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   今どきのテレビとレコーダの環境性能 
   01.25.2014 
               待機電力がカタログ値の350倍 




 昨年の暮に、テレビを更新した。それまで2005年に購入したエプソンのリアプロジェクターの47型を使っていたが、分解能がやや低く、地デジの性能がフルには出ない。購入当時、最小の電力消費量だったリアプロ方式も、今や、大電力消費型になってしまった。BDレコーダも、初期型のものが故障したままになっていたので、レコーダを含めて、テレビ一式を更新することにした。

 よく言われる消費構造の批判、「テレビなどを買い替えるとき大型にしてしまうから、消費電力が増える」、は嘘であることは分かっていたが、別の嘘、すなわち、「待機電力がカタログ値の350倍である」というどこにも記述されていない事実を発見してしまったのでご報告するのが今回の主旨である。

0.これまでの状況

 我が家は、東側に2棟の7階建のマンションが建っている場所なので、BSアンテナは自前(共用なので、電源は別設置)であるが、アナログの地上波は東急ケーブルテレビのお世話になっていた。そのためもあって、未だにCATVの機器(STB=Set Top Box)もある。主として、WOWOWでのスポーツ観戦に使われている。

 このSTBが、これまでのシステムでは中心的存在であって、録画や再生などは、iLinkと呼ばれるケーブル(実体はIEEE1394規格)で他の機器を制御すると同時に、データ転送路でもあるという仕組みだった。

 STBがPanasonic製。全体システムを組み上げるときには、これが問題である。iLinkという仕組みのプロトコルはかなりローカルで、他のメーカーの機器の制御はできないという閉鎖的な世界であるらしい。テレビ本体も、また、BDレコーダも、Panasonic製を選択するのが無難だという対応にならざるを得ない。こんな強烈なシバリがあった。今回も、念のため、このシバリを考慮することにした。

 という訳で、まずは、テレビ本体と、BDレコーダの選択から始めることになった。


1.テレビの選択

 サイズは、これまで47インチのリアプロが置かれた場所に入ることが条件。55インチは、ちょっと大きすぎる。47インチは当然収まるのだが、ちょっと大きくして、50インチを選択することにした。

 必須条件はD端子があること。これは、STBの映像出力が現時点での標準であるHDMI端子ではなくて、昔風のD端子しかないからである。

 3Dは不要。となると、パナではE60とA300しかない。

 E60は、2倍速。重さ20.5kg、消費電力90W。年間消費電力量84kWh。待機電力0.1W。

 もう一つの選択肢であるA300は、実は、まだ発売予定だった。性能はほとんど同じだが2倍速ではないようだ。

 ということで、選択肢は全く何もなくて、自動的にTH−L50E60に決まり。


2.BDレコーダの選択

 この選択も簡単で、Panasonic製のBDレコーダで、iLinkの機能を持っている機種を選ぶこと以外にない。そのなかで、もっとも低位の機器を選択するだけである。

 ということで、こちらも自動的にDMR−BWT550に決まった。ダブルチューナ、500GBのHDD付きであるが、だからどうということではない。

 環境性能としては、消費電力が21W、待機電力は実質上ゼロとのことである。

 買ってみて驚いた。こんなに小型で小さくなっている。重量も2.1kgしかない。


3.新システムにして、消費電力の削減はどのぐらい期待できるのか

3.1 歴史を振り返る

 2005年に、前のテレビを買ったとき、消費電力はどの程度だったのか、復習をしてみたい。

 この記事に、その記録が残っている。
http://www.yasuienv.net/EcoPremium/EPFlatTV.htm

 液晶テレビの45インチ、あるいは、46インチだと、消費電力が、シャープの319Wが最低で、ソニー製の背面にLEDをベタ一面に並べたテレビだと、なんと688Wであった。まるで電気ストーブである。

