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  新聞にみる身近な環境2008   11.16.2008
   



昨年8月から今年7月までの新聞記事で、身近な環境に関わるものの抜粋。


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今年最大の事件=古紙偽装事件

 2008年の環境問題は、製紙各社の古紙配合率偽装事件で始まったとも言える。発端は、日本製紙製の年賀はがきの古紙配合率が、表示の40%を大幅に下回っていたことが判明したことである。

 その後、ほぼすべての製紙企業が、偽装を行っていたことを発表したが、品質はかえって良かったなどと主張し、顰蹙を買った。

 もともと、古紙の配合率には、定義そのものにも問題があり、しかも、偽装をした場合でも、明確な分析法がある訳ではなかった。そのため、内部告発があっても、対応が不可能だった。

 しかし、昨年後半になって、配合率が大幅に違う場合には、分析が可能になってきたこともあり、製紙業界も、やっと古紙配合偽装を認めた。

 しかし、このような問題を別にしても、工場に十分な再生パルプの製造設備が無い場合にも、古紙配合率を高く表示するなど、まさに、意図的な偽装がまかり通っていた。

 製紙会社の古紙配合率問題には、さまざまな背景がある。ひとつは、良質な古紙が入手しにくくなったことがある。

 中国が古紙の買い付け価格を引き上げて、大量の上質な古紙を買い付けてしまったからである。そのため、ここ3年間程度は、国内回収量の2割に近い、300万トンを超える輸出量があった。新聞古紙も1キロあたり11.5〜12円と高騰した。

 もともと再生紙は、バージンパルプを使った紙よりも価格が高かった。しかも、品質的には、不純物が残るなどの問題点もあった。

 しかし、グリーン購入法が普及し、本来の義務者である国だけでなく、環境優良企業を目指す事業者の多くが再生紙を使い始めたため、製紙メーカーとしては、再生紙を作らざるを得なくなった。

 コピー用紙に古紙配合率100%といった設定をすることには、もともと無理があったと一部の製紙会社は主張するが、この商品は、ある量ならば製造できるとして製紙会社自身が開発したものである。

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アスベスト関係

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アスベスト、11年度に全面禁止

 これまで、例外的に使用が認められてきたアスベストの5製品であるが、11年度をめどに使用を順次禁止することを決めた。代替品開発の見通しがついたことが確認されたためであり、これで、国内でのアスベストの使用は完全に禁止される。

 アスベストは、中皮腫などの特殊ながんの原因になることから、使用や製造は06年9月に原則禁止となった。しかし、化学工業や鉄鋼業などのプラントでパイプ接合部に使われるシール材として使われてきたが、その時点では代替品が無く、全面禁止をすることで、プラントからの漏洩事故の可能性が高くなることから、例外的に使用が認められてきた。

 現在のアスベストの使用量は、02年度比で0.4%以下になっていた。


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ベビーパウダー由来のアスベスト被害

 アスベストを含むベビーパウダーを仕事中に吸い込み、中皮腫で無くなった東京都内の男性(当時36)に対し、足立労働基準監督署が労災認定をしていたことが分かった。ベビーパウダーには、タルクという鉱物が配合されている。タルクとアスベストは、もともと類似性の高い鉱物であるが粒子の形状が違う。タルクは、平板状になるが、アスベストは針状になる。そのため、タルクには、不純物としてのアスベストが含まれるケースが多い。

 男性は72年〜81年、足立区の精密部品会社で腕時計などの部品加工を担当。業務上、ベビーパウダーを使っていた。

 男性は90年に中皮腫を発症、93年に死亡した。遺族は06年、労災の時効後の救済を申請したが認められず、東京労働局に不服を申し立てていた。


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アスベストの大気調査

 環境省がアスベストの飛散状況を監視するために全国で行っている大気調査で、アスベストの一種類である白石綿だけしか調査せず、以前に建物の壁や天井などの吹き付け材に使われていた青石綿や茶石綿などを分析の対象にしていなかった。

