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  震災復興に向けた各団体の提言    04.03.2011 

     



 バーチャル後藤新平の具体的検討がなかなか具体化できないので、他の団体の状況を把握してみた。

 いくつかの団体などが、震災復興に向けた提言を出し始めている。どのような主張がなされているのか、それをまとめてみたい。


A.政党関係



民主党岡田幹事長   3月24日

震災復興 新しい日本につながるビジョンに

 岡田克也民主党幹事長は24日夕からの記者会見で東北地方太平洋沖地震による復興について「単なる復興・復旧でなく、新しい東北、新しい日本につながるビジョンをつくる必要がある」と語り、きちんとした体制を敷いたうえで、ビジョンづくりに取り組む考えを示した。

 また、復興庁については「名前が先走りしている」との認識を示し、「中身を冷静に議論すべき」とした。


感想:「単なる復興・復旧ではなく、新しい東北、新しい日本につながるビジョンを作る」。これには同意。しかし、それをどうやってやるのか。具体性がまだ無い。




自由民主党  支援に関する記述は多いが、復興に関する記述は見つからず。



公明党 支援に関する記述は多いが、復興のビジョンに関する記述は見つからず。



日本共産党 救援・復興に全力を! とあるが、具体的な復興ビジョンに関する記述は見つからない。



みんなの党   3月25日
http://www.your-party.jp/file/fukkou-110325r.pdf
 大復興アジェンダ 〜東日本復興院構想〜
はじめに
みんなの党は、関東大震災後に、後藤新平をトップとして、未来を先取りした世界最大の復興を目指し、人々を勇気づける壮大な復興機関であった「復興院」の故事に倣い、「東日本復興院」を創設し、東日本を大復興させる大覚悟を示します。

その基本哲学は、
(1)旧に復す「復旧」だけでなく、未来を先取りして新たにまちを起こす「大復興」
(2)行政の縦割りを排除して、復興に関わる一切の権限を集約し、日本の英知を結集
(3)与野党の垣根を超えた復興のための与野党党首、地方自治体の長の声を反映させる仕組み、民間・ボランティア・NPO・NGOの大活用。

1.東日本復興院創設 詳細省略し、要点のみ
(1)かつての「帝都復興院」に相当する強力な実働部隊  
(2)政治主導で迅速な政策決定を行う”意思決定機関”として、内閣総理大臣を長とする「東日本復興対策本部」を設置し、グランドデザインを作る。
(3)霞ヶ関主導でなく、現場主導、地域主導の復興事業のため、独立の会計とする。数10兆円規模の「東日本震災復興国債」の発行。
(4)地域主導型道州制を先取りした「東北州」大復興の実現
(5)東日本の復興のために、国会の福島県内への移転開会

2.被災地普及対策 全面的に省略

3.電力関係復旧対策 大部分省略
(1)〜(3)省略
(4)電力供給不足(特に夏場に向けて)
火力発電所新設などの可能性を含め検討
関西などの周波数の違うエリアからの電力供給の実現に向けた対応

4,復興対策
 過去の失敗(多すぎる港湾・空港、限界集落など)を踏まえ、新たな東日本を作りなおす「東日本復興総合計画」を早期策定し、以下のように対応
(1)「東北州」道州制
(2)国土利用計画の再設計、インフラ再建
(3)産業の復興
(4)農林水産業の復興
(5)観光の復興
(6)エネルギー供給体制の再構築
  被災した沿岸地域一帯は買い上げて、風力発電の集中立地など
(7)重要施設・機能の東北移転
(8)その他 危機管理体制の強化


感想:もっとも先を観ていることは認める。しかし、「国会の福島県内への移転開会」、「被災地域に風力」などを除くと、かなりの部分が具体策に乏しく、復旧的な記述が多い。



B.経済団体、労働組合



日本経済団体連合会 3月31日付

*「スピード感をもって、被災者支援、被災地復興、原子力問題の早期収束、日本経済の立て直しに国を挙げて取り組むこと」

*「政治の強いリーダーシップが不可欠」

*「強力な指揮命令権をもつ司令塔を確立し、被災地の人々の声を十分に反映した形での、早期復興と新しい日本の創造に向けた『基本法』、『基本計画』の策定等を急ぐべきである」