 本体重量も、軽いもので40kgを切るぐらい。ソニーのそのモデルは70kg近かった。価格もそれ相当で、量販店での価格が調べてあって、シャープが最も安くて、66万円、ソニーは100万円近い価格だった。

 今回買ったE60が、10万円ちょっとだったのだから、現時点での利益率はいくらなのだろうか、むしろ損を承知で売っているのではないか、と逆に心配になる程度の価格である。

 当時、50インチでは、プラズマがまだ主流で、消費電力は475Wと恐ろしいエネルギー食いだが、価格は、液晶より多少安く、Panasonicの50インチが、量販店価格が58万円。重量も52kg。

 液晶もプラズマも、どう考えても、重い、電力大食い、高価格の三重苦時代だったことが分かる。ただし、利益率が高い商品であったに違いない。

 という訳で、そのときに選択したモデルが、リアプロジェクションタイプ(リアプロ)だったのだ。

 エプソンの47インチで、消費電力が180W、本来重量もスタンド付きで48kg(やはり重い!)。ただし、縦方向720ドットしかなくて、やや解像力が低いものだった。

 実物を表参道にできたショールーム(紀伊國屋の古い店舗が壊されてしばらく空き地だった場所)で見て、それまでの29インチのブラウン管テレビと比較すれば、相当高度な絵が見られるということで購入を決めた訳だった。お値段は、30万円ぐらいはした。

 消費電力の実測値もまさにカタログ値そのもので、180W。液晶テレビだと画面によって消費電力が変わるのだが、リアプロは全く同一の消費電力であった。これに加えてSTBと後で追加したBDレコーダがあったので、テレビシステムとしては、大体、220Wぐらいの消費電力だった。

 もっとも、エプソンのこの機種は余り売れなかったので、エプソンは、テレビ界からさっさと撤退した。

 その後、テレビ消費電力は大幅に進化した。特に、液晶テレビの進化がすごかった。何が決定的だったのか、と言えば、それはバックライトが冷陰極管からLEDになり、それをエッジに並べて、導光板で前方向に向きを変えるという方式になったこと。日本にこの技術があったにも関わらず、サムソンが最初に商品化した。この辺りから、日本のテレビが駄目になった。というよりも、過去に拘泥する日本のものづくりの姿勢が、世界に勝てる状況ではなくなった。

 プラズマの消費電力も多少下がった。しかし、消費電力(=環境性能)が液晶の敵ではないことが明らかになったのに、松下はプラズマに拘泥し、それが一つの原因で、現在の経営状況になっている。最近でも、間違った論評を書く人がいる。例えば、http://diamond.jp/articles/-/47633 にもプラズマテレビは普及する可能性があったと述べられているが、「環境性能を出せない商品であった」という認識が全くないのは困ったものである。

 上記記事は、実はソニー出身の筆者が書いたもので、ソニーもときどき人感センサー付のテレビのように、環境性能の良さを主張する製品を出すのだが、残念ながらソニーユーザには評価されない。趣味が違うのだろう。

 彼の記事の今回の主旨であるiPhone亡国論、さらに拡大すれば、ソフトバンク亡国論には、かなり賛成ではある。シャープなどへの批判も多分正しい。液晶方式だけを作っていたシャープも、同じような状況になっている。それは、亀山モデルといったブランドの成功にだけ拘泥して、近い将来、価格競争になるという認識が遅れたためだろう。

 さて、歴史に戻れば、当時、キャノンと東芝が取り組んでいたSEDと呼ばれる新しい平板テレビが有望だとされていたが、液晶の弱点であった反応速度も克服されて、液晶の一人勝ちになっているのが、現状なのである。

 将来、有機ELの大型テレビが育つのか。これにも現時点では疑問符が付いている。 それはなぜか。もっとも大きな理由が、消費電力と製品寿命だと思う。これらは、いつの時代にも、極めて本質的な製品性能なのである。有機ELが液晶を抜くのは、かなり難しい。