 環境省は、調査結果について、「表現が不適切だった」として公表方法を見直す考えである。

 現在、採用されている分析方法は、環境省が作成した「アスベストモニタリングマニュアル」に基づいて行われている。採取した大気中の物質について、フィルターで光の波長を変えて白石綿を見やすくし、顕微鏡で本数を数えていた。

 しかし、この方法では、建物の解体工事に伴って発生することが考えられる青石綿の分析には向いていない。そのため、青石綿は見逃されることが多いことが、環境省の調査に関する検討会で指摘された。

 環境省は、「青石綿、茶石綿などを精度高く分析する方法は確立していない」としながらも、再検討を行う方針である。


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アスベスト被害の2167事業所名発表

 厚生労働省は、2005年、2006年に労災認定などによってアスベストで健康被害が認められた従業員の勤務先として、2167事業所の名称を公表した。同省は、05年に04年度までの認定分として383事業所名を公表しているが、今回は、その5倍以上である。

 同省は、「公表に不満をもつ事業所もあったが、注意喚起の意義の方が大きいと考えた」としている。

 今回公表されたのは、06年度までの2年間に中皮腫や肺がんで労災認定を受けた3282人が務めていた2514事業所のうち、閉鎖などで特定できなかった事業所を除いたものである。

 都道府県別の事業所数では、大阪府が307と多く、東京都278、兵庫県198、神奈川県173と続く。業種別では、建設業が1178と多く、製造業が761、運輸業79など。


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アスベスト被害、造船が突出 

 アスベストによる健康被害を業種別にみると、造船業が突出していることが分かった。

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アスベスト被害、暴露源の特定が困難なケース

 被害救済法の救済対象に認定を受けた被害者の4割が、職場や家庭などどこでアスベストを吸い込んだか特定できないことが環境省による初の全国調査でわかった。

 06年度に認定を受けた労災関係以外の2389人にアンケートをし、2049人から回答を得た。特定できない人の職歴は様々で、教員なども61名いた。

 朝日新聞は、一般の大気からの環境暴露の疑いが強く、「公害」的な側面が多いとしている。一方で、中皮腫は、アスベストの吸入によってのみ発症する訳ではないとの指摘もある。


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阪神大震災でアスベストを吸入

 1995年に起きた阪神淡路大震災で解体作業をしてアスベストを吸ったため中皮腫になったと訴えた兵庫県内に住む30代の男性を、姫路労働基準監督署が労災認定していたことが分かった。

 震災に伴う解体作業で吸い込んだアスベストを原因とみなし、労災認定した事例は全国初である。

 阪神大震災では、住宅25万棟近くが全半壊したが、その当時、アスベストに対する危険性の認識がいまだに十分ではなかったため、アスベストの吸入が原因の中皮腫の発生の可能性は、早くから指摘されていた。

 一般には、中皮腫の発症には20年程度を要するが、この男性の発症はかなり時期的に早い。


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地球温暖化対策技術

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二酸化炭素の地下貯留
(Carbon dioxide Capture and Storage)

 温室効果ガスである二酸化炭素は、排ガス中に含まれるが、それを分離し、地下1000m程度の帯水層に貯留することが検討されている。これはCCSと呼ばれる技術である。

 特に、二酸化炭素を大量に発生する石炭発電では、このような技術を併用することが必須になるのではないか、と考えられており、Jパワーなどが取り組む、石炭ガス化複合発電(IGCC)などに併設する方向で検討されている。

 日本でも、地球環境産業技術研究機構などで研究が行われており、新潟県長岡市では、1万トンを深さ1100mに貯留する実験が行われた。

 何年間ぐらい貯留できるかといった研究も行われ、1000年後にも地中のCO2が一定の範囲に留まることが確認されている。

 仮に東京湾の海底下に年間100万トンのCO2の貯留を続けた場合の周辺への影響なども検討され、100年間程度では、CO2は動かないことが検証されている。

 この方法は、温暖化対策としては極めて有効である。しかし、強い薬に副作用があるように、この方法にも欠点がある。それは、分離・貯留にエネルギーを要することで、以前に行われた実験では、30%余分の化石燃料を消費するとの結果になっている。

