| | PRTR大賞 02.06.2005 |
|
| 1月31日、PRTR大賞なるものの授与式が行われた。その審査結果は、次の通り。 〔PRTR大賞〕 コニカミノルタホールディングス株式会社 〔PRTR優秀賞〕 帝人株式会社(審査員特別賞)、キヤノン株式会社、ダイハツ工業株式会社、トヨタ自動車株式会社、富士写真フイルム株式会社 足柄工場 〔PRTR奨励賞〕 出光興産株式会社、イビデン株式会社、王子製紙株式会社、大王製紙株式会社、東洋紡績株式会社、日本発条株式会社、富士通株式会社 そもそもこの賞であるが、社団法人環境情報科学センターが独自に提供しているものである。 C先生:PRTRが何か、さすがに説明は不必要だとは思うが、Pollutant Release and Transfer Registerの略で、対象物質をある事業所からどのぐらい排出されているか、あるいは、廃棄物になっているか、といった数値を自主的に報告する仕組み。 A君:すでに、2回の公表が行われれ、どうも、公表しなければならないとなると、自主的に削減の意向が強くなって、結果的に環境負荷の削減が実現される。 B君:多少嫌なのが、風評被害的な取り扱いをされること。PRTR対象物質に入っているから、という理由だけで、代替物質に切り替えるという動きがあるが、それは全体のリスクが見えにくくなる。 C先生:いずれにしても、PRTR制度なるものが始まってから、化学物質を取り扱っている事業所では、大変な作業が必要になった。担当者の苦労が想像できる。社内の協力も簡単には得られなかったはず。 A君:あまり報われない担当者と、同様の作業をしている担当者間の情報交換を推進するのが、今回のPRTR大賞が創設された動機のようなもの。 C先生:今後の環境は、褒めることで実現するという大々的な方針に沿ったものでもある。 A君:評価の視点あたりから説明しますか。 評価の視点: ソフト面での仕組みと活動: ・化学物質管理体制の組織化
〔化学物質管理に関する評価項目〕 〔リスクコミュニケーションに関する評価項目〕
C先生:二回目は、多少違った審査の視点を持ち込むことになるだろうが。 A君:それでは、PRTR大賞を受けたコニカミノルタのどこが評価されたか、という話に移りましょうか。 B君:まず、多くの先進的な企業は、基本的なポリシーがしっかりしていること。現状の把握に優れていること、といった共通的な特徴がある。コニカミノルタでは、「化学物質総合安全管理計画(マスタープラン)」などという基本ポリシーが出来ている。これによって、すでに、2003年にはベンゼンの全廃、ホルマリンの2004年全廃、RoHS対象重金属(Pb、Cr(Y)、Cd、Hg)の2005年全廃、クロロホルム2010年度全廃、1、2−ジクロロメタン2010年度全廃、といった方針が出来ている。 A君:全廃以外でも、使用量の削減などの目標がしっかりと設定されている。現時点で、リスクが高いと判断し、メインターゲットにしているのが、ジクロロメタン、メタノール、酢酸エチル、DMFであるとのこと。 B君:これらに取り組んだ結果として、PRTR対象物質の大気排出量は、1999年度328トンから2001年度は54%削減の150トンとなっている。 A君:2002年度には大きな施策がなくて停滞したが、2003年度は、旧型生産設備の廃止、ジクロロメタン濃縮回収設備導入などにより、78トンまで削減が進んだ。 C先生:このコニカミノルタの面白いところは、対策が停滞したといったことまで、割合と明け透けに述べてしまうこと。 A君:それが、次のコミュニケーションに良好な成果が得られている理由ではないでしょうか。 B君:地域とのコミュニケーションは、2002年9月に東京サイトで初回の会合が開催され、それをきっかけに小田原サイトなどでも開催、6回という他の事業所や企業に比較して、圧倒的多数の回数をこなしている。 A君:統一ポリシーとして、以下のようなことを決定しているようです。 統一ポリシー(コニカミノルタ)。 C先生:このコニカミノルタのコミュニケーションの最大の特徴は、地域住民だけではなくて、それこそ、誰でも参加ができること。他の企業の人でもよければ、メディアもOK。