 いろいろと昔話をしたが、今回、テレビとBDレコーダを更新したことによる消費電力削減の効果は、220Wが70Wぐらいへの削減、すなわち、1/3以下になることが期待できる


3.2 新テレビシステムの消費電力

(1) カタログ性能を見る

 新しくセットしたテレビシステムの消費電力はどのぐらいなのか。

テレビ:TH−L50E60 消費電力90W。年間消費電力量84kWh。待機電力0.1W。

 0.1W級の待機電力なら、電力消費量としてまあ無視して良い程度だろう。

BDレコーダ:DMR−BWT550  消費電力21W。待機電力はほぼゼロ。

 メーカーの待機電力についての説明は、こんな記述になっている。

 「独自のエコ設計により、ディーガは待機電力0.00W※2を実現。
 ディーガを使っていない時は、リモコンの「0.00W待機」ボタンを押すだけで(
購入機のリモコンにこのボタンが見つからない!)、電力の消費を抑えることができます。
※2 国際規格IEC62301に基づき、0.005w未満の電力であるため0.00wと表示します。(BZT860はリモコン設定が赤外線方式の場合)」

 さらにECONAVIが機能すると、
「エコナビ搭載のビエラにつなげると※3、ムダを見つけて、自動で省エネする機能に対応。
(「エコナビ」とは、ユーザーの視聴環境や使用環境に応じて、ビエラが自動的にテレビ本体、及び周辺機器を制御し節電する省エネ機能です。)」
※3 HDMIケーブルでの接続が必要です。
※4 あらかじめビエラ・ディーガの設定で「ECOスタンバイ」をオンにする必要があります。
※5 ビエラリンク録画待機機能「入」時。


 このカタログの記述を見ると、待機電力はほぼゼロとなりそうに思う。これは大きな期待が持てる。


(2)新システムの受像時の消費電力、録画時の消費電力 測定値

 テレビの視聴のみだと、我が家の画面設定では、37W(映像によって変動する)ぐらいしかない。同一サイズで比較すれば、2005年当時、圧倒的に低消費電力だったリアプロの1/5程度である。その当時の液晶テレビと比較すれば、1/8ぐらいと言えるだろう。

 最近、テレビが大型化して消費電力が増えたと思っている人が多いようだが、実際には、このような状況で、全くの誤解である。

 37インチであれば、2005年当時には200Wぐらいの消費電力で、現在のモデルだと実用上25〜30Wぐらいだろうから、やはり1/8にはなっている。

 ちなみに、オフィスにあるシャープAQUOSの32インチ液晶テレビは、2007年のモデルであるが、消費電力が実測で145Wもあったので、当然のことながら、驚いた。

 BDレコーダも、テレビなしで録画をしているときの消費電力が20Wぐらいである。こちらは、カタログ通りではあるものの、意外と多いというのが感想であるが、まあ、大量の情報を扱うパソコンだと思えば、消費電力は少ない。


(3)驚愕の事実を発見:待機電力がカタログ値の350倍

 動作時の消費電力はかなり低い。これは良いぞ! 

 ところが、待機電力を測ってみて、驚愕した。0.1W程度になるものと思い込んでいたが、実は、35Wとカタログ値の350倍程度の値になっていることが判明した。

 テレビシステム全体の待機電力が、テレビの動作中の電力消費量と同じだけあるのだ。

 これは無視できない。その理由を見極めて、改善できるところは改善しなければならない。

 「テレビシステム」と書いたが、実は大変複雑である。次の4.接続で述べるように、色々なものが複雑に接続されている。

 そのため、別の機器の状況をお互いに把握するためなのだろうか、スイッチをオフにしても、実際には、なんらかの回路が動いているようだ。

 個々の機器の電源を入れて、どのぐらい待機電力ががあるかをチェックしてみた。さらに、すべての電源をONのときの電力と、リモコンでOFFにしたときの待機電力を測定した。