 これは、この方法のコストが高いことともほぼ同義であり、回収だけでも1トンのCO2に対して4200円程度であると言われている。


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今年のトピックス カーボンオフセット

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カーボンオフセットの仕組みが急速に普及

 自らが日常生活や旅行などで排出する二酸化炭素を、CO2排出権を購入することによってキャンセルするカーボンオフセットの仕組みが急速に普及を始めている。

 以下、さまざまな仕組みを紹介する。


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買い物でカーボンオフセット

 ローソンは、買い物でたまるポイントを二酸化炭素の排出権と交換する仕組みを始める。カード会員は買い物100円について1ポイントを獲得し、買い物券に交換ができるが、その特典の代わりに、50ポイントを10キログラムのCO2排出量と交換できる。交換が500キロ分に達するごとに、「証明書」を発行し、環境保護への貢献を実感してもらう。


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旅行のCO2発生をオフセット

 飛行機による二酸化炭素の排出量は、実に莫大である。飛行距離を一人で車を運転した場合とほぼ同量の排出量がある。そのため、英国航空やカンタス航空では、飛行機の理由に伴う二酸化炭素の排出量をカーボンオフセットを用いてキャンセルすることができる。

 カンタス航空の英語サイトによれば、成田からシドニーまで飛ぶと、0.884トンの二酸化炭素を排出されるとのこと。このキャンセルのためには、8.4オーストラリアドルを払うことになる。

 日常生活では、2.2トン/人・年程度の二酸化炭素を発生しているが、飛行機の排出量の多さが分かるだろう。

 カーボンオフセットを行うと、その金額は、日本政府への排出枠の寄贈が行われることになっているので、排出権購入のための税金投入が抑えられる効果がある。


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カーボンオフセットには基準・認証が必要

 カーボンオフセットは、性善説に依存する仕組みである。そのため悪意をもった仕組みを作ることによって、支払った金額が何にも使われない可能性がある。すなわち、最悪の場合、詐欺にあう可能性すらある。

 すなわち、仕組みの信頼性、透明性を保証することが必要不可欠である。

 そのため、環境省は、「カーボンオフセットのあり方に関する検討会」を開催し、一定の条件を満足しているかどうか、第三者機関が認定する仕組みを作ることを作るべきことが求められるとの結論になった。


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企業向けカーボンオフセット付きリース

 三菱商事グループやダイキン工業などは、二酸化炭素排出枠を付けた企業向けの商品を販売する。三菱は、営業用車両、ダイキンはエアコンをリースする。

 さまざまなカーボンオフセットを生み出して、環境優良企業を目指す企業ニーズを満たし、売上増を狙う企業が増えている。


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くらしに直結する環境

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レジ袋削減キャンペーンの効果

 消費者によるごみ減量策の一環として、全国の4団体が実施した「レジ袋減らし隊」は、昨年7月から半年間にわたって実施した買い物袋持参キャンペーンの結果、削減したレジ袋は約870万枚に達したと発表した。

 この枚数は、500万個におよぶハンコやサインの数を数えたことからの推定数であるが、ハンコやサインなどを行わない方法による協力企業における削減数を加えると、1億8000万枚の削減に相当するという。

 一方、国内のレジ袋の消費量は、年間300億枚と見られている。


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CO2排出量は、レジ袋何枚分? 