       記

1.早期復興に向けた強力な体制整備
(1)政府における強力な指揮命令権をもった司令塔の確立
(2)「基本法」(東北地方太平洋沖地震災害復興に関する基本法)の早期制定
(3)国の施策の現地における一元的実施及び国と地方公共団体との連携強化
「震災復興庁(仮称)」の設置、道州制の導入も視野に入れた自治体間協議(県間および基礎自治体レベル)の促進、など

2.新しい地域と街づくり
(1)各種基本計画(広域復興基本計画、広域インフラ整備計画等)の策定・実施
(2)都市復興の円滑化
復興都市計画の速やかな決定と実施、私権制限によるがれきの除去・建築制限、災害廃棄物の円滑な処理、住宅再建の迅速化、地場産業の復興、各種施策の推進に必要な税・財政・金融上等の支援措置、復興特区やPFI手法の大胆な活用、など
(3)都市の安全・安心の確保
防災・減災に関する技術の利用促進、など

3.産業復興
(1)広域産業復興計画(含 農林水畜産業)の立案と実施
(2)放射能風評被害防止への迅速な対応(含 適切かつ迅速な情報公開、外国政府・国際機関への働きかけ)
(3)事業活動の維持・復旧
建築物再建の迅速化、被災事業者に対する支援(農林水畜産業者、建設業、中小企業等)、復旧・復興のための諸規制・許認可手続きの緩和、など
(4)被災者・被災企業支援等のための税制措置
個人・法人の申告・納付期限に係る柔軟な対応(指定範囲拡大、期限延長)・被災代替資産の取得に係る特例・新規投資促進等、個人の平成22年分の所得に対する雑損控除の適用、法人の震災損失の繰戻還付、など
(5)金融面での対応
日本銀行による強力な金融緩和の継続、被災地を中心とする中小企業に対する資金繰り対策、政府系金融機関による緊急融資枠の拡大、など
(6)会社法制等における対応(含 23年3月以降の決算会社)
有価証券報告書等の提出、決算発表の時期や監査上の取扱い、株主総会の開催時期・開催手続・議事運営等に関する柔軟な対応の認容、など

4.被災地を中心とする雇用の維持・確保
(1)地元雇用を創出する新たな復興事業の早期実施
(2)企業の雇用維持努力に対する支援
被災事業主を対象とした雇用調整助成金等の拡充、など
(3)失業者の生活安定の確保と早期の再就職支援
被災者への雇用保険給付等の拡充と求職活動期間中の住居の確保、被災地における労働相談窓口の利便性の向上(ワンストップサービス)、など
(4)雇用機会の提供
被災者を雇入れる(含 新卒者)企業に対する支援、復興のための公共事業実施時に被災者の優先的雇用を促す取組み、など
(5)円滑な労働保険給付等の対応
申請手続きの簡素化・給付の迅速化、被災地域の事業主に対する労働保険料の減免措置、など

5.復興財源確保と財政健全化の両立
(1)復興対策に必要な予算措置等の早期策定(含 補正予算)
(2)中長期的な財政健全化方針の堅持と復興のためのコスト負担に係る国民的合意形成
(3)復興財源のあり方の検討
予備費の活用、2011年度予算の組み替えによる財源の捻出、それでもなお不足する財源については臨時の国債発行や時限的な増税を検討、など
※なお、関東・東北地域を中心とする当面の電力需給対策等として、別紙の取り組みが求められる。