 その結果が次表で、この程度の待機電力があるということになる。カタログ上の待機電力とは大違いである。

          待機電力  動作電力
LAN用のHUB  2.2W   2.2W
テレビ      12.3W  37.0W
CATV・STB   9.3W  10.2W
BDレコーダ    3.8W  14.4W
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
単純合計     27.6W  63.8W
==================
測定値      35.2W  65.7W

表 スイッチ付きのテーブルタップで電源供給をON・OFFして測定

 それぞれ単品での動作電力の合計値とシステム全体の動作電力の測定値を比較すると、若干測定値の方が多いが、これは、LANのHUBが働いているためだと考えられる。

 一方、待機電力の単純な合計値とすべてに電源をつなぎ、リモコンでOFF状態にしたときの待機電力は大きく異なる。これは、なんらかの情報のやりとりを行っているためではないか、と推測され、主犯はBDレコーダだと確信している。

 すなわち、情報交換を行っているコンビは、テレビとBDレコーダが一組、STBとBDレコーダがもう一組だと考えられる。単独で動作させたときのBDレコーダは、14.4Wの電力を消費しているだけだが、システム全体が動き出すと、22Wぐらいの動作電力が必要なのだと思われる。この値は、BDレコーダのカタログ上の消費電力21Wとほぼ同じである。

 この数値をどう見るべきなのだろう。

 1日にテレビを6時間見て、18時間は待機状態にしているとすると、1日の消費電力は、1025Whである。1年なら、374kWhとなる。

 ちなみに、E60の年間消費電力は、カタログによれば、84kWhであって、上記計算値とは大差である。もっとも、この数値は、テレビを1日に4.5時間視聴しているという仮定で計算されているので、多少は違っても当然であるが、この差はあまりにも大きすぎる。それは、カタログ値の計算に使っている待機電力が大きく違うからに違いない。

 古いシステムではどのぐらいだったのだろうか。220Wを6時間。待機電力が4W(BDレコーダは壊れていた)ぐらいだったので、これが18時間。合計1392Wh。1年なら508kWh。

 余り変わらないではないか。テレビの消費電力が大幅に下がっているのに、全体としては、省エネ効果が少ないのだ。

 それなら、電源ケーブルをコンセントから抜けば良いと思うかもしれないが、実は、そうは行かない場合もあるようである。どうも、システムのアップデートが夜中に自動的に行われているらしい。放送からダウンロードをして、電源を勝手に入れてからアップデートをするので、電源コードを抜きぱなしはまずいことらしい。(対応策はあるので後述)

 設定を変えて、他の機器との連携ができないようなセットアップもできる。消費電力の削減が大幅に可能となる最適セットアップ方法があるのかどうかの検討も、実は済んでいる。現在の待機電力の測定値は、可能な限り、連携をしないように設定をし、待機電力をできるだけ抑えた場合の値である。

 まるで、パソコンの電源プロパティーの設定みたいなことをしなければ、消費電力とパフォーマンスの最適の設定ができないが、テレビも同じだと考えなければならないようだ。どう考えても、テレビはもはや情報機器である。

 だからという訳ではないが、テレビにもLANを繋がなければならない。なんのためにLANが必要なのか。今回、自分で配線をすべてやってみて、はじめてLANの役割が分かった。その答えは、テレビとBDレコーダとの間で録画したファイルのやりとりをするとき、データの通路は、なんとLAN経由なのである。


4. 待機電力を少なくする配線

4.1 何本配線するのか

 ここまでで分かったことは、テレビとBDレコーダは、2台の機器であるが、相互に密接に関連していて、むしろ、二両連結の電車みたいなものだと考えなければならないということである。

 電車であれば、連結器の他に、ブレーキ用の圧搾空気ホース、電源ぐらいがつながっているだけだが、テレビとBDレコーダを繋ぐには、
 a)アンテナ線 地上波用
 b)アンテナ線 BS用
 c)LAN線
 d)HDMIもしくはD端子+オーディオ
 e)iLink 我が家の古いSTBを繋ぐため


