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  京都議定書への対応再考 08.19.2007
     



 本HPでも、安部首相の「2050年には温室効果ガス排出量半減」のメッセージについて、かなり検討をしてみたものの、これはやはりかなり先のこと。むしろ来年から始まる京都議定書で定められた第一約束期間(2008〜2012年)の削減(1990年比マイナス6%)が果たして可能なのか、それが気になる。

 個人的結論ではあるが、首相官邸が余程思い切ったことを決断しない限り無理。そして、目標未達になったらどうするのか。ロシアの余剰排出量を買うことだけは、絶対に止めるべきことのように思う。

 となると国際社会に対して「約束が守れませんでした」と謝らなければならない。日本もそれなりに努力をしているところを見せて、技術開発投資などを実際に行い、なおかつ、産業界の排出原単位や自動車・家電などのエネルギー効率が世界一であることを証明すれば、マイナス6%に到達しなくても、アメリカより良心的だし、カナダよりも遥かにマシなので、世界世論からは許容されるのではないか、と思う次第ではあるが。。。。
C先生:京都議定書で約束したマイナス6%の削減目標が達成できるかどうかすでに危険領域にある。いや、ほぼ不可能領域と言っても良いだろう。2008年から2012年という第一約束期間がもう目の前なので、どんな手が残っているのか、再度検討しておくべきだろう

A君:現時点での排出量の速報値は、2005年のものが出ています。その内訳などをもう一度チェックすると同時に、削減方策が具体的にどのぐらいありうるのか、それを検討すべきでしょう。

B君:具体的数値をもう一度復習。ただし、現状というものは、2005年の数値。刈羽原発が潰れるなどということは想定外。現状では、さらに厳しくなっている。

基準年の排出量  =12億6100万トン
マイナス6%した量=11億8500万トン

 この値が目標値。森林吸収などの他の削減が若干見込まれるので、12億5000万トンが達成できれば、まあまあ、といったところ。しかし、2005年での実排出量が13億6400万トン。

 結局、年間1億2000万トン減らすことができれば、万々歳。

A君:そして、目標値に対して、排出量はほぼ増加の一途をたどった。しかし、事業者関連の増加が8%で済んだのに、家庭関連がなんとなんと40%も増加してしまった。

事業者関連  8%増加
家庭関連  40%増加


 とは言いつつも、家庭関連の寄与率は21%に過ぎないので、2億8600万トン。約8000万トン増えてしまったと言える。これには、自家用車を含む。

B君:そのような分類以外にも、次のような分類もある。
            増加率     増加量
産業(工場等)  −3.2%   −1600万トン
運輸(自動車等) 
18.1%   +4000万トン
オフィス等     
42.2%   +7000万トン
家庭         
37.4%   +4800万トン
エネルギー転換   3.7%    +600万トン


A君:前の分類とこの分類で家庭の数値が違っているように思えるが、先の家庭関連という分類には、自家用車が入っていると思えばよい。厳密には、一般廃棄物関連の排出も入るのだけど。

B君:この分類には、それぞれ2010年の目標値というものが「目標達成計画」が設定されていて、それに対して現在からの削減率を記述すると、次のようになる。

         必要削減率
産業(工場等)   −6.4%
運輸(自動車等)  −3.2%
オフィス等     −42.1%
家庭         −29.9%
エネルギー転換  −7.4%

C先生:要するに、オフィスと家庭ががんばらなければ、実現は全く不可能ということ。運輸は一見良さそうなのだが、自家用車に限ると、全く駄目。なんと+44.7%。これは毎回言われていることではあるのだけれど、もう一度、それを再確認すべきということだ。

A君:さて、それならどうするか。オフィス等をどうするか。そして、家庭をどうするか。という順番で議論したいのですが、ただ、もっと重要なことは、京都議定書の削減目標は、ほんの第一歩ということ。2050年に、最低でも50%削減を視野に入れた上で、当面の2008〜2012年をどう考えるか。

B君:良かろう。まずは、オフィスといっても断熱性能の悪いビル本体をどうするか。これは、もはや遅いとも言える。なぜならば、現在のオフィスビルで、2050年まで存在できるほど省エネを考えて作られたものはほとんど無いから。エアコンなどをいくらいじっても、多寡が知れている。