しかも、当日、急に参加するのもOK。この明け透けさが、どうもPRTR大賞獲得の最大の要因だったのではないか。 A君:なかなか度胸が必要なんですがね。 B君:最初は恐々やっていたというのも事実のようだ。 A君:しかし、2004年のコミュニケーションでは、参加者から積極的な議論の声が無くなってしまって、何か、先細り感があるとのこと。 B君:マンネリ化したということでもあるのだが、マンネリ化というものが、重要な一つのステップであることは間違いのないところ。 A君:マンネリ化できれば、偉大だとも言えるのでしょう。 B君:次に、PRTR優秀賞(審査員特別賞)の帝人。 A君:帝人は、繊維がいまだに58%という企業。化学系の企業には、化学物質の製造側の企業とユーザ側の企業があるのですが、繊維というのは、どちらかというと、ユーザ的な色彩が強いといえるのでしょうか。 B君:帝人は、ESH(環境、安全、健康)対応を謳い文句にしていて、ESHの中期計画も策定されている。 A君:排出量削減にも当然のことながら努力されていて、1998年には、76種類の物質について、183万トン、排出量が7980トンであったものが、2003年には、235万トンに増加したのに、排出量が3320トンまで低下。割合で言えば、0.4%が排出されていたのが、0.14%まで低下。内訳が、大気92%、排水8%。 B君:地域リスクコミュニケーション活動も行われていて、 A君:回数もかなりやっていまして、2003年2月に開始されたにもかかわらず、2004年末までに、合計9回を数えています。 B君:やはり回数がかなりないと、高い評価は得られないということかも。 C先生:コニカミノルタに比較して、特に差があったという訳ではないのだが、強いて言えば、地域住民からの参加者が限定的だったのか、という印象。それに比べて、コニカミノルタは、誰でも、当日にでも参加可能という公開性に一日の長あり。もっとも、コニカは東京周辺で、帝人の地域は、島根、徳山、三島、三原、松山といった地域であることも不利に作用したのかもしれない。 A君:他のPRTR優秀賞の企業としては、キャノン。ここは、Chemical substances Integrated Management Systemといった全社で使用されるデータベースの機能と、化学物質の環境中への排出移動量管理機能を一体化させた統合管理システムが2001年に開発され、2002年から運用されていること。コミュニケーションなどは、今後の課題。 B君:ダイハツ工業は、むしろ、竜王町でのコミュニケーションに特徴がある。環境パトロールでの合同現地現物確認を中心にした環境コミュニケーションを継続・改善してきた。努力賞もの。 A君:トヨタ自動車は、実に膨大な管理を行っている。エコ・リサーチといった別会社まで設立している。どちらかと言えば、コミュニケーションが今後の課題か。トヨタの地元はほとんどが従業員だったりするだろうから、そこでどうやってコミュニケーションを取るのか、これが問題かもしれない。 B君:最後に富士フイルムの足柄工場。他の優秀賞がすべて企業全体としての申請であったが、この足柄工場は、一事業所としての応募。レンズ付きフィルムのリサイクルで有名なところ。 A君:昔は、周辺に何も無かったところらしいが、いまや、工場の周辺には、民家がぎっしり。コミュニケーションも、北野大氏をコーディネータにして実施しているなど、なかなかがんばっている印象。 C先生:事業所だけに比較的簡単にやっているかと思うと、これがとんでもない多方面にわたった活動をしていることに驚かせられる。 A君:奨励賞の方は、コメントなしということで。 B君:大賞を獲得したコニカミノルタは、向こう当分、免疫が効くが、他の企業に関しては、再応募を可能にする方針。 C先生:そう。ただし、昨年よりも進展が見られない場合には、評価対象にもしない予定。進展していれば連続受賞も有り得て、優秀賞(改善賞)といったような形になるのではないか、と思われる。 A君:まだまだ完成形という訳ではないので、今後、多くの企業からの応募があることが望まれますね。 C先生:担当者の横の連絡ができるようになって、化学物質管理が進展すれば、非常に良いと思われる。 |
| | |