から生活環境項目として設定された全亜鉛の環境基準の
維持・達成を図るため、
 ・その超過が全国的にみられること
 ・汚染の未然防止が必要であること
 ・亜鉛の排出源の業種が多岐にわたっていること等から一律排水基準の強化を行い、その基準値の設定に当たっては、亜鉛の特殊性を勘案したうえで、社会的、経済的、技術的観点等からの適用可能性に十分配慮することが適切であり、併せて補完的に企業の自主的な取組が重要であるとの観点から、以下のとおり、結論を得た。

1.亜鉛の一律排水基準の設定の考え方
  亜鉛を含む排水に関する排水処理の技術水準や排水濃度の実態を踏まえ、一般的に用いられている排水処理技術で現実的に適用可能な濃度水準、諸外国における排水規制の動向、各自治体における上乗せ排水基準の適用状況等を総合的に勘案して設定。

2.新たな一律排水基準値
  2mg/l(現行は5mg/l)。
 なお、この排水基準は、1日当たりの平均的な排出水の量が50m3以上である特定事業場に適用するものとする。

3.暫定排水基準
  亜鉛の特殊性等を勘案し、一部の業種を対象に暫定排水基準を設定する。
  その基準値は現在の規制値である5mg/lとし、その適用期間は5年間とする。
 ◆鉱山関連
  金属鉱業、非鉄金属第1次製錬・精製業、非鉄金属第2次製錬・精製業
 ◆めっき、表面処理関連
  溶融めっき業、電気めっき業、表面処理鋼材製造業、建設用・建築用金属製品製造業  (ただし、表面処理を行うものに限る。)
 ◆無機化学関連
  無機顔料製造業、その他の無機化学工業製品製造業

4.企業の自主的な取組の重視
 排水基準の強化に加え、以下に示す事項を企業が積極的に行うことが有効である。
 [1]現状において比較的低濃度(1mg/l未満)で亜鉛を排出している特定事業場については、その維持に努める。
 [2]現状において比較的高濃度で亜鉛を排出している特定事業場については、排水処理施設の維持管理の徹底に加え、工程全体を考えた管理の徹底に努める。
 [3]その他、企業はより一層自主管理の徹底に努める。

5.今後の対応等
(1)暫定基準に関する今後の対応
 [1]国、地方自治体、産業界が一体となって、亜鉛の除去に主眼をおいた技術的指導等の仕組みづくりについて検討すべきである。
 [2]設備投資等に要する負担や工場等の排水濃度実態、適用可能な排水処理技術の開
  発の動向等を踏まえ、国においては暫定排水基準の検証・見直しに努めることが必要である。

(2)今後の課題
 [1]亜鉛を含む排出源は工場・事業場のみならず多岐にわたっているが、排出源とその寄与率、非特定汚濁源の影響、さらには亜鉛のマテリアルフローについては、十分に解明されたとは言い難いため、引き続き、国、地方自治体、産業界が一体となってそれらの解明に向けた調査検討に努めること。
 [2]今後とも水生生物に対する亜鉛の実環境中での影響に関する把握調査に努め、現在検討が進められているリスク評価等の国内外の研究状況を勘案して調査検討を進める必要があること。
 [3]非特定汚濁源については、亜鉛の用途が多岐にわたっているという特殊性から、その発生源を製品段階から削減すること等は現状では困難であるものの、水生生物の保全に係る亜鉛に対する総合的な対策としては、それらの可能性についても長期的な課題として視野に入れるべきであること。
 [4]国が主体となって技術的、政策的な支援、さらには官民一体となった取組に努めること。特に、金属鉱業等鉱害対策特別措置法に基づく休廃止鉱山の鉱害防止対策については、今後も引き続き計画的な事業の実施等に努めること。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

A君:要するに、これまでの5mg/Lという排水の規制値を2mg/Lにするということです。

B君:水道水を使っている場合には、0.5mg/Lぐらいの濃度がある場合もあるだろうから、マージンは1.5mg/Lということか。かなり厳しい。

C先生:水道水の規制値と同じ値にするようだと、それは問題かもしれない。色々と検討はされているようだが、例えば、家庭では、亜鉛入りのシャンプー、亜鉛入りの日焼け止めなども多用されていることを考えると、産業の規制だけで本当に良いのか、という疑問は無いわけではない。