A君:それはその通りで、現在のビルで2050年まで持たせるべきと思われるビルは、ごく最近完成したビルでも難しい。ガラスを多用している構造は、外から光の形でエネルギーが入りすぎるのでまず難しい。やや古いタイプになるが省エネ面で悪い典型が、東京国際フォーラム。さらに、それの真似をしてバブル期に作った地方都市にある公共施設。羽田空港第二ビルとか、六本木ヒルズとか、あるいは、新国立美術館も、いずれもデザイン最優先で、省エネ優先とは言いがたい。しかし、省エネをそこそこ考える時代に作られている。丸ビル、新丸ビルは、ガラス多用でもなく、省エネ度もかなり良さそう。

C先生:ゼネコンあたりにしても、まだまだコスト最優先で、省エネの意識が低い。日建設計はなかなか味なことをやるが。

B君:いろいろと考えていて、すぐに実行すべきことが、すでに存在しているオフィスビルのエネルギー消費量と改善計画の公表を義務化すること、ではないか。

A君:なるほど。良さそうはものは、後でリスト化しましょう。ついでに、設計をした事業者も公表して、ビルを作る側の意識も高める必要がある。

B君:議論を進める上で必要なのは、オフィスと言われても、実は、多様な分類があるという事実。増加率を整理すべきだ。

         排出量     面積
事務所ビル +45.3%  +45.0%
ホテル    
+42.5%  +22.6%
卸小売    +41.8%  +43.2%
飲食店    
+33.7%  +28.0%

C先生:こうしてみると、オフィス面積がかなり増えたことが分かる。面積が増えたことをどう考えるか。

A君:狭いオフィスだったのがやっと少々広くなった。これを文句をつけるのも難しい。

B君:となると、ホテル、飲食店が面積増よりも排出量が増えているのが、まず突っ込みどころか。

A君:ホテルの排出量が増えている。これはなんだろう。お湯の使用量の増大とエアコンぐらいしか考えられない。

C先生:いやいや。ホテルの照明には、まだまだ白熱電球がかなり多く使われている。ドイツのホテルなどには、もはや白熱電球は無いが。

B君:お湯を大量に使っているところは、コジェネを導入することが効果的。

A君:既存の施設だと、設置する場所が無いかもしれない。

B君:それなら新設をするなら、コジェネを義務化。

A君:お湯が必要なら、もっと決定的なものは、太陽熱温水器

C先生:それは、もう必須だと思う。中国シャングリラのホテルの屋上にもあった。我が家にも昨年設置して、今年、夏を本格的に迎えたが、冬向きに63度という立った設置角度なのに、夏は、晴れれば使いきれないお湯が沸く。冬でも晴れれば、お風呂一杯分は沸く。集熱板の面積は、全部で6平米と、太陽電池に比べて圧倒的に少ない。

B君:太陽熱温水器の設置の義務化。壁面設置でも十分やれるはず。

C先生:百貨店・スーパーなどを含む卸小売業からの排出量も大きく伸びて42%増

A君:日本ほど開店している時間が長い国もそうはない。便利でよいとも思うけど、諸外国程度の開業時間にしても、それほど困ることは無い。

B君:照明の負荷がどのぐらいなのか分からないが、少なくとも、コンビニの24時間営業は不要。16時間以上の開店時間は禁止か。これでやっと本当の7・11になる。これだと短いと言うのなら、18時間まで認めるか。店名も変えて6:30−24:30か。

A君:コンビニの24時間営業は論外として、デパート・スーパーにしても、もっと閉店時間を増やしても良いと思う。

C先生:オフィスは残業を減らすことか?

A君:それは必須。残業を前提としている雇用形態など、「美しい国」の条件を満たしていない。まず、温暖化対策をやっている霞ヶ関の役人は、残業を禁止すべきだ。

C先生:ノルウェーでは、午後4時ごろになると、帰宅だからね。

A君:日本人だと時間を持て余すのでは。

C先生:中国の雲南省の役所は、12時から14時が昼休みで、その間は、自宅で昼飯のようだった。

A君:それは良さそう。しかし、東京のような大都会では不可能ですかね。地方では、考えても良いのでは。

B君:昼休みに照明が消えとエアコンが止まれば、結構変わりそうだ。考えてみれば、昼間に照明をつけなければならないようなビルは、外光を導入するような反射板などの設置を義務化して、それができないようなら、順次壊す。