 レジ袋を減らすことで削減できるCO2の推測値は、1キログラムのレジ袋の製造過程と、ごみとして焼却したときに発生するものを合わせて、4.7kgである。1枚10グラムであるとすると、1枚あたり47グラムとなる。

 レジ袋を全廃すれば、日本の排出量の0.2%分が減るとの試算もある。しかし、温暖化を本当に止めるには、レジ袋だけで行動を終わらせてはならない。もしも、1キロ先の店に車で買い物に行けば、往復でレジ袋10枚分のCO2が排出されるからである。

 他の行動も、レジ袋換算で示せば、次のようになる。
 ・シャワーを1分短く:1.3枚
 ・冷房温度を26℃から28℃に:0.5枚(1時間)
 ・冷房を1時間止める:1.4枚
 ・暖房を1時間止める:2.0枚
 ・ブラウン管テレビを1時間止める:0.7枚


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レジ袋有料化の効果

 レジ袋有料化に踏み切った東京都杉並区の東田町バス通り商店会は、27店が参加し、1枚のレジ袋を3〜5円にした。参加店は、店先に代金を入れる瓶を置く。ある程度たまったら、寄付する予定である。

 商店会長は、「なにもカネが欲しい訳ではない。10年後、20年後、孫の世代を考えようということだ」

 開始初日から、「拍子ぬけするくらいに切り替わった」、「有料にしたらマイバック持参率が8割を超えた」。


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使用済み家電、リユースを優先へ

 これまで使用済みの家電は、リサイクルに回されることが原則であった。しかし、小売業者が引き取った家電品について、部品などを取り出してリサイクルするか、あるいは、中古品としてリユースすることも可能である。経済産業省と環境省は、この問題をどのように判断すべきか、その指針作りに着手した。

 2000年に制定された循環型社会形成推進基本法は、リユースをリサイクルよりも優先すべきだと定められているからである。

 これまでは、消費者の意向や小売業者の独自の判断でリユースするかどうかを決めていた。

 2005年の調査では、小売業者が引き取った1720万台のうち、1055万台が廃家電として家電メーカーに渡され、303万台が中古販売業者に引き渡されていた。


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家電リサイクル法見直し案

 経済産業省と環境省が打ち出した家電リサイクル法の見直し案は、当初焦点となっていた「前払い方式」の導入は見送られ、廃家電の行方の透明化などに重点が置かれたものとなった。

 また、対象品目に、薄型テレビ、衣類乾燥機が追加された。さらに、資源価格の高騰に対応し、リサイクル料金の引き下げを求めた。そのために、リサイクル費用の内訳などを定期的に公表することが求められる。

 前払い方式が見送られた背景には、家電量販店などがリサイクル料金を受け取りながら、実際には、メーカーへの渡されず、廃棄物処分業者に渡す事例が相次いで発覚したことがある。

 今後、都市鉱山と呼ばれて注目されているレアメタルを多く含む携帯電話などの回収も必要であると考えられており、対象品目の拡大が引き続いて課題となる。


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商品カタログに、エコ×マーク

 文房具のコクヨは、環境配慮が不十分な商品には、カタログに「×」印を付けることを始めた。文具に関しては、1万1500品目のうち、48%の商品にエコ×マークが付いている。

 一方、オフィス家具は、ほぼ全製品がグリーン購入法に適合済み。そこで、さらに基準を厳格化して、「つくる」、「つかう」「すてる」の3段階のすべて自社基準を満たさなければ、エコ×マークをつけるようにした。そのため、3万4400品目のうち、255が基準を満たさなかった。

 コクヨの狙いは、単に環境配慮型の自社商品を増やすことではなく、自社の環境基準を真に環境に良いものに進化させていくこともある。

 取引先の反応は、コクヨが当初考えていたよりも好意的な意見が多く、環境負荷の小さい素材や生産方式を積極的に売り込んでくるメーカーも増えた。


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環境家計簿でCO2計算

 環境家計簿は、かなり古くからある仕組みであるが、自分で算出する手間を省き、家計簿の普及を後押しするために、自動的に「環境家計簿」をつけてくれる仕組みを実験する。総務省が提案した「ユビキタス特区」の実証実験であり、那覇市において平成20年度末までの予定で、100店舗、3000世帯の参加を目標として実施される。