A君:まあ、厳しすぎて「もったいない」というほどの規制にはならなかったような気がしますね。

B君:話題を変えて、農薬のポジティブリストの話に行くか。

A君:ブログの方で、koumeさんからご指摘いただいた件。風評被害を余りにも懸念するものだから、農作物の廃棄がなされてしまうこと。

B君:それでもまだ分かりにくい。

A君:これまで、農薬の規制は、それぞれの作物について、使ってはいけない農薬を決め、その濃度を定めるという方法論が行われてきた。しかし、それでは、想定外の事態が起きたときに対応しきれないということで、ある作物について、使っても良い農薬の残留濃度を決め、それ以外の農薬については、一律に0.01ppmという許容濃度を決めた。これをポジティブリスト化と言う。しかし、これだと、隣の作物に農薬を散布しているときに、風が多少吹いたというだけで、混入が起きてしまう。多少の混入ぐらいであれば、他の作物では使われていて、残留濃度基準も決まっているのだから、0.01ppmなどという濃度でなくても、毒性上全く問題は無い。しかし、違反は違反。そこで、誰かが風評被害を気にすると、何が起きるか分からない。

B君:スーパーの調達部などが気にして、すべての農産物に基準に違反していないという証明書を付けろなどといえば、全くとんでもなく「もったいない」ことが起きかねない。

A君:農産物だけでなくて、サラダ用の野菜のパッケージにも、証明書を付けろなどという無茶な要請が行ったようですよ。

C先生:もう一つの要素はメディアの対応だ。そのあたりは、松永和紀さんのアグリ話を読んでいただきたい。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji_mtng_itiran.jsp

A君:最後の最後に、厚生労働省から、基準を超した違反食品に対する対処法の通達がでて、これを松永さんが高く評価しているのが、極めて印象的。松永さんの表現を借りると、

「私には、こう読めた。食品の検査や違反摘発、行政処分などの実務を担当する自治体に対して、厚労省が「制度の精神を理解せずに、基準オーバーだからと機械的に制度を運用することは許されないよ」と、自らの姿勢を明確にし、最後に釘を刺したのだと。」

B君:公務員を攻撃するメディアは支持を受けやすい。これも松永さんの記事からだが、今回の農薬のポジティブリストに関して、メディアはきちんとした対応をしたとも言えないようだ。

C先生:この世の中の七不思議の一つ。メディアが義務を果たさないことに対して、メディアが反省をしたことが無い。一般市民が攻撃したこともない。

A君:食品に関連すれば、コンビニなどの期限切れを理由とする大量廃棄は極めて「もったいない」。未開封の食べられる食品の廃棄を禁止してみたらどうなるのだろう。

B君:食品リサイクル法がその役割を多少果たすはずのもの。

A君:しかし、本当に「もったいない」。

B君:消費者側も似たようなものだ。これも本HPでも指摘しているが、「賞味期限」と「消費期限」の違いを理解していないための食品の無用な廃棄はもったいない

C先生:話をがらっと変えて、東京国際フォーラムのようなガラス建造物はエアコン負荷が異常に大きいのでもったいない。建築基準法を改正して、エアコン負荷が一定以上になるような建築物は規制すべきではないだろうか。

A君:建築家がエアコン負荷を重視するようになるには、もう少々時間が掛かるのではないでしょうかね。

B君:バブル時に自治体が作った建物にも、ガラスを多用した建築物が多くて、最近では、その維持費に目を剥いているらしい。

C先生:建築関係と言えば、人も居ないのに動いているエスカレータとかはどうだ。

A君:エスカレータとエレベータとでは、消費エネルギー的にみてエレベータの方がかなり優等生。シンドラーの今回の事件への対処法が優等生かどうか、それは別問題。

B君:しかし、シンドラーが見解として述べていた話、「これまでのエレベータ事故は、設計の問題ではなくて、メンテナンスを含めて、使い方の問題」というのはかなり正しいと思う。

A君:話を戻して、東京メトロの地下鉄ぐらいになれば、常時動いていてもそれほど問題がないぐらいの人が乗っている。しかし、場所によっては、無駄な場合もある。センサーを使用してのON、OFFをすべきでしょう。