A君:換気ができるようになるだけでも、かなり違う。最近、外側にガラス壁を作って、内側の窓は開けるという構造のものもある。

B君:古いビルは、耐震補強をする必要がある場合があるが、その際、断熱の強化・窓からの換気。さらに外光導入設備を同時施行することを義務化。

C先生:すでに行われていることだが、蛍光灯も、高効率のものに交換する。高輝度のものに変えるのは当然として、さらに、高周波点灯型装置に。

A君:冷暖房装置を改善するのも効く。これは、ESCO事業として実施するのが良さそう。

B君:冷房・暖房の温度を簡単に測ることも必要。

C先生:それに関して、チームマイナス6%の専用ツールとして、クリップ型で胸ポケットに付けると、その場所の温度がデジタルで表示される簡単な温度計を作って貰うように、頼むことにした。

A君:これをつけて、ホテル、劇場、映画館などに行く。

B君:胸のポケットを見ると、その場の温度が大きく出ている。これは良い。

C先生:建物としてはこんなものだろうが、事務所ビルでの紙の使用量はかなり減ったのだろうか。最近になっても、送られてくる報告書の量が全く変わらないのが気になる。紙爆弾はそろそろ止めて、必要になったら、Webを見てください、という方法論で対応すべき。

業務部門の対策リスト

1.業務部門は、ビル別に、排出量の公表を義務化すべき。同時に、設計者、施工者も公表。

2.お湯を多く使う施設を新設する場合、例えば、ホテル、飲食店は、コジェネ+太陽熱温水器の設置を義務化すべき。

3.壁面設置の温水器の開発と製品化を推進すべき。

4.ホテル等における白熱電球使用の課徴金を掛ける。

5.コンビニ・スーパー・デパートなどの開店時間を制限する。

6.従業員の自宅が近い職場では、昼休みを2時間にして休む。スペイン方式。

7.新設のビルでは、外光導入装置の設置を義務化。耐震補強などを行う場合には、外光導入と断熱向上の同時施行を義務化。

8.ESCO事業の適用を義務化

9.環境報告書などの紙での発行数を制限。

10.温度がすぐ分かる携帯用の温度計をチームマイナス6%用に開発する。



C先生:こうしてみると、余り良いアイディアが無い。しかも、現在の首相官邸では、認めてくれないものが多いようにも思う。環境対策というものが、事業形態に影響を与えるものだ、という基本的な認識が無いからだ。いささかでも、事業のやり方に対して干渉されたくない、という事業者たちの態度を、わがままだ、抵抗勢力だ、と切り捨てる思いきりが全くない。

A君:それでは、家庭部門に行きますか。家庭部門は、2005年で、基準年比で37.4%増加。

B君:何で増加したか、その内訳は、

家庭部門の排出量増加
暖房用    
+31.5%
冷房用    +26.8%
給湯用    +10.1%
厨房用     −6.3%
照明・家電用 
+53.3%

排出量の内訳としては、
暖房用    
22%
冷房用     4%
給湯用   
 24%
厨房用     8%
照明・家電用 
42%

C先生:対策としては、給湯用がエコキュートなどの導入で進んだ。照明・家電は、恐らく、所帯数が増えたことが影響して大幅増なのではないか。

A君:所帯数は、基準年比で20%増です。ですから、照明・家電は、単に所帯増だけではなくて、数の増大と機器の大型化が効いている。

B君:何が増えたといえば、基準年の1990年、パソコンが家庭にあるのは例外的だった。もう一つ、これは意外かもしれないけど、温水洗浄便座が1990年にはまだゼロに近かった。

C先生:温水洗浄便座は、24時間基本的にONになっている機器なだけに、この消費電力は馬鹿にならない。

A君:最近、瞬間型の温水洗浄便座が開発されて、メーカーのデータだと、電気代を76%カットというから、これは省エネだろうと思う。導入支援をすべき。
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070807-1/jn070807-1.html

B君:それ以外の機器だと、食洗機も比較的新しい。これは、温水を外部から供給できるもののみを許可すべき

C先生:さてどう対応すべきなのだろうか。もっとも基本的なことが、効率が向上した冷蔵庫、エアコンの買い替えを促進することか。すでに言われていることだが。

A君:それが意外と進まない。その理由は、どうも、古いけどまだ動く製品を捨てると、やはりもったいない、却って環境負荷が増える、と誤解している人が多いかららしいですよ。特に、環境意識の高い人には、そういう人が多いとか。