 電気やガスの使用量のほか、スーパーやガソリンスタンドにカードを読み取れるレジを置き、買い物データをインターネットで自動集計し、CO2排出量を計算する。

 排出量が一定量を下回った人にポイントを与え、買い物などに使える仕組みも設ける。


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家庭でできる温暖化対策

 1990年を基準年とする京都議定書だが、家庭部門からの排出量は、すでに30%の大幅増になっている。

 そこで、日常生活からのCO2排出量を簡単に算出できるインターネットサイトが増えている。岩手県のe−デジシャク、環境省のエコファミリー、省エネルギーセンターの省エネ型製品情報サイトなどである。

 岩手県のサイトは、06年に同県職員が考案した「環境尺」が元になっている。

 また、自治体が温暖化に取り組む事例も増えている。新城市は、環境問題に取り組む市民団体が主催する環境首都コンテストでは、2004年、05年が全国二位。「チーム・マイナス6%しんしろ」も結成されている。

 チームは、温暖化問題の講義を行っているほか、「キャンドルナイト」を開催したり、「エコドライブ」のラリーも行っている。


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ペットボトルのリユースを検討

 ペットボトルのリサイクルは普通に行われるようになったが、循環型基本法は、リサイクルよりもリユースを優先することを求めている。

 また、ドイツでは、ペットボトルのリユースが実際に行われている。

 ライフサイクルアセスメントという方法によって評価すると、リユースの方が環境負荷が低いという検討結果もあり、環境省は、ペットボトルを洗浄して数回使用するリユースの検討会を始めた。

 多くの問題点があるため、当初は、宅配のような業態からはじめられる可能性があるが、一般店舗での実施は、見送られる可能性が高い。


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エコ表示に根拠を

 環境省は、「環境にやさしい」、「エコロジークラス」といったあいまいな表現を根拠無く表示することがないことを求めて、「環境表示ガイドライン」をまとめた。

 環境省によると、企業が独自に商品につけるマーク類も多く、国内だけで数万種にのぼると言われる。基準に基づく第三者審査がなく、自社基準で自由に表示できる。

 そこでガイドラインは、訴えたいことが正確で実証されており、検証できるようにする、漠然とした表現や、対象が特定されない表示は行わない、ライフサイクル全体で評価する、などを求めている。


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「見える化」で変革
カーボンフットプリントを商品に表示

 経済産業省は、一部の食料品や洗剤など、一般的な商品を製造する段階で排出されたCO2量をレベルに表示する「カーボンフットプリント」の指針作りに着手し、2009年春にもまとめる予定。これが実施されれば、消費者は、温暖化防止の視点から商品を選択することができるようになる。

 この試みは、英国で先行しており、スーパー大手のテスコやコカ・コーラなど20社、75品目による実験が進んでいる。

 ただし、問題が無い訳ではない。消費者が選択する商品に代替品がある場合には選択基準として使えるが、そうでない場合には、有効性に疑問がある。どこまで、広く普及するか、それが鍵である。


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無用な食品廃棄

 賞味期限まで2ヵ月以上残っているような食品が、名古屋港内にある食品リサイクル施設「リサイクルなごや」に運び込まれている。

 農林水産省の調査では、2006年度の食品廃棄物の年間発生量は、1135万トンで、44%はメーカーから出たもの。廃棄物の肥料化などは進んでいるが、発生量は、過去5年間、ほとんど変わらない。

 賞味期限が短めに設定される理由には、メーカーがクレームを嫌うことがある。さらに、消費者が賞味期限と消費期限の区別を知らないことなど、多くの問題がある。


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ペットボトルのキャップでワクチンを

 ペットボトルの回収時には、キャップは別に処理するルールを採用している自治体が多い。しかし、良質なプラスチックであり、リサイクルは可能である。

 「キャップの貯金箱」を設置して、売上で途上国にワクチンを贈る試みが各地で行われている。小平市は、市役所内に回収箱を設置した。

 集まったキャップは、1年で130万個、3.2トンになった。


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ペットボトルの国内リサイクル崩壊寸前

 廃ペットボトルが有価で取引されるようになってから、自治体がいわゆる別ルートで、処理業者に売り、そして最終的には中国に輸出される状態が普通になってきた。

 容器包装リサイクル法による収集ルートでも、有価物として取り扱われるようになったが、別ルートの処理事業者は、日本容器包装リサイクル協会の審査を受けフレークの品質を高く保つ必要はないため、買い入れ価格が高い。