                                以上

別紙 電力・エネルギー対策

T.当面の電力供給対策等
(1)電力供給力の拡充
1.既存発電設備の最大限の活用
・停止中の発電所等の復旧・定期検査からの立ち上げの円滑化、火力発電所の稼働率向上や自家発電設備の柔軟な活用等に必要な環境・保安規制の一時的緩和、水力発電に係る取水制限の一時的緩和、など
2.新規設備の導入促進
・新規発電機材の導入・自家発電設備の新設の促進、新規電源(火力・水力、自家発電等)の設置に伴う許認可の緩和、環境アセスメントの簡素化と環境規制の一時的緩和、など
3.燃料調達の円滑化
・LPGや石油製品備蓄義務の弾力化、発電用燃料への課税減免、など
(2)節電・需要平準化対策
1.産業・業務対策
・省エネ設備の普及促進支援、フレックスタイム制をはじめ労働時間管理制度の弾力的運用、自家発電を持たない病院や在宅医療者への自家発電機材・バッテリーの導入支援、など
2.家庭対策
・節電や省エネ機器の普及に対するインセンティブの付与、テレビによる電力需給状況のリアルタイム通知、など
3.公的部門における節電
(3)その他
1.不急の送電線移設工事の繰り延べ
2.再生可能エネルギーの全量買取制度、地球温暖化対策税の導入先送り、など

U.抜本的対策の検討
1.原子力発電事故の徹底した原因究明と再発防止
2.エネルギー・気候変動政策の国民的な議論の実施
3.サマータイム制度やより大胆なタイムシフトの導入検討
4.今後のライフスタイルのあり方に関する国民的議論喚起
V.「電力対策自主行動計画(仮称)」の策定・実行
・産業・業務・運輸各部門の操業・営業時間の抑制・分散化、操業・営業日の分散化、圏外への一時的な生産シフト・分散化、東京に立地する事業所の夏季計画休暇制度(例えば連続2週間または週休3日等)の導入や夏季休暇の分散化、自家発電設備の活用、など
                                      以上


感想:規制の強化などを実効性高く行うための指揮命令権をもった司令塔に重点がある。 しかし、どのようなイメージをもった街を復興するかといった提案は乏しい。
 私権制限による建築制限を謳っているが、具体的な街復興の具体的なイメージを誰が作るのか。誰も作れなければ、このままでは、雑然たる戦後の街ができてしまう可能性が高い。
 それ以外の対策も、比較的短期的な視点からの指摘が多い。もちろん、それらが必要であるということは当然としても、より長期的なビジョンが必要なのではないだろうか。

 再生可能エネルギーの全量買取制度の見送りは、電力維持に対しては、むしろ逆効果だと思われる。東電の財務状況を考えての提言のように読める。




公益社団法人 経済同友会 3月25日

経済同友会 震災復興プロジェクトチームの設立について

(公社)経済同友会(代表幹事:桜井正光)では、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震を受け、被災者および被災地に対する復興支援策の検討と実践、および今後の震災を想定した首都機能維持と危機管理のあり方を検討するべく、「震災復興プロジェクト・チーム」(委員長:木村惠司 三菱地所 取締役社長)を設立しました。今後、十数名の委員による検討を早急に開始します。

「震災復興プロジェクト・チーム」の概要

委員長 木村 惠司(三菱地所 取締役社長)
活動内容
東北地方太平洋沖地震の被災者および被災地に対する復興支援策の検討
今後の震災を想定した首都機能維持と危機管理のあり方の検討

                         以上


感想:どのぐらいの頻度で検討を進めるのか。どこまで具体的な長期ビジョンが出る可能性があるのか。多くの点がまだ見えない。



日本労働組合総連合会 3月28日

東北地方太平洋沖地震への緊急対策(雇用・労働関係)についての要請を実施
            

 連合本部は、3月25日午後5時、厚生労働省において、細川厚生労働大臣及び小林厚生労働大臣政務官に、東北地方太平洋沖地震への緊急対策についての要請を行った。
 冒頭、團野副事務局長は「現下の緊急対応は当然のことながら、被災者が希望を持てる将来ビジョンを示してもらいたい」と要望し、新谷総合労働局長より各要請項目について説明した。
 細川厚生労働大臣と小林政務官からは、「さまざまな観点からの要請を感謝する」、「省内で真摯に検討させていただき、後日項目ごとの対応状況を回答させていただく。引き続き連合と綿密な意見交換をし、協力していきたい」との発言があった。

<要請のポイント>
○避難所等において、求職支援、雇用保険・労災保険の手続き相談、労働相談(賃金・解雇)、メンタルヘルス相談等をワンストップで実施するための体制強化
○雇用保険の失業給付特例措置の周知徹底と必要な見直しの検討
○雇用調整助成金の特例措置の周知徹底と更なる要件緩和・水準引き上げ
○被災地の復興に向け、地域の雇用を創造する戦略的な産業構築への支援
○「求職者支援法案」の早期成立と、被災地域における職業能力開発訓練のための公的な拠点の設置