B君:特別に愛着があるのなら仕方が無いとも言えるが。

A君:どうも、電気を多く使うことによる環境負荷と、古いものを捨てることによる環境負荷が比較可能かどうか、というところが根本的に越えられないバリアーらしいですが。

B君:厳密に言えば、勿論、比較は不可能。しかし、普通の人にとって、電気という目に見えないエネルギーによる環境負荷と目に見える冷蔵庫がゴミになるという環境負荷が、なんらかの工夫をすることによって比較可能だということが合点が行かないのも分かるような気がする。

C先生:LCA屋の努力不足かもしれない。その話は、大分前に取り扱ったことはあるのだが、なかなか微妙な話ではある。しかし、電気は目に見えないが、もともとの原料は石油とか石炭・天然ガス。そして、最近の家電の主力材料であるプラスチックであれば、石油から作られる。だから、もともとは同じようなものなのだ、ということを上手に説明する必要がある。勿論、鉄や銅、アルミなどはリサイクルしてまた使えるが、それにはエネルギーが必要。だから、エネルギーで換算が可能といった説明も加える必要がある。

A君:本当に無駄になるのは、プロセスエネルギーと材料の劣化分とごみの発生分。これは避けられない。

B君:そのあたりの議論はいずれまたやるべきだろう。

C先生:それをどうやって分かりやすく伝えられるか、それが勝負かもしれない。

A君:家の断熱性向上による省エネ化も重要。しかし、これは、新築にほぼ限られる。

B君:補修でも、強いて言えば、窓ガラスの改善がある。熱の移動は、ガラス経由が多いので。複層ガラスの導入や塩ビサッシによる二重化だけど、これは、いささか大変な工事になる。

C先生:その施工に補助金が出るというのを余り効いたことが無い。

A君:最近、太陽電池や太陽熱温水器への援助も無い。

B君:補助金ばかりが能ではないが、ドイツの太陽電池への態度などを見ると、日本の姿勢は余りにも悲しい。

C先生:またまた首相官邸への文句になるが、温暖化対策は、その最高責任者は首相なのだ。首相が、一部の産業界にとってネガティブなことは何もやらないという態度では、何も進まない。首相自らが何もやらないことによって抵抗勢力になっているというのがこのところの実態。

A君:ということで、家庭に対しては、本当にやることが無い。

B君:やはり無理やりでもリストを作るか。そして、無い知恵を絞ろう。

家庭部門の対策リスト

1.古い家電の買い替えの促進のための、環境負荷の考え方の普及。

2.同じく買い替え促進のための、マイクロファイナンス。

3.太陽電池への補助もしくは他の経済的インセンティブ付与。太陽電池個人発電所の推奨。同様に、太陽熱利用機器の本格的開発の支援。特に、ビル壁への設置型の開発支援。

4.一人所帯の減少政策などが有れば。結婚推奨???

5.白熱電球の使用禁止。

6.パッシブソーラー、アクティブソーラーハウスの補助。

7.給湯器エコキュートに太陽熱温水機を合体させた装置を開発し、必須のオプションとする。

8.ガスコジェネによって発電された電力の買取の義務化。

9.瞬間型の温水洗浄便座の導入促進。

10.食洗機は、外部から温水を供給できるもののみを製造許可。

11.窓ガラスの二重化の導入補助。

12.家庭用ガスコジェネで発電された電力の買取を電力会社に義務化。



C先生:なかなか良いアイディアが出ない。これも官邸が主導している1人1日1kgのCO2削減だって、なかなか良いアイディアが無い。

A君:その手の話になれば、まだまだありそうに思いますね。

B君:個人生活のやり方は、
(1)いわゆる省エネを全部やる
(2)ゴミがゼロになるような生活
(3)適切なリサイクル

この三項目。
 なかでは、ゴミがゼロになるような生活というものが含蓄が深い。

A君:ゴミにならないようなものを買う。これは、単なる消費財だけでなくて、耐久消費財もさらに長寿命商品を買う。

B君:最近導入した概念、プレミアム・ビンテージになりそうな商品を買う。iPODのように、電池の交換が自分でできないような商品は、基本的に長期間使うようなものではない。