 そのため、正規ルートの処理事業者は、適正価格での廃ペットボトルを入手できず、廃業を迫られている。

 リサイクル市場をどこまで通常の市場主義で取り扱うべきなのか、極めて難しい問題である。


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プラ再生はどこまでやるか

 家庭から出る容器包装プラスチックごみは、材料として再利用されるマテリアルリサイクルが優先される仕組みとなっている。

 日本容器包装リサイクル協会がライフサイクルアセスメントと言う方法で分析したところ、材料リサイクルによるリサイクル効果は少なく、むしろ、油化やガス化、あるいは、コークス化などのケミカルリサイクル、固形燃料化の方が効果的であるという結論を出した。

 ただし、環境負荷だけでは、最適のシステムを決めるのは不可能である。なぜならば、市民のメンタリティーなどを考慮する必要があるからである。


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ごみ燃料化 白老方式

 各地のごみ固形燃料(RDF)事業が行き詰る中、新技術に官民が協力し、町内のごみの9割を再利用できる見通しがたった、北海道白老町の方式が注目を集めている。

 人口2万人の白老町からは、年間8000トンの可燃ごみがでる。06年、クボタ環境サービスが持ち込んだ技術が、ゴミの高温高圧による水蒸気分解だった。町は同社と実験を繰り返したが、塩素の発生量が多く、実用的ではないとの結論。

 町内に工場をもつ日本製紙から木くずと原料輸送に使ったプラスチック袋の提供を受け、これらをごみと混ぜることで、塩素濃度が低下し、燃焼効率が向上することが分かった。

 白老町は、隣町の焼却場へ依頼している処理費などに年間3億6千万円を支出しているが、14億円をかけて町営の燃料化施設を建設し、燃料を日本製紙に販売することで、年間5千万円の経費削減効果が出るという。


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ベトナムでもごみ分別

 ハノイ市は、04年に300万人の人口が20年には450万人に増加することが予想され、ごみの収集量は3倍になる見通しである。しかし、唯一の最終処分場が16年には満杯になり、地下水汚染などの危険性が増大する。

 日本の国際協力機構(JICA)の支援で、同市は06年から「3Rプロジェクト」を開始し、ごみの分別や生ごみの堆肥化などに取り組み始めた。

 環境省によると、ベトナムの他、フィリピン、タイなどアジア9カ国で、3Rの支援や政策対話を行っている。同省廃棄物・リサイクル対策部は、「ベトナムの試みをモデルケースとして、アジア全体に3Rを広げたい」としている。


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売れ残り食品で豚肉

 イオンは、スーパーの店舗で売れ残った野菜やパン、総菜などで育てた豚肉の販売を始めると発表した。

 売れ残り食品を回収するのは千葉県の25店舗。専門業者が液状の飼料に加工し、同県内の契約牧場で豚のエサにする。

 豚肉は、千葉、東京など1都4県の55店舗で、通常と同価格で販売する。

 2007年12月の改正食品リサイクル法に基づいた市町村を超えて食品を回収できる「再生利用事業計画」の認定を小売業で初めて受けた。そのため、コストも削減できて、焼却処理の場合と同程度になった。


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一般的な環境問題、汚染問題

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都市の雨水をためる、浸透

 最近、都市部で集中豪雨の被害が多発している。そのため、雨水が流出しにくいまちづくりが重要だと指摘されるようになった。

 東京都墨田区は、雨水利用の先進地とされている。両国国技館は、日本の雨水利用施設のさきがけである。区内には、128施設が雨水利用システムをもち、その総貯水量は1万2千立方メートル。