感想:雇用対策と、今回省略したが、中小企業対策の要請に限られているようだ。



C.自治体



岩手県 達増知事

水産業の復興に全力 達増知事インタビュー         4月1日

 達増知事は31日、岩手日報社のインタビューに対し、東日本大震災で甚大な被害を受けた沿岸地域について「水産業の復興に力を入れ、三陸の海を守らなくてはならない」と強調し、漁船や漁具を国が買い上げて漁業者にリースする仕組みづくりに向けて国と協議していることを明らかにした。三陸縦貫道や東北横断道を「復興道路」と位置付け、前倒しで完成を目指す意向も表明。今月から復興計画の策定を始め「3〜5年で新しい岩手をつくるイメージだ」との見通しを示した。

 津波による漁船の流失などにより漁業の再開が難しいケースが出ていることについて、「漁船、漁具は失ったが意欲と技術を持った漁業者がいる。国の負担で漁協から無償でリースできる仕組みを求めている」と語った。

 また、今回の震災で、部分開通している三陸縦貫道が物資輸送などで大きな力を発揮したことに触れ、「三陸縦貫道や東北横断道を被災者支援の『復興道路』と位置付け、早期の全線開通を進めたい」と強調。

 計画の前倒しを国に求める考えも明らかにした。

 一方、復興に向けては「一人一人の幸福追求、犠牲者の故郷への思いの継承という点からコミュニティーの維持が重要」と指摘。▽市町村の行政機能▽インフラ▽水産業▽学校・教育▽医療・福祉▽産業・金融・科学技術▽観光−の七つの柱を掲げて取り組む方針を示した。

 特に住居については、集落の高台移転や津波に強い「防浪ビル(住宅)」の建設を進めるほか、「国の雇用促進住宅のような『復興促進住宅』の考えもある」と被災地での住宅再建を行う考えだ。

 今月から始まる復興計画の策定作業では「幅広く各界から提言を受けたい」と、第三者による「復興計画調査委員会」(仮称)を立ち上げる考えも表明。

 学識経験者や経済、文化など各界の代表者で構成する同委員会の提言を受け、2011年度前半に復興計画の中間報告をまとめる方針だ。


感想:まだまだ目の前の事態への対応に追われているはずであるが、その中で、復興のビジョンを出しているところが高く評価できるのではないか。



関西広域連合
  連合長 兵庫県知事 井 戸 敏 三
  副連合長 和歌山県知事 仁 坂 吉 伸
  委員 滋賀県知事 嘉田 由紀子
  委員 京都府知事 山 田 啓 二
  委員 大阪府知事 橋 下 徹
  委員 鳥取県知事 平 井 伸 治
  委員 徳島県知事 飯 泉 嘉 門

注:1は項目のみ、2〜6は大項目のみを掲載する

1 創造的復興のしくみづくり
@ 地域主体の復興対策の推進と国による積極支援
A 被災自治体の行政機能の補完
B 『日本版対口支援』の仕組みづくり
C 復旧復興に向けた十分な財源対策
D 復興諸制度を補完する復興基金の早期創設
E 被災地外の自治体による支援を円滑にするための枠組み
F 個人及び法人が被災者等に対する義援金等を拠出した際の税制上の優遇措置
の特例創設

2 生活基盤の回復
3 生活再建支援
4 子ども・教育・文化対策
5 経済の復旧・復興
6 雇用に関する支援

7 復興まちづくり
@ 都市復興基本計画の早期策定
 未曾有の大災害により、県域レベルで新たな都市構造が求められる各県においても、都市復興のビジョンとして、地域住民、県、関係市町村が一致協力して都市づくりを行う都市復興基本計画の早期策定を提案する。