A君:乾電池もゴミになるから、充電池にする。

C先生:最近、ゴミで気になっているものがある。それが、新聞に折り込まれてくる広告。新聞と一緒にリサイクルしてよいということにはなっているが、どうしても納得できない。

A君:結構広告は重いですからね。

C先生:昨日、配達された新聞の重さを測ってみた。

 朝日新聞
  本紙  142g
  Be    83g
  折込  322g

 日本経済新聞
  本紙  170g
  プラス1 94g
  折込  288g

折込広告の重さは、本紙よりも重い


A君:このような紙だと、300gで二酸化炭素1kgぐらい排出していますから、この折り込み広告だけで、2kgの二酸化炭素に相当しますね。

B君:それを何の承諾も無くつけてくるのは問題なのでは。

C先生:ただし、これが販売店の商売になっているのだろうから、すぐ禁止という訳にはいかないだろう。むしろ、折込拒否という意思表明をしたら、月間300円ぐらい余分に払って、それを販売店の収入にしないと合わないのではないか。

A君:ということは、折込広告を受け取ってくれる人は、通常料金。拒否をすれば追加料金となる。これは妙なので、むしろ、折込広告無しだと、通常料金、受け取るのなら割引料金、というのが妥当なのでは。

B君:新しい考え方ではある。

C先生:ダイレクトメールについても、同様になんとかしたい。ダイレクトメールではないが、勝手に送りつけられる文書・報告書なども、拒否して送り返したいぐらいだ。

A君:先ほどのリストに戻って、ガスコジェネで発電された電力の買取義務が無いのは、電力会社を甘やかしすぎではないですか。

B君:経団連の主勢力の意向を重視しすぎ。今後環境対策を進めれば、他のエネルギーは電力に変わっていくので、電力会社にとっては、環境対策を進めることは有利のはず。

A君:現在の経団連は、護送船団的な発想に慣れすぎていて、日本産業全体で一緒に沈没したいみたいですね。

B君:飯田哲也氏が、日本はロストワールドになる、といって嘆いたという話が新聞に出ていた。

A君:家庭の自家用車などは
 少々具体的な数値が必要。2005年で、交通部門は2億5700万トンの排出量。その約半分が自家用車。基準年では、約4割だったのが、増えてしまった。せめて、自家用車からの排出を2500万トンぐらいは減らすべきなのではないだろうか。となると、全体としての燃費の改善がさらに20〜25%ぐらい必要になる。

B君:これは、ここまで来てしまうと、すぐさま有効な対策を考えなければならない。となると、もはやガソリンに1Lあたり100円ぐらいの環境税を掛ける以外に方法が無いのでは。なぜならば、この分野は、ハイブリッド車のような解決策があるのだから、買い替えてもらうと、極めて効果的なので。

C先生:その通り。だから、ガソリンの環境税は、その車の燃料消費量のカタログ値と関連させて、掛ける方式が望ましい。

A君:カタログ燃費が30km/Lを超している車は環境税0円、7km/L以下だと200円/Lとか。

B君:本当は、CO2排出量でやるべきだろう。80g−CO2/kmまで、100まで、120まで、150まで、200まで、300まで、400まで、それ以上、ぐらいでよいのでは。ご自分の車がどこに相当するか、
http://www.mlit.go.jp/jidosha/nenpi/nenpilist/nenpilist0703.pdf
でご確認を。

A君:環境税がありなら、オフィス・家庭部門についても、電気代、灯油代に同じぐらいの環境税を掛ける以外にない。オフィスは一律でよいかもしれないけど、家庭部門は、一人当たりある一定限度以内はゼロにしないと。

B君:しかし、そんな発想を各省庁が認める訳も無い。

C先生:再々度強調したいが、温暖化対策は、省庁の壁が非常に厚い。だからリーダーシップを取れるのは、首相官邸しかない。もともと京都議定書対応を進める責任者は、首相自身。いくらなんでも、そろそろ腹を固めて、産業界の言いなりの状態を離脱しないと。
 日本は京都議定書を2002年6月4日に批准したが、これまで、社会システムをどう変えるか、という議論を全く行わず削減努力を産業界にのみに押し付けてサボってきた。この罪の大部分は小泉さんの責任ではあるが、安部さんも、この重要な時期に首相になってしまったことを運命だと諦めて、何かブレークスルーを行う必要がある。今から何かやらないと、来年の洞爺湖での「美しい星」の提案も、空虚に響くだけのものになるだろう。