C先生:まだまだ考えればあるのだろうが、その他のいただいたご指摘をリストアップしよう。

A君:こんな問題が指摘されていました。
(1)紙の過剰使用
(2)水道水も美味しくのむには処理が必要(3)厚化粧
(4)流しタクシーが8割
(5)残飯
(6)自販機
(7)ダイレクトメール
(8)不要な通勤
(9)エアコン室外機のドレイン水
(10)年末/年度末の道路工事
(11)地デジでテレビがごみに
(12)携帯電話の無用な買い替え
(13)日本の携帯電話の規格
(14)風評被害で廃棄される農作物

B君:(1)紙の過剰使用は、その通り。

C先生:政府系の委員会での紙の使用量が余りにも多い。ほとんどが両面使用になったのは良いのだが、そのコピーの電力だって、バカにならない。環境省が特に多いような気がする。

A君:(2)水道水を飲む場合には、一旦沸かして冷やす。このエネルギーは大きいのか。一般に、日本製のボトルウォータは、高温殺菌されているので、同じ。ボトルウォータの最大の環境負荷は、やはり容器では。

B君:(3)厚化粧は、、、、パス。

C先生:(4)流しタクシーが多いことはその通り。それならどうしたらよいのか、の対策が無い。駐車場を用意できないから、無線だけでタクシーを呼ぶという訳にも行かない。タクシーは不況になってから、過剰になった。東京はまだまし。地方都市は大過剰。根本的解決には、それぞれの企業が雇用確保こそ、社会的責任だという意識を持たなければならない。

A君:(5)残飯は、日本はまだまし。米国がひどい。残す以外に無いほど、出すのが米国でもサービス。これもしかし、どうしようもない。

B君:(6)自販機は、禁止法を出しても良いように思う。余り困らないのでは。

C先生:最近、UNUに置かれていた自販機が新しい機種になた。夜になると、その明るさに驚かされる。目立たないと駄目なのだろう。

A君:(7)ダイレクトメールは、受け取る側の許可が必要という方向に法律を作ることがよいように思える。

B君:(8)不要な通勤は、以前、稲葉敦氏(産総研)がやっていた持続可能な消費プロジェクトを思い出させる。リバウンドというものが起きて自宅勤務は余り環境負荷が小さくない。

C先生:(9)ドレイン水の利用。実際には霧を室外機に吹きかけるという方法が有効らしいことは、この報告書から読み取って貰いたいが、ドレイン水ではなく、水道水を使っている。
http://etv-j.eic.or.jp/pdf/list/h17/02_ep.pdf


A君:(10)年末・年度末の道路工事。「掘って埋める」、また、「掘って埋める」。これが土建国家日本にとって、必要な雇用対策になっている点も否定できないですね。

B君:(11)地デジでブラウン管テレビがゴミ。この件は、産業育成という視点があって、地球は磨り減るが、日本という国の経済力向上ということで、大多数の国民が利益を得ているところでもある。産業育成と環境負荷のどっちを取るか。現状では、産業育成が取られる。

C先生:(12)携帯の機種更新。これも同じで、産業育成を狙っている。日本の携帯は、通話料金が高すぎて、機器代金が安すぎるのは事実。欧米は、機器は機器の代金なので、高い。そのかわり通話料は安い。ただし、これも本当にもったいないか、と言われると、総重量が100g程度の機器だから、そんなに環境負荷が大きいというものでもない。

A君:(13)携帯電話の規格は、ひどい話で、NTTが独自路線をごり押しをしたものだから、日本のPDCという規格のために、世界で唯一孤立している国になってしまった。最近になって、やっとW−CDMAは、世界でも使える規格になったものの、第二世代で世界的に共通なGSMの電波が未だに日本でサービスされない。GSMが無いという点では、韓国の状況も同じ。そんなこともあって、日本の端末の発展も、世界的にみて妙な形になっている。世界は、GSMの電波を使ったスマートフォンのような形式の端末がどんどん進歩している。
 Vodafoneが撤退した後、ソフトバンクがどんな戦略で取り組むかは分からないが、PDCの電波を止めて、その部分はauかDocomoに譲り、その代わりに、3Gの電波とGSMの電波の二本立てにしたら、少なくとも世界からの評価に限れば、「長期的にはDocomoに勝てる」のではないでしょうか。それには、(12)で述べた機器更新が早いことを利用して、これから売る電話機は、すべてGSMが使えるように3G+GSMあるいはPDC+GSMの二本立ての機種のみにする。3年後ぐらいには、Vodafone発売の端末は、すべてGSMを受けることができるようになっている。そこで、GSMのサービスを開始。
 ただ、「日本の携帯電話の規格」がもったいないかと言われると、なんとも。