A 被災地における緊急的な建築制限等と市街地開発事業など復興都市計画の早期決定
 建築基準法第 84 条に基づき、建築制限を実施するとともに、二段階の都市計画決定を行うことで、無秩序な開発を防ぎ、かつ住民の理解を得ながら比較的円滑に事業を進めることができる。
 このたびの震災からの市街地復興においても、建築基準法による緊急避難的土地利用規制から、被災市街地復興特別措置法による暫定的な被災市街地復興推進地域の決定、そして本格的な事業決定へとスムーズな都市計画手続きを行い、迅速かつ住民総意の復旧復興を進めることを提案する。
 しかしながら、未曾有の巨大津波被害により、地盤沈下等の大規模な土地形状の変化や多くの行方不明者が生じるなか、所有権の移動を伴う具体的な都市計画づくりへの住民の合意形成には、通常の地震被害以上に時間を要することが想定される。
 このため、必要に応じ被災市街地復興推進地域の建築制限期間(最大 2 カ年)の延長等の特例措置の実施を提案する。

B 災害の経験と教訓を踏まえたまちづくり
 阪神・淡路大震災からの復興まちづくりは、密集市街地における防災街区の整備など震災の教訓を踏まえて進められた。
 今回の津波被害はこれまでの想定を越えるものであったが、その経験と教訓を活かし、海岸保全施設や津波防災ステーションの整備などのハード施策とともに、避難地、避難路の周知と徹底などソフト施策を合わせて実施できるよう、国は財政的な措置を講じるとともに、新たな「津波ハザードマップマニュアル」を見直すなど、必要となる研究や情報提供を合わせて行うことを提案する。

C 土地区画整理事業、市街地再開発事業の促進に向けた特例措置
 早期の面的整備に向け、土地区画整理事業及び市街地再開発事業において、補助採択要件の緩和、補助率嵩上げ、補助事業費のうち地方負担分に対する財源措置及び税制上の特例措置などの実施を提案する。
D 住民が取り組む復興まちづくりへの支援
 住民参加による復興まちづくりを進めるにあたり、住民団体等に対して、勉強会等へのアドバイザー派遣、まちづくり計画策定へのコンサルタント派遣を行う制度を創設し、この専門家派遣により、まちづくり協議会の設立や住民間の意見調整、住民と行政との橋渡し等を円滑に進めるなど、住民主体による復興まちづくりの推進を提案する。
E 家屋等に係る租税に関する特例措置の実施
 不動産取得税の被災家屋床面積相当部分の軽減や所得税の雑損控除の適用年度を選択できる特例、固定資産税及び都市計画税の代替家屋や代替償却資産等を取得した場合の減額特例や代替家屋が建設されるまでの間における当該敷地を住宅用地と認定し減額する特例、登録免許税の代替家屋等を取得する場合の所有権保存登記及び一定の共同住宅等の敷地の所有権移転登記に対する免除など、租税に関する特例措置の実施を提案する。
 また、これらの特例等について、被災者の相続人が住宅等を確保する場合においても適用されることを提案する。

感想:方針として間違っていることは無いと思うが、具体的な検討のやり方、あるいは、具体的なアイディアをどうやって出すかについての記述がほとんどない。バーチャル後藤新平としては、具体的なやり方、具体的なアイディアの選択肢を増やすという意味で貢献をすべきだろう。