 雨を地中に浸透させる「雨水浸透ます」の設置を助成する自治体は全国で66ある。

 浸透ますの設置率が高いことで知られるのが、東京都小金井市。最大40万円の助成をしている。設置数は、5万4千基で、住宅やビルなどの50.6%にもなる。

 設置率が30%を超えたころから湧水に変化が表れた。春には枯渇していた湧水が復活した。


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旅行会社が環境対策

 観光客の捨てるごみなどの処理に観光地が頭を悩ませているが、旅行会社が環境対策に乗り出すケースが相次いでいる。

 排せつ物を有機肥料に変える「バイオトイレ」が阪急交通社の寄贈で屋久島に設置されたり、近畿日本ツーリストが千葉・九十九里浜でのごみ拾いを組み込んだ日帰りツアーを実施したりしている。

 JTB関東は、佐渡島でトキのえさ場となるビオトープの整備を行うツアーなどを企画している。

 観光客の環境マインドを高める効果が注目されている。


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残留医薬品 新しい水質問題

 相模川の水から抗生物質のオキシテトラサイクリンが検出された。約1キロの区間で、数百メートル上流にある養豚場からの流出が疑われた。

 大都市を流れる河川からは、多いところで10種類以上の医薬品が残留していることが分かった。

 医薬品は、人体への安全性は評価されているため、急性毒性は心配ないが、当然生体活性がある物質であり、河川水への残留は望ましくない。しかし他の化学物質や農薬と違って、環境への影響評価は義務化されていない。

 どの程度の他の生物への影響があるかを評価することと、もしも影響があるのなら、残留医薬品を分解、浄化する方法の開発が必要である。


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PM2.5 新しい微粒子公害

 肺がんや循環器系の疾患を引き起こすとされている大気中の微粒子状物質「PM2.5」が注目されている。

 2.5とは大きさを示す数字で、2.5マイクロメートル以下の粒子を言う。車の排ガス、工場からの煙、火山灰、黄砂などに含まれている。

 PM2.5はまだまだ人体影響を含めて分からないことばかりだが、越境汚染の問題や、日本でもクリーンディーゼル車の普及が予想されることなどもあり、注目すべき課題である。

 米国は97年に、世界保健機関(WHO)も06年に指針を示したが、日本にはまだ指針が存在しない。


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海洋関係
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漂着ゴミ

 日本海に面した海岸には、錆びた冷蔵庫、黒いテレビ、緑の魚網、オレンジの浮き、茶色の飲料びんなどの無数のカラフルな漂着ごみに覆われている。沖縄県から北海道まで、日本海沿岸19道府件に漂着したハングルなどが書かれたポリ容器の数は、なんと約4万件である。

 庄内海岸は、漂着ごみの集積密度が日本一高いとされているが、昨年10〜11月に二度にわたってごみ回収をおこなったが、425人が協力し、231トンを集めた。

 拠点づくりは進むものの、問題は予算不足である。

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サンゴの危機どこまで

 サンゴは、海水温の上昇にかなり敏感で、地球温暖化がどのぐらい進行しているか、ひとつの目安になる。

 このところ、日本周辺の海水温は上昇気味で、国内最大規模のサンゴ礁である石西礁湖でも、夏には白化現象が目立つようになった。


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深海魚をむしばむプラごみ

 東海大学海洋科学博物館では、深海魚であるミズウオの解剖を通じて、環境教育に取り組んでいる。

 ミズウオは、浜辺に打ち上がったものを博物館が冷凍保存したもの。ミズウオは深さ100〜1000mで暮らしている深海魚であるが、なんでも丸のみをする習性がある。

 01〜05年に解剖した61匹のうち、46匹がプラスチック片を食べていた。回収されたプラスチック片は、1匹平均で4.6個にものぼった。30年前には同2.3個だったので、倍増している。