と5種類ものケーブルを繋がなければならない。

 しかも、これらのケーブルが、単なる信号線ではなくて、お互いになんらかの制御を行っている。

 Panasonicの場合であれば、HDMIは「ビエラリンク」という制御にも使われていて、BDレコーダのスイッチを入れると、テレビのスイッチが自動的に入るようになっている。また、対応機器のリモコン一台で他の接続機器の操作がある程度可能になっている。


4.2 最初の配線図

 最初は、マニュアルにあるPanasonicの推奨配線を参考にしてこんな配線にした。


図1 最初の配線図

 当初、CATVの電波がどのようなものか、についての理解が不足していたので、メーカーの接続図では「分波器」となっているものを「分配器」に変える必要があって、ちょっとトラブルに遭遇。分配器を調達したら、きちんと動作した。

 しかし、この配線状態で、待機電力が少なくなるように、テレビとBDレコーダを設定しても、結果は上述の通りで、35.2Wもの待機電力であった。

 それなら、それぞれの機器の電源ケーブルを抜けばよいではないか、と考えた。実際には、いちいち抜くのも面倒なので、個別スイッチ付のテーブルタップを使った。



写真 テレビ台の中に設置した個別スイッチ付のテーブルタップの様子。ケーブルがグジャグジャ。

 ところが大トラブル発生BDレコーダの電源を落とすと、テレビも同時に電源が落ちてしまう。

 しかし、これも当たり前なのだ。それがビエラリンクの機能だからである。これを避けるのは簡単で、テレビに3つ付いているHDMI端子のうち、HDMI−1だけが、リンク機能を持っているので、HDMI−2を使ってBDレコーダに接続することにした。無事に、BDレコーダがOFFになって、当然、テレビはONのままである。

 ところが、またまた大トラブル発生である。「テレビが映らない!!」。アンテナからのシグナルがテレビに行っていないようだ。

 しかし、考えてみると、これも当然であるのかもしれない。地上デジタル用とBS用の2本のアンテナ線をBDレコーダのつなぎ、BDレコーダからテレビに接続されている。BDレコーダの内部では、恐らくブースターが動いていて、アンテナ信号強度を高めていると考えれば、納得できる。すなわち、BDレコーダは、常に電源が入っている、あるいは、待機状態でかなり多めの待機電力を使用しているということが前提で設計されている。

 となれば、テレビ、BDレコーダそれぞれに、分配器を通して、直接アンテナ線を繋げばよいことになる。

 ということで、配線図は次のように変更した。



図2 アンテナ線を直接分配した配線図


 これによって、どの機器の電源をオフにしても、お互いに影響が無い状況を作ることができた。と簡単に書いたのだが、実は、分配器は、最初に買ったものでは駄目で、調べなおして新しく「1入力4出力」のものを発注し、それが来るとテストをするということの繰り返しだった。相当に時間が掛かった。

5.現時点での運用状況

 結論として、システム全体として待機電力0.1Wを実現することは全く不可能だということが分かった。

 すなわち、節電を精一杯したつもりの使用状態でも、待機電力はカタログ値の350倍程度になってしまう。

 そこで、どうするのか考えた結果、「その時点で不要な機器への電源の供給を切る以外に方法は無いのではないか」、と結論した。

 そのため、個別スイッチ付のテーブルタップは設置したままにしておき、BDレコーダ、CATVのSTBは、不要なときには給電OFFをデフォルトとしている。実際のところ、この程度の消費電力にどこまで神経質になるべきか、運用はまあ適当にやる予定。