D.コンサル、民間企業など



株式会社三菱総合研究所

「三菱総研グループは、危機対策、復興再生プランの設計に知恵と力を結集いたします」。



みずほ情報総研株式会社

「弊社といたしましても、被災された皆さまの救援・復旧にお役に立てますよう、また、お客さまサポートに、全力を挙げて取り組んでまいります」。



三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

 記述なし


E.学術団体など



日本学術会議  3月25日

東日本大震災に対応する第一次緊急提言

○ 未曾有の大震災を受けて、地震・津波、原子力関連等の問題について、速やかに専門家を招いた公聴会を開催する等、国会での審議を通じて、国民の心配、疑問に応えるとともに、事態に対する国民の理解を深め、適切な行動の基盤を早急に整える。同時に、日本の対応について、国外の信頼・理解を得ることに努める。
○ 今回の大震災には、従来レベルの国あるいは現地行政だけの対策・体制では、短期の救済支援から災害復興まで、広汎かつ持続的な協力・提携項目に対応できない。国の総合的支援政策を推進するとともに、特に、自治体間の水平的連携の考え方に立ち、「ペアリング支援」(別紙参照)を講じることにより、真に求められる個別具体的な行動アイテムを双方が協議して進めることが期待できる。そのために、国は早急に法的整備を進め、全国知事会、全国市長会、全国町村会とともに体制を構築する。
○ 国民が、原子力災害と状況(放射能、水・食料汚染)に対する理解と信頼を深め、適切な行動を取るために、政府の公式プレス発表に合わせて、科学的・技術的背景説明、国民が取るべき行動の詳細など、適切な専門家による補足説明を行う体制を早急に整備する。
○ 原発施設外の環境モニタリングとそのデータの評価について、かねてから日本学術会議が提言してきたように、一元的かつ継続的な体制を至急構築する。その際、広く海外の専門家・専門機関の参画を得て、国民への信頼感の醸成と海外への科学的情報発信に努める。

  ペアリング支援とは

ペアリング支援とは、全国民の力を生かして被災地域の復興を支援する仕組みである。原義は中国語の「対口支援」であり、中国の四川大地震の復興で大きな役割を果たした。「対口」とは、ペアを組むという意味である。その内容は、次の5項目にまとめることができる。
1. 復興に向けて、被災地ではない特定の県、もしくは市町村(支援側)が、被災地の特定の自治体と協力関係を結び、互いに顔の見える持続的支援を行っていく。
2. 支援側は、それぞれの被災地の実情、考え方を踏まえて、人的支援、物資支援、避難所供給、復興まちづくり支援など、様々の支援を行う。
3. 国は、この支援に必要となる法の整備(地域復興支援法等)を行い、財源の手当てを行う。
4. 自治体間の組み合わせについては、総務省、全国知事会、全国市長会、全国町村会などが、これまでの蓄積を活かし、被災地の特定の自治体の規模、被災状況、課題、これまでの支援経過などを総合的に判断し、決定する。
5. ペアリング支援の期間は、3年間とする。被災した自治体は、支援自治体の協力を得て、早急に復興目標の策定を行い、その実現に向かってともに努力する。


感想:まだ、具体的な方針の検討は行われていない。




土木学会長・地盤工学会長・日本都市計画学会長 共同緊急声明  3月23日

「東北関東大震災−希望に向けて英知の結集を−」

 北国にもようやく春の訪れが感じられる頃、3月11日の昼下がり、突然の揺れと狂暴な津波が襲来し、日本の故郷である東北地方を蹂躙し、関東地方など周辺地域にも大きな爪あとを残した。そこで営まれていた人々の生活も思い出も、家とともになぎ倒され、根こそぎ押し流された。そして、尊い、多くのいのちが失われた。深い悲しみと喪失感は、わが国のみならず全世界に拡がった。
犠牲になられた方々に対し、衷心より冥福をお祈りするとともに、被災者の皆様方に対し、心よりお見舞いを申し上げたい。
現在、被災地において、寒さと生活物資の不足に苦しみながらも雄々しく立ち上がろうとされている被災者の皆様、それらの人々を支えて苦闘されている方々、特に、原子力発電所において被害の拡大を防ぐため、自らの身の危険も顧みず献身されている方々に対し、満腔の敬意と連帯の思いを表したい。われわれ国土や都市及び社会基盤を専門とする技術者・計画者として、その列に加わり、この難局に立ち向かいたい。
この度の震災は、近年のわが国にとって例を見ない特徴を有するものであった。すなわち、広域、大規模、壊滅的地域の存在、そして原発事故による状況の悪化である。このような震災に対して、われわれ技術者・計画者集団としてなすべきことは多い。まずは、震災の調査分析および今までに積み重ねてきた対策の再評価である。それはより信頼性の高い基準や指針の構築につながるものである。次に、急がれる緊急復旧への実行性のある提言及びどのようにして安心して住めるまちと国土経営の体系を築いたらいいのかという恒久復興への提言、さらには国土の危機管理を念頭に置いた社会システムの再編等である。それらは、やがてわが国を襲うことが予想されている、東海、東南海、南海地震をはじめとする巨大地震への備えとなるべきものである。
今回の震災は、古今未曾有であり、想定外であると言われる。われわれが想定外という言葉を使うとき、専門家としての言い訳や弁解であってはならない。このような巨大地震に対しては、先人がなされたように、自然の脅威に畏れの念を持ち、ハード(防災施設)のみならずソフトも組み合せた対応という視点が重要であることを、あらためて確認すべきである。また、当たり前のように享受してきた、電力、輸送体系のマネジメントシステムの見直しもわれわれが取り組むべき課題であろう。そして、何よりも皆が待ち望む力強い地域の再生を実現しなければならない。
震災後10日が過ぎ、被災地にも、徐々にではあるが、復旧、復興への兆しが見え始めたが、途は遠い。しかし、乗り越えられない困難はない。被災者の皆様の悲しみに寄り添い、手を携えて難局に立ち向かいたい。そして、われわれ技術者・計画者集団、関連する学協会も、その英知と経験を結集し、難局に立ち向かいたい。それらの営為が、やがて希望につながると信じる。