C先生:今、Vodafoneは、明らかに3Gへの転換を進めているようだ。2種類を除く大部分の端末がW−CDMA+GSMという機種だから、本当にそれを考えているのかもしれない。

A君:(14)の農作物と風評被害はすでに説明済み。

B君:他に何かないのだろうか。

C先生:今後、何かの機会に、ふと気付くということがあるだろうから、今日はこれまで。
 ただ、地球への負荷が高いから「もったいない」という以外にも、環境問題では「もったいない」こともある。例えば、DDTを使用停止したことが、本当に良かったのか(実際には、途上国ではまだ使えることになっている)、という検証は、これから10年間ぐらいで重要な課題になるだろう。
 松永さんの記事を読んでいたら、米国では、環境ホルモン騒ぎの発端を作ったテオ・コルボーンの「奪われし未来」が再検証され、評価が大幅に下がっているという。本HPでは、大分前から同じ事を主張している。
 同時に、日本では、環境の聖書といった扱いのレイチェル・カーソンの「沈黙の春」すら、再評価の対象になっているという。
 本HPの評価は、レイチェル・カーソンは、メディア・産業界の総反発の中で一人で自己主張した点を高く評価すべきだ、というもの。すなわち、レイチェル・カーソンは、テオ・コルボーンのような、センセーショナリズムのメディアの大賛同を得た「不安煽り屋」とは違う。
 いずれにしても、DDTを国際社会が事実上禁止させてしまったために、一時期死者がほとんどゼロになったマラリアが復活して、現在、年間100万人が死亡している。蚊の殺虫剤としては、残留性があるDDTが非常に優れているのだ。この件、他にも、渡辺正先生など、多くの指摘がある。これが、「もったいない」のか、「もったいなくない」のか。

A君:DDTは、赤道近くで撒かれたものが、蒸発・凝集を繰り返して極地に向かい、北極圏の哺乳類に蓄積している。これが禁止の理由。ヒトとしては、イヌイットは被害者だ。

C先生:ただし、マラリアについて言えば、予防薬もあるし、掛かってからでも治療薬もある。それで直る。予防薬・治療薬が経済的な理由で手入できない人々が死ぬ。そのため、そのような国が発展することがまず必要という考え方が、国際社会の基本思想だった。しかし、このところ、アフリカの経済成長は遅れている。

B君:同じように、「焼畑農法」も国際社会によって無条件に悪者になっているが、本HPでも述べているように、必ずしも全部が悪いわけではなく、「収奪的な焼畑農法」が悪い。伝統的に行われてきた「焼畑」は、むしろ合理的かつ持続的。「収奪的な焼畑」は地元民ではなく、むしろ外部からの侵入者によって行われている。

C先生:最後に、今回の「もったいない」をきっかけにして、何が本当に重大な問題なのか、色々と思いを巡らせた。そして、このところ関連している環境プロジェクトの申請書などを読んでみて、感じたことを述べさせて貰う。
 日本の環境関係者、特に、環境教育関係、地域環境NPOなどに共通の問題意識が大問題だ。こんなプロジェクトをやって、それで若者が育ったら、いよいよ視線を内側にしか向けない人間だけが育成されてしまう。もっと、視野を世界に広げないと。しかも、その出発点は、個人の生活であることをもっと認識しないと。
 
環境教育、地域環境NPOに共通の「問題ある問題意識」
(1)自分の消費生活パターンを変えるという視点が無い。
(2)世界のメガトレンドと自分の生活とを繋げてものを見ることが無い。
(2’)関連して、日本国民全体に影響するリスクという考え方が皆無、もしくは、不足。
(3)地元の里山の保全といった無難な課題を優先しすぎる。
(4)一旦、何かが聖書になると、いつまでも聖書である。その批判ができない。里山保全もいまや聖書になりつつある。
(5)経済的・政治的な枠組みと消費生活あるいは環境問題との強い連関を意識しない(わざと?)。