 これに加えて、壁面にあるコンセントに、次のようなコンセントスイッチを設置し、使わないときには、大元から切ることにした。プラグを抜けばよいではないか、と思われるかもしれないけれど、プラグを手で抜き差ししてスイッチ変わりにするのは、安全面から余り推奨できないことである。勿論、プラグを差しっぱなしにしておくことも、推奨ができないことではあるけれど。



写真 コンセントスイッチ


6. 想定されるトラブルとその回避法

 このような使用形態で、なんらかのトラブルが発生する恐れは無いのか。ほとんど無いと考えられるものの、唯一ありそうなことが、テレビ、BDレコーダのソフトの自動更新ができないかもしれないことである。

 深夜、ソフトウェアが自動的に更新されることを、実際目にしたことがある。消してあったテレビが自動的に立ち上がって、そしてしばらくして消えた。

 マニュアルを調べてみると、手動でソフトウェアが最新かどうかを調べて、アップデートするという方法論がある。

 現時点では、これを使えばよいのではないか、と思っている。パソコンほど、セキュリティー上の問題点が多くある訳ではないので、多分OKではないだろうか。


7. 結論

 待機電力がカタログ値の350倍にもなっているということは、全く想定外であった。やはり測定してみるまで分からない。

 多くのお宅でも、そんな状態なのではないか、と推測している。是非とも、なんらかの消費電力計を購入されて、テレビシステムの消費電力を測ることをお勧めしたい。もしも、測定データと機器の型番の情報をいただければ、本Webサイトで、まとめて公表をさせていただきたいと思っている。日本全体の消費電力を下げることができるかもしれない!!??

 この問題を解決したテレビシステムはどうなるべきなのか。解は簡単である。テレビとBDレコーダは一体化すべきなのである。ただし、多少問題がでる可能性がある。機械的な部品を持っているユニット(=BDのユニット)は、故障する可能性が高いことである。しかし、今なら、USBでの外付けを標準にすれば良いだけだろう。

 ただし、一体化しただけでは、問題は半分しか解決しない。もう半分は、「3.1 歴史を振り返る」で述べたソニーが一時期に採用した人感センサーをもっと活用することである。このところエアコンでは人感センサーが当たり前になっているように。

 テレビのリモコンの位置を常に検出しておいて、そのリモコンに人が近づいたら、深い眠りから覚めて、スタンバイモードに速やかに切り替えるといったことで、解決が可能だと考える。

 このような細かい心配りによる省エネは、日本人のマインドに合っている。これが大きな流れになれば、日本人向けの家電製品は、日本での開発が必須になってくる。日本家電が再興するためのシナリオの1ページが書けるのではないだろうか。

 それには、現時点での待機電力が、場合によるとテレビ本体の動作のために必要な電力とほぼ同程度になっているという事実を、メーカーは積極的に広報する必要があるだろう。

 いやいや、そうでもないかもしれない。待機電力の場合の究極の解決法が電源プラグを抜くことなので、やはり誰も買ってくれないのかもしれない。消費者のマインドが最終的には、やはり最大の問題なのだろうか。


付録: 消費電力計の奨め

 現在手持ちの消費電力計は、5種類ほどですが、お値段を考えると、サンワサプライのワットモニター TAP-TST8がアマゾンで2345円なので、お奨めです。精度はちょっと悪いかもしれませんが、±1.5W程度の測定精度はありそうな感じです。今回のような用途には十分でしょう。ただし、コンセントに直接差した状態だと、液晶画面が不出来なために数字が読めませんので、テーブルタップを併用することが必須です。

 値段を考えると、1kWh24円ぐらいしかしないのが電力ですので、消費電力計を買っても、2400円=100kWh分の消費電力が節約できないと、コストパフォーマンスが悪いと判断される方には、お奨めできません。10Wの電球を1万時間(1年2ヶ月弱)つけっぱなしにしても、電気代はちょうどワットモニターの価格ぐらいですから。

 しかも、テレビの場合でもそうですが、待機電力対策は、単にコンセントを抜けば完璧であることが分かっていますので。