感想:いささか、言い訳的な色彩も感じるが、東海、東南海、南海地震と関東直下型地震への備えを意識している点は、優れていると言えるだろう。
 しかし、これらの地震に対して、具体的にどのぐらいのコストを掛けて、対策を練るべきなのだろうか。
 東海などの地震が連鎖した場合には、今までの考え方に基づく対策では、コストに見合うことは無いだろう。
 関東直下型については、東京都内の環七と環八の間の住宅地の耐震強化を行うのが、もっともコストパフォーマンスが高そうに思える。この地域で火災が多発すると、大変なことになりそうなので。




日本建築学会など7学会の共同声明 3月31日
http://www.aij.or.jp/jpn/databox/2011/20110331-1.pdf

 (共同アピール)
1 私達は、全国・全世界の専門家の力を結集して、持続可能な早期復興の支援を全力で行います
2 私達、関連学協会は、被災地の「暮らしと経済の復興」を実現するために、協調・連携して多様な支援に取り組みます
3 国は責任をもって早期に、国自ら広域被災地復興の中核となる「広域協働復興組織」を確立されるよう提唱します

 私達、関係学協会は強力に連携し、その知見を結集し、地域復興の支援に全力で取り組む所存です。
政府におかれては、行政界等の圏域を越えて、様々な民間企業、様々な NPOとも手を携えて活動ができるように、国が地域復興全体の調査・計画立案・事業運営を集約する組織 (広域協働復興組織) を早期に確立され、復旧・復興のあらゆるプロセスにおいて情報の公開を行い、志を持つ様々な人々の英知を結集して、被災者の生活再建、住宅復興、そして経済を支援しつつ、被災地の早期復興にあたることを強く希望するものです。

感想:復興への参画を宣言しているのみ。



日本災害復興学会  2007年のHPが未だに残っているのみ。

感想:今、活動しなかったら、いつ活動するのだろう。


全体的な感想とバーチャル後藤新平での議論の進め方の提案

 まだ、具体的な提案はほとんどない。現状のままでは、アイディアが不足している。街や産業の未来像が不十分である。長期的に持続可能な街・地域を構築することが必須。それには、これを機に、ある程度の私権の制限を行うことが必要だと認識すべきであるが、それには受け入れ可能な開発プランを速やかに作成し、提示する必要がある。まさに時間との勝負で、もしも復興プランの提示が遅れれば、阪神淡路大震災で、神戸長田地区の街区の大々的な整理ができなかったことを再現する可能性がある。
 「バーチャル後藤新平」で行うべきことは、やはり被災地の復興に焦点を当てて、検討すべき事項の提示とその具体的提案・アイディア、注意を払っておくべき留意点、などを具体的に示すことではないだろうか。
 やや大所高所からの議論、具体的には電力供給体制などの全国スケールの話も、被災地復興の具体案を作る上で、必要だろう。しかし、時間的緊急度はそれほど高くはない。そこで、並行して議論ができるものは進めるべきだろう。
 そのさらに上位概念である国家体制については、「言うべきことは言っておく」というスタンスで良いのではないだろうか。